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最終更新日:2025/2/20

遺産分割協議書作成時の必要書類一覧|取得方法や必要な相続手続きの種類も解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

ベンチャーサポート司法書士法人 司法書士 昭和62年生まれ、香川県出身。

相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

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遺産分割協議書作成時の必要書類一覧|取得方法や必要な相続手続きの種類も解説

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被相続人(亡くなった人)の遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分割方法を話し合い、遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺産分割協議書を作成するときは、被相続人の戸籍謄本や住民票の除票などが必要となります。また、預貯金口座の残高証明書や不動産の登記簿謄本など、被相続人が所有する財産によって必要書類が異なるため、正しく理解しておきましょう。

この記事では、遺産分割協議書を作成するときに必要な書類や取得方法、遺産分割協議書が必要となる相続手続きについてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 遺産分割協議書とは
  • 遺産分割協議書の作成時に必要な書類一覧と取得方法
  • 遺産分割協議書が必要な相続手続き
  • 遺産分割協議書の必要書類を用意するときの注意点

遺産分割協議書とは

遺産分割協議書とは、相続人全員で遺産分割協議(遺産の分け方の話し合い)を行い、その合意内容をまとめた書類のことです。

誰が、何を相続するのかを遺産分割協議書に記載し、相続人全員で署名捺印することで、「自分は納得していない」などの後々の相続トラブルを防止できます。

被相続人の遺言書がない場合、金融機関での預貯金の相続手続きや、法務局での不動産の相続登記などで遺産分割協議書が必要となります。

なお、以下のようなケースでは、遺産分割協議書がなくても相続手続きを進められます。

  • ・遺言書がある場合
  • ・遺言書で遺産分割協議の禁止を指定している場合
  • ・相続人が1人しかいない場合
  • ・相続財産を法定相続分どおりに分割する場合

相続人全員の合意を明確にしたいときは、相続手続きにおいて遺産分割協議書が不要であっても作成することをおすすめします。

作成前に遺言書の有無を確認する必要がある

遺産分割協議書を作成する際は、必ず遺言書があるかどうかを確認しましょう。遺言書がある場合、原則として遺言書の内容どおりに遺産分割しなければなりません。

遺言書は、被相続人の自宅に保管されているケースが多く、金庫や鍵付きの引き出し、仏壇などを探すと見つかることがあります。

被相続人が、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、あらかじめ指定された相続人に法務局から通知が届きます。

公正証書遺言を作成している場合、被相続人は公証役場から正本や謄本を受け取っていますが、被相続人の自宅などを探しても見つからないときは、公証役場で原本が保管されているので、公証役場に問い合わせて遺言書の有無を確認しましょう。

遺言書を作成する際に、専門家のサポートを受けている場合は、弁護士税理士などの事務所に保管されているケースもあります。

遺産分割協議書に期限はないが相続税の申告期限に注意する

遺産分割協議書に作成期限はありませんが、相続税が発生する可能性がある場合は、相続税の申告期限に注意が必要です。

相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」であり、申告期限までに遺産分割協議がまとまらず、遺産分割協議書を作成して相続税の申告をすることができない場合には、「配偶者の税額軽減(相続税の配偶者控除)」や「小規模宅地等の特例」などの適用を受けることができません。

また、相続税の申告期限を過ぎると、ペナルティとして延滞税なども課されるため、遺産分割協議が長期化する場合は、申告期限までに未分割で申告を行う必要があります。

未分割申告とは、いったん法定相続分どおりに遺産分割したものとして相続税の申告書を作成し、申告期限までに税務署に申告書の提出と納税をすることです。このとき、「申告期限後3年以内の分割見込書」も提出することで、未分割申告では適用を受けられない「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などを、3年以内に遺産分割協議が成立した際に、相続発生時に遡って適用を受けることができます。

遺産分割協議が成立し各自の相続税が確定したときは、修正申告や更正の請求を行い、本来の税額に訂正します。

遺産分割協議書の作成時に必要な書類一覧と取得方法

遺産分割協議書の作成時には、以下のような必要書類を用意します。

必要な書類一覧と取得方法
必要書類 入手先 費用
被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍謄本等(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本) 本籍地の市区町村
(広域交付により最寄りの市区町村に請求可能)
1通450~750円
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 住民票の除票:住所地の市区町村
戸籍の附票:本籍地の市区町村
(広域交付の対象外)
1通300円
相続人全員の戸籍謄本または抄本 本籍地の市区町村
(広域交付により最寄りの市区町村に請求可能)
1通450円
相続人全員の印鑑登録証明書および実印 印鑑登録証明書:住所地の市区町村 1通200~300円
財産目録 自分たちで作成
預貯金口座の通帳、残高証明書 残高証明書:金融機関 1通1,000円程度
不動産の登記簿謄本(全部事項証明書) 最寄りの法務局 1通480~600円

戸籍謄本や印鑑登録証明書などは、預貯金の相続手続きや不動産の相続登記などに共通して必要となる書類です。

必要書類の取得方法や、戸籍の種類は以下を参考にしてください。

被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等

遺産分割協議書を作成するときは、被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍謄本が必要となります。

たとえば、被相続人が亡くなったときの戸籍謄本(除籍謄本)のみの取得では、被相続人に離婚歴があることや、元配偶者との間に子どもが生まれていることに気付かない可能性があります。元配偶者に相続権はありませんが、実子は法定相続人になるため、必ず遺産分割協議に参加しなければなりません。

法定相続人を1人でも欠いていると、遺産分割協議書が無効になるため、必ず被相続人のすべての戸籍謄本を取得して法定相続人を確認する必要があります。

なお、戸籍謄本を取得する目的は「法定相続人の確定」ですが、相続手続きにおいては、被相続人の死亡の事実も確認されます。

では、戸籍謄本の種類や、具体的な取得方法を見ていきましょう。

戸籍謄本

戸籍謄本とは、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものです。現在の戸籍は、夫婦と未婚の子どもによって構成されており、コンピュータ化されている戸籍謄本は戸籍全部事項証明書といいます。

ただし、被相続人が亡くなったときの戸籍謄本だけでは相続人の特定には不十分ですので、次に記載している除籍謄本・改製原戸籍謄本も必要となります。

除籍謄本

除籍謄本とは、戸籍に記録された人が結婚や離婚、養子縁組や死亡などの理由により、すべてが除かれた状態の戸籍の写しのことです。

被相続人が結婚や転籍をしている場合は、結婚前や転籍前の除籍謄本も必要になります。

なお、コンピュータ化されている戸籍の場合は除籍全部事項証明書といいます。

改製原戸籍謄本

被相続人が高齢の方である場合、被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍に、改製原戸籍謄本が含まれることがあります。

改製原戸籍謄本とは、戸籍法の改正に伴い、新たな様式の戸籍が作成された場合の改正前の戸籍謄本のことです。

戸籍法改正で戸籍謄本の様式が変わった場合、改正前の戸籍情報がすべて反映されていないこともあるため、転籍などを改製原戸籍謄本で確認する必要があります。

戸籍謄本等の取得方法

これまで戸籍謄本の請求窓口は、本籍地の市区町村役場のみであったため、結婚や転籍、離婚などによって本籍地の変更があると複数の市区町村役場に請求する必要があり、戸籍謄本の収集にかなりの時間を要していました。

しかし、2024年3月1日から戸籍証明書等の広域交付制度が始まり、本籍地以外の最寄りの市区町村役場でも被相続人の戸籍謄本を取得できるようになりました。

参考:戸籍法の一部を改正する法律について(法務省)

戸籍証明書等の広域交付制度によって、戸籍謄本を請求するときは、市区町村役場の窓口で「被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍が必要」と伝えると、除籍謄本・改製原戸籍謄本も含めたすべての戸籍謄本等を取得できます。

除籍謄本や改製原戸籍謄本には手書きのものもあり、内容を読解するのが難しい場合があるので、氏名や本籍地などがわからないときは、相続の専門家に相談するとよいでしょう。

被相続人の住民票の除票または戸籍の附票

住民票の除票とは、住民登録の情報が抹消された住民票のことです。被相続人の死亡届を市区町村役場に提出すると、住民票に「除票」の文字が追記されます。

遺産分割協議書を作成するときは、被相続人の住所や本籍地を正確に記載します。本籍地がわからないときは、住民票の除票で確認できます。また、戸籍証明書等の広域交付制度を利用して戸籍謄本を請求するときも、請求書類に被相続人の本籍地を記入する必要があるため、最初に住民票の除票を取得するとよいでしょう。

戸籍の附票には、今までの住所の履歴が記載されており、本籍地のある市区町村役場に請求します(広域交付の対象外)。

不動産の相続登記の申請では、被相続人の登記上の住所が、戸籍謄本等に記載された本籍と異なる場合に、住民票の除票または戸籍の附票も必要となります。

相続人全員の戸籍謄本または抄本

相続人全員の戸籍謄本または抄本は、法定相続人の生存を確認するために必要となります。

遺産分割協議書の作成においては不要ですが、その後の相続手続きで提出する必要があるため、早めに取得しておくとよいでしょう。被相続人と相続人全員の戸籍謄抄本を同時に取得すると、市区町村役場に何度も出向く手間が省けます。

なお、被相続人の死亡がわかる戸籍謄本に相続人が記載されている場合、その相続人については現在の戸籍謄抄本を取得する必要はありません。

相続人全員の印鑑登録証明書

遺産分割協議書の作成において、法律上は印鑑の規定がなく、認印でも有効となりますが、「勝手に押印された」などの後々のトラブルを防止するためにも、実印での押印が望ましいでしょう。

なお、金融機関での相続手続きや不動産の相続登記などでは、相続人全員が署名して実印を押した遺産分割協議書の提出が必要となります。遺産分割協議が成立したことを相続人全員の印鑑登録証明書と照合して確認するために、相続人全員の印鑑登録証明書の提出も求められるので、早めに取得しておくとよいでしょう。

財産目録

財産目録とは、相続財産を一覧にまとめたもので、財産目録を作成しておくと、遺産分割協議がスムーズに進みます。

遺産分割協議書を作成する上で必須となる書類ではありませんが、財産目録がない場合、他の相続人から「すべての財産を明らかにしないと話し合いができない」といわれる可能性もあります。特に、相続財産の種類が多い場合は、財産目録を作成することで「○○について話し合っていなかった」などの抜け漏れを防止できるでしょう。

財産目録を作成するときは、預貯金であれば金融機関名や支店名、口座種別、口座番号、相続発生時の残高などを記載してください。

不動産の書き方や評価額などがわからないときは、相続専門の税理士等に相談するとよいでしょう。

相続財産に応じて遺産分割協議書の作成時に必要な書類

遺産分割協議書には財産の内訳を正確に記載する必要があるため、相続財産に預貯金や不動産が含まれるときは、預貯金口座の残高証明書や不動産の登記簿謄本などを用意する必要があります。

預貯金が相続財産に含まれる場合

相続財産に預貯金が含まれる場合は、遺産分割協議書を作成するときに、預貯金口座の通帳や残高証明書を用意しましょう。

被相続人の預貯金は、被相続人が亡くなった日の残高を分割対象とし、分割割合や金融機関名、支店名、口座番号などを遺産分割協議書に記載します。

残高証明書の発行手数料は、金融機関ごとに異なりますが、1通あたり770~1,100円(税込)程度で取得できます。

必ずしも遺産分割協議書に預貯金口座の残高を記載する必要はありませんが、遺産分割協議で誰がどれだけ相続するのかを円滑に決めたり、相続税の申告書を作成したりするためにも、早めに残高証明書を取得しておくとよいでしょう。

なお、満期前の定期預金がある場合は、被相続人が亡くなった日までの利息を計算した「既経過利息計算書」も取り寄せてください。

不動産が相続財産に含まれる場合

相続財産に不動産(土地や建物など)が含まれる場合は、遺産分割協議書を作成するときに、以下の書類を用意しておくとよいでしょう。

法務局で取得できる書類

  • 登記簿謄本(全部事項証明書)(1通あたり480~600円)
  • 公図(1通あたり430~450円)
  • 地積測量図(1通あたり430~450円)

市区町村役場で取得できる書類

  • 固定資産評価証明書(1通あたり200~400円程度)

登記簿謄本を取得すると、不動産の所有権や抵当権など権利関係を確認できます。

土地の形状や地積(面積)、隣地との接し方、評価額などは、公図や地積測量図、固定資産評価証明書を取得することで確認できます。これらの書類は、相続税の申告において土地の財産評価をする際にも必要となりますので、早めに取得しておくとよいでしょう。

また、相続によって土地を分筆する(1つの土地を複数の土地に分ける)場合は、その後の相続登記において、地積測量図(境界確定測量が完了した後のもの)を遺産分割協議書に添付する必要があります。

相続時の状況に応じて遺産分割協議書の作成時に必要な書類

遺産分割協議は相続人全員が参加して行いますが、相続放棄をした人ははじめから相続人ではなかったとして扱われるため、遺産分割協議に参加する必要はありません。

遺産分割協議書を作成するときは、相続放棄があった場合など、状況に応じて必要書類を揃えます。

相続放棄をした人がいる場合

相続人の中に相続放棄をした人がいる場合、遺産分割協議書を作成するときに「相続放棄申述受理通知書」または「相続放棄申述受理証明書」を用意してもらうとよいでしょう。

相続財産は、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産も含まれます。相続放棄をした人は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継がないため、相続放棄があったときは、相続放棄者以外の相続人が借入金の返済義務を引き継ぐことになります。

ただし、相続放棄をする人が家庭裁判所での相続放棄の申述の手続きをしていなかったり、相続放棄が認められていなかったりする場合は、単なる「相続の辞退」になるため、借入金の返済義務などは免除されません。また、家庭裁判所から相続放棄が認められていないにもかかわらず、遺産分割協議に参加していない場合は、作成した遺産分割協議書が無効となります。

そのため、家庭裁判所から送付された相続放棄申述受理通知書を提示してもらい、相続放棄の事実を確認しておくことをおすすめします。相続放棄をした人が相続放棄申述受理通知書を紛失している場合は、家庭裁判所で相続放棄申述受理証明書を取得するように依頼するとよいでしょう。

遺産分割協議書が必要な相続手続き

被相続人の遺言書がない場合、金融機関での預貯金の払い戻しや不動産の相続登記などで遺産分割協議書が必要となります。

遺産分割協議書が必要な相続手続き

  • 相続登記
  • 預貯金の払い戻し
  • 有価証券の名義変更
  • 相続税の申告

相続登記

相続登記とは、被相続人の所有していた不動産の名義を、相続によって取得した相続人の名義に変更することです。

土地や建物などの不動産を相続したときは、遺言書がない場合、法務局に遺産分割協議書を提出して相続登記をします。相続登記には登録免許税もかかるため、固定資産税の課税明細書、または固定資産評価証明書を確認しておきましょう。

相続登記の登録免許税:固定資産税評価額×税率0.4%

登録免許税は、現金または収入印紙で納付しますが、オンラインで申請した場合は、ネットバンキングによる電子納付も可能です。

2024年4月1日から相続登記は義務化されたため、遺産分割協議が成立したときは、必ず3年以内に相続登記の申請をしましょう。

預貯金の相続手続き

被相続人の預貯金を相続するには、遺言書がない場合は遺産分割協議書が必要となります。

たとえば、複数の相続人で1つの預貯金口座を相続する場合、遺産分割協議書に従って各相続人の口座に金融機関から払戻金が振り込まれるケースと、金融機関から代表相続人の口座に払戻金が振り込まれ、その後に代表相続人から他の相続人へ分配する流れとなるケースがあります。

預貯金の相続手続きでは、遺産分割協議書だけでなく、通帳やキャッシュカードも準備しておきましょう。

相続手続きの専用ダイヤルがある場合、戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要書類を案内してもらえます。金融機関ごとに相続手続きの流れが異なるため、事前に確認しておきましょう。

なお、被相続人が亡くなったことを金融機関が把握すると、被相続人の預貯金口座は凍結されるため、入出金や口座振替などはできなくなります。被相続人の預貯金口座から公共料金などが引き落とされているときは、あらかじめ相続人名義の口座に契約変更するとよいでしょう。

有価証券の名義変更

遺言書がない場合、相続で取得した株式などの有価証券の名義変更には、遺産分割協議書の写しが必要となります。

上場株式を相続する場合は、証券口座で管理されているため、証券会社に被相続人が亡くなったことを伝えると、相続手続きの必要書類を案内してもらえます。

基本的には相続人名義の証券口座への移管になるため、相続人が証券口座を保有していないときは口座開設も必要となります。

証券会社によっては、直接、他の証券会社の証券口座へは移管できず、いったん被相続人と同じ証券会社の証券口座へ移管する必要があるので、事前に確認しておきましょう。

非上場株式を相続する場合は、発行会社に必要書類や手続きの流れを確認してください。

相続税の申告

遺言書がない相続では、相続税の申告の際に遺産分割協議書の写しを提出します。

相続税の課税対象となる財産の合計額が、相続税の基礎控除額を超える場合、「相続開始を知った日の翌日から10カ月以内」に相続税の申告をしなければなりません。

相続税の基礎控除額:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

なお、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などの適用を受けることによって、納付額が0円になる場合でも相続税の申告は必要です。

小規模宅地等の特例の適用を受ける際は、誰が相続するかなどによって必要書類が異なるため、準備する書類がわからないときは税理士に相談するとよいでしょう。

不動産や非上場株式などの財産評価は複雑なため、相続税の申告が必要なときは、税理士に依頼することをおすすめします。

遺産分割協議書の必要書類を用意するときの注意点

遺産分割協議書を用いて相続手続きを行う場合、遺産分割協議書以外にも、戸籍謄本などの書類が必要となります。

また、遺産分割協議を行って、遺産分割協議書を作成する際は、以下のようにさまざまな注意点があります。遺産分割協議書が必要となる相続手続きを円滑に進められるように、詳しく解説します。

遺産分割協議書の必要書類を用意するときの注意点

  • 自筆証書遺言が見つかったときは検認が必要
  • 遺言書があっても遺産分割協議が必要なケースがある
  • 戸籍謄本や印鑑登録証明書などの必要部数を把握する
  • 相続人に未成年者がいるときは特別代理人を選任する
  • 相続税が発生するときは申告に必要な書類も用意する

自筆証書遺言が見つかったときは検認が必要

遺言書がある場合は、原則として遺言内容に沿って遺産を分けるため、遺産分割協議書を作成する必要はありませんが、被相続人の自宅などから自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかったときは、開封せずに家庭裁判所の検認を受ける必要があります。

万が一、検認を受けずに遺言書を開封すると、一部の相続人にとって望ましくない遺言内容だった場合に、開封した人による「改ざん」などを疑われてしまう可能性もあります。

なお、遺言書の検認を受けずに開封すると、5万円以下の過料の対象となります。

第1005条(過料)

前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

引用元 民法|e-Gov法令検索

また、金融機関などで相続手続きを行う際は、公正証書遺言や法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する自筆証書遺言を除いて、家庭裁判所の検認済証明書も必要となるので、忘れずに遺言書の検認を受けて、検認済証明書の申請をしましょう。

遺言書があっても遺産分割協議が必要なケースがある

遺言書がある場合は、原則として遺言内容に沿って遺産分割を行いますが、以下のケースでは、遺産分割協議および遺産分割協議書の作成が必要となります。

遺言書があっても遺産分割協議が必要なケース

  • 遺言書に記載のない財産が見つかった場合
  • 包括遺贈だった場合
  • 遺言書が無効だった場合
  • 相続人全員の合意により遺言内容と異なる遺産分割を行う場合

遺言書に記載のない財産が見つかった場合は、遺言書に「本遺言書に記載した財産以外に、遺言者の有する財産があった場合、そのすべてを〇〇に相続させる」のように記載されていない限り、記載のない財産については遺産分割協議によって分割方法を決め、遺産分割協議書を作成します。

包括遺贈は、「財産の3分の1を〇〇に遺贈する」のように相続財産の取得割合のみを遺言書で指定して行う遺贈であるため、具体的に誰がどの財産を取得するのかを、遺産分割協議で決める必要があります。

同様に、遺言書が無効の場合や、相続人全員の合意により遺言内容と異なる遺産分割を行う場合は、相続人全員による遺産分割協議の上、遺産分割協議書を作成します。

戸籍謄本や印鑑登録証明書などの必要部数を把握する

遺産分割協議書を用いて相続手続きを行うときは、あらかじめ、必要となる戸籍謄本や印鑑登録証明書などの部数を把握しておきましょう。

相続登記などの手続きでは、原本還付を請求しない限り、提出書類は返還されません。原本還付の請求を忘れると、次の相続手続きを進める際に戸籍謄本などを再取得しなければならないでしょう。

相続手続きに必要な戸籍謄本や印鑑登録証明書などの有効期限は、金融機関ごとに発行日から3カ月や6カ月以内のように期限が定められていることがありますので、事前に有効期限を確認しておきましょう。なお、除籍謄本や改製原戸籍謄本は記載内容が変わらないため、有効期限はありません。

必要となる戸籍謄本が膨大な量になるときは、「法定相続情報一覧図」の作成も検討するとよいでしょう。戸籍情報をもとに法定相続情報一覧図を作成し、法務局の認証を受けると、戸籍謄本等の代わりとして相続手続きで使用できます。

相続人に未成年者がいるときは特別代理人を選任する

18歳未満の未成年者は法律行為が制限されており、たとえ遺産分割協議書に署名捺印したとしてもその遺産分割協議書を使うことはできません。

通常、親権者(父母など)が未成年者の法定代理人として遺産分割協議に参加しますが、親権者も相続人である場合は、未成年者と親権者に利益相反の関係が生じます。

たとえば、母親と未成年者である子どもが相続人である場合に、母親がより多くの相続財産を取得したいと考えると、子どもの取得分を少なくすることに繋がります。

このような利益相反行為では、親権者は未成年者の法定代理人となれないため、家庭裁判所で選任された特別代理人が遺産分割協議に参加します。

特別代理人には資格要件がなく、家庭裁判所に選任を申し立てる際は、相続権のない親族や弁護士などを候補者にしても構いません。なお、最終的には、家庭裁判所の判断で特別代理人が選任されます。

相続税が発生するときは申告に必要な書類も用意する

相続税の課税対象となる財産の合計額が、相続税の基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人の数))を超える場合、相続税の申告が必要となります。

相続税の申告では、申告内容に応じて、遺産分割協議書だけでなく、以下のような書類が必要となります。

相続税の申告に共通して必要な書類

  • 相続人のマイナンバーを確認できる書類(マイナンバーカード、通知カードなど)
  • 相続人の身元確認書類(運転免許証など)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続する戸籍謄本

適用を受ける特例や税額控除に応じて必要な書類

  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 被相続人が養護老人ホームに入居した際の契約書
  • 申告期限後3年以内の分割見込書 など

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などの適用を受ける場合は、相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)も必要となります。

また、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合において、被相続人が養護老人ホームに入居していたときは、施設への入居時の契約書の写しなどを提出する必要があります。

なお、相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまらないときは、いったん法定相続分どおりで遺産分割したものとして相続税の申告書を作成し、申告期限後3年以内の分割見込書も忘れずに提出しましょう。

遺産分割協議書の作成や必要書類については専門家に相談しよう

遺産分割協議書を作成するときは、必要書類を早めに準備しておきましょう。

2024年3月1日から始まった戸籍証明書等の広域交付制度により、被相続人の戸籍謄本を本籍地以外の最寄りの市区町村役場でも取得できるようになりましたが、戸籍の附票などは広域交付の対象外であるため、これまでと同様、本籍地の市区町村役場に申請する必要があります。

仕事や育児、介護などで忙しく、役場や法務局などで遺産分割協議書の作成に必要な書類を取得する時間を確保できないと、相続税の申告期限までに遺産分割協議や遺産分割協議書の作成が終わらない可能性もあります。

遺産分割協議書の作成や必要書類の準備に困ったときは、司法書士や税理士など相続の専門家に相談することをおすすめします。

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