東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
支払が厳しくて、やむなく行った会社法人の債務整理。
さて支払が幾分か楽になったものの、会社としての信用は低下したかもしれません。
そのような会社がこれから再び浮かび上がるためには、どのようなことに注意しなければいけないのでしょうか?
ここでは、この点についていくつかのポイントを見ていきます。
まず、会社に求められるものは、その事業に採算性があるのか否かです。
せっかくリスケ等で支払の負担が緩和しても、事業に採算の見込みがなければ、早晩支払に苦しむ同じ道をたどることになるでしょう。
そこで、会社が行う事業を再点検してどれが採算を取れるのか、どこが足かせとなっているのかを再検証しなければなりません。
そして利益を生み出している所に重点を置き、採算ラインを下回っているところはウェイトを減らす又は撤退する、そのような決断を求められることになるでしょう。
そのような選択と集中を行っていく中で、全体の軌道修正をしていくのです。
次に、金融機関との付き合いを見ていきます。
金銭の流れは法人にとっては血流を意味します。
これがなくて事業の存続はありえません。
その大きな媒体となるのが金融機関です。
どのような形で事業の再生を計画していて収支は数年後にはこうなる、というようなことを数字に落とし込んで説明していくのです。
単なる「頑張る」「一生懸命対応する」と言った精神論ではいけません。
今の時点と先の一定の時点とを見比べて、この過程をたどるということを説明しなければ相手には納得してもらえないことを肝に銘じるべきです。
他方、付き合いのある金融機関が商工ローン等の業者であれば、自分のところの回収にしか関心を示さないのが通常ですから、数年スパンのリスケの交渉は難しいです。
金融機関以外にもスポンサーの協力を得ると心強いでしょう。
スポンサーの協力は実際的には会社の分割や事業譲渡のような形で現れるかもしれません。
また、新たに資金を融通してくれる者がいれば、それは心強い存在になります。
新たな金融機関や保証協会、株主となってくれる人等に支援を求めるのも一つです。
ところで、先ほど紹介した、会社の分割や事業譲渡の話に戻りますが、あまり秘密裏に処理していくと金融機関等から詐害行為と主張される可能性があります。
難しい局面ではありますが、他者との話し合いを抜きにしては進められないところがありますので、ご注意下さい。
事業の再生は、多くの支援があってこそ可能となるものです。
決して1人の力でできるものではありません。
そのためには、従業員などの手助けも必要となるでしょう。
再生のためには、人員削減等の痛みを伴うかもしれませんが、それでも従業員や多くの人が協力して再生に向かって進められれば右手を2つ得たのも同然です。
同時に、再生となると取引先からも不安がられるのが現実です。
時には事務所に駆け込んできて支払を催促され、または商品の引き上げ等を目の当たりにするかもしれません。
気持ちがへこむ瞬間ではありますが、協力者を得るという気持ちを失わず、この局面を乗り越える必要があります。
ここまで、事業再生のために必要な視点と協力者について述べてきました。
客観的にどこが利益を出し、どこが不採算なのかを分析し、次に協力してくれる支援者を探す……その過程は、失われた信頼関係の回復の道のりであり、ともすれば長い時間を要するかもしれませんが、誠実に対処して再び軌道に乗っていくことを願います。