

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。
目次
交通事故の逸失利益は示談金の中でも金額が大きくなりやすく、計算の前提しだいで差が生じやすいため、基本的な仕組みを理解しておくことが重要です。
逸失利益とは、事故がなければ将来得られたはずの収入の減少分をいいます。たとえば、後遺症が原因で従来どおり働けなくなった場合、本来見込めた収入との差額が損害となります。死亡事故では、将来にわたり得られたはずの収入そのものが対象です。
金額の算定では、事故前の年収を基礎とし、後遺障害の程度、労働能力が低下した割合、将来どの程度の期間働けたかなどを総合的に考慮します。単に現在の収入が減ったかどうかだけでなく、「将来どの程度の収入が見込めたか」という視点で評価する点が特徴です。
逸失利益と混同されやすいのが「休業損害」です。休業損害は、事故によるけがで働けなかった期間の収入減少を補うものであり、あくまで事故後から症状固定までの “過去の損害” を対象とします。一方、逸失利益は症状固定後や死亡後に発生する “将来の損害” を補うものです。
たとえば、事故後に3カ月仕事を休んだ場合、その期間の収入減少は休業損害として請求します。その後、後遺症が残って労働能力が低下した場合には、将来にわたる収入減少分として逸失利益が問題になります。
交通事故における逸失利益は、大きく「後遺障害逸失利益」と「死亡逸失利益」の2つに分けられます。
後遺障害逸失利益は、後遺症によって労働能力が低下した場合に認められるもので、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率や期間をもとに算定します。被害者が生存しているケースで問題になるのが特徴です。
一方、死亡逸失利益は、被害者が亡くなったことで将来得られたはずの収入が失われた場合に発生します。年収や年齢、生活費控除率などを考慮しながら、生涯の収入見込みを計算します。
事故当時に無職であっても、就労の意思と能力があれば逸失利益が認められる可能性があります。一方で、就労の見込みがない場合には基礎収入が認められず、請求が難しくなることがあります。
死亡逸失利益の場合は、上記のうち「収入の蓋然性」が重要な判断要素となります。将来にわたり収入を得られる見込みがあったと評価できれば、死亡時点以降に得られたはずの収入として逸失利益の請求が可能です。
過失相殺:被害者側にも事故の責任がある場合、その割合に応じて損害額が減額される
素因減額:既往症など事故前の事情が損害の拡大に影響したと評価された場合、その分が差し引かれる
弁護士基準(裁判基準)による後遺障害逸失利益の目安は、以下のとおりです。
| 等級 | 20歳 | 25歳 | 30歳 | 35歳 | 40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1〜3 | 8968 万円 | 1億754万円 | 1億1634万円 | 1億2025万円 | 1億1745万円 | 1億897万円 | 9270万円 | 8180万円 | 5297万円 |
| 4 | 8251万円 | 9893万円 | 1億703万円 | 1億1063万円 | 1億805万円 | 1億25万円 | 8529万円 | 7526万円 | 4873万円 |
| 5 | 7085万円 | 8495万円 | 9190万円 | 9499万円 | 9278万円 | 8608万円 | 7323万円 | 6462万円 | 4184万円 |
| 6 | 6009万円 | 7205万円 | 7794万円 | 8056万円 | 7869万円 | 7301万円 | 6211万円 | 5481万円 | 3549万円 |
| 7 | 5022万円 | 6022万円 | 6515万円 | 6734万円 | 6577万円 | 6102万円 | 5191万円 | 4581万円 | 2966万円 |
| 8 | 4035万円 | 4839万円 | 5235万円 | 5411万円 | 5285万円 | 4903万円 | 4171万円 | 3681万円 | 2383万円 |
| 9 | 3139万円 | 3764万円 | 4071万円 | 4208万円 | 4110万円 | 3814万円 | 3244万円 | 2863万円 | 1854万円 |
| 10 | 2421万円 | 2903万円 | 3141万円 | 3246万円 | 3171万円 | 2942万円 | 2503万円 | 2208万円 | 1430万円 |
| 11 | 1793万円 | 2150万円 | 2326万円 | 2405万円 | 2349万円 | 2179万円 | 1854万円 | 1636万円 | 1059万円 |
| 12 | 1255万円 | 1505万円 | 1628万円 | 1683万円 | 1644万円 | 1525万円 | 1297万円 | 1145万円 | 741万円 |
| 13 | 807万円 | 967万円 | 1047万円 | 1082万円 | 1057万円 | 980万円 | 834万円 | 736万円 | 476万円 |
| 14 | 448万円 | 537万円 | 581万円 | 601万円 | 587 万円 | 544万円 | 463万円 | 409万円 | 264万円 |
| 等級 | 20歳 | 25歳 | 30歳 | 35歳 | 40歳 | 45歳 | 50歳 | 55歳 | 60歳 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1〜3 | 8365万円 | 9436万円 | 9196万円 | 8837万円 | 8152万円 | 7377万円 | 6031万円 | 5092万円 | 3793万円 |
| 4 | 7696万円 | 8681万円 | 8460万円 | 8130万円 | 7500万円 | 6787万円 | 5549万円 | 4685万円 | 3489万円 |
| 5 | 6609万円 | 7455万円 | 7265万円 | 6981万円 | 6440万円 | 5828万円 | 4764万円 | 4023万円 | 2996万円 |
| 6 | 5605万円 | 6322万円 | 6161万円 | 5921万円 | 5462万円 | 4942万円 | 4041万円 | 3412万円 | 2541万円 |
| 7 | 4684万円 | 5284万円 | 5149万円 | 4949万円 | 4565万円 | 4131万円 | 3377万円 | 2852万円 | 2124万円 |
| 8 | 3764万円 | 4246万円 | 4138万円 | 3976万円 | 3668万円 | 3319万円 | 2714万円 | 2291万円 | 1706万円 |
| 9 | 2928万円 | 3302万円 | 3218万円 | 3093万円 | 2853万円 | 2582万円 | 2111万円 | 1782万円 | 1327万円 |
| 10 | 2258万円 | 2547万円 | 2483万円 | 2386万円 | 2201万円 | 1991万円 | 1628万円 | 1375万円 | 1024万円 |
| 11 | 1673万円 | 1887万円 | 1839万円 | 1767万円 | 1630万円 | 1475万円 | 1206万円 | 1018万円 | 758万円 |
| 12 | 1171万円 | 1321万円 | 1287万円 | 1237万円 | 1141万円 | 1032万円 | 844万円 | 713万円 | 531万円 |
| 13 | 752万円 | 849万円 | 827万円 | 795万円 | 733万円 | 663万円 | 542万円 | 458万円 | 341万円 |
| 14 | 418万円 | 471万円 | 459万円 | 441万円 | 407万円 | 368万円 | 301万円 | 254万円 | 189万円 |
上記の金額はあくまで一般的な目安であり、実際の逸失利益は収入状況や仕事内容、後遺障害の内容など個別事情を踏まえて算定します。
特に、後遺障害が12級13号や14級9号の神経症状に該当する場合(むちうちなど)には、労働能力喪失期間が10年または5年程度に制限されることもあるため、早見表どおりの金額にならないケースがあります。
後遺障害逸失利益は、「将来どの程度収入が減るのか」を数値化して算定します。基本的な計算式は決まっていますが、基礎収入や労働能力喪失率、喪失期間の評価によって金額が大きく変わります。
1年あたりの基礎収入額 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害逸失利益は、「基礎収入」「労働能力喪失率」「ライプニッツ係数」という3つの要素を組み合わせて算定します。
基礎収入額とは、逸失利益を計算する際の土台となる年間収入のことです。一般的には次のような資料をもとに評価されます。
このように、現在の収入がゼロであっても、将来働く見込みがあれば基礎収入が認められる可能性があります。
なお、賃金センサスとは、厚生労働省が毎年公表している「賃金構造基本統計調査」を指し、年齢・性別・学歴など別の平均賃金を確認できる統計資料です。
労働能力喪失率とは、事故によってどれだけ働く力が低下したかを割合で示したものです。基本的には後遺障害等級に応じて目安があり、等級が重いほど割合は高くなります。
| 後遺障害等級 | 労働能力喪失率 |
|---|---|
| 1〜3級 | 100% |
| 4級 | 92% |
| 5級 | 79% |
| 6級 | 67% |
| 7級 | 56% |
| 8級 | 45% |
| 9級 | 35% |
| 10級 | 27% |
| 11級 | 20% |
| 12級 | 14% |
| 13級 | 9% |
| 14級 | 5% |
裁判では個別事情を踏まえて割合が修正されることもあり、等級だけで機械的に決まるわけではない点に注意が必要です。
たとえば、顔に傷が残る醜状障害(しゅうじょうしょうがい)では、接客業・モデル・俳優・営業職など対人対応が中心となる職種の場合、外見の変化が心理的・客観的に業務へ影響すると評価されることがあります。その結果、等級自体は高くなくても、労働能力喪失率が引き上げられる可能性があります。
また、ピアニストや演奏家、職人など、指先の繊細な感覚や動きが不可欠な職業では、わずかな「しびれ」であっても演奏技術の低下や作業精度の悪化につながることがあります。職業との結びつきが強い場合には、症状の程度以上に労働への影響が大きいと評価されるケースもあります。
なお、民法改正により法定利率が見直された影響で、ライプニッツ係数も変更されています。保険会社の提示額が旧基準で算定されている場合もあるため注意が必要です。
後遺障害逸失利益は、同じ等級であっても年齢や職業、基礎収入の違いによって金額が大きく変わります。ここでは、会社員・専業主婦・自営業といった立場の異なるケースを例に、実際の計算方法をわかりやすく紹介します。
基礎収入額(年収)450万円 × 労働能力喪失率5%(14級)× 労働能力喪失期間(5年)に対応するライプニッツ係数4.580=103万500円
※ むちうち(後遺障害等級14級9号)の労働能力喪失期間は5年に限定されるケースが多いため、ここでは症状固定時の年齢から67歳までの年数ではなく、5年間として計算しています。
基礎収入額(年収) 414万8,700円 × 労働能力喪失率56%(7級)× 労働能力喪失期間(37年)に対応するライプニッツ係数22.167=5,149万9,970円
※ 基礎収入は賃金センサスにおける女性(30〜34歳)の平均賃金です。
基礎収入額(年収)1000万円 × 労働能力喪失率100%(3級)× 労働能力喪失期間(27年)に対応するライプニッツ係数18.327=1億8,327万円
次に、死亡逸失利益の計算方法と計算例を解説します。
1年あたりの基礎収入額 × (1− 生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
死亡逸失利益の場合、「労働能力喪失率」ではなく「生活費控除率」を考慮して具体的な金額を算出します。
後遺障害逸失利益で説明した内容と同様です。
死亡逸失利益では、後遺障害逸失利益とは異なり、「本来であれば被害者自身の生活のために使われていた支出」を考慮する必要があります。
被害者が生存していれば日々の生活費が発生していたはずですが、死亡事故では将来の生活費は実際には支出されません。そのため、逸失利益を算定する際には、将来の収入から生活費相当分を差し引く考え方が採用されています。
もっとも、将来の具体的な生活費を個別に計算することは現実的ではありません。そこで実務では「生活費控除率」という割合を用いて、収入の中から生活費に相当する部分を控除する方法が一般的です。生活費控除率とは、収入のうち本人の生活維持に充てられると考えられる割合を指し、被害者の立場や家族構成などに応じて一定の目安が用いられています。
| 被害者の立場・属性 | 被害者の立場・属性 | 生活費控除率 |
|---|---|---|
| 男性(独身者や幼児) | 50% | |
| 女性(主婦・独身者・幼児) | 30% | |
| 一家の支柱 | 被扶養者が1人 | 40% |
| 被扶養者が2人以上 | 30% | |
| 年金受給者 | 50%〜80% | |
死亡逸失利益の場合、死亡時の年齢から67歳までの期間を就労可能年数として計算します。
ここでは、理解を深めるために、独身者と扶養家族がいるケースを例に計算の考え方を紹介します。
1年あたりの基礎収入額500万円 × (1−生活費控除率0.5) × 就労可能年数(47年)に対応するライプニッツ係数25.025 =6,256万2,500円
1年あたりの基礎収入額700万円 × (1−生活費控除率0.3) × 就労可能年数(37年)に対応するライプニッツ係数22.167 =1億861万8,300円
逸失利益は、基礎収入や後遺障害等級、労働能力喪失期間などの評価によって大きく変わります。保険会社の提示額がそのまま適正とは限らないため、どの部分を見直すべきかを理解しておくことが重要です。
ここでは、逸失利益の増額につながりやすい代表的なポイントを解説します。
逸失利益の計算では基礎収入が出発点となるため、この評価が低いと最終的な賠償額も小さくなります。保険会社は事故前年の収入を基準にすることが多いですが、昇給の可能性や歩合給、副業収入などが考慮できる場合もあります。会社員であれば各種手当や残業代、自営業者であれば事業の実態なども含めて検討し、実際の働き方に近い金額を主張することが大切です。
後遺障害逸失利益では、認定された等級によって労働能力喪失率が大きく変わります。そのため、症状に見合った等級が認定されるかどうかが金額に直結します。通院状況や検査結果、仕事への影響などを具体的に整理し、医学的な裏付けをもとに等級認定の申請をすることが重要です。資料が不足していると本来より低い評価になる可能性があるため、早い段階から準備を進める必要があります。
逸失利益は労働能力の喪失率だけでなく、喪失期間の長さによっても金額が大きく変わります。保険会社から短い期間を前提とした提案が出ることがありますが、仕事内容や症状の内容によってはより長い期間の影響が認められる場合もあります。医学的見解や裁判例を踏まえ、提示された期間が妥当かどうかを慎重に検討することが大切です。
交通事故の賠償額は算定基準によって大きく変わります。保険会社の提示額は任意保険基準を前提とすることが多く、裁判基準より低くなる傾向があります。弁護士基準をもとに交渉を進めることで、基礎収入や喪失期間の評価が見直され、逸失利益を含む賠償額全体の増額につながる可能性があります。提示内容に疑問がある場合は、示談を急がず算定の根拠を確認することが重要です。
逸失利益は示談金の中でも金額が大きくなりやすい項目ですが、算定の前提や交渉の進め方によって結果が大きく変わります。保険会社から提示された金額をそのまま受け入れてしまうと、本来受け取れるはずの賠償額より低くなる可能性もあります。
ここでは、逸失利益を請求する際に押さえておきたい注意点を解説します。
保険会社の初回提示は任意保険基準など独自の基準で算定されることが多く、結果として相場より低い金額になる傾向があります。特に逸失利益は、基礎収入や労働能力喪失期間の評価しだいで差が出やすいため、提示額の計算根拠を確認することが重要です。内容を十分に理解しないまま示談を進めると、後から修正することが難しくなる点にも注意が必要です。
交通事故の損害賠償請求には期限があり、この期間を過ぎると原則として請求権が失われます。
| 加害者が判明している場合 | 後遺障害を伴う人身事故 | 症状固定日の翌日から5年 |
|---|---|---|
| 死亡事故 | 死亡日の翌日から5年 | |
| 加害者が不明の場合 | 後遺障害を伴う人身事故 死亡事故 | 事故日から20年間(※) |
保険会社による一部の支払いがあった場合や、具体的な示談案が提示された場合などには、時効の進行に影響が生じることもあります。
逸失利益の算定では、収入資料の評価や医学的な判断、裁判例を踏まえた主張など専門的な知識が求められます。保険会社は交通事故対応に慣れているため、個人で交渉を進めると不利な条件のまま話がまとまることも少なくありません。提示額に疑問がある場合は、算定の前提を確認したうえで専門家へ相談し、適切な主張ができる体制を整えることが重要です。
交通事故の逸失利益は、すぐに受け取れるものではなく、一定の手続きを経てはじめて支払いに至ります。後遺障害が残った場合と死亡事故とでは進み方に違いがありますが、一般的には次のような流れで進みます。
後遺障害が残る場合には治療期間が長期化しやすく、逸失利益で揉めるケースも多いです。そのため、示談金を受け取れるまでに1年以上かかるケースも珍しくありません。早めに受け取りたい場合には、弁護士に依頼して交渉をスムーズに進めるのがおすすめです。
逸失利益は計算方法が複雑で、基礎収入や後遺障害等級、労働能力喪失期間などの評価によって金額が大きく変わります。保険会社から提示された内容に疑問があっても、専門的な知識がないまま交渉を進めるのは簡単ではありません。
ここでは、逸失利益の金額に納得できない場合に弁護士へ相談・依頼する主なメリットを解説します。
逸失利益の算定では、労働能力喪失期間がどの程度認められるかが重要なポイントになります。保険会社からは極端に短い喪失期間を主張されることもありますが、仕事内容や症状の内容によっては長期間の影響が認められるケースもあります。弁護士が関与することで、医学的資料や過去の裁判例を踏まえた主張が可能となり、不利な条件で話が進むリスクを抑えやすくなります。
示談交渉では、逸失利益だけでなく入通院慰謝料や後遺障害慰謝料、休業損害など複数の損害項目を総合的に検討する必要があります。個人で対応していると、請求できる項目を見落としてしまうことも少なくありません。弁護士へ依頼することで、事故の状況や資料をもとに賠償項目を整理し、適切な範囲で漏れなく請求できる体制を整えやすくなります。
交通事故の賠償額には複数の算定基準があり、保険会社の提示額は任意保険基準を前提とすることが多くあります。弁護士が介入することで、弁護士基準(裁判基準)を前提とした交渉が可能となり、逸失利益を含む賠償額全体の見直しにつながります。提示された金額の根拠を検討しながら交渉を進められる点は大きなメリットです。
交通事故後の対応は、通院や仕事、生活への影響と並行して進める必要があり、大きな負担となることがあります。保険会社とのやり取りや書類準備を自分だけで行う場合、精神的なストレスを感じる方も少なくありません。弁護士へ依頼することで、交渉や手続きを任せながら治療や生活に集中しやすくなり、安心して解決を目指すことにつながります。
保険会社は民間企業としての利益を意識しながら賠償額を算定するため、逸失利益のように高額になりやすい項目では、保険会社独自の基準を用いて金額を算出します。その結果、初回の提示額は相場より低い水準になりやすい傾向があります。
事故時に収入がなかった場合でも、将来働く見込み(収入の蓋然性)が認められれば逸失利益が認められる可能性があります。学生や専業主婦(主夫)の場合は、賃金センサスにおける平均賃金などを基準として算定されることがあります。ただし、就労の可能性が低いと判断される場合には認められないこともあるため、個別の事情が重要になります。
転職や昇進が予定されていた場合、その内容が客観的に確認できるかどうかがポイントになります。内定通知や具体的な雇用条件が示されている場合には、新しい収入水準を基礎収入として評価できる余地があります。一方で、抽象的な予定だけでは反映が難しいこともあるため、証拠資料の有無が重要です。
雇用形態にかかわらず、継続的に収入を得ていた場合には逸失利益の対象となります。勤務日数や収入状況をもとに基礎収入が算定され、労働能力の低下が認められれば請求が可能です。シフト制で収入が変動する場合でも、一定期間の平均収入を参考に評価されることがあります。
高齢であっても、実際に働いている場合や働く可能性があると評価できる場合には、逸失利益が認められることがあります。一般的には67歳までを目安に労働能力喪失期間が検討されることが多いですが、67歳を超えている場合でも直ちに否定されるわけではありません。
たとえば、症状固定時の年齢が67歳以上であっても、平均余命までの期間の2分の1程度を労働能力喪失期間として評価し、逸失利益の請求が認められるケースもあります。ただし、67歳未満の場合と比べると逸失利益が否定されたり、期間が短く評価されたりする可能性も高いため、就労状況や生活実態を踏まえた個別の検討が重要です。
副業収入や歩合給も、継続的に得ていたことが確認できれば基礎収入に含められる可能性があります。ただし、一時的な収入や証明が難しい収入については評価が限定されることもあります。
交通事故の逸失利益は、基礎収入や後遺障害等級、労働能力喪失期間など多くの要素によって金額が大きく変わる、専門性の高い損害項目です。保険会社の提示額が必ずしも適正とは限らず、前提条件の違いによって受け取れる金額に差が生じることもあります。
適切な賠償を目指すためには、早い段階から算定の根拠を確認し、疑問がある場合は交通事故に詳しい弁護士へ相談することが重要です。専門家のサポートを受けながら進めることで、納得できる解決につながりやすくなります。
「VSG弁護士法人」では、交通事故について無料相談を実施中です。交通事故の被害者として泣き寝入りしないためにも、まずはお気軽にご相談ください。

人身事故の罰金・罰則と違反点数は?物損事故との違いや事故後の対応も解説
バイク事故の死亡率はなぜ高い?原因や事故時の対処法を解説
危険運転致死傷罪とは?初犯でも実刑はある?量刑や判例を解説
自転車と自動車の事故の過失割合はどう決まる?事故状況の例と併せて解説
交通事故証明書の3つの申請方法や注意点をわかりやすく解説!申請できる人や期限に要注意
交通事故における少額訴訟の費用と手順
「免停通知はいつ届く?」違反点数・罰金や免許停止期間・講習の流れ等を解説
都内の自転車事故による死亡事故統計 事故に遭わないために知っておくべき交通ルール
もらい事故にあったら利用すべき「弁護士特約」とは?理由や流れを説明