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通行が許可されていない車道で起きた事故|基本過失割合を解説

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

免許取得の必要なく主婦や学生など誰でも気軽に乗ることができる自転車は非常に便利ですが、免許がないがゆえに交通ルールを把握することが意外と難しいです。

細心の注意を払っていたとしても、交通事故に遭ってしまうことも十分に考えられます。

万が一、交通事故に巻き込まれたとき、慰謝料や損害賠償の責任を決める為に過失の割合が重要になります。

特に、自転車と歩行者における交通事故の場合、自転車側の過失が高くなることが少なくありません。

今回は、自転車と歩行者間の事故の事例を取り上げ、どのような過失割合になるのかご紹介します。

歩行者と自転車間で起こりうる事故の状況

今回のケースは、車道を走行していた歩行者と自転車が衝突した事故についてです。

下の画像を御覧ください。

車道とは、車両(自動車や自転車、バイクなど)が通行するための場所として区分された道路のことです。

歩行者が車道を通行していた際に、同じく車道を走行していた自転車と衝突した事例になります。

歩行者と自転車での過失割合は?

今回の事例の場合、基本過失割合は歩行者が25%で自転車が75%になります。

なぜなら歩道と車道の区別のある道路において、歩行者は歩道を通行しなければならない旨が道路交通法で規定されているからです。

そのため歩行者にもある程度過失があるわけですが、高速で移動する自転車と歩行者とでは、自転車の方が事故を回避出来たとされやすいため、過失割合は自転車の方が大きくなってしまうことが多いです。

また、そもそも歩道がない場所や道路工事などで歩道が通行できないなどの理由によってやむを得えず車道を歩行している場合は、歩行者の過失が小さくなります。

もっとも歩行者は車道を通行することが許される場合であっても、走行してくる自転車に対して注意が必要です。

例外もありうるので注意

先ほどの事例では、基本過失割合で考えたときの場合になります。

事故が起こった際は、事故状況を確認して過失割合を協議し決定となるので、基本過失割合と異なるときもあります。

過失割合は当事者の話し合いで決まる

過失の割合は、任意ではあるが当事者間の話し合いの結果で決まります。

過失割合について当事者間で決定できなかった場合には裁判手続きを利用しますが、裁判手続き中でも和解をする場合には当事者間で決定します。

過失割合が決定する基準

過失割合は、どのような類型の事故かを決めた上で、特殊事情の有無で割合が決まります。

現場で道幅や道路標識、見通しの良さ、車道や歩道の状況、目撃情報や防犯カメラの情報などといったものを収集します。

また、交通事故の調査をした結果である実況見分調書の内容も調査の対象になります。

これらの基本情報から、過失割合を主張していくことになります。

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