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交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所 > 交通事故弁護士コラム > 交通事故予備知識 > ライプニッツ係数とは?逸失利益の計算方法もわかりやすく解説

ライプニッツ係数とは?逸失利益の計算方法もわかりやすく解説

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

この記事でわかること

  • 交通事故で利用されるライプニッツ係数の概要と役割
  • 逸失利益の計算方法と具体的な事例
  • 民法改正がライプニッツ係数と損害賠償額に与える影響

2020年に民法が改正され、交通事故の損害賠償計算に使用されるライプニッツ係数にも変化が生じました。
ライプニッツ係数とは、逸失利益の計算で重要な数値であり、被害者が適切な賠償を受け取るために欠かせません。
この記事では、ライプニッツ係数のしくみや計算方法、またホフマン係数との違いを詳しく解説します。
さらに、民法改正後の法定利率の変更が賠償額にどのような影響を与えるのかを見ていきます。

ライプニッツ係数とは

ライプニッツ係数は、交通事故の逸失利益を計算する際に使用される重要な数値です。
逸失利益とは、事故がなければ将来得られたはずの収入のことで、賠償額を公平に計算するために使われます。
ここでは、ライプニッツ係数の意味や使い方、ホフマン係数との違いをわかりやすく解説します。

逸失利益とは?

逸失利益とは、交通事故が原因で後遺障害が残った場合や死亡した場合に、被害者が将来得られなくなる収入のことを指します。

たとえば、事故によって仕事ができなくなり、収入が減少した場合、その損失分を加害者に請求することができます。
これが逸失利益です。
労働能力が一部制限される場合や完全に失われる場合、または死亡による収入減少も含まれます。

逸失利益を計算する際には、以下の3つの要素が必要です。

  1. 基礎収入:事故前の収入額を基に計算します。
  2. 労働能力喪失率:後遺障害の等級に応じた労働能力の減少率です。
  3. ライプニッツ係数:中間利息を控除して公平な賠償額を計算するための数値です。

ライプニッツ係数を用いる理由

ライプニッツ係数は、逸失利益を計算する際に中間利息を控除するために使用されます。
賠償金は通常、一括で支払われることが一般的です。
しかし、本来の収入として受け取る場合、それは本来毎年少しずつ受け取るはずだったお金です。
それを一括で受け取ることで、受領者に「運用利益」が発生してしまいます。
この運用利益を差し引くために用いる数値がライプニッツ係数です。

ライプニッツ係数とホフマン係数の違い

ライプニッツ係数とホフマン係数は、どちらも交通事故の賠償額を計算する際に中間利息を控除するために使用されますが、その計算方法には明確な違いがあります。

ライプニッツ係数は、複利を基準として計算されます。
この方法では、元本だけでなく、利息にもさらに利息をつける形で計算が進められます。
そのため、より正確かつ公平な結果を得ることが可能です。
この特徴から、現在の交通事故賠償の実務では、ライプニッツ係数が一般的に使用されています。

一方で、ホフマン係数は単利を基準に計算されます。
この方法では、元本のみに利息を付ける形で計算されるため、複利計算を行うライプニッツ係数に比べて控除額が少なくなる傾向があります。

たとえば、10年間の賠償額を計算した場合、ライプニッツ係数を使った場合の方がホフマン係数よりも控除額が大きくなります。
そのため、現在の賠償実務では、ライプニッツ係数が主に採用されており、より公平な計算方法とされています。

ライプニッツ係数を用いた逸失利益の計算方法

ここでは、ライプニッツ係数を用いた「後遺障害逸失利益」、「死亡逸失利益」の計算方法を紹介します。

ライプニッツ係数を用いた「後遺障害逸失利益」の計算方法

後遺障害が残った場合、次の式で逸失利益を計算します。

計算式

後遺障害逸失利益=基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

  1. 1.基礎収入
    基礎収入は事故前の収入を基に計算します。
    会社員の場合は源泉徴収票、自営業者の場合は確定申告書の金額を使用します。
    専業主婦や学生の場合は、賃金センサス(平均賃金)を基準とします。
  2. 2.労働能力喪失率
    後遺障害等級に応じて、労働能力の喪失率が決まります。
    労働能力喪失率は、以下の通りです。
後遺障害等級労働能力喪失率
第1級100%
第2級100%
第3級100%
第4級92%
第5級79%
第6級67%
第7級56%
第8級45%
第9級35%
第10級27%
第11級20%
第12級14%
第13級9%
第14級5%

別表Ⅰ 労 働 能 力 喪 失 率 表 自動車損害賠償保障(国土交通省)

  1. 3.労働能力喪失期間
    症状固定日から67歳までの期間が基本です。
    ただし、67歳以上の高齢者や子どもの場合、平均余命や特別な基準が適用されます。
  2. 4.ライプニッツ係数
    労働能力喪失期間に応じて、以下のようにライプニッツ係数が定められています。
年齢就労可能年数ライプニッツ係数
184925.5017
194825.2667
204725.0247
214624.7754
224524.5187
234424.2543
244323.9819
254223.7014
264123.4124
274023.1148
283922.8082
293822.4925
303722.1672
313621.8323
323521.4872
333421.1318
343320.7658
353220.3888
363120.0004
373019.6004
382919.1885
392818.7641
402718.3270
412617.8768
422517.4131
432416.9355
442316.4436
452215.9369
462115.4150
472014.8775
481914.3238
491813.7535
501713.1661
511612.5611
521511.9379
531411.2961
541411.2961
551411.2961
561310.6350
57129.9540
58129.9540
59129.9540
60129.9540
61119.2526
62119.2526
63108.5302
64108.5302
65108.5302
667.7861
677.7861
687.0197
697.0197
707.0197
716.2303
726.2303
736.2303
745.4172
755.4172
765.4172
774.5797
784.5797
794.5797
804.5797
813.7171
823.7171
833.7171
843.7171
852.8286
862.8286
872.8286
882.8286
892.8286
902.8286
911.9135
921.9135
931.9135
941.9135
951.9135
961.9135
971.9135
981.9135
991.9135
1001.9135
101~0.9709

就労可能年数とライプニッツ係数表(国土交通省)

シミュレーション:40歳で後遺障害が残った場合

年収1000万円の会社員で、40歳で後遺障害等級10級の後遺障害が残った場合の後遺障害逸失利益は、以下のように計算します。

基礎収入:1,000万円
労働能力喪失率:27%
労働能力喪失期間:27年
労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数:18.3270

計算式

後遺障害逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

上記の計算式に当てはめると、後遺症逸失利益は1,000万円×27%×18.3270=4,948万2,900円となります。

ライプニッツ係数を用いた死亡逸失利益の計算方法

被害者が死亡した場合、逸失利益の計算式は以下の通りです。

計算式

死亡逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対するライプニッツ係数

  1. 1.基礎収入
    後遺障害の場合と同じく、事故前の収入が基準となります。
  2. 2.生活費控除率
    被害者が負担するはずだった生活費を差し引きます。
    生活費控除率は、被害者の立場の違いに応じて、以下のように定められています。
  • 一家の支柱(被扶養者1人):40%
  • 一家の支柱(被扶養者2人以上):30%
  • 女性(主婦、独身、幼児などを含む):30%
  • 男性(独身、幼児などを含む):50%
  1. 3.就労可能年数
    被害者が働けると見込まれる期間です。
    通常、67歳までを基準とします。
  2. 4.ライプニッツ係数
    ライプニッツ係数は、後遺障害の場合と同様です。

40歳に人が交通事故で亡くなった場合

先ほどの年収1,000万円の会社員(40歳)が、交通事故で亡くなった場合の死亡逸失利益を計算しましょう。
既婚で、扶養家族は2人とします。

基礎収入:1,000万円
生活費控除率:30%
就労可能年数27年
就労可能年数に対するライプニッツ係数:18.3270

計算式

死亡逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対するライプニッツ係数

上記の計算式に当てはめると、死亡逸失利益は
1,000万円×(1-0.3)×18.3270=1億2,828万9,000円となります。

【2020年】民法改正によるライプニッツ係数への影響


2020年に民法が改正され、ライプニッツ係数にも変化がありました。
これにより、損害賠償の金額が増えることがあります。
具体的に見ていきましょう。

中間利息控除率が5%から3%に変更

2020年4月1日から、法定利率が5%から3%に引き下げられました。
また、中間利息控除を計算するとき、この新しい法定利率を使うことが決まりました(民法417条の2)。
さらに、法定利率は固定ではなくなり、3年ごとに見直されるようになりました。
2024年の時点では3%ですが、2026年以降の利率はまだ決まっていません。

損害賠償への影響

法定利率が下がることで、損害賠償額にも影響があります。
中間利息控除の額が減るため、逸失利益は増加します。
これは被害者にとってプラスです。

一方で、遅延損害金の利率も引き下げられるため、遅延損害金の金額は減少します。
ただし、多くの場合、逸失利益の増加額のほうが遅延損害金の減少額を上回るため、全体的には被害者にとって有益に働きます。

まとめ

ライプニッツ係数を理解することで、交通事故での損害賠償計算における基準やしくみを把握できますが、正確な金額を導き出すには専門知識が必要です。
特に、法定利率の変動や民法改正の影響を踏まえた計算は、個人で対応するのが難しいこともあります。

事故後に適切な賠償を受け取るためには、まず自分のケースに合った基礎収入や労働能力喪失率を把握することが重要です。
そのうえで、信頼できる弁護士や保険会社の担当者に相談し、逸失利益や慰謝料の具体的な計算を依頼しましょう。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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