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最終更新日:2026/6/30

配偶者と子ども2人の場合、相続税はいくらかかる?計算方法と節税対策を解説

古尾谷 裕昭
この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、立川、千葉、埼玉、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡などの全国の主要都市16拠点にオフィス展開し、年間3,500件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】

記事の要約

  • 相続人が「配偶者と子ども2人」のケースでかかる相続税は、「遺産総額がいくらか」によって変わる
  • 遺産総額が1億円なら、税額は「315万円」ほどが目安
  • 税負担を軽くするためのカギは、二次相続を見据えた遺産分割にすること

「パートナーが亡くなり、自分と子ども2人で遺産を引き継ぐことになった。うちの場合、相続税は一体いくらかかるのだろう?」

このような不安をお持ちの方に向けて、本記事では、相続人が「配偶者と子ども2人」のケースでの「相続税の金額の目安」や「税負担を軽くするポイント」をお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。

配偶者と子ども2人の場合、相続税はどれくらいかかる?

この記事の全体像1

相続人が「配偶者と子ども2人」のケースでかかる相続税は、「遺産総額がいくらか」によって変わります

そこでまずは、ご自身のケースでの相続税の金額を簡単に把握する方法として、次の2つを紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

「相続税の早見表」でざっくり把握する

「相続税の早見表」でざっくり把握する

「相続税の早見表」は、「遺産総額」と「相続人のパターン」の組み合わせから、おおまかな税額を把握できる表です。

相続人が「配偶者と子ども2人」のときの早見表は、次のとおりです。

(単位:円)
遺産総額
配偶者+子ども2人
4,000
5,000 10
6,000 60
7,000 113
8,000 175
9,000 240
1 315
1.5 748
2 1,350
2.5 1,985
3 2,860
3.5 3,735
4 4,610
4.5 5,493
5 6,555

この早見表の見方は、以下を参考にしてください。

項目 内容
遺産総額 ■ 預貯金や不動産などの「プラスの財産」から、借入金などの「マイナスの財産」と「葬式費用」を差し引いた「正味の遺産額」のこと
■ 「基礎控除」を差し引く前の金額なので注意
税額 法定相続分どおりに分け、「配偶者の税額軽減」を適用したときの税額
■ このため、表示されている額は「子ども2人」が納める金額の合計になる

相続税の早見表については、下記の記事で詳しくお伝えしています。

「相続税シミュレーション」で概算する

「相続税シミュレーション」で概算する

預貯金や不動産など、各財産のおおよその評価額がわかっているときは、下記の「相続税シミュレーション」を使うと、より正確な金額を把握できます

Q1で「配偶者:いる」「子ども:2人」と選択したうえで、Q2に各財産の金額を入力すれば、自動で税額が計算されます。

このシミュレーションの詳しい使い方は、下記の記事をご参照ください。

配偶者と子ども2人のケースでの相続税の計算方法

この記事の全体像2

ここからは、相続人が「配偶者と子ども2人」のケースで、相続税がどのように計算されるのかを見ていきましょう。

具体的な計算の流れは、次のとおりです。

ここでは、下記のモデルケースを使って、計算の流れを見ていきます。

モデルケースの家族構成と相続財産

ケース

  • 亡くなった方:
  • 相続人:妻・長男・長女の3人
  • 相続財産:土地(3,000万円)・家屋(1,000万円)・預貯金(6,000万円)
  • 遺産分割:法定相続分のとおりに分割

なお、この記事では、計算の流れをわかりやすくお伝えするため、「小規模宅地等の特例」などの複雑な制度については、説明を省略しています。

相続税の計算方法をより詳しく知りたい方は、下記の記事もご参照ください。

ステップ1:「課税遺産総額」を算出する

ステップ1

まずは、下記の計算で「課税遺産総額」を算出します。

計算

課税遺産総額 = 正味の遺産額 – 基礎控除額

計算式にある「正味の遺産額」とは、預貯金・不動産などの「プラスの財産」から、借入金などの「マイナスの財産」と「葬式費用」を差し引いた金額です。

今回のケースでは、借入金などのマイナスの財産はないものとします。また、本来は葬式費用も差し引けますが、ここでは計算をわかりやすくするため考慮していません。

以上を踏まえると、プラスの財産である「土地・家屋・預貯金」を合計した「1億円」が、今回の正味の遺産額になります。

計算

正味の遺産額 = 土地(3,000万円)+ 家屋(1,000万円)+ 預貯金(6,000万円)= 1億円

続いて、基礎控除額は「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」で求められます

今回のモデルケースでは、法定相続人は3人なので、基礎控除額は「4,800万円」です。

計算

基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円

以上から、課税遺産総額は、下記の計算により「5,200万円」となります。

計算

課税遺産総額 = 正味の遺産額 1億円 – 基礎控除額 4,800万円 = 5,200万円

ステップ2:「相続税の総額」を算出する

ステップ2

次に、先ほど計算した「課税遺産総額(5,200万円)」をもとに、「相続税の総額」を算出します。

ここでのポイントは、実際の遺産の分け方とは関係なく、「法定相続分で分けたと仮定して」計算することです。

まず、今回のケースで各相続人が法定相続分どおりに遺産を分けると、下記のようになります。

相続人 取得額
5,200万円 × 1/2 = 2,600万円
長男 5,200万円 × 1/4 = 1,300万円
長女 5,200万円 × 1/4 = 1,300万円

法定相続分どおりに分けた取得額

この取得額をもとに、各相続人の仮の相続税額を計算します。

相続税の計算をする際には、国税庁のWebサイトで公開されている「速算表」を使うと便利です。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超から3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超から5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超から1億円以下 30% 700万円
1億円超から2億円以下 40% 1,700万円
2億円超から3億円以下 45% 2,700万円
3億円超から6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

今回のケースでは、全員の取得額が「1,000万円超から3,000万円以下」に該当するので、それぞれの税額は下記のように計算できます。

相続人 税額
2,600万円 × 15% – 50万円 = 340万円
長男 1,300万円 × 15% – 50万円 = 145万円
長女 1,300万円 × 15% – 50万円 = 145万円

各相続人の仮の相続税額

各相続人の税額を合計した「340万円 + 145万円 + 145万円 = 630万円」が、今回の相続税の総額です。

ステップ3:「各人の相続税額」を算出する

ステップ3

最後に、相続税の総額(630万円)を「各人が実際に取得した割合」に応じて按分し、税額控除を適用して、納める金額を確定します

今回は法定相続分どおりに分けているため、按分後の税額は次のとおりです。

相続人 税額
630万円 × 1/2 = 315万円
長男 630万円 × 1/4 = 157.5万円
長女 630万円 × 1/4 = 157.5万円

按分後の各相続人の税額

この税額に「税額控除」を適用することで、各人の納めるべき税額が決まります。

税額控除に関して、多くの方に関係するのが「配偶者の税額軽減」です。

配偶者の税額軽減とは?

配偶者の税額軽減とは、配偶者が取得した遺産額のうち、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分に相当する額」のいずれか多い金額までは、相続税がかからない制度です。

これを適用することで、多くのケースで、配偶者の税負担はゼロになります。

今回は、妻が法定相続分どおりに取得しているため、妻の税額(315万円)は、配偶者の税額軽減によって0円になります。

以上から、最終的に各人が納める相続税の金額は、次のとおりです。

相続人 税額
0円
長男 157.5万円
長女 157.5万円

税額控除適用後の最終的な税額

つまり、このモデルケースでは、子ども2人で合計315万円の相続税を納めることになります

なお、実際の計算では、「財産の評価」や「特例の適用」によって税額が変わります。

正確な税額を知りたい場合は、相続専門の税理士に相談するようにしましょう。

相続税の負担を軽くするためのポイント

この記事の全体像3

ここまで、相続税の金額の目安と計算方法を見てきました。

相続税は、「遺産の分け方」や「生前の準備」によって、その負担を軽減できる可能性があります。

そこで以下では、相続人が「配偶者と子ども2人」のケースで検討したい、相続税対策をお伝えします。

【基本】二次相続も考慮して遺産分割をする

相続税は、「遺産の分け方」で税額が大きく変わることがあります。

相続人が「配偶者と子ども2人」のケースで税負担を軽くするためのポイントは、「将来、配偶者が亡くなったときの相続(二次相続)」まで見据えて、最適な分割方法にすることです。

一次相続と二次相続のイメージ

結論から申し上げると、基本的には一次・二次相続ともに「法定相続分どおり」の遺産分割にすると、税負担が軽くなりやすいです。

前述の「配偶者の税額軽減」は、配偶者が取得した遺産のうち最低でも「1億6,000万円」までは相続税がかからなくなる、減税効果の高い制度です。

そこで、配偶者の税額軽減を最大限に活用するため、「配偶者の取り分を増やしたほうが税金面で有利なのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、配偶者が多く遺産を取得すると、下記の要因から「二次相続」での税負担が重くなりやすいです。

要因

  • 配偶者が不在になり、「配偶者の税額軽減」を使えない
  • 相続人が1人減って、「基礎控除額」が小さくなる
  • 課税遺産総額を少ない人数で割ることから、適用税率が上がりやすい

具体的に、1億円の遺産を一次相続で配偶者がすべて取得したときの、一次・二次相続トータルの税負担を計算すると、下記のとおり「合計 770万円」になります。

配偶者が全部取得した場合の税負担

一方、同じ状況で一次・二次相続で法定相続分どおりに遺産分割したときの税負担は、下記のとおり「合計 395万円」です。

法定相続分どおりに分けた場合の税負担

以上のように、このケースでは遺産の分け方を変えるだけで、トータルの税負担が「375万円」も軽くなります。

ただし、ご家族にとって最適な遺産分割をするには、「配偶者の年齢・必要な生活資金・財産の種類・子どもたちの生活状況」などを総合的に考慮しなければなりません。

このため、判断に迷うときは、相続専門の税理士に相談するようにしましょう。

そのほかの主な相続税対策

遺産の分け方を工夫する以外にも、相続税の負担を軽くする方法はいくつかあります。

まず大事になるのが、ご自身のケースで使える「税額軽減の制度」を漏れなく適用して申告をすることです。

代表的な制度には、下記のようなものがあります。

制度 概要
小規模宅地等の特例 亡くなった方の自宅などの土地について、一定の要件を満たせば評価額を最大80%減額できる
生命保険の非課税枠 受け取った生命保険金のうち「500万円 × 法定相続人の数」までは相続税がかからない
未成年者控除 相続人が18歳未満のとき、18歳になるまでの年数に応じた額を差し引ける
障害者控除 相続人が85歳未満の障害者のとき、85歳までの年数に応じた額を差し引ける
相次相続控除 10年以内に相続が続いたとき、前回の相続で納めた相続税の一部を、今回の税額から差し引ける

また、生前贈与を計画的に行うことも、相続税対策になります。

お元気なうちに、ご自身の財産を「子ども」や「孫」に少しずつ移しておくことで、相続のときに課税される財産そのものを減らせます。

生前贈与をして税負担を軽くする方法の詳細は、下記の記事をご参照ください。

相続税に関するよくある質問

まとめ|配偶者と子ども2人の相続税は、二次相続まで見据えて考えよう

今回は、「配偶者と子ども2人」のケースについて、相続税の金額の目安や計算方法、税負担を軽くするためのポイントをお伝えしました。

まとめ

  • 相続人が「配偶者と子ども2人」のケースでかかる相続税は、「遺産総額がいくらか」によって変わる
  • 遺産総額が1億円なら、税額は「315万円」ほどが目安
  • 税負担を軽くするためのカギは、二次相続を見据えた遺産分割にすること

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