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最終更新日:2025/10/24

共有分割とは?基本的に避けるべき理由と円満に遺産を分ける方法を解説

古尾谷 裕昭
この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、立川、千葉、埼玉、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡などの全国の主要都市16拠点にオフィス展開し、年間3,500件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】

記事の要約

  • 共有分割とは、不動産などの遺産を複数の相続人で共有する分け方のこと
  • 共有状態の不動産は将来的に処分しづらくなることから、基本的に共有分割は避けたほうがよい
  • 円満に遺産分割するには、共有分割ではなく「現物分割・代償分割・換価分割」のいずれかを検討すべき

「相続した不動産は、とりあえず相続人全員の共有にしておこう」

このように遺産分割する方法を、「共有分割」といいます。

共有分割は、たしかに平等感のある分割方法ですが、事前に知っておくべき注意点もあります。

ここでは、その注意点や円満に遺産分割する方法を一緒に見ていきましょう。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関する相談を無料で受け付けております。ご不明なことがございましたら、下記からお気軽にご連絡ください。

共有分割とは?

共有分割とは、亡くなった方(被相続人)の財産を「複数の相続人」で共同して相続することです。

一般的には、土地や家屋といった「不動産」の相続で選ばれる分割方法です。

共有分割のイメージ

共有分割の最大のメリットは、「遺産を公平に分けられる」ことです。

たとえば、相続財産が「故人の自宅」と「少額の預貯金」のみの場合、一人の相続人が自宅を相続すると、ほかの相続人との間で不公平が生じます。

遺産分割で不公平が生じている状況のイメージ

そこで、自宅を「共有」にすることで、相続人同士の不平等が解消されます。

遺産分割の不平等が解消されるイメージ

基本的に共有分割は避けるべき理由

平等な遺産分割を実現できる「共有分割」ですが、基本的には、分割方法として選ぶべきではありません。その理由は、以下の3つです。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

理由1:不動産が「塩漬け」資産になる

理由1

共有名義の不動産を「売却・取り壊し」などしたいときには、共有者「全員」の同意が必要です。

そのため、将来的に「家を売って現金化したい」と考えても、ほかの共有者が一人でも反対すると、身動きが取れません。

こうなると、何もできないまま固定資産税だけを払い続ける、「塩漬け」の不動産になってしまいます。

理由2:将来、権利者が増えて問題が複雑になる

理由2

一度、不動産を共有にしてしまうと、次の相続でも「前がそうだったから」という理由で共有分割が選ばれやすくなります。

こうして、何世代も共有分割され続けたことで、共有者が数十人になっているケースも珍しくありません。

そのような状態は「メガ共有」と呼ばれ、共有者全員を把握することさえ難しくなります。

メガ共有になっている不動産で、登記の手続きなどが放置されていることは、社会問題にもなっています。

理由3:相続税が高くなる可能性がある

理由3

共有分割をすることで、相続税が高くなる可能性があります。

これには、土地の評価額を最大で80%減額できる「小規模宅地等の特例」が関係しています。

小規模宅地等の特例を使えるのは、「亡くなった方と一緒に住んでいた親族」などの要件を満たした相続人に限られます。

共有者のなかに要件を満たしていない方がいる場合、その人の持分には特例が適用されません。

結果として、「要件を満たす方が一人で相続したとき」と比較して、課税対象の財産額が大きくなり、相続税の負担も重くなります。

円満に遺産分割をする方法

遺産分割の方法には、「共有分割」以外にも、次の3つがあります。

分割方法

  1. 現物分割
  2. 代償分割
  3. 換価分割

円満に遺産分割をするためには、基本的に共有分割は選ばず、ご自身の状況に合わせてこの3つのいずれかを選択することをおすすめします。

具体的なケースごとに適した分割の方法は、次のとおりです。

ケース おすすめの分割方法
相続財産のなかに、「不動産」以外にも「預貯金」などの財産が十分にある 現物分割
不動産を相続する人が、ほかの相続人に「代償金」を払えるほどの資産を持っている 代償分割
亡くなった人の不動産を誰も使う予定がなく、売却して公平に分けたい 換価分割

それぞれの分割方法の詳細は、下記の記事でお伝えしています。

ただし、「相続財産の大部分が自宅」で「その家に住み続けたい人がいる」ようなケースでは、どうしても共有分割を選ばざるを得ないこともあります。

もしご自身の状況で、どのように遺産分割をすべきか迷ってしまったら、お気軽に弊社までご相談ください。状況をお伺いしたうえで、最適な対応をご提案いたします。

共有分割に関するよくある質問

最後に、共有分割に関してよくある、次の質問にお答えします。

Q1:共有状態を解消する方法は?

財産の共有状態を解消するための手続きのことを、「共有物分割請求」といいます。

共有物分割請求の手続きは、共有者の全員に「共有状態を解消したい」旨の意思表示をしたうえで、話し合いをすることから始まります。

この「共有物分割協議」がまとまらないときは、「裁判所での調停」や「共有物分割訴訟」によって解決することも検討しなければなりません。

以上のように、共有状態を解消するのには多大な労力がかかるため、はじめから共有は避けることをおすすめします。

Q2:共有名義の不動産の固定資産税は、誰が払う?

法律上、共有者は連帯して固定資産税を納付する義務を負い、負担割合は「それぞれの持分」に応じることが一般的です。

ただし、実際には「代表者に納税通知書が届き、その方が全員分を立て替えて支払う」ことが多いです。

Q3:あえて共有分割を選ぶべきケースはある?

「相続した自宅を、近いうちに売却する」ことが確実な場合は、あえて共有分割を選ぶのも一手です。

これは、家を売却したときにかかる「譲渡所得税」に対して、「空き家特例」をそれぞれの共有者が使えて、税負担を軽くできるからです。

ただし、この判断は専門的な知識が求められるため、検討される際は税理士に相談することをおすすめします。

Q4:共有分割でも相続登記は必要?

令和6年4月1日より、不動産を相続したときは、分割方法に関わらず、名義変更の手続き(相続登記)をすることが義務化されています。

正当な理由なく登記を怠った場合には、10万円以下の過料が科される可能性がありますので、ご注意ください。

なお、不動産を売却することが決まっているのであれば、手続きをスムーズに進めるために、あえて「代表者一人」の名義にすることもあります。

安易に「共有分割」を選ぶことは避けましょう

ここでは、「共有分割の概要」や「基本的には避けるべき理由」をお伝えしました。

この記事を参考にしながら、ご家族にとって最適な遺産の分割方法を検討してみてください。

もし、どの分割方法を選ぶべきか迷ったり、ご不安な点があったりするときは、一人で抱え込まず、弁護士や税理士などの専門家に相談しましょう。

多くの士業事務所では、初回の相談を無料にしています。

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