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免停の期間とは?運転できなくなるタイミングや日数短縮の方法まで解説

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

免停の期間とは?運転できなくなるタイミングや日数短縮の方法まで解説

この記事でわかること

  • 免停期間
  • 免停処分の決まり方
  • 免停期間を短縮する方法

免許停止処分になった場合、やはり気になるのは運転できなくなる期間と、運転を再開できるタイミングについてです。
また、免許証の点数がどうなるか、その点数によって免停期間がどのくらい変わるかもポイントになるでしょう。

この記事では、免許停止期間の決まり方と、免停期間が開始されるタイミングについて順番に解説しています。

さらに、免停期間を短縮する方法についても説明しているので、ぜひ参考にしてください。

免停期間は30日~180日

免許停止の期間は、最短で30日、最長で180日です。

30日ごと6段階に分かれており、30日、60日、90日、120日、150日、180日の中から、いずれかが選択されます。

どの日数が選ばれるのかは、本人が起こした過去の交通違反歴によって定まり、違反が少ないほど短い日数が選択されます。

小さな違反が累積されて初めて免許停止になった場合は、免許停止期間は30日か60日となるケースがほとんどです。

しかし初めての免許停止であっても、大きな違反や事故によって免許停止となった場合は、異なります。
90日以上が選択されるか、一度で免許取り消しになる可能性があるでしょう。

免停期間の決まり方については、次から詳しく解説していきます。

免停期間の決まり方

免許停止の期間は、以下の2つの交通違反歴が基準となって定まります。

  • 過去3年間の、違反点数の合計(免許停止の点数に達した違反も含む)
  • 過去3年間の、免許停止または免許取消の回数

このほか、無事故無違反を特定期間継続すると、上記の違反歴が減算される優遇措置の定めがあります。

また、免許停止期間が決まったあとは、特定の講習を受けて、日数を減らすしくみもあります。

1つずつ、さらに詳しく解説していきます。

違反点数

交通違反をすると、違反の種類と重さによって違反点数がつけられます。

違反を繰り返せば点数は増えていき、過去3年間に累積された違反点が6点(~14点)に達すると、免許停止処分になります。

以下は、日常の運転において起こりがちな違反の点数です。

  • 座席ベルト(シートベルト)装着義務違反 1点
  • 信号無視 2点
  • 踏切不停止等 2点
  • 指定場所一時不停止等 2点
    (事故を起こすなどの交通の危険を生じさせた場合は6点)
  • 携帯電話使用等 3点または6点
  • スピード違反 違反速度によって1点~12点
  • 酒気帯び運転 アルコール検知量によって13点(アルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満の場合)または25点(アルコール濃度0.25以上の場合)

例えば、過去3年以内に信号無視2点と携帯電話所持3点(計5点)の累積違反点があったとしましょう。
今回さらに3点分の違反をした場合は、累計8点での免許停止となります。

酒気帯びは13点または25点となるため、初めてでも免許停止以上の処分が確定です。

このように、6点~14点のうちの何点になったのかが、免停の期間を決定する1つ目の基準となります。

優遇措置は、後ほど解説します。

なお、過去三年間の累積違反点が15点以上になると免許取消で、免許停止より重い処分です。

前歴

免停処分における「前歴」とは、過去に以下のいずれかの処分を受けた回数を指します。

前歴も、過去3年以内が回数としてカウントされます。

  • 免許停止
  • 免許取消
  • 免許の拒否
  • 免許の留保

例えば、2点、3点、3点と交通違反を繰り返して8点で免許停止になった場合、違反の回数は3回ですが、前歴は1回と数えます。

免許停止期間中の違反について違反加点はありますが、前歴の回数が増えるわけではありません。

免停期間が明けてから再び免許停止(または免許取消)になった際に、その段階で前歴は2回目とカウントします。

免許の拒否・留保は、運転免許の試験合格者に対して、公安委員会が免許の交付を拒否・留保する処分です。

例えば、合格後、免許の交付までの間に薬物使用や認知症が明らかになった場合が処分の対象として挙げられます。
交付直前の修了講習中にてんかんで倒れた場合にも、こうした処分が下される可能性があるでしょう。

前歴の回数が、免許停止期間を決める2つ目の基準です。

前歴が多いほど、免停期間は長くなります。

前歴についても一定の優遇措置があるため、以下で詳しく解説していきます。

免停期間の決定基準に関する優遇措置

免許停止期間を決定するにあたり、違反点数、前歴にはそれぞれ優遇措置が定められています。

簡潔に言うと、無事故無違反の継続による減算です。

違反点数については、以下2種類の優遇措置があります。

  • 無事故無違反を1年続けると、違反点は累積されない
  • 無事故無違反を2年以上続けている場合、その後に行った違反が3点以下であれば、その後さらに無事故無違反を3カ月続けると、違反点は累積されない

例えば、累積5点の人が、最終の違反から1年間無事故無違反を継続した場合を考えてみましょう。
その後に3点の違反をしたのなら、累積違反点は8点ではなく3点と数えます。

この場合は免許停止にはなりません。

次に、前歴については、以下の優遇措置があります。

  • 前回の交通違反から1年間無事故無違反であれば、それ以前の前歴はカウントされない

例えば、2年半前に違反して免停処分を受けた場合、通常は前歴1としてカウントします。

しかし、免停期間を終え運転を再開し1年以上無事故無違反で過ごせば、次に処分を受ける際に前歴として考慮されなくなります。

これはあくまで免停期間の決定基準に関する優遇であり、違反歴そのものが消えるわけではありません

免停になったらいつから運転できない?

免停になった場合、きっかけとなった違反から数週間~1カ月後に運転できなくなるのが一般的です。

違反したその場から運転できなくなるわけではありません。

また、違反の内容によっては手続きが長引き、免停期間の開始が2カ月以上後になることもあります。

免停期間が開始されるには、違反者本人による所定の手続きも必要です。

違反後、数週間~1カ月ほどで通知書が送られ、その通知書を持って免停の手続きを行うと、免停期間がスタートします。

手続きの場所は、管轄の免許センターが一般的です。

なお、手続きに向かう際には運転できますが、その場で免停期間が開始されるため、帰りは運転できません。

免停期間を短縮する方法

免停処分を受けた人は停止処分者講習を受講すると、免停期間を短縮できます。
停止処分者講習とは、免停処分を受けた人が任意で受講できる講習です。
停止処分者講習は、免停期間ごとに以下の講習に分けられます。

講習の種類免停の期間受講日数受講金額
短期講習39日以下 1日
(5時間)
1万1,700円
中期講習40日以上89日以下 2日
(合計10時間)
1万9,500円
長期講習180日以下 2日
(合計12時間)
2万3,400円

短縮可能な期間は講習の種類等により異なります。
たとえば、30日間の免停処分を受けた人が、短期講習を受講する場合、20日から29日の範囲で短縮となります。。
実際に短縮される日数は、テストの成績によって判断されます。

免停期間に運転した場合の罰則

免停期間中の運転は、道路交通法上の「無免許運転」に該当し、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」の重い罰則が科されます。
無免許運転は、違反点数25点に相当し、2年間の免許取消を受ける可能性があります。
無免許運転は極めて重大な違反行為であり、懲役刑を科される可能性があるため、免停期間中の運転は絶対に控えましょう。
なお、免停に関する通知書が届いたにもかかわらず、指定された日時に出頭しなかった場合には、罰金刑などを科される可能性があります。
出頭拒否を繰り返すと、場合によっては、逮捕される可能性もあるため、必ず出頭しましょう。

まとめ

この記事では、免許停止の期間や開始時期、期間の短縮について順番に解説しました。

免許停止期間は、30日~180日で、最長で180日もの間、運転免許が停止されます。

普段から無事故無違反を継続すると免停期間の決定は優遇され、より短い期間が選択されやすくなります。

実際に運転できなくなるのは、違反したその場ではなく、免停の通知が来て手続きを行った時点からです。

通知が来たあとは、有料の『停止者処分講習』を受講すると、30日から最短で1日、180日からは最短100日まで免停期間を短縮できます。

免許停止中の運転は無免許運転となり、免許取消や懲役などの可能性もあるため、決して行なってはいけません。

日頃から安全運転を心がけるようにしましょう。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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