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交通事故証明書とは?取得方法や記載内容・取得時の注意点について

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

この記事でわかること

  • 交通事故証明書の概要がわかる
  • 交通事故証明書の取得方法と必要書類がわかる
  • 交通事故証明書の記載内容がわかる
  • 交通事故証明書を取得する際の注意点がわかる

交通事故の被害者となった場合、慰謝料や治療費は加害者側の保険会社に請求できますが、事故の発生や内容を公的に証明した書類が必要になります。

この書類を「交通事故証明書」といい、基本的には加害者側の保険会社が自動車安全運転センター(交通安全運転センター)から取得してくれます。

ただし、以下のような状況であれば、自分で交通事故証明書を取得することもあり得ます。

  • 加害者が任意保険に加入していなかったとき
  • 少しでも早く交通事故証明書を取得したい事情があるとき

とはいえ、どうやって取得するか、何が書かれているのかといった疑問もあるでしょう。

そこで今回は、交通事故証明書の取得方法や取得時の必要書類、覚えておきたい注意点などをわかりやすく解説します。

交通事故の被害者となった方はぜひ参考にしてください。

交通事故証明書とは

交通事故証明書とは、交通事故の発生を証明する公的文書です。

自動車安全運転センターで取得できますが、以下のようなケースで必要となります。

  • 自賠責保険の補償を受けるとき
  • 加害者の任意保険から補償を受けるとき
  • 労災保険の補償を受けるとき
  • ケガの治療で会社を休むとき
  • 刑事記録(実況見分調書など)を取得するとき
  • 加害者へ損害賠償請求訴訟を起こすとき

なお、警察への届け出がない交通事故では発行されないので注意してください。

交通事故証明書の取得方法・必要書類

交通事故証明書は加害者側の保険会社(任意保険)が取得するので、自分で取得する必要はありません。

ただし、加害者が任意保険未加入であれば自分で申請して取得することになります。

取得方法は以下の3つになりますが、早く取得したいときは自動車安全運転センターの窓口で申請した方がよいでしょう。

交通事故証明書の取得方法

  • 自動車安全運転センターの窓口で取得する
  • インターネット申請で取得する
  • 郵便局またはゆうちょ銀行を利用して取得する

具体的には以下の手順になるので、必要書類も参考にしてください。

自動車安全運転センターの窓口で取得する

各都道府県にある自動車安全運転センターの窓口では、交通事故証明書の発行申請を受け付けています。

「交通事故証明書申込用紙」に必要事項を記入して交付手数料を支払えば、基本的には即日交付されるので、急ぎの方は窓口申請した方がよいでしょう。

申請窓口は全国どこの自動車安全運転センターでも構いませんが、以下のような状況であれば交通事故証明書は郵送扱いになります。

  • 事故の発生場所の管轄センター以外に申請したとき
  • 交通事故の関係書類が警察から到着していないとき

なお、申請できる人は交通事故の被害者や加害者、損害賠償請求権のある親族や保険金の受取人となります。

各センターの所在地は以下のリンクを参照してください。

参考:所在地一覧(自動車安全運転センター)

インターネット申請で取得する

交通事故証明書はインターネット申請もできるので、まず自動車安全運転センターの公式サイトでメールアドレスを登録し、案内メールに従えば交付申請できます

手数料は1通につき800円および払込手数料132円がかかり、以下のコンビニエンスストアまたはペイジー、あるいはネットバンキングによる支払いが確認された後に郵送されます。

  • セブンイレブン
  • ローソン
  • ファミリーマート
  • ミニストップ
  • デイリーヤマザキ
  • セイコーマート

手数料は申請から7日以内に支払いますが、7日を過ぎると自動キャンセルされます。

申請は交通事故の当事者本人に限られており、交通事故証明書に記載された住所以外には郵送されないので注意してください。

申請後は概ね10日程度で郵送されます。

参考:各種証明書のインターネット申請(自動車安全運転センター)

郵便局またはゆうちょ銀行を利用して取得する

郵便局やゆうちょ銀行窓口で交通事故証明書を交付申請するときは、以下のように手続きを進めてください。

  • (1)交通事故証明書申込用紙(払込取扱票及び振替払込請求書兼受領証)の入手
  • (2)必要事項を記入して郵便局またはゆうちょ銀行窓口に提出

交通事故証明書申込用紙は近くの警察署や交番で取得してください。

必要事項を記入した後は郵便局またはゆうちょ銀行窓口へ提出し、交付手数料800円と払込手数料を支払います。

交通事故証明書は申請から10日程度で自宅に郵送されますが、自宅以外へ郵送を希望するときは交通事故証明書申込用紙の通信欄に記入してください。

交通事故証明書の記載内容

交通事故証明書には、事故の基本情報として以下の内容が記載されています。

交通事故証明書の記載内容

  • 事故照会番号:事故処理をした警察署に照会するための番号
  • 事故の発生日時や場所
  • 交通事故の当事者情報:当事者の住所氏名や生年月日(2人いれば甲・乙で記載される)
  • 事故車両の情報:車種やナンバー、自賠責保険や事故時の状態や同乗者など
  • 事故類型:車両相互または単独の事故、正面衝突や側面衝突、追突などの類型が記載される
  • 証明番号
  • 照合記録の種別:人身事故または物損事故のどちらかが記載される

交通事故証明書は事故の発生のみ証明する書類なので、事故の原因や目撃証言、過失割合やどちらが加害者・被害者かといった情報は記載されていません。

交通事故証明書を取得する際の注意点

交通事故証明書は取得できる人や取得期限が定められているので、以下の点に注意してください。

交通事故証明書の取得期限に注意

交通事故証明書は物損事故、または人身事故によって以下のように取得期限(交付期限)が定められています。

  • 物損事故:事故発生日から3年以内
  • 人身事故:事故発生日から5年以内

原則として、取得期限を経過すると交付申請は受け付けてもらえないので注意してください。

交通事故証明書を取得できる人

交通事故証明書には個人情報が記載されるため、以下のように取得できる人が限定されています。

  • 交通事故の当事者(加害者や被害者本人)
  • 損害賠償請求権のある親族
  • 保険金の受取人
  • 交通事故の当事者の雇用主(業務中に交通事故が発生した場合)

申請時には本人確認書類が必要となり、当事者以外が申請する場合は委任状も必要です。

ただし、委任状については以下の扱いになるので注意してください。

  • 当事者の同居親族は委任状が不要
  • 当事者の別居親族は委任状または戸籍抄本が必要
  • 当事者以外の第三者は委任状が必要

委任状を用意できないときはケースバイケースの対応になるため、詳しくは自動車安全運転センターに問い合わせてください。

まとめ

交通事故証明書は事故発生の事実のみ証明できますが、保険会社から補償を受ける際に必要となり、過失割合に影響する実況見分調書の取得も可能となります。

当事者同士で物損事故扱いにしたときでも、必ず警察へ連絡して交通事故証明書が作成されるようにしてください。

交通事故証明書の取得方法は特に難しくありませんが、日中に時間を避けない方はインターネット申請も利用してみましょう。

なお、交通事故証明書や実況見分調書が作成されても、示談交渉が有利な展開になるとは限りません。

保険会社は基本的に慰謝料や治療費を低く見積もってくるので、安易に承諾すると高額な治療費でも自己負担する羽目になってしまいます。

十分な補償を受けたいときや、示談交渉がまとまらずに困ったときは、交通事故に強い弁護士へ早めに相談しておきましょう。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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