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最終更新日:2026/3/17

相続税とは?はじめての相続で知っておきたい基礎知識と手続きの進め方

古尾谷 裕昭
この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、立川、千葉、埼玉、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡などの全国の主要都市24拠点にオフィス展開し、年間3,000件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】

記事の要約

  • 相続税は、亡くなった人の遺産を相続したり、遺言で財産をもらったりするときにかかる税金
  • 故人の遺産総額が3,000万円を超えると、相続税の申告が必要になる可能性が出てくる
  • 相続税の手続きは非常に難易度が高いため、多くの方が税理士に依頼している

「家族が亡くなり、どうやら自分に相続税がかかるらしい。でも、一体どんな税金で、いくらかかるの?」

このような疑問をお持ちの方に向けて、この記事では「相続税の基本」から「税額の目安を知る方法」、「申告の進め方」までをわかりやすくお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。

相続税とは?

この記事の全体像1

相続税は、「亡くなった人の財産を引き継ぐとき」にかかる税金です。

具体的には、「相続」や「遺贈(遺言によって財産を受け取ること)」によって、故人の財産を取得した人は、その財産の価額に応じた「相続税」を国に納める必要があります。

相続税がかかる人のイメージ

それでは、具体的にどのような場合に相続税がかかるのでしょうか。続いては、「相続税の申告が必要になる基準」を見ていきましょう。

相続税は「いくらの財産」からかかる?

簡単にいうと、亡くなった人が持っていた財産が3,000万円を超えると、相続税がかかる可能性が出てきます

より正確には、故人の「正味の遺産額」が「基礎控除」を超えたときに、相続税の申告が必要です。

用語 概要
正味の遺産額 ■ 預貯金・不動産などの「プラスの財産」から、借入金などの「マイナスの財産」と葬儀費用を差し引いた金額
基礎控除 ■ すべての人が使える、課税対象額から一定額を差し引ける制度
■ 金額は「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」で計算する

計算のイメージ

たとえば、相続人が「配偶者」と「子ども2人」の場合、基礎控除額は「4,800万円」です。

基礎控除の計算イメージ

このケースでは、正味の遺産額が「4,800万円」以下であれば、相続税の申告は不要で、税負担はありません。

なお、相続税の申告が必要かどうかの判断方法は、下記の記事で詳しくお伝えしているので、併せてご覧ください。

申告・納付の期限は「亡くなってから10カ月以内」

相続税の申告・納付は、「被相続人(亡くなった人)が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」に完了させなければなりません。

申告期限10カ月のイメージ

期日の数え方

国税の納付期間は「起算日に応当する日の前日に満了する」と、国税通則法で定められています。

このため、上記の例では、死亡を知った日の翌日「2/11」の10カ月後、「12/11(応当日)」の前日である「12/10」が期限となります。

もし、この期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税などのペナルティが科され、税負担が重くなってしまいます。

お葬式や四十九日などの法要を終え、遺品の整理などをしていると、10カ月はあっという間です。

そのため、相続税の申告が必要な場合は、早めに動き出すようにしましょう。

相続税がかかる人は「10人に1人」くらい

「相続税は、限られた富裕層にだけかかる税金」と思われがちですが、実際はそうとも限りません。

国税庁の「令和6年分相続税の申告事績の概要」によると、令和6年に亡くなった方のうち、相続税の申告をした人の割合は10.4%でした。つまり、「10人に1人」以上に相続税が発生しています。

特に、遺産に不動産がある場合は、ご自身が思っている以上に財産の評価額が高くなり、基礎控除を超えるケースが少なくありません。

「自分には関係ない」と思い込まず、まずは相続税の申告が必要かどうかをよく確認しておきましょう。

相続税はいくら払う?税額の目安を簡単に知る方法

この記事の全体像2

「自分には、相続税がかかりそうだ」とわかったら、次に気になるのは「一体、いくら払うことになるのか?」ということだと思います。

ここでは、税額の目安を簡単に知る方法として、次の2つを紹介します。

ざっくりと税額の目安を知りたい方」は早見表を、「より正確な税額を知りたい方」はシミュレーションツールを、それぞれご活用ください。

方法1:早見表でチェックする

「遺産総額」と「相続人の構成」がわかれば、「早見表」で税額の目安を確認できます。

この早見表には、法定相続分どおりに遺産分割したときの「相続税の合計額」が記載されています。

▼遺産総額 配偶者と
子ども1人
配偶者と
子ども2人
子ども1人 子ども2人
4,000万 40万
5,000万 40万 10万 160万 80万
6,000万 90万 60万 310万 180万
7,000万 160万 113万 480万 320万
8,000万 235万 175万 680万 470万
9,000万 310万 240万 920万 620万
1億 385万 315万 1,220万 770万
1.5億 920万 748万 2,860万 1,840万
2億 1,670万 1,350万 4,860万 3,340万
2.5億 2,460万 1,985万 6,930万 4,920万
3億 3,460万 2,860万 9,180万 6,920万

(単位:円)

早見表の各項目の見方は、以下を参考にしてください。

項目 内容
遺産総額
(縦軸)
■ この遺産総額は、前述の「正味の遺産額」のこと
■ 「基礎控除」を差し引く前の金額なので注意
法定相続人
(横軸)
■ ご自身のケースでの「相続人の構成」を特定する方法は、「法定相続人の記事」を参照
金額 ■ 法定相続分で遺産分割したとき、「配偶者の税額軽減」により、配偶者の税負担はゼロになるため、表中の金額は、配偶者以外の相続人が納める税金の「合計額」
■ 税額がかからない「遺産総額」と「相続人の構成」の組み合わせの欄には、「ー」が記載されている

たとえば、遺産総額が「1億円」で、相続人が「配偶者と子ども2人」の場合、税額の目安は「315万円」です。

このとき、配偶者の税額は0円なので、315万円は「子ども2人にかかる相続税の合計額」ということになります。

なお、法定相続分とは異なる割合で分けたときには、早見表にある金額と大きくズレることもあるのでご注意ください。

また、相続人の構成が「配偶者と子ども」「子どものみ」以外の早見表は、下記の記事に掲載しています。

方法2:シミュレーションツールを活用する

早見表よりも正確な税額を知りたい場合は、下記のシミュレーションツールを使うことをおすすめします。

このツールに「亡くなった方の家族構成」と「各種財産の金額」を入力すると、税額の概算ができます。

なお、このシミュレーションで算出される金額も、早見表と同様に「法定相続分どおりに遺産分割したときの相続税の合計額」です。

シミュレーションの詳しい使い方は、下記の記事をご参照ください。

以上、相続税の「早見表」と「シミュレーション」を紹介しましたが、この方法でわかるのは、あくまで税額の目安です。

実際の申告では、「財産の評価方法」や「特例・控除の適用判断」によって税額が大きく変動します。

ご自身のケースでの正確な税額を知りたい場合は、必ず相続専門の税理士に相談するようにしましょう。

私たちVSG相続税理士法人でも、初回の無料相談で税額の概算をお出ししております。ご興味のある方は、下記からお気軽にご連絡ください。

相続税を申告・納付する流れ

この記事の全体像3

ここからは、実際に相続税を申告・納付する際の流れを、次の8ステップでお伝えします。

なお、下記の記事では、申告の流れをより詳しくお伝えしていますので、併せてご参照ください。

ステップ1:相続人の確定

ステップ1

まずは、「誰が相続人になるのか」を確定させます

民法では、相続人になる親族の優先順位が、下記のように定められています。

法定相続人

相続順位

  • 配偶者は、常に相続人となる
  • 第1順位:被相続人の子ども
  • 第2順位:被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹

法定相続人を確定させる際は、亡くなった方の「生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本」を取り寄せ、過去の離婚歴なども含め、漏れがないようにチェックします。

ステップ2:相続財産の調査

ステップ2

次に、亡くなった方が残した財産をすべて洗い出します

ここでは、「預貯金」や「実家の土地・家屋」だけではなく、「株式」や「自動車」なども調査の対象です。

また、「借入金」などのマイナスの財産も、漏れなく調べる必要があります。

ステップ3:相続財産の評価

ステップ3

財産の把握ができたら、「相続税を計算するうえで、いくらの価値になるのか」を計算します。この作業を「財産評価」と呼びます。

預貯金は、基本的には「亡くなった時点での残高」を、そのまま税額計算に使うので、それほど判断は難しくありません。

一方で、不動産などは複雑なルールを用いて評価額を算出する必要があります。

各種財産の評価方法については、下記の記事をご参照ください。

ステップ4:遺産分割協議

ステップ4

財産の全体像とそれぞれの評価額を把握できたら、相続人全員で「誰が・どの財産を・どれくらい引き継ぐのか」を話し合います。

この話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。

協議がまとまったら、分割方法に合意できた証拠として「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・押印をしましょう。

遺産分割協議書のイメージ

遺産分割協議書は、税務署に相続税の申告をする際、写しを提出することになります。

ステップ5:相続税の計算

ステップ5

遺産の分け方が決まったら、いよいよ相続税の計算です。

税額の計算は、次の4つの手順で行います。

手順

  1. 「課税遺産総額」を算出する
  2. 「相続税の総額」を算出する
  3. 「各人の相続税額」を算出する
  4. 控除・加算を適用する

計算方法の詳細は、下記の記事でお伝えしているので、併せてチェックしてみてください。

ステップ6:申告書の作成

ステップ6

税額を計算できたら、「相続税の申告書」を作成します

相続税の申告書は「第1表から第15表まで」あり、正しく記入するには専門的な知識が求められるため、多くの方が作成を税理士に依頼しています。

相続税の申告書のイメージ

また、「戸籍謄本」や「預貯金の残高証明書」など、数多くの添付書類も用意しなければなりません。

ステップ7:申告書の提出

ステップ7

申告書が完成したら、添付書類とともに「故人の最後の住所地を管轄する税務署」に提出しましょう。

管轄の税務署は、国税庁のWebサイトで確認できます。

提出の方法としては、次の3つがあります。

提出方法

  1. 税務署の窓口で提出する
  2. 税務署に郵送する
  3. e-Tax(電子申告)を利用する

ステップ8:相続税の納税

ステップ8

最後に、各相続人が自分の分の相続税を納めます

相続税の納付方法には、「クレジットカード納付」や「コンビニ納付」もありますが、金額が大きくなることが多いため、金融機関の窓口で納付するのが一般的です。

この「納税の手続き」までを、冒頭でお伝えしたとおり「10カ月以内」の期限までに完了させなければなりません。

相続税に関するよくある質問

最後に、相続税に関する、次の質問にお答えします。

Q1:税負担を少しでも軽くする方法はある?

税負担を軽くする方法として、被相続人が亡くなった後でもできるのは、ご自身が使える「相続税の特例・控除」を漏れなく適用させることです。

特に、次の2つの制度は使える人が多いうえ、適用できれば税額を大幅に抑えられます。

制度 概要
配偶者の税額軽減 ■ 配偶者が相続した財産のうち、「1億6,000万円」または「法定相続分」のどちらか大きい金額までは相続税がかからない制度
■ 多くのケースで、配偶者の税負担はゼロになる
小規模宅地等の特例 ■ 亡くなった方が住んでいた自宅の土地について、一定の要件を満たせば、評価額を最大80%減額できる制度
■ 遺産に実家の土地が含まれている場合、税額が数百万円単位で変わることもある

なお、生前にできる相続税対策としては、下記のようなものがあります。

生前の対策

  • 「生前贈与」をして、手持ちの財産を減らしておく
  • 相続税の非課税枠がある「生命保険」に加入する
  • 預貯金よりも評価額が低くなりやすい「不動産」を購入する など

相続税の負担を軽くする方法にご興味がある方は、下記の記事を併せてご覧ください。

Q2:税額を計算する際の「借金」や「葬儀費用」の取り扱いは?

故人の借入金」や「葬儀費用」は、課税対象となる遺産の金額から差し引いて、相続税を計算できます

これを「債務控除」といい、下記の項目も課税対象から差し引くことが可能です。

控除できるもの

  • 未払いの税金
  • 未払いの医療費
  • 未払いの公共料金
  • クレジットの未払金 など

一方で、下記の費用は、控除の対象外なのでご注意ください。

控除できないもの

  • 香典返しの費用
  • 墓地・墓石の購入費用
  • 初七日や四十九日などの法要にかかった費用※1
※1
初七日を告別式と同日に行い、領収書で個別の費用が分かれていないときは、債務控除の対象にできる

債務控除については、下記の記事で詳しくお伝えしています。

Q3:受け取った「生命保険金」にも相続税はかかる?

生命保険金死亡退職金は、厳密には「故人」ではなく「受け取った人」の財産です。

しかし、実質的には相続で得た財産と同じ性質を持つため、相続財産とみなして相続税が課されます。このような財産を「みなし相続財産」と呼びます。

相続税の計算をするうえでの「生命保険金」と「死亡退職金」の特徴は、下記の非課税枠が用意されていることです。

計算式

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

受け取った金額から「非課税限度額」を差し引き、残額がある場合には、課税対象の遺産に繰り入れて相続税を計算します。

Q4:相続税を「現金で一括払い」できないときは?

遺産が不動産ばかりのケースでは、手元に納付するための現金がないことがあります。

どうしても現金で一括払いできない場合は、何年かに分けて支払う「延納」や、お金の代わりに不動産などで納める「物納」という制度を検討することになります。

相続税が払えない場合の対処法は、下記の記事にまとめましたので、併せてご覧ください。

Q5:そもそも、どうして相続税という制度があるの?

財務省のWebサイトでは、相続税について、以下の説明がされています。

相続税について教えてください。

(前略)
相続した財産の一部を国に納めていただき、広く社会のために使うことになるので、相続税には、資産を再分配する機能があります。また、相続した財産が大きいほど相続税額は大きくなるので、生まれた家庭の経済状況による差を縮小させ、格差の固定化を防止する機能もあります。

引用元 Q&A ~身近な税について調べる~|財務省

このことから、相続税には「富の再分配」と「格差固定化の防止」の機能があると考えられます。

なお、日本の歴史上では、相続税は1905年(明治38年)に「日露戦争の戦費を賄うための財源」として導入された経緯があります。

相続税を自分で申告するのはとても難しい

相続税は、国税のなかでも、特に手続きが複雑な税金です。

実際、「国税庁実績評価書(令和6事務年度)」によると、相続税申告の85%以上で税理士が関与しており、多くの方が専門家の力を借りていることがわかります。

「自分で相続税の申告ができるかどうか」の判断方法は、下記の記事でお伝えしているので、ご興味のある方は併せてご覧ください。

もし、「自分には難しいかもしれない」「期限の10カ月に間に合うか不安だ」という方は、一人で抱え込まずに、相続専門の税理士に相談してみましょう。

私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。

あなたの状況を丁寧にお伺いしたうえで、最適な進め方をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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