

東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。

目次
労災事故によって後遺症が残った場合、後遺障害等級に認定されることで障害の程度に応じた給付を受けられます。まずは、労災の後遺障害等級と給付額の仕組みについて確認していきます。
労災事故によって後遺症が残り、後遺障害等級に認定されると、障害の程度に応じて給付を受けられます。
労災の後遺障害等級は第1級から第14級まであり、認定された等級によって受け取れる給付の種類が異なります。
第1級から第7級は障害の程度が重いため、一時金ではなく年金形式で継続的に給付を受けられます。
第8級から第14級は、一時金としてまとめて給付を受ける仕組みです。
なお、船員の場合には、労災保険給付に加えて船員保険から給付を受けられることがあります。
後遺障害等級ごとに支払われる金額の目安は、以下のとおりです。
| 後遺障害等級 | 障害補償給付金 | 障害特別給付金 | 障害特別支給金 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 給付基礎日額×313日分 | 算定基礎日額×313日分 | 342万円 |
| 2級 | 給付基礎日額×277日分 | 算定基礎日額×277日分 | 320万円 |
| 3級 | 給付基礎日額×245日分 | 算定基礎日額×245日分 | 300万円 |
| 4級 | 給付基礎日額×213日分 | 算定基礎日額×213日分 | 264万円 |
| 5級 | 給付基礎日額×184日分 | 算定基礎日額×184日分 | 225万円 |
| 6級 | 給付基礎日額×156日分 | 算定基礎日額×156日分 | 192万円 |
| 7級 | 給付基礎日額×131日分 | 算定基礎日額×131日分 | 159万円 |
| 8級 | 給付基礎日額×503日分 | 算定基礎日額×503日分 | 65万円 |
| 9級 | 給付基礎日額×391日分 | 算定基礎日額×391日分 | 50万円 |
| 10級 | 給付基礎日額×302日分 | 算定基礎日額×302日分 | 39万円 |
| 11級 | 給付基礎日額×223日分 | 算定基礎日額×223日分 | 29万円 |
| 12級 | 給付基礎日額×156日分 | 算定基礎日額×156日分 | 20万円 |
| 13級 | 給付基礎日額×101日分 | 算定基礎日額×101日分 | 14万円 |
| 14級 | 給付基礎日額×56日分 | 算定基礎日額×56日分 | 8万円 |
なお、「特別給与」とは、給付基礎日額から除外されているボーナスなど3カ月をこえる期間ごとに支払われる賃金をいいます。臨時に支払われた賃金は特別給与に含まれません。
| 障害等級 | 身体障害 |
|---|---|
| 第1級 |
|
| 第2級 |
|
| 第3級 |
|
| 第4級 |
|
| 第5級 |
|
| 第6級 |
|
| 第7級 |
|
| 第8級 |
|
| 第9級 |
|
| 第10級 |
|
| 第11級 |
|
| 第12級 |
|
| 第13級 |
|
| 第14級 |
|
実際に受け取れる金額は、後遺障害等級だけでなく、事故前の収入や賞与額などによって異なります。
そこで、以下のモデルケースをもとに、後遺障害等級ごとの支給額の目安を見てみましょう。
※実際の給付額は個別の事情によって異なります。
労災の後遺障害等級14級に認定された場合、次のような給付を受けられます。
| 支給項目 | 支給日数・金額 |
|---|---|
| 障害補償給付 | 56日分 |
| 障害特別支給金 | 8万円 |
| 障害特別一時金 | 56日分 |
労災からの支給額合計は、
56万円 + 8万円 + 21万2,800円 = 85万2,800円
となります。
労災の後遺障害等級12級に認定された場合、次のような給付を受けられます。
| 支給項目 | 支給日数・金額 |
|---|---|
| 障害補償給付 | 156日分 |
| 障害特別支給金 | 20万円 |
| 障害特別一時金 | 156日分 |
労災からの支給額合計は、
156万円 + 20万円 + 59万2,800円 = 235万2,800円
となります。
労災の後遺障害等級10級に認定された場合、次のような給付を受けられます。
| 支給項目 | 支給日数・金額 |
|---|---|
| 障害補償給付 | 302日分 |
| 障害特別支給金 | 39万円 |
| 障害特別一時金 | 302日分 |
労災からの支給額合計は、
302万円 + 39万円 + 114万7,600円 = 455万7,600円
となります。
労災の後遺障害給付は、後遺障害等級の認定を受けた後に支給されます。まずは治療を続け、これ以上症状の改善が見込めない「症状固定」と診断された後に、後遺障害等級認定の申請を行う必要があります。
一般的な流れは次のとおりです。
後遺障害等級認定の申請から結果が出るまでの期間は事案によって異なりますが、一般的には数カ月程度かかることが多いです。
第1級から第7級に認定された場合は、障害(補償)年金が支給されます。障害(補償)年金は、支給要件に該当した月の翌月分から発生し、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月に、それぞれ前2カ月分がまとめて支給されます。
一方、第8級から第14級に認定された場合は、障害(補償)一時金としてまとまった金額が一括で支給されます。
労災の後遺障害給付を受けるためには、後遺障害等級認定の申請を行う必要があります。
申請先は、勤務先を管轄する労働基準監督署です。申請の際には、障害(補償)等給付請求書に加えて、医師が作成した障害(補償)等給付請求用診断書などの必要書類を添付して提出します。これらの請求書や診断書の様式は、最寄りの都道府県労働局や労働基準監督署の窓口で受け取れるほか、厚生労働省のホームページからダウンロードすることも可能です。
必要書類がそろったら、労働基準監督署へ提出して申請を行います。事業主を通じて提出することもできますが、労働者本人が直接提出することも可能です。
申請後は、労働基準監督署において、提出された診断書や検査結果などの資料の審査に加えて、労働者本人への面談による症状の確認(面接調査)が行われることがあります。また、必要に応じて追加資料の提出や、主治医への照会が行われる可能性もあります。
ここでは、適切な後遺障害等級の認定を受けるために押さえておきたいポイントを解説します。
後遺障害等級の認定を受けるためには、症状固定まで適切な治療を継続することが重要です。
症状固定とは、治療を続けてもこれ以上大きな改善が見込めない状態をいいます。治療期間が極端に短かったり、自己判断で通院を中断したりすると、「症状が軽かったのではないか」と判断されるおそれがあります。
そのため、主治医の指示に従いながら継続的に治療を受けるようにしましょう。
痛みやしびれなどの症状がある場合は、その内容を診察のたびに医師へ伝えることが大切です。
後遺障害等級認定では、カルテや診断書に記載された内容が重要な判断資料となります。実際には症状があっても、医師に伝えていなければ記録が残らず、認定に不利に働く可能性があります。
症状の強さや発生する場面、仕事や日常生活への影響などを具体的に伝えるようにしましょう。
後遺障害等級認定では、本人の訴えだけでなく、客観的な医学的所見が重視されます。たとえば、MRIやCTによる画像所見、神経学的検査の結果などは、症状の存在を裏付ける有力な証拠になります。
特に、神経症状やしびれなどの症状は外見から判断しにくいため、できる限り客観的な検査結果を残しておくことが重要です。
労災の後遺障害等級認定では、障害(補償)等給付請求用診断書の内容が重要な判断資料となります。
この診断書には、後遺障害の症状や症状固定日、検査結果、可動域制限の程度などが記載されます。労働基準監督署は、こうした記載内容をもとに後遺障害等級を審査するため、記載漏れや不正確な記載があると、本来認定されるべき等級よりも低く評価されるおそれがあります。
診断書が作成されたら内容を確認し、症状や検査結果に漏れがないか、不明な点がないかをチェックしましょう。必要に応じて主治医に相談し、実際の症状が正確に反映された診断書を作成してもらうことが大切です。
後遺障害によって生じている支障を記録しておくことも重要です。
たとえば、「長時間座ると痛みが強くなる」「重い荷物を持てない」「パソコン作業を続けるとしびれが出る」など、日常生活や仕事への影響を具体的に記録しておくことで、症状の実態を説明しやすくなります。
こうした記録は、労働基準監督署による面接調査や、認定結果に不服がある場合の異議申立てなどでも役立つ可能性があります。
後遺障害等級に認定されなかった場合でも、それまでに受給していた療養(補償)等給付や休業(補償)等給付などが否定されるわけではありません。ただし、障害(補償)年金や障害(補償)一時金など、後遺障害を前提とした給付は受けられなくなります。
労働基準監督署の認定結果に納得できない場合には、不服申立てを行うことが可能です。具体的には、都道府県労働局の労災保険審査官に対する「審査請求」や、その結果にも不服がある場合の「再審査請求」といった制度が設けられています。
会社に安全配慮義務違反があった場合や、第三者による事故が原因で労災が発生した場合には、労災保険とは別に損害賠償請求ができる可能性があります。
主な請求項目は次のとおりです。
| 項目 | 概要 | 算定方法 | 金額の目安(弁護士基準) |
|---|---|---|---|
| 入通院慰謝料 | 入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償 | 入院・通院期間をもとに慰謝料算定表で算定 | むちうちで3カ月通院した場合:53万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残った精神的苦痛に対する補償 | 後遺障害等級ごとの基準額に基づいて算定 | 14級:110万円 12級:290万円 10級:550万円 |
| 逸失利益 | 後遺障害による将来の収入減少分の補償 | 基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数 | 年収500万円・12級の場合、1,000万円を超えることもある |
もっとも、同じ損害について労災保険と損害賠償の両方から二重に補償を受けることはできません。たとえば、休業損害について労災保険から給付を受けた場合、その部分は損害賠償額から差し引かれるのが原則です。
後遺障害等級認定の申請や会社・相手方との交渉には専門的な知識が必要となるため、十分な補償を受けられないまま手続きを終えてしまうケースも少なくありません。
そのため、労災事故で後遺障害が残った場合には、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
後遺障害等級によって、受け取れる障害(補償)給付の金額は大きく異なります。
弁護士に依頼すれば、必要な検査が行われているか、障害(補償)等給付請求用診断書に不備がないかなどを確認してもらえます。また、認定結果に納得できない場合には、審査請求や再審査請求のサポートを受けることも可能です。
適切な等級認定を受けられるかどうかによって、受給額に大きな差が生じることもあるため、後遺障害認定の段階から弁護士へ相談するメリットは大きいといえます。
労災保険からは慰謝料が支給されません。しかし、会社に安全配慮義務違反がある場合や、第三者による事故が原因の場合には、会社や加害者に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求ができる可能性があります。
弁護士に依頼することで、請求できる損害項目を漏れなく検討できるほか、適切な金額を算定したうえで交渉や請求を進めてもらえます。その結果、最終的に受け取れる金額が大きく増えるケースも少なくありません。
労災事故では、後遺障害等級認定の申請だけでなく、資料収集や損害賠償請求、会社との交渉など、さまざまな手続きが必要になります。
また、認定結果に不服がある場合には審査請求や再審査請求を行うこともあり、専門知識が求められる場面も少なくありません。
弁護士に依頼すれば、これらの手続きを一任できるため、治療や仕事への復帰に専念しやすくなります。精神的な負担を軽減できることも、大きなメリットの一つです。
弁護士費用特約とは、事故の相手方に損害賠償請求を行う際の弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約です。一般的には、法律相談料10万円程度、弁護士費用300万円程度まで補償されるため、自己負担なく弁護士へ依頼できる可能性があります。
労災事故で弁護士費用特約を利用できる代表的なケースとして、通勤中や業務中の交通事故があります。このような事故では、労災保険による補償に加えて、加害者や加害者側の保険会社に対して損害賠償請求を行える場合があり、その際に弁護士費用特約を利用できる可能性があります。
弁護士費用特約は自動車保険に付帯しているケースが多いですが、次のような保険に付いていることもあります。
さらに、自分が契約者でなくても、次のような家族の保険の特約を利用できる場合があります。
そのため、自分の保険に弁護士費用特約が付いていない場合でも、家族の保険を含めて確認することをおすすめします。
いいえ、同じではありません。どちらも1級から14級までの等級制度を採用していますが、認定基準や審査方法が異なります。そのため、交通事故(自賠責保険)と労災では異なる等級になることがあります。
はい、受け取れます。後遺障害給付を受ける権利は労働者本人にあるため、退職したことを理由に受給できなくなることはありません。退職後に後遺障害等級認定を申請することも可能です。
はい、両方受け取れる場合があります。もっとも、障害(補償)年金と障害年金の両方を受給する場合には、給付の調整が行われることがあります。実際に受け取れる金額はケースによって異なるため、年金事務所や専門家へ確認するとよいでしょう。
はい、受けられます。労災保険は正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの雇用形態を問わず適用されます。そのため、業務中や通勤中の事故によって後遺障害が残った場合には、要件を満たせば後遺障害給付を受けることができます。
原則として、労災保険から支給される後遺障害給付には所得税や住民税はかかりません。障害(補償)年金や障害(補償)一時金、障害特別支給金などは非課税とされています。
労災で後遺障害が残った場合に受け取れる金額は、認定された後遺障害等級や事故前の収入によって大きく異なります。
適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、症状固定まで治療を継続し、必要な検査を受けたうえで、診断書などの資料を適切に準備することが重要です。
後遺障害等級の認定結果に納得できない場合や、受け取れる補償額を少しでも増やしたい場合には、労災問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。早めに相談することで、適切な等級認定や損害賠償請求につながる可能性があります。
「VSG弁護士法人」では、交通事故に関して無料法律相談を行っています。泣き寝入りしないためにも、まずはお気軽にご相談ください。
