東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
Contents
サラ金と闇金は、同じようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、明確な違いがあります。
サラ金は消費者金融のことで、個人に融資をする金融業者です。
貸金業法に基づいて、国または都道府県から許可を受けて営業しています。
サラリーマンに多く貸付を行なっていたことからサラ金と呼ばれていた時代があり、現在でも当時の呼び名が使われることがあります。
サラ金は、以前は高金利で貸付をしたり無理な取り立てを行なっていた業者もありましたが、現在は貸金業法の改正によって金利の上限や融資の上限額が設けられており、厳格に規制されています。
一方、闇金はサラ金と違って、貸金業法に基づく登録をしていない違法な業者です。
闇金は法定金利よりも高い金利で融資を行うことがあるため、注意が必要です。
融資を受ける際は、貸金業者情報などを調べて、違法な闇金業者かどうかを事前に調べておきましょう。
闇金業者は違法な営業活動を行っており、その取り立てもまた違法に行われています。
具体的に、どのような違法な取り立てが行われているのか、その実態を知っておきましょう。
闇金の違法な取り立て手口の実態
それでは1つずつ見ていきましょう。
借金の取り立ては、まずは電話で行われます。
闇金業者の場合は、電話をかける回数が非常に多く、執拗に返済を迫ってきます。
1日に100回を超えるような電話をかけてくる業者もあり、電話を受ける方は気が休まる瞬間もありません。
電話で取り立てを行う際、最初は紳士的な口調で話をしているかもしれません。
しかし返済が進まない場合、次第にその口調は暴力的になり、威嚇するような話し方になってきます。
電話ですから直接暴力をふるうわけではありませんが、非常に暴力的な取り立てであることには変わりがないといえます。
また、電話だけでは回収できないとなった場合、直接自宅に取り立てに来ることもあります。
この場合も、直接暴力をふるうわけではありませんが、脅迫や脅しにより、身の危険を感じさせるような取り立てが行われます。
このような取り立ては、本来は違法とされるものですが、闇金業者は日常的に行なっているようです。
取り立てを行うことができる時間帯は、午前8時から午後9時と決められています。
これは、取り立てを24時間いつでも行うことができるとなると、債務者に気の休まる時間がなくなってしまうためです。
また、節度を持って取り立てを行うことで、結果的に借入しやすい環境になることも想定されています。
しかし、闇金業者は時間に関係なく取り立てを行ってきます。
夜中に電話をかけてきたり、早朝に自宅に押し掛けたりすることは決して珍しいことではありません。
借金をしている本人に返済を迫っても、スムーズに返済が進むとは限りません。
このような場合に闇金業者がよく行うのが、闇金業者から借金していることを周りの人に知らせるような行為です。
たとえば、借金をしている人の玄関に闇金業者が貼り紙をすることがあります。
また、借金をしている人の自宅周辺でビラをまいたり、電柱にビラを貼ったりすることもあります。
その他、看板を立てるなど、いずれも用意周到に債務者が借金をしていることがわかるような嫌がらせをします。
周囲の目が気になる場合、返済を早くしようとすると考えるため、このようなことが行われるのです。
借金を返済する義務があるのは、その借金をした人です。
たとえ夫婦や親子であっても、通常は返済の義務はありません。
しかし、闇金業者は家族などにも執拗に返済を迫ってきます。
その家族から返済してもらえれば、それでも構わないというのが闇金業者の考え方です。
また、仮に家族から返済してもらうことは難しくても、その家族から返済するように本人に言ってもらうことも考えています。
闇金業者としては、どのような手段であっても、借金を返済さえしてもらえればそれでいいのです。
サラ金は闇金業者とは違い、法律に従って営業をしており、取り立ての方法も異なります。
合法的な取り立ての方法とはどのようなものなのか、確認しておきます。
サラ金が行う合法的な取り立ての実態
それでは1つずつ見ていきましょう。
借金の取り立てを行う時間帯は、午前8時から午後9時までと法令で決まっているため、サラ金はこの時間を厳守して取り立てを行います。
明け方や夜中に突然、取り立ての電話があるということはまずないため、その点は安心できるはずです。
借金の取り立てを行う際は、電話だけでなく郵送物が自宅に届くこともあります。
その郵便には、滞納している金額や返済期限、振込先などが記載されています。
ただし、郵便物を開封するまでは、その郵便物がどこから届いたものかもわからないようになっています。
そのため、家族などにも借金の返済をしていることを知られないでしょう。
自宅に連絡しても返済がない場合は、勤務先に電話をかけてくることがあります。
ただし、サラ金は会社名を伏せて、個人名でかけてきます。
これも、借金をしていることが周囲の人にできるだけ知られないようにするための配慮です。
闇金業者は、法律的に認められない取引を行っているといえます。
そのため、闇金業者から借金をしてしまった場合、どのように対処すべきか迷うかもしれません。
闇金業者から借金してしまった場合の対処法は、以下のようになります。
闇金業者から借金してしまった場合の対処法
それでは1つずつ解説します。
闇金業者は違法な貸金業務を行い、法律で認められる以上の利息を得ています。
この利息については、明確に違法であることから支払う必要はありません。
また、元金部分についても違法な契約であるため、返済の義務はないと考えられています。
闇金業者から借金をしてしまい、その取り立てが厳しいことを苦にして、自己破産を検討する方もいるかもしれません。
しかし、闇金業者の借入金の返済ができず自己破産しても、何の解決にもなりません。
というのは、闇金業者からの借金は債務整理を行っても、その整理対象とならないのです。
もともと法に反して貸付けを行っているのですから、法律にのっとった整理を行ってもその借金は消えません。
また、自己破産したからといって、その後の取り立てを緩めるということも考えにくいのです。
それでは、実際に闇金業者からの借金に苦しんでいる場合、どのようにしたらいいのでしょうか。
まずは、警察に相談するようにしましょう。
警察の生活安全課では、闇金業者からの借金に対応してくれます。
振込を行った履歴や、連絡先の電話番号などを証拠として提出しましょう。
また、弁護士にも相談してみましょう。
弁護士が闇金業者に連絡を行うと、闇金業者はそれ以後の取り立てをやめてしまうことがほとんどです。
闇金業者自身も、自らの行為が違法であることは認識しており、弁護士に刑事告発されることを恐れているためです。
闇金業者の取り立ては、警察や弁護士に相談することでその後の取り立てを止めることもできます。
しかし、サラ金からの取り立ては、違法なものでないため止めることができません。
そこで、サラ金の借金が返せなくなった場合にはどのような対処法があるのか、ご紹介します。
サラ金の借金が返せなくなったときの対処法
それでは1つずつ見ていきましょう。
任意整理は、裁判所での手続きを行わずに、債権者との交渉で返済金額を減額してもらう債務整理の方法です。
利息や遅延損害金などの金額を減免してもらった上で、毎月の支払金額を減額してもらいます。
その後、3年または5年の分割払いにより完済を目指すというのが一般的です。
個人再生は、裁判所での手続きにより、債務の一部を免除してもらう債務整理の方法です。
また、残りの債務については3年程度で分割返済していくこととなります。
多くの債務を減額することができるため、支払総額を5分の1以下にすることもできる方法です。
自己破産は、裁判所での手続きにより、すべての債務の支払いを免除してもらう債務整理の方法です。
ごく一部の財産を除いて、すべての財産を手放す代わりに、債務の返済が免除されます。
自己破産を行って、その後の再起を図るという選択肢もあるのです。
借金の取り立てがあっても、その支払いができずに困った場合、最終的には弁護士に相談することとなります。
債務整理を行うためにも、違法な取り立てに対処するためにも、弁護士に依頼することが大切です。
それでは、どのように弁護士を選ぶといいのでしょうか。
借金問題や債務整理に精通した弁護士であれば、借金の取り立てや自己破産などの手続きもスムーズに進みます。
また、債務の金額や財産の状況に応じて、どのような債務整理を行うといいか、弁護士からアドバイスをもらうことができます。
弁護士にも専門分野があるため、できるだけ借金問題や債務整理に詳しい弁護士に依頼するようにしましょう。
弁護士に依頼する場合も、最後は人対人としてのお付き合いをすることとなります。
そのため、個人的に相性のいい弁護士を探して依頼すると、ストレスなく手続きを進めることができます。
多くの弁護士と会って、相性のいい人を探してみるのがおすすめです。
闇金業者からの借入は違法な取引であり、その取り立ての方法に関係なく、本来認められるものではありません。
もし闇金業者と知らずに利用してしまった場合は、早めに警察や弁護士に相談するようにしましょう。
一方、サラ金からの借入は必ず返済しなければなりません。
サラ金の返済が難しい場合は、債務整理などを検討しましょう。