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短期消滅時効とは?民法改正で廃止された時効の例まとめ

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

この記事でわかること

  • 短期消滅時効とは何かがわかる
  • 民法で定められている短期消滅時効の例を確認できる
  • 短期消滅時効は民法改正でどう変わったのかがわかる

2020年4月から施行されている改正民法では、消滅時効の規定が一部変更されました。

消滅時効とは、権利者の権利を一定の場合に消滅させる仕組みのことです。

消滅時効の中には、より短い期間で消滅時効が成立する場合があります。

それが「短期消滅時効」です。

民法改正により短期消滅時効は廃止されましたが、民法改正前に結んだ契約であれば適用されます。

ご自身が抱えている債務の契約日や性質を照らし合わせて、短期消滅時効に該当するかどうか確認しましょう。

ここでは、短期消滅時効に関する民法の規定や、民法改正による変更点について解説します。

借金をしている方、借金を長い間放置してしまっている方は、ぜひ最後までご覧ください。

短期消滅時効とは

短期消滅時効とは、原則的な消滅時効期間よりも短い期間で消滅時効が成立する規定です。

医師、弁護士、工事請負人、飲食店経営者など職業別、債権の種類別に消滅時効が定められているのが特徴です。

短期消滅時効は、2020年4月1日に施行された改正民法で廃止されました。

このため、短期消滅時効の取り扱いは施行日を境に変わります。

2019年3月31日以前に締結した契約であれば短期消滅時効が適用され、2020年4月1日以降に締結された契約であれば適用されないことになります。

例として、飲食店でツケの飲食をした場合を考えてみましょう。

後ほど詳しく解説しますが、飲食店の飲食代金債権は短期消滅時効の項目に該当し、1年間で消滅時効が完成します。(旧民法174条4号)

2019年3月31日までにツケの飲食があった場合には、1年後には短期消滅時効の成立を主張することができます。

一方、2020年4月1日以降にツケの飲食があった場合には、改正後の民法が適用され、10年あるいは5年の消滅時効期間が適用されます。

消滅時効とは

そもそも消滅時効とは、何らかの権利行使可能な債権者が、その権利を行使することなく一定期間経過し、これに対して債務者が消滅時効を援用(時効が成立したと意思表示をすることを言います。)することによって、権利が消滅する制度のことです。

たとえば、あるお金の貸し借りの契約について、返済日から督促や返済などがないままでいると、一定期間が経過した時点で消滅時効が完成します。

借金をしている人が「消滅時効を援用します」と相手に伝えることで、借金が消滅するという仕組みです。

借金など、債務の返済を放置せざるを得ない人を救済してくれる手段の一つだと言えます。

基本として、借金を含めた一般的な債権に関する消滅時効は、以下のような規定があります。

そして、基本に当てはまらない例外についても定めがあります。

ここでは、旧民法と改正民法の主な規定の違いについて、表にまとめました。

旧民法改正民法
基本
  • ・権利者が権利を行使することができる時から10年間行使しないとき
  • ・権利者が権利を行使することができる時から10年間行使しないとき
  • ・権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
  • ※いずれか早い方
例外
  • ・商行為によって生じた債権(5年)
  • ・職業別に短期消滅時効あり
  • ・商行為であっても扱いを統一
  • ・職業別の短期消滅時効は廃止

旧民法・改正民法で規定されている「権利を行使することができる時」というのは、消費者金融などの業者の場合は、契約で定めた返済日が当てはまります。

このとき、改正民法では「権利を行使することができることを知った時」との定めがありますが、これについても契約で定めた返済日が該当します。

ただし、消滅時効の完成を妨げる事由も規定されており、当てはまる場合には消滅時効の完成は中断あるいはゼロから進行を始めることになるのです。

時効が一時的に停止することを「完成猶予」、時効の進行がリセットされて新たに進行を始めることを「時効の更新」と呼びます。

改正民法での完成猶予及び更新事由としては、以下のようなものが挙げられます。

事由完成猶予更新
協議を行う旨の合意
催告
仮差押えなど
承認
裁判上の請求など
強制執行など

民法で決められている短期消滅時効の例

改正民法では職業別の短期消滅時効は廃止されましたが、全てに原則的な消滅時効期間が適用される訳ではありません。

例外として、一部の債権については別途規定があります。

たとえば、以下のような債権が挙げられます。

債権の種類消滅時効期間
取消権 ・追認することができる時から5年
・行為の時から20年
詐害行為取消権 ・債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年
・行為の時から10年
不法行為に基づく損害賠償請求権 ・被害者や法定代理人が損害および加害者を知った時から3年
・不法行為の時から20年
人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権 ・被害者や法定代理人が損害および加害者を知った時から5年
・不法行為の時から20年
財産の管理について生じた親子間の債権・管理権が消滅した時から5年
相続回復請求権 ・相続人や法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年
・相続開始の時から20年
遺留分侵害額請求権 ・遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年
・相続開始の時から10年

民法改正で廃止された短期消滅時効の例

これまで解説してきたように、旧民法で規定のあった職業別の短期消滅時効は民法改正で廃止されました。

職業別の短期消滅時効に該当していた債権は、改正民法166条1項に定める原則に統一されます。

また、商行為によって生じた債権に関する5年の消滅時効も削除され、原則に統一されます。

もともと職業別の短期消滅時効は、権利関係をより迅速に確定させる目的で作られました。

しかし、以下のような理由から民法改正で廃止されることとなりました。

  • どの債権にどの消滅時効期間が適用されるのか複雑で分かりにくい
  • 1年、2年、3年の区別も合理性に乏しい
  • 旧民法の元になったフランス法でも2008年に廃止されている

廃止された短期消滅時効の例としては以下の通りです。

消滅時効期間債権の種類具体例
1年月またはより短い期間で定めた使用人の給料に関する債権 時給や日給など月給以下の単位で働く人の給料
※労働基準法上の賃金に当たらない場合のみ
自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬またはその供給した物の代価に関する債権 歌手の出演料など
※労働基準法上の賃金に当たらない場合のみ
運送料に関する債権宅配便やタクシーの運賃など
旅館、料理店、飲食店、貸席または娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価または立替金に関する債権旅館の宿泊代や飲食店のツケ代金など
動産の損料に関する債権レンタカーや貸布団など極めて短期間の動産の賃料
2年弁護士・弁護士法人・公証人の職務に関する債権弁護士費用など
生産者・卸売商人・小売商人が売却した産物・商品の代価に関する請求権スーパーなどでの売買代金
自己の技能を用い、注文を受けて物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権クリーニング代、理容室・美容室のカット代など
教育を行う者の生徒の教育費、衣食日又は寄宿の代価の債権学校、塾などに対する授業料、教材費
3年医師・助産師・薬剤師の診療・助産・調剤に関する債権病院で診察を受けた際に支払う診療費、調剤費など
工事の設計、施工又は監理を業とする請負人の工事に関する債権工事の請負代金など
弁護士・公証人の職務に関して受け取った書類についての義務に対する権利※弁護士(法人含む)については事件終了時、公証人については職務執行時から時効が進行する
5年商行為による債権 当事者の一方が企業や事業者である場合に適用される
たとえば会社が個人にお金を貸し付けた場合など
※旧商法の規定

まとめ

2020年4月1日から施行された改正民法によって、消滅時効の規定は大幅に変更されました。

4月1日以降とそれより前の契約では、適用される民法が変わるため注意しましょう。

中でも、大きな変更は短期消滅時効の廃止です。

旧民法では原則として消滅時効は10年ですが、例外として、より短期に権利を確定させる必要性がある債権について、短期消滅時効が定められていました。

たとえば、飲食店のツケは1年、工事の請負代金は3年で消滅時効が完成します。

現在、短期消滅時効は廃止されていますが、契約日によっては適用を受けることがあるため、慎重な取り扱いが必要です。

自分が抱えている債務について、消滅時効が完成しているかどうかを知るためには、まず適用される民法が新旧どちらかを確認しましょう。

その上で、債務の性質によって、消滅時効が完成する期間を確定します。

さらに、消滅時効の完成を妨げる事由がないかどうかについても詳細な確認が必要です。

こうした確認作業には法的な知識が不可欠です。

確実に消滅時効を援用したい方や、消滅時効を援用できるか不安な方は、あらかじめ弁護士に相談することをおすすめします。

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