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高次脳機能障害とは、交通事故などで脳に強い衝撃が加わったあとに、記憶力や注意力、判断力、感情のコントロールといった「考える力」や「行動を調整する力」に影響が出る状態を指します。
外見から分かりにくい症状が多く、事故直後は問題がないように見えても、時間の経過とともに変化が現れることもあります。そのため、本人だけでなく家族が異変に気づくケースも少なくありません。

高次脳機能障害は、脳に強い衝撃やダメージが加わったときに起こります。代表的な原因は、交通事故や転落などによる頭部外傷で、硬膜外血腫・硬膜下血腫・脳挫傷・びまん性軸索損傷などが含まれます。
また、脳梗塞やくも膜下出血といった脳卒中、脳炎や低酸素性脳症、腫瘍なども原因になります。
高次脳機能障害そのものが直接的に余命を左右するとは限りません。多くの場合、生命予後は脳損傷の程度や合併症の有無によって左右されます。
ご家族の中には「寿命が短くなるのではないか」と不安を感じる方もいますが、日常生活のサポートやリハビリによって安定した生活を送る例も多く見られます。
余命に関する情報はインターネット上でもさまざまに語られていますが、個々の状態によって大きく異なるため、主治医と相談しながら現実的な見通しを確認することが大切です。
高次脳機能障害では、完全に元の状態へ戻るとは限らない一方で、リハビリや環境調整によって生活の質が向上する可能性があります。脳には可塑性(かそせい)と呼ばれる働きがあり、訓練や経験によって別の神経回路が機能を補うことがあります。
事故後の回復には時間がかかることが多く、数カ月から数年単位で状態が変化する場合もあります。周囲から理解を得にくい症状だからこそ、家族が焦らず長期的な視点で向き合う姿勢が重要です。
また、治療やリハビリの経過は後遺障害等級の判断にも関わるため、通院記録や日常生活の変化を丁寧に整理しておくことが、将来の補償を考えるうえでも役立ちます。
高次脳機能障害では、見た目には分かりにくい変化が日常生活のさまざまな場面に現れます。
ここでは代表的な症状をわかりやすく解説します。
少しの作業でも強い疲労感が出やすく、長時間の集中が難しくなる状態です。外見は元気そうに見えても、会話や外出のあとに強い疲れを感じることがあります。無理を続けると症状が悪化することもあるため、休憩の取り方や生活リズムの調整が重要になります。
一つのことに集中し続けることが難しく、周囲の音や動きに気を取られやすくなる状態です。作業中にミスが増えたり、複数のことを同時に進められなくなったりすることがあります。交通事故後に仕事や家事の効率が大きく変わったと感じる場合、この症状が関係している可能性があります。
新しい出来事を覚えにくくなったり、予定を忘れやすくなったりする症状です。昔の記憶は保たれていても、直前の会話を思い出せないといった特徴が見られることがあります。メモやスマートフォンの活用など、生活の中での工夫が役立つ場合もあります。
物事の段取りを考えたり、計画通りに行動したりする力が低下する状態です。料理や買い物など、以前は問題なく行えていた作業で戸惑う場面が増えることがあります。本人に自覚がないこともあり、周囲が変化に気づくことが多い症状です。
感情のコントロールが難しくなり、怒りやすくなる、場の空気を読みづらくなるといった変化が見られることがあります。対人関係でトラブルが増えることもあり、家族が対応に悩むケースも少なくありません。本人の性格ではなく、脳の機能変化による影響である可能性があります。
自分の症状や変化を十分に理解できない状態を指します。周囲が困っていても本人は問題を感じていない場合があり、通院やリハビリの必要性を理解しづらいことがあります。家族の支えが重要になる症状の一つです。
言葉を理解したり、話したりする力に影響が出る症状です。言いたい言葉が出てこない、会話の意味をつかみにくいといった変化が見られることがあります。単なる物忘れとは異なり、脳の言語機能に関係する障害です。
目や耳などの感覚器官に問題がなくても、見たものや聞いたものを正しく認識できない状態です。たとえば、物の形は見えていても、それが何かわからないといったケースがあります。日常生活の安全面にも影響するため注意が必要です。
手足に麻痺がないにもかかわらず、服を着る、道具を使うといった動作がうまくできなくなる症状です。服を上下左右間違えてきてしまったり、ハサミなどの道具の使い方がわからなくなってしまったりすることがあります。動作の手順を思い出せないことが原因で、本人も戸惑いを感じやすい特徴があります。
よく知っている場所でも道に迷いやすくなる状態です。方向感覚が低下し、自宅周辺でも不安を感じることがあります。外出時のサポートや環境の工夫が重要になる場合があります。
体の左右どちらかの空間を認識しにくくなる症状です。たとえば、食事の皿の片側だけを食べ残す、歩行中に片側の物へぶつかりやすくなるといった特徴が見られます。事故後の生活に大きな影響が出ることもあるため、専門的なリハビリが検討されます。
医師に高次脳機能障害と診断された場合、症状の程度によって以下の後遺障害等級に認定される可能性があります。
| 等級 | 症状の程度 |
|---|---|
| 第1級1号に相当 | 以下のうちいずれかに該当する場合
|
| 第2級1号に相当 | 以下のうちいずれかに該当する場合
|
| 第3級3号に相当 | 以下のうちいずれかに該当する場合
具体例
|
| 第5級2号に相当 | 以下のうちいずれかに該当する場合
具体例
|
| 第7級4号に相当 | 以下のうちいずれかに該当する場合
具体例) |
| 第9級10号に相当 | 4つの能力のいずれか1つ以上の能力の相当程度が失われているもの 具体例
|
※症状の程度は労災保険における認定基準です。
参照:神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準|厚生労働省
※4つの能力とは、「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」を指します。
このほか、脳の非器質的な精神障害(PTSD、パニック障害など)が認められる場合には、後遺障害等級12級13号もしくは14級9号にそれぞれ認定される可能性があります。
| 等級 | 症状の程度 |
|---|---|
| 12級13号 | 4つの能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われている |
| 14級9号 | MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められる |
高次脳機能障害として後遺障害等級に認定してもらうためには、単に「物忘れが増えた」「性格が変わった」といった主観的な訴えだけでは足りません。
一般的には、①脳損傷の存在、②事故後の意識障害、③認知機能や行動面の変化という三つの要素を医学的・客観的な資料で示すことが重要になります。
「頭部外傷後の意識障害についての所見」という書面を医師に作成してもらうことで、事故後に意識障害があったことを証明します。
神経・心理学的検査の結果に加え、家族や友人、同僚などが日常生活で感じている変化をまとめた陳述書も参考資料になります。
たとえば、以前は問題なくできていた仕事の段取りが難しくなった、感情の起伏が激しくなったといった具体的なエピソードを記載すると、生活への影響が伝わりやすくなります。学生の場合は、担任の教師や部活動の顧問から事故前後の様子をまとめてもらう方法も考えられます。
また、通知表や業務評価など、事故前後の変化を客観的に示す資料があれば提出を検討するとよいでしょう。こうした複数の資料を組み合わせて整理することで、適切な後遺障害等級の判断につながります。
高次脳機能障害の後遺障害等級を判断する際には、一般的な後遺障害の手続きよりも多くの資料を準備します。
主に次のような書類を提出します。
通常の後遺障害の審査では、後遺障害診断書や検査画像がそろっていれば一定の判断が行われますが、高次脳機能障害の事案ではカルテの詳細な確認や、日常生活状況報告書などの追加資料が重要です。
また、介護手帳の申請書類や学校の通知表、仕事の評価資料など、事故前後の変化を示す資料を提出するケースもあります。
交通事故によって高次脳機能障害が残った場合、症状の程度や通院期間、認定された後遺障害等級などに応じて慰謝料を請求することができます。
ここでは、慰謝料の算定基準や相場を解説します。
交通事故の慰謝料は、主に次の3つの基準をもとに計算します。

入通院慰謝料とは、事故によるけがで入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対して支払われるものです。高次脳機能障害の場合、治療期間が長くなる傾向があり、通院の頻度や治療内容が評価のポイントになります。
弁護士基準の場合、以下の算定表を用いて金額を算出します。
| 入院 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 13月 | 14月 | 15月 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 通院 | 0 | 53 | 101 | 145 | 184 | 217 | 244 | 266 | 284 | 297 | 306 | 314 | 321 | 328 | 334 | 340 |
| 1月 | 28 | 77 | 122 | 162 | 199 | 228 | 252 | 274 | 291 | 303 | 311 | 318 | 325 | 332 | 336 | 342 |
| 2月 | 52 | 98 | 139 | 177 | 210 | 236 | 260 | 281 | 297 | 308 | 315 | 322 | 329 | 334 | 338 | 344 |
| 3月 | 73 | 115 | 154 | 188 | 218 | 244 | 267 | 287 | 302 | 312 | 319 | 326 | 331 | 336 | 340 | 346 |
| 4月 | 90 | 130 | 165 | 196 | 226 | 251 | 273 | 292 | 306 | 316 | 323 | 328 | 333 | 338 | 342 | 348 |
| 5月 | 105 | 141 | 173 | 204 | 233 | 257 | 278 | 296 | 310 | 320 | 325 | 330 | 335 | 340 | 344 | 350 |
| 6月 | 116 | 149 | 181 | 211 | 239 | 262 | 282 | 300 | 314 | 322 | 327 | 332 | 337 | 342 | 346 | |
| 7月 | 124 | 157 | 188 | 217 | 244 | 266 | 286 | 304 | 316 | 324 | 329 | 334 | 339 | 344 | ||
| 8月 | 132 | 164 | 194 | 222 | 248 | 270 | 290 | 306 | 318 | 326 | 331 | 336 | 341 | |||
| 9月 | 139 | 170 | 199 | 226 | 252 | 274 | 292 | 308 | 320 | 328 | 333 | 338 | ||||
| 10月 | 145 | 175 | 203 | 230 | 256 | 276 | 294 | 310 | 322 | 330 | 335 | |||||
| 11月 | 150 | 179 | 207 | 234 | 258 | 278 | 296 | 312 | 324 | 332 | ||||||
| 12月 | 154 | 183 | 211 | 236 | 260 | 280 | 298 | 314 | 326 | |||||||
| 13月 | 158 | 187 | 213 | 238 | 262 | 282 | 300 | 316 | ||||||||
| 14月 | 162 | 189 | 215 | 240 | 264 | 284 | 302 | |||||||||
| 15月 | 164 | 191 | 217 | 242 | 266 | 286 |
表の縦軸が通院期間、横軸が入院期間となっており、それぞれが交わる部分が入通院慰謝料の相場となります。
たとえば、回復期におけるリハビリテーションも含む入院期間が6カ月、通院期間が1年(12ヵ月)だった場合の入通院慰謝料は、298万円となります。
後遺障害慰謝料は、治療を続けても症状が残った場合に請求できる慰謝料です。高次脳機能障害では、後遺障害等級の認定結果が金額に大きく影響します。
等級ごとの慰謝料の目安は以下のとおりです。
| 後遺障害等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 1級(要介護) | 1650万円 | 2800万円 |
| 2級(要介護) | 1203万円 | 2370万円 |
| 1級 | 1150万円(1100万円) | 2800万円 |
| 2級 | 998万円(958万円) | 2370万円 |
| 3級 | 861万円(829万円) | 1990万円 |
| 4級 | 737万円(712万円) | 1670万円 |
| 5級 | 618万円(599万円) | 1400万円 |
| 6級 | 512万円(498万円) | 1180万円 |
| 7級 | 419万円(409万円) | 1000万円 |
| 8級 | 331万円(324万円) | 830万円 |
| 9級 | 249万円(245万円) | 690万円 |
| 10級 | 190万円(187万円) | 550万円 |
| 11級 | 136万円(135万円) | 420万円 |
| 12級 | 94万円(93万円) | 290万円 |
| 13級 | 57万円(57万円) | 180万円 |
| 14級 | 32万円(32万円) | 110万円 |
実際の金額は事故の状況や過失割合、症状の内容によって変動します。
家族としては、保険会社から提示された金額が適切かどうかを、慎重に確認しながら交渉を進めることが大切です。
交通事故では、さまざまな損害の賠償を請求できます。請求時に漏れがないよう、請求できる賠償金項目を確認しておきましょう。
| 交通事故で請求できる賠償金一覧 | 交通事故で請求できる賠償金一覧 | 交通事故で請求できる賠償金一覧 | 交通事故で請求できる賠償金一覧 |
|---|---|---|---|
| 財産的損害 | 積極損害 | 治療費 | 入院・通院にかかる費用 |
| 付添看護費 | 介護・介助にかかる費用 | ||
| 将来介護費 | 後遺症により将来的にかかる介護費 | ||
| 入通院交通費 | 入院・通院の際にかかる交通費 | ||
| 装具・器具購入費 | 義手や介護支援ベッドなどの購入費用 | ||
| 入院雑費 | 入院で必要な日用品や雑貨などの購入費用 | ||
| 葬祭費 | 亡くなった被害者の葬儀等にかかる費用 | ||
| 家屋・自動車改造費 | 階段に手すりをつけたり、身体障害者用に車を改造する際にかかる費用 | ||
| 子どもの学習費 | 学習塾代や授業料等、すでに支払っているにもかかわらず、けがが原因で学校や塾を休まざるを得なくなってしまったために無駄になった費用 | ||
| 保育費 | けがの影響で、子どもを保育施設に預けなくてはいけなくなった場合の保育費 | ||
| 弁護士費用 | 交通事故の対応を弁護士に依頼した場合の費用 | ||
| 消極損害 | 休業損害 | けがのせいで仕事ができず、給料がもらえなかったことによる損害 | |
| 逸失利益 | 後遺障害逸失利益 後遺障害が残ってしまったせいで、事故に遭う前と同じように仕事をすることができず、今後もらえるはずだった収入が減った分の損害 死亡逸失利益 亡くなった被害者が、生きていれば将来的にもらえるはずだった収入が失われた分の損害 | ||
| 精神的損害 (慰謝料) | 入通院慰謝料 | 事故による精神的苦痛を和らげるための賠償金 | |
| 後遺障害慰謝料 | 事故による精神的苦痛を和らげるための賠償金 | ||
| 死亡慰謝料 | 事故による精神的苦痛を和らげるための賠償金 | ||
| その他 | 物損(物件損害) | 交通事故で車や自転車が壊れたり、洋服がだめになってしまったことにより生ずる損害 | |
高次脳機能障害の慰謝料は、症状の内容や後遺障害等級、事故の状況によって大きく変わります。
同じ事故であっても、資料の整え方や交渉の進め方によって結果に差が出ることもあります。
家族としては、どのような点が金額に影響するのかを理解し、早い段階から適切な準備を進めることが重要です。
後遺障害慰謝料の金額は、認定された等級によって大きく変わります。そのため、症状の程度を正しく評価してもらうことが重要です。
高次脳機能障害は外見から分かりにくく、画像検査だけでは十分に伝わらない場合も多いです。神経心理学的検査の結果や日常生活状況報告書、家族による陳述書などを丁寧に整理し、生活への影響を具体的に示すことが適切な等級判断につながります。
慰謝料の最終的な金額は、過失割合の影響を受けます。過失割合とは、事故に対する双方の責任の割合を示すもので、被害者側の過失が大きくなるほど受け取れる賠償額は減少します。
保険会社から提示された割合が必ずしも最終的な結論とは限らないため、事故状況や証拠をもとに慎重に確認することが大切です。
ドライブレコーダーの映像や実況見分調書などの資料をもとに検討を進めることで、適切な割合に近づけることができます。
保険会社から提示される示談金は、任意保険基準をもとに算定されているケースが多く、そのまま合意すると本来想定される水準より低い金額になることがあります。そのため、提示額の計算方法や根拠を確認し、弁護士基準を前提とした金額で交渉を進めることが重要です。
もっとも、被害者や家族が自分で「弁護士基準で計算してください」と伝えたとしても、保険会社が必ずしも応じるとは限りません。個人で主張しても「社内基準では対応できない」と説明され、交渉が進まないケースも多く見られます。
より高い水準での解決を目指す場合には、早めに弁護士に交渉を代理してもらう必要があるでしょう。
高次脳機能障害が関係する交通事故では、症状が外見から分かりにくいこともあり、等級認定や示談交渉が複雑になりやすい傾向があります。
医療資料の整理や保険会社とのやり取りに悩むご家族も多く、どのように進めるべきか迷う場面も少なくありません。
ここでは、弁護士へ依頼することで期待できる主なメリットについて解説します。
高次脳機能障害では、画像検査だけでは症状が伝わりにくい場合があります。
弁護士が関与することで、神経心理学的検査の結果や日常生活状況報告書、家族の陳述書などを整理し、生活への影響を具体的に示すことにつながります。
どの資料をどのタイミングで提出するかという点も重要になるため、専門的な視点で準備を進めることが適切な等級判断に役立ちます。
示談交渉では、保険会社が任意保険基準を前提に金額を提示することがあります。
弁護士が交渉に入ることで、裁判例を参考にした弁護士基準をもとに話し合いを進めやすくなり、結果として示談金の増額につながるケースもあります。
提示された金額が妥当かどうかを専門的な視点で確認できる点も大きなメリットです。
高次脳機能障害の案件では、症状の説明や資料のやり取りが多く、家族にとって大きな負担になることがあります。
弁護士が保険会社との連絡窓口になることで、電話や書面でのやり取りを任せることができ、日常生活や看護に集中しやすくなります。
交渉の内容を専門家が整理して伝えることで、話し合いもスムーズに進みやすくなります。
後遺障害等級の申請や異議申立て、示談書の作成など、高次脳機能障害の手続きには専門的な知識が求められます。
必要書類の確認から提出までを弁護士がサポートすることで、手続きの流れを整理しやすくなります。
書類の不備や提出漏れを防ぐことにもつながり、安心して手続きを進められます。
通院が続いている段階で、保険会社から治療費の支払い終了を提案されることがあります。症状が残っているにもかかわらず打ち切りの話が出た場合、どのように対応すべきか悩む方も多いでしょう。
弁護士が医学的資料や通院状況を踏まえて交渉を行うことで、必要な治療を継続しやすくなる場合があります。
自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合、一定額までの弁護士費用を保険会社が負担する制度があります。この特約を利用すると、自己負担を気にせず相談や依頼を検討しやすくなります。
被害者本人の保険だけでなく、家族が加入している保険が対象になることもあるため、まずは契約内容を確認してみるとよいでしょう。
事故直後に目立った症状がなくても、後から集中力の低下や物忘れなどが現れるケースは珍しくありません。時間の経過とともに変化が見えやすくなることもあるため、事故との因果関係や症状の経過を医学的資料で示すことが重要です。
怒りっぽくなった、感情の起伏が激しくなったなどの変化は、社会的行動障害や病識の低下といった症状の一つとして評価されることがあります。性格の問題と受け取られがちですが、事故による脳の機能変化が背景にある場合には、後遺障害の判断要素として検討されることもあります。
通院先の変更自体が直ちに不利になるわけではありません。ただし、医療機関を頻繁に変えると、症状の経過が分かりにくくなる可能性があります。主治医との継続的な関係は、診療記録の一貫性や医学的評価の信頼性にも関わるため、変更を検討する際には紹介状を用意するなど、記録が途切れないよう配慮することが大切です。
医師から高次脳機能障害と診断を受けていても、後遺障害等級の判断では認定に至らないケースもあります。等級の判断では、画像所見や意識障害の有無、日常生活への具体的な影響など、複数の要素が総合的に検討されます。診断名だけで結果が決まるわけではないため、神経心理学的検査や日常生活状況報告書などの資料を丁寧に準備し、症状の実態を分かりやすく示すことが重要です。
交通事故のあとに高次脳機能障害の疑いがある場合、症状が外見から分かりにくいこともあり、家族だけで対応を進めることに不安を感じる方は少なくありません。
後遺障害等級の判断では、医学的な資料だけでなく、日常生活への影響や事故前後の変化を丁寧に示すことが重要になります。また、慰謝料の算定や示談交渉では専門的な知識が求められ、提示された内容が適切かどうか判断に迷う場面もあるでしょう。
早い段階で交通事故に詳しい弁護士へ相談すると、必要な資料の整理や今後の進め方について客観的な視点からアドバイスを受けることができます。家族の負担を軽減しながら、納得のいく補償を目指すためにも、後遺症が残る可能性を感じた時点で一度相談を検討してみてはいかがでしょうか。
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平成5年 大阪大学医学部附属病院整形外科 勤務
現在 大阪市住吉区長居の北脇クリニックにて院長を務める
日本整形外科学会・専門医/脊椎脊髄病院/麻酔科標榜医
日本ペインクリニック学会所属
骨折・むちうち・捻挫・脱臼などの症状から背中や首の痛み・手足のしびれ・肩こり・腰痛・関節痛などの慢性的な症状まで、整形外科に関するあらゆる症状に精通する。
地域のかかりつけ医として常に患者の立場に立った診察には定評があり、治療内容や医薬の分かりやすい説明をモットーとしている。
