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最終更新日:2026/11/2

うちの会社は使えるの?今さら聞けない特例事業承継税制

高山弥生(税理士)
この記事の執筆者税理士 高山弥生

VSG相続税理士法人 税理士。

相続は、近しい大切な方が亡くなるという大きな喪失感の中、悲しむ間もなく葬儀の手配から公共料金の引き落とし口座の変更といった、いくつもの作業が降りかかってきます。おひとりで悩まず、ぜひ、私たちに話してください。負担を最小限に、いち早く日常の生活に戻れるようサポート致します。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profiletakayama/
書籍:税理士事務所スタッフは見た!ある資産家の相続
Twitter:@takayama1976

特例事業承継税制を使うと会社の株の相続税が免除になる、というのは聞くけれど、うちの会社が使えるのかどうかわからないし、届出とかも面倒っていうし、取り消し要件に該当すると納税しなきゃいけないというし、期限も近いっていうし・・・と放置しているオーナー社長もいらっしゃるのではないでしょうか。

わからないまま放置するのではなく、使えないなら他の対策を考えればいいのですから、使えるかどうかを確認してみましょう。今回の記事では、どのような会社が特例事業承継税制を使えるのかをご説明します。

会社が贈与の時に以下の要件を満たしているか

特例事業承継税制の適用をしたいと思い立ったら、まずは「特例承継計画」を作成し、都道府県に提出します。これを特例承認計画の確認申請といいます。

この申請期限が令和9年9月30日ですので、まだ間に合います。

特例承継計画には、後継者が株を取得した後の5年間、どのように事業を継続していくかを記載し、認定支援機関のアドバイスを受ける必要があります。

都道府県は「形式的な要件を満たしているか」と「専門家(認定支援機関)から適切なアドバイスを受けているか」といった内容を確認します。

こちらの申請後、株の贈与をしますが、株の贈与をする時に以下の要件を満たしている必要があります。

中⼩企業であること

中小企業者であるかどうかは、資本金又は従業員数で判定します。

たとえば、製造業その他の場合、資本金3億円以下又は従業員数300人以下の場合、卸売業の場合は資本金1億円以下又は従業員数100人以下の場合、中小企業者に該当します。

そのほかの業種は↓

業種の判定は「日本標準産業分類」で分類項目名、説明及び内容例示からどの分類に当てはまるのかをみます。
医療法人や社会福祉法人、外国会社、士業法人は事業承継税制の対象となる中小企業者には該当しません。

上場会社、⾵俗営業会社に該当しないこと

事業承継税制の適用の前提となる認定においては、「上場会社等」の範囲を、

  • 金融商品取引所又は店頭売買有価証券登録原簿に上場又は登録の申請をしている場合
  • 外国に所在する金融商品取引所又は店頭売買有価証券登録原簿に類似するものに上場又は登録されている、あるいは、上場又は登録の申請をしている場合

も含むこととしています(施行規則第6条第1項第7号及び第7条第2項第7号)。

「風俗営業会社」とは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に該当する事業を営む会社をいいます。

特定特別関係会社が性風俗関連特殊営業である場合も事業承継税制の適用はできません。

常時使用従業員の数が1名以上であること

特別関係会社(事業承継税制が適用できるか判定したい会社その会社の代表者と代表者と特別関係のある者で議決割合が50%を超える会社のこと)とが外国会社である場合は常時使用従業員の数は5名以上である必要があります。

資産保有型会社等(⾃ら使⽤していない不動産等が70%以上ある会社やこれらの特定の資産の運⽤収⼊が75%以上の会社)ではないこと

⼀定のやむを得ない事由による場合や⼀定の事業実態(常時使用する従業員の数が5人以上、事務所、店舗、工場その他これらに類するものを所有し、又は賃借していること、事業内容等)がある場合には、資産保有型会社等に該当しないものとみなされます。

総収入金額が0を超える

贈与の日の属する事業年度の直前の事業年度の主たる事業活動から生ずる収入の額が0を超えている必要があります。

贈与の日が、当該贈与の日の属する事業年度の末日である場合には、当該贈与の日の属する事業年度及び当該事業年度の直前の事業年度の両方が0を超える必要があります。

贈与者と受贈者の要件

特例事業承継税制を適用するにあたり、会社だけではなく贈与者と受贈者も満たしておくべき要件があります。

贈与者の要件

贈与者は贈与以前に代表権を有していたことがあり、贈与時点では代表を退いてなければなりません。

そして、贈与直前に贈与者と贈与者と特別の関係がある者が会社の総議決権数の50%を保有しており、贈与者が贈与者及び贈与者と特別の関係がある者の中で最も多くの議決権数を保有している必要があります。

贈与者が贈与以前に代表権を有していたという要件から、オーナー社長の配偶者が株を保有していて、配偶者は代表権を持ったことがなかった場合、特例事業承継税制を適用することはできません。

贈与者が配偶者の場合、この部分で適用除外になることが多いので要チェックポイントです。

受贈者の要件

受贈者は贈与を受けるまでに役員登記をしていて、贈与を受ける時には18歳以上で代表権を有していいなければなりません。

受贈者と受贈者と特別の関係がある者がその会社の総議決権数の50%超の議決権数を保有しており、その中でもっとも多くの議決権数を保有している必要があります。

すべてクリアしたら贈与実行を!

贈与の時にここまでに揚げた要件を満たしているのであれば、事業承継税制を適用できますので、令和9年12月31日までに贈与を実行し、令和9年の10月15日から翌年1月15日までの間に、都道府県知事に対して納税猶予を受けるための特例の認定申請をしましょう。

この認定申請を行うことで、特例事業承継税制を適用でき、贈与税が猶予されることになります。

特例事業承継税制を適用するためには、都道府県知事と税務署に書類を提出します。

この提出のスケジュール管理が非常に重要となってきます。令和9年9月30日が提出期限となっている特例承認計画は作成した後、認定経営革新等支援機関のアドバイスを受ける必要がありますが、当法人は認定経営革新等支援機関であり、当法人が属するベンチャーサポートグループ(VSG)全体で、中小企業の融資や補助金申請、事業計画書の作成などの財務コンサルティング、および事業承継のサポートを行っています。

事業承継税制や特例承継計画の書き方でご不明点のある方はお気軽にお問合せください。

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