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タイムズカーシェアで事故を起こしたらどうなる?料金や補償について

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

この記事でわかること

  • タイムズカーシェアで交通事故を起こしたときの対処法
  • タイムズカーシェアで交通事故を起こしたときの費用・補償
  • タイムズカーシェアの交通事故でよくある質問

タイムズ(Times)はコインパーキングが全国展開されており、近年ではカーシェアリングの利用数も増加しています。
会員になるといつでも車をシェアできるため、週末だけ乗りたい方や、車の維持費を抑えたい方などに向いているサービスでしょう。

タイムズカーシェアは自動車保険も付帯していますが、交通事故を起こした場合、マイカーとは対処法が異なる部分もあります。
利用方法が規約違反であったり、自己判断で交通事故を処理したりすると、十分な補償を受けられないかもしれません。

今回は、タイムズカーシェアで交通事故を起こした場合について、対処法や補償内容、費用などをわかりやすく解説します。

タイムズカーシェアで交通事故を起こしたときの対処法

タイムズカーシェアで交通事故を起こしたときは、以下の手順で対処してください。

  • (1)負傷者救護と事故車両の移動
  • (2)事故発生を警察へ電話する
  • (3)タイムズカーシェアのコールセンターに電話する
  • (4)事故現場を撮影する
  • (5)警察の実況見分を受ける

基本的にはマイカーの交通事故と変わりませんが、タイムズカーシェアのコールセンターに事後連絡しなければならないため、詳しい状況把握が必要です。

では、具体的な初期対応の流れをみていきましょう。

負傷者救護と事故車両の移動

タイムズカーシェアの利用中に交通事故が発生した場合、まず負傷者の救護を優先します。
救護を怠ると「ひき逃げ」として扱われてしまい、以下の刑罰に処される可能性があります

  • 自分の過失で死傷させた場合:10年以下の懲役または100万円以下の罰金(道路交通法117条2項)
  • 自分の過失による死傷ではない場合:5年以下の懲役または50万円以下の罰金(道路交通法117条1項)

負傷者に意識がない場合など、自分で対処できないときは速やかに119番へ連絡し、救急車を手配してください
事故車両や積荷の散乱は二次被害につながりやすいため、安全を確保しつつ、路肩やガードレールの外側に移動させておきましょう。

事故発生を警察へ電話する

交通事故は警察への通報が義務付けられており、怠ったときは3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金になる恐れがあります。
負傷者がいるときは救護を優先し、次に110番通報しておきましょう。

警察に交通事故を通報すると、交通安全センターで「交通事故証明書」を発行してもらえるため、事故発生の事実を保険会社に証明できます
110番通報する際には、「○○交差点の北側」など、できるだけ正確な位置情報を伝えてください。

タイムズカーシェアのコールセンターに電話する

交通事故の発生を警察へ通報した後は、タイムズカーシェアのコールセンターに電話しておきましょう。
コールセンターには以下の事故受付番号があり、24時間対応です。

  • 0120-72-5656:無料通話のフリーダイヤル
  • 050-3786-0458:上記番号を利用できないとき(通話料は有料)

コールセンターに電話すると、事故の詳細情報が保険会社に転送されます。
タイムズカーシェアの会員に過失があった場合、保険会社が相手方と直接やりとりするため、自分で事故処理しないように注意してください

事故の影響で車を動かせなくなった場合も、コールセンターがレッカー車を手配してくれます。

事故現場を撮影する

タイムズカーシェアのコールセンターに事後報告した後は、スマートフォンなどを使って事故現場を撮影してください。
以下の状況を撮影すると、交通事故の発生原因などを特定しやすくなります

  • 車の破損した部分
  • 積荷や割れた窓ガラスの飛散状況
  • 路面の状態
  • ブレーキ痕
  • 衝突した車の位置関係

なお、タイムズカーシェアの車両はドライブレコーダーを標準装備していますが、利用者による記録メディアの抜き取りはできません
警察から情報開示請求があった場合のみ、ドライブレコーダーの映像が資料として提供されます。

警察の実況見分を受ける

タイムズカーシェアの事故を110番通報すると、警察による実況見分が行われます。
実況見分は任意捜査ですが、警察に協力すると「実況見分調書」が作成されるため、事故の発生状況を詳しく伝えておくとよいでしょう

実況見分調書の内容には客観性があり、相手がいる事故の場合は、過失割合を決定する有力な資料となります。
現場の調査や聴き取り捜査が終わると、実況見分の内容確認が行われるため、間違いがなければ供述調書に署名してください。

タイムズカーシェアで交通事故を起こしたときの費用・補償

タイムズカーシェアで交通事故を起こした場合、利用者の対応によってはペナルティ料金が発生します
自動車保険の保険料は利用料金に含まれていますが、対象外の補償もあるため注意が必要です。

具体的な補償内容や、費用が発生する状況は以下を参考にしてください。

タイムズカーシェアの利用料金に含まれる費用

タイムズカーシェアを利用する場合、以下の補償が料金に含まれています

  • 対人および対物補償:1事故につき無制限
  • 車両補償:1事故につき時価額
  • 人身傷害補償:1名につき無制限

対人補償は無制限になっており、自賠責保険の限度額(死亡事故は3,000万円)を超えた部分を任意保険で補償します。
対物補償は免責額が0円に設定されているため、車両の破損部分を修理する場合、利用者の自己負担はありません

タイムズカーシェアに搭乗者傷害保険は付帯していませんが、搭乗者の死傷や後遺障害については、運転者の過失割合に関係なく損害額が補償されます

NOC(ノンオペレーションチャージ)が発生するケース

NOC(ノンオペレーションチャージ)とは、交通事故によって車が使えなくなった場合、カーシェア会社に支払う営業補償です
タイムズカーシェアの安心補償サービスに加入していても、以下の規約違反があるとNOCが発生します

  • 車両の利用中に発生した事故や、会員の過失などにより、車両に損害や汚損を与えた場合
  • 車内・車外を問わず、会員の利用方法に起因して、損害や忘れ物の有無などを確認した場合
  • 会員の利用方法に起因して、カーシェアサービスを停止する必要が生じた場合

車両の破損状況によっては、以下のように「NOC+実費」も請求されます。

  • 車両が自走可能な場合:NOC2万円
  • 車両が自走できない場合:NOC5万円
  • 車両内破損:実費+NOC2万円
  • タイヤのパンク:実費

車を無断で乗り捨てた場合は、移動費や延長料金も加算されるでしょう。

タイムズカーシェアの交通事故でよくある質問


タイムズカーシェアを利用する際は、以下の「交通事故でよくある質問」も参考にしてください。
カーシェアサービスは運営会社ごとの規約があり、違反したときは会員資格の取消しや、修理代金の全額負担も発生します

タイムズカーシェアにも貸渡約款があるため、ルールを守って利用しましょう。

タイムズカーシェアで事故を2回起こすとどうなる?

タイムズカーシェアで事故を2回起こした場合、会員資格の取消しとともに、車両修理費の実費を請求されます
具体的には、2年以内に車両が大破する事故や、全損事故を起こしたケースが該当します。

軽微な事故であっても、2年以内に複数回繰り返した場合は、会員資格の取消しまたは停止となり、車の修理費も全額自己負担しなければなりません。
ミニバンやSUVなどのプレミアクラスを利用していると、車両修理費も高額になるため要注意です。

タイムズカーシェアで車を擦ったらどうなる?

タイムズカーシェアで車を擦った場合、修理が完了するまで車を使えないため、NOC(ノンオペレーションチャージ)が発生します
安心補償サービスに加入していると、事故発生時のNOCは免除されますが、以下の利用状況だったときは補償を受けられません

  • 会員以外の人の運転
  • 「追加運転者登録」をしていない人の運転
  • 予約者が同乗していない運転
  • 超過利用
  • 事故の無申告や虚偽申告
  • 警察への通報を怠っている
  • 相手との直接交渉による示談
  • 飲酒運転や速度超過など法令違反
  • 車両返却後の事故報告
  • 正常な運転ができない状態での事故(違法な薬物使用など)

破損した車を無申告で返却しても、タイムズ側のチェックで判明するため、「擦ったら確実にバレる」と理解しておきましょう。

まとめ

タイムズカーシェアは月額基本料金が低くなっており、ガソリン代も含まれているため、わずかな負担で利用できます。
交通事故が発生したときの補償についても、一般的な自動車保険とほぼ同等です。

なお、利用者が規約に違反していると、損害賠償が自己負担になってしまう恐れがあります。
自動車保険が適用されない場合、相手との示談交渉にも自分で対応しなくてはなりません。

カーシェアサービスで交通事故が発生し、どのように対処してよいかわからないときは、弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所の無料相談もご活用ください。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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