東京弁護士会所属。
交通事故の被害者にとって、弁護士は、妥当な慰謝料をもらうための強い味方になります。
特に、加害者の保険会社との示談交渉がうまくいかず悩まれていたり、後遺症が残ってしまい後遺障害慰謝料請求を考えていたりする方は、 ぜひ検討してみてください。
目次
交通事故で「肋骨」を骨折した場合の治療期間についてみていきましょう。
交通事故に遭うと、怪我のせいで仕事や学校を休まなければならず、家事や育児など日常生活に大きな影響が及びます。
治療期間は、いったいどのくらいかかるのでしょうか?
Gurlt(グルト) | 骨がつながるまでの最短日数を示すもの |
---|---|
Coldwell(コールドウェル) | 標準的な治療期間を示すもの |
部位 | Gurlt(グルト) | Coldwell(コールドウェル) | |||
---|---|---|---|---|---|
仮骨出現 | 骨癒合するまで | 機能回復するまで | |||
鎖骨 | 4週 | ||||
指骨 | 2週 | 2~3週 | 3~6週 | 6週 | |
中手骨 | 2週 | 2~3週 | 3~6週 | 6週 | |
中早骨 | 2週 | 2~3週 | 3~6週 | 6週 | |
橈骨・尺骨 | 骨幹部 | 5週 | 3週 | 6~8週 | 10~12週 |
肘関節内 | 5週 | 3週 | 5週 | 12~14週 | |
手関節内 | 5週 | 3週 | 6週 | 7~8週 | |
肋骨 | 3週 | ||||
上腕骨 | 上端部 | 7週 | 2~4週 | 6週 | 8~12週 |
骨幹部 | 6週 | 2~4週 | 6週 | 8週 | |
下端部 | 2~4週 | 6週 | 8週 | ||
骨盤 | 4週 | 8週 | 8~16週 | ||
大腿骨 | 頸部 | 12週 | 12週 | 24週 | 60週 |
転子間部 | 4週 | 12週 | 16週 | ||
骨幹部 | 8週 | 6週 | 12週 | 14週 | |
顆上部 | 6週 | 12週 | 14週 | ||
膝蓋骨 | 6週 | 6週 | 6~12週 | ||
踵骨 | 6週 | 8週 | 12~14週 |
※赤文字で示した部分が「肋骨」に該当する部分です。
個々の健康状態などにより一概にはいえませんが、肋骨骨折は他の部位に比べて比較的短期間で回復する傾向にあるようです。
また、同じ部位でも骨折の態様により治療期間が異なります。
いずれにしても、主治医の指示に従い適切な治療を継続することが早期回復には欠かせません。
(参考)骨折の態様について代表的なものを挙げました。
骨折の種類 | 骨折の種類と症状 |
---|---|
単純骨折 | 皮膚表面から折れた骨が露出していない状態。 |
粉砕骨折 | 骨が粉々に砕けた状態。 |
圧迫骨折 | 骨が潰れたように変形した状態。 |
剥離骨折 | 外部衝撃により靭帯や腱の結合部分から骨が剥がれた状態。 |
解放性骨折 | 骨が折れると同時に同部位の皮膚が損傷し皮膚から骨が露出した状態。 |
まずは、慰謝料の概要について見ていきましょう。
慰謝料は、ご自身の状況に沿った慰謝料を請求していくことで、金額アップが期待できます。
慰謝料にはどのような種類があるのか、ここで整理しておきましょう。
慰謝料 | ・交通事故により被害者が受けた「精神的な苦痛」を補償するためのもの。 ・示談金の中の一つの項目である。 【※交通事故で請求できる慰謝料は3つある】 ・入通院慰謝料 ・後遺障害慰謝料 ・死亡慰謝料 |
---|---|
示談金 | ・示談交渉を行い合意すれば支払われるお金のこと。 ※示談金=『被害者に支払われる損害賠償金+慰謝料』 |
慰謝料には3つの算出基準があり、どの基準を用いるかによって最終的に受け取る金額に2~3倍ほどの差が生じます。
自賠責保険基準 (もっとも低い基準) | ・必要最低限の補償を目的としている。 ・車両所有者全員に加入が義務付けられている保険。 |
---|---|
任意保険基準 (自賠責保険基準に少し上乗せされた程度) | 保険会社が、各社独自の基準を定めるため金額が異なる。 (基準は非公開) |
弁護士基準(裁判基準) (もっとも高い基準) | 過去の裁判例をもとに、裁判所や弁護士が交通事故の損害賠償金の算出のために採用する基準のこと。 |
肋骨を骨折すると、症状により外科的療法(手術)や保存療法(コルセットやバストバンドなど)、緩和ケア(鎮痛剤内服など)が行われます。
個々のケースによりますが、内臓などの損傷が考えられる場合はより慎重に治療をする必要があり、その分治療期間は長引きます。
次に、慰謝料の計算方法を見ていきましょう。
〈自賠責保険の限度額〉
入通院慰謝料 | 120万円 |
---|---|
後遺障害慰謝料 | 4,000万円 |
死亡慰謝料 | 3,000万円 |
※2020年4月1日以降に発生した事故に適用。
自賠責保険は、日額4,300円を元にして算出します。
(※2020年4月以前に発生した事故は日額4,200円で計算。)
自賠責保険基準の計算方法
下記のうちいずれか少ない方に、日額4,300円をかけます。
・(通院日数)実際に通院した日数×2倍
・(総日数)初診日~治療終了日(主治医の判断:完治または症状固定)までの期間
事例肋骨骨折3週間通院したケース
(総日数)初診日~治療終了日(治癒または症状固定)までの期間の方が21日間と少ないので、こちらに4,300円をかけます。
21日間×4,300円=9万3,000円
次に、任意保険基準の慰謝料額について見ていきましょう。
任意保険基準は、加入している保険会社によって異なり金額等も非公開ですが、平成11年7月以前は統一基準があったため、その金額を参考に解説していきます。
自賠責保険のように「基本日額」を元に算出するわけではなく、下記のような算定表を用いて該当する箇所の数字を参考にします。
今回の肋骨骨折ケースのように、骨折のため3週間通院を行った場合は黒の太字で示した部分(おおよそ12万6,000円)が該当します。
(単位:万円)【任意保険基準】
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通院 | 25.2 | 50.4 | 75.6 | 95.8 | 113.4 | 113.4 | 128.6 | 141.2 | 152.4 | 162.6 | |
1ヶ月 | 12.6 | 37.8 | 63 | 85.6 | 104.7 | 120.9 | 134.9 | 147.4 | 157.6 | 167.6 | 173.9 |
2ヶ月 | 25.2 | 50.4 | 73 | 94.6 | 112.2 | 127.2 | 141.2 | 152.5 | 162.6 | 171.4 | 176.4 |
3ヶ月 | 37.8 | 60.4 | 82 | 102 | 118.5 | 133.5 | 146.3 | 157.6 | 166.4 | 173.9 | 178.9 |
4ヶ月 | 47.8 | 69.4 | 89.4 | 108.4 | 124.8 | 138.6 | 151.3 | 161.3 | 168.9 | 176.4 | 181.4 |
5ヶ月 | 56.8 | 76.8 | 95.8 | 114.6 | 129.9 | 143.6 | 155.1 | 163.8 | 171.4 | 178.9 | 183.9 |
6ヶ月 | 64.2 | 83.2 | 102 | 119.8 | 134.9 | 147.4 | 157.6 | 166.3 | 173.9 | 181.4 | 185.4 |
7ヶ月 | 70.6 | 89.4 | 107.2 | 124.3 | 136.7 | 149.9 | 160.1 | 168.8 | 176.4 | 183.9 | 188.9 |
8ヶ月 | 76.8 | 94.6 | 112.2 | 128.6 | 141.2 | 152.4 | 162.6 | 171.3 | 178.9 | 186.4 | 191.4 |
9ヶ月 | 82 | 99.6 | 116 | 131.1 | 143.7 | 154.9 | 165.1 | 173.8 | 181.4 | 188.9 | 193.9 |
10ヶ月 | 87 | 103.4 | 118.5 | 133.6 | 146.2 | 157.4 | 167.6 | 176.3 | 183.9 | 191.4 | 196.4 |
弁護士基準の金額は、裁判所の考え方や判例などをもとに日弁連の交通事故相談センターの支部等が作成しています。
地域によって赤本・青本・黄色い本などがありますが、東京を中心に使われる赤本に従って解説していきます。
今回の肋骨骨折のケースのように、骨折のために3週間通院した場合は黒の太字で示した部分(おおよそ28万円)が該当します。
(単位:万円)※「骨折」など重症の怪我のケースは以下の一覧表
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通院 | 53 | 101 | 145 | 184 | 217 | 244 | 266 | 284 | 297 | 306 | |
1ヶ月 | 28 | 77 | 122 | 162 | 199 | 228 | 252 | 274 | 291 | 303 | 311 |
2ヶ月 | 52 | 98 | 139 | 177 | 210 | 236 | 260 | 281 | 297 | 308 | 315 |
3ヶ月 | 73 | 115 | 154 | 188 | 218 | 244 | 267 | 287 | 302 | 312 | 319 |
4ヶ月 | 90 | 130 | 165 | 196 | 226 | 251 | 273 | 292 | 306 | 326 | 323 |
5ヶ月 | 105 | 141 | 173 | 204 | 233 | 257 | 278 | 296 | 310 | 320 | 325 |
6ヶ月 | 116 | 149 | 181 | 211 | 239 | 262 | 282 | 300 | 314 | 322 | 327 |
7ヶ月 | 124 | 157 | 188 | 217 | 244 | 266 | 286 | 301 | 316 | 324 | 329 |
8ヶ月 | 132 | 164 | 194 | 222 | 248 | 270 | 290 | 306 | 318 | 326 | 331 |
9ヶ月 | 139 | 170 | 199 | 226 | 252 | 274 | 292 | 308 | 320 | 328 | 333 |
10ヶ月 | 145 | 175 | 203 | 230 | 256 | 276 | 294 | 310 | 322 | 330 | 335 |
〈※参考〉
(単位:万円)※比較的「軽症」である、むち打ち症などの多角的初見がないケース
入院 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | 7ヶ月 | 8ヶ月 | 9ヶ月 | 10ヶ月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通院 | 35 | 66 | 92 | 116 | 135 | 152 | 165 | 176 | 186 | 195 | |
1ヶ月 | 19 | 52 | 83 | 106 | 128 | 145 | 160 | 171 | 182 | 190 | 199 |
2ヶ月 | 36 | 69 | 97 | 118 | 138 | 153 | 166 | 177 | 186 | 194 | 201 |
3ヶ月 | 53 | 83 | 109 | 128 | 146 | 159 | 172 | 181 | 190 | 196 | 202 |
4ヶ月 | 67 | 955 | 119 | 136 | 152 | 165 | 176 | 185 | 192 | 197 | 203 |
5ヶ月 | 79 | 105 | 127 | 142 | 158 | 169 | 180 | 187 | 193 | 198 | 204 |
6ヶ月 | 89 | 113 | 133 | 148 | 162 | 173 | 182 | 188 | 194 | 199 | 205 |
7ヶ月 | 97 | 119 | 139 | 152 | 166 | 175 | 183 | 189 | 195 | 200 | 206 |
8ヶ月 | 103 | 125 | 143 | 156 | 168 | 176 | 184 | 190 | 196 | 201 | 207 |
9ヶ月 | 109 | 129 | 147 | 158 | 169 | 177 | 185 | 191 | 197 | 202 | 208 |
10ヶ月 | 113 | 133 | 149 | 159 | 170 | 178 | 186 | 192 | 198 | 203 | 209 |
自賠責保険基準 | 9万3,000円 |
---|---|
任意保険基準 | 12万6,000円 |
弁護士基準 | 28万円 |
自賠責保険と任意保険では、あまり金額が変わらないことがおわかりいただけるかと思います。
しかし、弁護士基準の金額は、自賠責保険・任意保険と比較すると、おおよそ3倍にアップしています。
肋骨を骨折すると、咳やくしゃみ、深呼吸をしたり起き上がったりしただけで胸に痛みを生じます。
また、心臓に近い箇所の骨が折れた場合は神経を損傷している可能性も否定できません。
この場合は「呼吸をするのも苦しい」ほどの痛みであるといわれています。
肋骨骨折の治療期間は比較的短期間ではありますが、「後遺症」も心配です。
まず大前提として、残念ながら肋骨自体は後遺障害として認定されることは少ないということを念頭においてください。
後遺障害の対象となるものはあくまでも “肋骨骨折で派生した症状” が対象となります。
このことをふまえて、認定される可能性のある「後遺障害」について見ていきましょう。
骨の癒合や変形はないものの、患部に「痛みや痺れ」が残ってしまったケースです。
医師の診断により、該当等級に定められている症状が認められる場合は、認定される可能性があります。
裸になった状態で、患部の欠損や変形が明らかに認められるものが対象となります。
変形障害は、骨癒合不良や骨自体が欠損してしまったりすることから発症します。
短くても半年以上の通院を要します。
交通事故で受傷直後の骨折の状態から症状固定(これ以上治療を継続しても改善が見込めないと医師が判断したとき)までの変遷が確認できる画像検査を受けておくと、後に行う手続き(後遺障害等級認定の申請)に役立ちます。
黒の太字で示した部分が肋骨骨折の場合に考えられる後遺障害の症状です。
等級 後遺障害 12級 1 一眼の眼球に著しい調整機能障害または運動障害が残すもの
2 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3 七歯以上に歯科補綴を加えたもの
4 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの
6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
7 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
8 長管骨に変形を残すもの
9 一手の子指を失ったもの
10 一手の人差し指、中指、又は薬指の用を廃したもの
11 一足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み二の足指を失ったもの、又は第3の足指以下の三の足指を失ったもの
12 一足の第1の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
13 局部に頑固な神経症状を残すもの
14 外貌に醜状を残すもの14級 1 一眼のまぶたに著しい欠損またはまつげはげを残すもの
2 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3 一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を介することができない程度になったもの
4 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5 下肢の露出面にのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6 一手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
7 一手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
8 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9 局部に神経症状を残すもの
国土交通省の「自動車損害賠償保障法施行令別表」により、等級ごとに慰謝料額が定められています。
後遺障害等級の認定が得られれば「入通院慰謝料」に加えて「後遺障害慰謝料」も受け取ることができます。
さらに、弁護士基準で算出することにより、最も高額な後遺障害慰謝料額を得ることができます。
等級 | 自賠責保険基準 | 任意保険基準(推定値) | 弁護士基準 |
---|---|---|---|
1級 | 1,150万円(要介護1,650万円) | 1,600万円 | 2,800万円 |
2級 | 998万円(要介護1,203万円) | 1,300万円 | 2,370万円 |
3級 | 861万円 | 1,100万円 | 1,990万円 |
4級 | 737万円 | 900万円 | 1,670万円 |
5級 | 618万円 | 750万円 | 1,400万円 |
6級 | 512万円 | 600万円 | 1,670万円 |
7級 | 419万円 | 500万円 | 1,000万円 |
8級 | 331万円 | 400万円 | 830万円 |
9級 | 249万円 | 300万円 | 690万円 |
10級 | 190万円 | 200万円 | 550万円 |
11級 | 136万円 | 150万円 | 420万円 |
12級 | 94万円 | 100万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 60万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 40万円 | 110万円 |
※任意保険基準については「非公開」のため推定値。
比較してみると、その差に驚かれるのではないでしょうか。
算出基準により、かなりの差が生じていることがわかる結果となりました。
実際の数字を用いて、慰謝料の計算をしてみましょう。
事例肋骨骨折で後遺障害等級12級5号の慰謝料を計算
自賠責保険基準で計算 | 弁護士基準で計算 |
---|---|
・入通院慰謝料 4,300円×92=39万5,000円 ・後遺障害慰謝料 94万円 ・慰謝料計=133万5,600円 | ・入通院慰謝料 139万円 ・後遺障害慰謝料 290万円 ・慰謝料計=429万円 |
後遺障害等級認定の際には、以下のような手続きをされることをすすめします。
いったい何故おすすめなのか、2つのポイントをもとに解説します。
後遺障害等級認定の申請は、2通りの方法で行うことができます。
申請方法 | 事前認定 | 被害者請求 |
---|---|---|
申請者 | 加害者の任意保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 申請は保険会社が行うため、被害者にとって煩雑な手続きの手間がかからない。 | 認定されるまでの期間が比較的早い傾向がある。 ※弁護士のサポートを受けることで不備なく確実に進めることができる。 |
デメリット | 相手方の保険会社が被害者のために尽力してもらえることは期待できない。 | 手続きが煩雑なので、怪我負った辛い状態の被害者が自分で続きを行うことは困難。 |
被害者請求を行う際は、弁護士のサポートを受けながら「被害者請求」で行うことがベストといえます。
後遺障害は、どのような条件があれば認定されるのか、確認していきましょう。
後遺障害が認定される条件
(point1)相当因果関係の有無が認められること
客観的にみて、交通事故との因果関係を証明できなければ「因果関係なし」と判断されてしまいます。
(point2)症状固定日(治療を継続しても、これ以上回復の見込みがない状態のこと)に症状が残っていること
症状固定日以降でなければ、後遺症等級認定申請はできません。
(point3)自覚症状が医学的に証明・説明できるものであること
自覚症状が医学的に証明・説明できなければ認定されません。
(point4)後遺症の症状が、第1級~14級のいずれかの等級に該当すること
後遺症等級認定の手続きの大まかな流れをご紹介します。
手続きに不備がなければ、おおよそ1~2ヶ月で認定結果の通知が届きます。
後遺障害等級認定の流れ
必要書類を集める(申請書、CT・MRI画像、後遺障害診断書、専門医の意見書、事故証明書など)
↓
自賠責保険会社へ書類一式を提出
↓
自賠責保険会社から
「損害保険料率算出機構」へ調査が依頼される
↓
自賠責損害調査事務所が
事故調査および等級認定を行う
↓
被害者へ認定結果通知される
(認定or非該当)
↓
不服がある場合は「異議申し立て」を行う
最後に、肋骨を骨折したときにとるべき対処法についてみていきたいと思います。
交通事故により、肉体的・精神的なダメージだけでなく、経済的な損失も負うこととなり、被害者の方はお辛い状況なのではないでしょうか。
お怪我の程度により後遺障害となってしまった場合は、一生涯にわたり不自由を強いられることになります。
慰謝料は、精神的苦痛を補償するもので、お金で解決できる問題ではありませんが、納得のいく金額で示談して得た慰謝料は、事故後の生活再建のための一助となることも否めません。
この「納得のいく慰謝料額」を得るために、気をつけておきたいことがあります。
治療期間が慰謝料額を左右してしまいますので、主治医の指示のもと「適切な通院頻度を維持」してください。
ただし、骨折の場合はそもそも必要な通院頻度が少ないことが考えられ、「慰謝料額が減額されるのではないか」とご不安に思われる被害者の方がいらっしゃいます。
しかし、主治医と日頃からしっかりとコミュニケーションをとり適切な診断や治療が行われていれば、慰謝料額に影響は及びませんので、ご安心いただいて大丈夫です。
気になる点は主治医にしっかりと相談し、日常生活で不便に感じている点なども細かく伝えていくことも大切です。
当然のことですが、少しよくなったからといって途中で治療を中断しないようにしましょう。
後遺症が残る可能性もゼロではありませんし、何よりも完治させることが大切です。
身体のことに関しては、治療のプロである医師に相談することが何より大切です。
一方で、生活面や経済面でのご不安は誰に頼ればよいのでしょうか?
交通事故の納得のいく解決には、弁護士のサポートが欠かせません。
もちろん、自力で解決することもできるでしょうが、お怪我を負われた状態で煩雑な手続きを行うことはあまり現実的ではないでしょう。
特に「後遺障害等級認定申請」の場面では、法的な知識と経験を備えた弁護士のサポートが功を奏することが多いです。
関係各所とのやり取りなどから解放され、精神的にもかなり楽になったという声は多数聞かれるところです。
慰謝料額が大幅にアップすることを考えると、弁護士費用をかけてでも依頼してみる価値があるのではないでしょうか。
もし、被害者ご自身の加入している保険に「弁護士特約」が付帯されていれば、ぜひご活用ください。
弁護士特約を使ったからといって、被害者の方に不利益となることはありませんので、安心して弁護士に一任することができます。
肋骨骨折は、かなりの痛みを伴います。
どうしても、治療の効果が出ずに改善が見られないときは、迷わず「後遺障害等級認定」の申請を行いましょう。
ご自身が負われた精神的苦痛を癒すためにも、適切な慰謝料額で納得のいく解決をしていただくことをおすすめします。
交通事故に精通した弁護士であれば、交通事故に関する様々なお悩みに寄り添いサポートしてもらうことができます。
「初回無料相談」や「電話・LINE」などで一時相談を受け付けている事務所にご相談だけでもされてみてはいかがでしょうか。
依頼する際には、弁護士や事務局との相性も大切なポイントとなります。
しっかりと耳を傾けてくれる事務所に相談しましょう。