東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。
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Contents
自己破産をした後の生活にはどのような影響が出るのでしょうか。
ここからは、自己破産後の生活に影響を与える5つのことについて解説します。
自己破産を検討している方は、手続き前に必ず確認しましょう。
自宅や自動車については差し押さえられて、売却されます。
ただし、仕事に必要な財産については残されます。
原則として保有できるのは、99万円以下の現金と、時価20万円以下の財産のみです。
自己破産をすると、信用情報機関へ登録されることになります。
信用情報機関に登録されると、新たにクレジットカードを作成することができなくなります。
また、それまで保有していたクレジットカードを使うこともできなくなります。
さらに、消費者金融を利用したり、ローンを組んだりすることもできません。
そのため、消費者金融や金融機関から資金調達もできなくなるため、マイホームや車の購入などもし大きな買い物をしようとしているのなら、諦めることになるでしょう。
特に滞納がなく、端末料金の残金もない場合は、今使っている携帯・スマホやプロバイダを使い続けることができます。
しかし、それらの料金を滞納していて、免責の対象にした場合、今まで使用していた携帯・スマホやプロバイダは自己破産後契約が解除されてしまうため、新規契約が必要になります。
新しく契約する場合は、今まで契約していた会社では受け付けてもらえないことがありますので、別の会社にするなど対策をしてください。
なお、自己破産した後にも、携帯やスマホの契約を新たに行うことはできますが、端末代金の支払いを分割払いとすることはできません。
もし新しくスマホなどを購入する場合は、スマホ本体は現金払いで購入しなければならないのです。
自己破産後の生活のためのやることの1つとして、ご留意ください。
自己破産の手続きを行い、免責許可を得たとしても、税金や年金の支払は免責されません。
また事故などで他の人に損害を与えてしまった場合の損害賠償金や慰謝料も免責されません。
いわゆる士業や、不動産・金融関係の資格をお持ちで仕事をされている方は破産申立から免責許可決定までは仕事ができませんのでご注意ください。
自己破産をしたときに、裁判所から家族や保証人へ直接自己破産について連絡が行くことはありません。
しかし、自己破産した本人の家族に影響が出る場合があります。
保証人や連帯保証人ではない限り、家族への影響はほとんどありません。
自己破産とは、個人の財産を処分する代わりに借金返済を免除してもらうという、あくまで個人的な手続きです。
そのため、家族の財産が処分されることもなく、家族が代わりに借金を返済する必要もありません。
しかし、自己破産後に子どもが奨学金を借りることはできても自己破産をした親が保証人になることができないので、他の人にお願いする必要があります。
また持ち家に住んでいた人の場合は、家を売却しなければなりません。
さらに、配偶者が自己破産をした場合、自己破産をしていない人まで信用情報に影響する可能性があり、配偶者もクレジットカードが作れない場合などがあります。
借金に保証人がついていた場合は、自己破産した本人は免責されますが、保証人は免責されず、保証人に借金の取り立てが行くことになります。
保証人まで自己破産してしまう可能性があるので、自己破産する前に必ず保証人に連絡をとってください。
自己破産をすると本人やその家族にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、その影響はそれほど大きいものではなく、基本的に自己破産前と同じ生活を送ることができます。
ここからは、自己破産後の生活で誤解されやすい6つの項目について、1つずつ解説していきます。
戸籍謄本や住民票にはそのような記載欄はないため、これはあり得ません。
ただ、本籍地にある破産者名簿には、免責されなかった人が掲載されます。
自己破産をするということは、免責された人になるということですので、こちらの名簿にも載りません。
信販系の会社が関わる場合については、確かにそのような事例も考えられます。
ただし、普通の大家さんから家を借りる場合については、特に借りられないということはありません。
先ほども解説しましたが、全部がなくなるわけではなく、生活に必要なものは残ります。
また、99万円以内であれば現金を手元に置いておけます。
基本的に、職場に自己破産の事実を知られてしまうことはありません。
ただ、自己破産の申請をして、免責が許可されるまでの間に就けない職業がいくつかあります。
自己破産をしても海外に出国する自由はあります。
自己破産の手続き中は、転居や長期の旅行が制限されるものの、自己破産の手続きが終わった後、特に海外への出国を制限されるということはありません。
選挙権と自己破産は関係がないため、選挙権がなくなることはありません。
自己破産後の生活の影響がわかったところで、ここからは自己破産の手続きをみていきましょう。
自己破産には、「管財事件」と「同時廃止事件」の2種類の手続きがあります。
どちらの手続きを行うかは、破産者の財産状況によって異なります。
自己破産の手続きにかかる期間は、約半年ほどです。
自己破産のメリット | 自己破産のデメリット |
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自己破産は、借金がゼロになるという最大のメリットがあるものの、信用を失うという重いデメリットがあります。
自己破産をすると信用情報機関に登録されるため、消費者金融やクレジットカード会社、銀行などの審査に通らなくなります。
そのため、自己破産から7〜10年程度は借入れをすることが難しくなってしまいます。
お金以外にも様々なデメリットがありますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回は、自己破産と、その後の生活について解説しました。
戸籍謄本に自己破産したことが記載されたり、海外へ行けなくなったりすることはありません。
家族への影響もそれほど大きいものではなく、自己破産前とほとんど同じ生活を送ることができます。
自己破産のデメリットとして新規借入れができなくなるなど多少の不便はありますが、借金から解放されるというメリットは大きいでしょう。
自己破産をすべきか迷っている方や自己破産の手続きに不安がある方は、まずは無料相談できる弁護士事務所に問い合わせてみることをおすすめします。