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交通事故に精通しているVSG弁護士法人 > 交通事故弁護士コラム > 自動車保険・労災 > 【2026年最新】労災で後遺障害等級ごとの金額はいくら?金額早見表付きで解説

【2026年最新】労災で後遺障害等級ごとの金額はいくら?金額早見表付きで解説

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

労災事故による後遺障害等級(1級〜14級)の認定基準や給付金額の早見表、会社への慰謝料請求について弁護士へ相談を検討している労働者のイメージ画像

この記事でわかること

  • 労災で後遺障害等級認定でいくらもらえるのかがわかる
  • 労災を受け取れるタイミングや申請方法がわかる
  • 労災で適切な後遺障害等級に認定されるために必要なことがわかる

労災事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級に認定されることで「障害(補償)給付」を受け取れる可能性があります。

しかし、「後遺障害等級14級だといくらもらえるの?」「一時金と年金の違いは?」「認定されるためには何が必要?」など、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

労災の後遺障害給付額は、認定された等級や給付基礎日額によって大きく異なります。また、適切な等級認定を受けられるかどうかによって、受け取れる金額に大きな差が生じることもあります。

この記事では、労災で後遺障害等級に認定された場合にもらえる金額の目安を等級別の早見表とともに解説します。

目次

労災で後遺障害等級に認定|金額はいくらもらえる?

労災事故によって後遺症が残った場合、後遺障害等級に認定されることで障害の程度に応じた給付を受けられます。まずは、労災の後遺障害等級と給付額の仕組みについて確認していきます。

認定される等級ごとにもらえるお金が異なる

労災事故によって後遺症が残り、後遺障害等級に認定されると、障害の程度に応じて給付を受けられます。
労災の後遺障害等級は第1級から第14級まであり、認定された等級によって受け取れる給付の種類が異なります。

障害等級第1級から第7級に該当するとき

  • 障害(補償)年金
  • 障害特別支給金
  • 障害特別年金

第1級から第7級は障害の程度が重いため、一時金ではなく年金形式で継続的に給付を受けられます。

障害等級第8級から第14級に該当するとき

  • 障害(補償)一時金
  • 障害特別支給金
  • 障害特別一時金

第8級から第14級は、一時金としてまとめて給付を受ける仕組みです。
なお、船員の場合には、労災保険給付に加えて船員保険から給付を受けられることがあります。

【早見表】後遺障害等級別にもらえる金額の目安

後遺障害等級ごとに支払われる金額の目安は、以下のとおりです。

後遺障害等級障害補償給付金障害特別給付金障害特別支給金
1級給付基礎日額×313日分算定基礎日額×313日分342万円
2級給付基礎日額×277日分算定基礎日額×277日分320万円
3級給付基礎日額×245日分算定基礎日額×245日分300万円
4級給付基礎日額×213日分算定基礎日額×213日分264万円
5級給付基礎日額×184日分算定基礎日額×184日分225万円
6級給付基礎日額×156日分算定基礎日額×156日分192万円
7級給付基礎日額×131日分算定基礎日額×131日分159万円
8級給付基礎日額×503日分算定基礎日額×503日分65万円
9級給付基礎日額×391日分算定基礎日額×391日分50万円
10級給付基礎日額×302日分算定基礎日額×302日分39万円
11級給付基礎日額×223日分算定基礎日額×223日分29万円
12級給付基礎日額×156日分算定基礎日額×156日分20万円
13級給付基礎日額×101日分算定基礎日額×101日分14万円
14級給付基礎日額×56日分算定基礎日額×56日分8万円

引用:「労災補償関係リーフレット」(厚生労働省)

給付基礎日額
労災保険の各種給付額を計算する基準となる1日あたりの賃金額です。原則として、労災事故が発生した日以前3カ月間に支払われた賃金総額を、その期間の暦日数で割って算出します。
算定基礎日額
障害特別年金や障害特別一時金などの額を計算する際の基準額です。事故が発生した日以前1年間に支払われた特別給与の総額を365日で割って算出します。

なお、「特別給与」とは、給付基礎日額から除外されているボーナスなど3カ月をこえる期間ごとに支払われる賃金をいいます。臨時に支払われた賃金は特別給与に含まれません。

労災で後遺障害等級に認定されるための基準

障害等級身体障害
第1級
  • 1 両眼が失明したもの
  • 2 そしゃく及び言語の機能を廃したもの
  • 3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  • 4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  • 5 削除
  • 6 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
  • 7 両上肢の用を全廃したもの
  • 8 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
  • 9 両下肢の用を全廃したもの
第2級
  • 1 一眼が失明し、他眼の視力が0・02以下になったもの
  • 2 両眼の視力が0・02以下になったもの
    • 2の2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
    • 2の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  • 3 両上肢を手関節以上で失ったもの
  • 4 両下肢を足関節以上で失ったもの
第3級
  • 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になつたもの
  • 2 そしゃく又は言語の機能を廃したもの
  • 3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  • 4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  • 5 両手の手指の全部を失ったもの
第4級
  • 1 両眼の視力が0.06以下になつたもの
  • 2 そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  • 3 両耳の聴力を全く失ったもの
  • 4 一上肢をひじ関節以上で失ったもの
  • 5 一下肢をひざ関節以上で失ったもの
  • 6 両手の手指の全部の用を廃したもの
  • 7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
第5級
  • 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になつたもの
    • 1の2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    • 1の3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 2 一上肢を手関節以上で失ったもの
  • 3 一下肢を足関節以上で失ったもの
  • 4 一上肢の用を全廃したもの
  • 5 一下肢の用を全廃したもの
  • 6 両足の足指の全部を失ったもの
第6級
  • 1 両眼の視力が0.1以下になつたもの
  • 2 そしゃく又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  • 3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
    • 3の2 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  • 4 せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
  • 5 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  • 6 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  • 7 一手の五の手指又は母指を含み四の手指を失ったもの
第7級
  • 1 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
  • 2 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
    • 2の2 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  • 3 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 4 削除
  • 5 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 6 一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指を失ったもの
  • 7 一手の五の手指又は母指を含み四の手指の用を廃したもの
  • 8 一足をリスフラン関節以上で失ったもの
  • 9 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  • 10 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  • 11 両足の足指の全部の用を廃したもの
  • 12 外貌に著しい醜状を残すもの
  • 13 両側のこう丸を失ったもの
第8級
  • 1 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの
  • 2 せき柱に運動障害を残すもの
  • 3 一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指を失ったもの
  • 4 一手の母指を含み三の手指又は母指以外の四の手指の用を廃したもの
  • 5 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
  • 6 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  • 7 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  • 8 一上肢に偽関節を残すもの
  • 9 一下肢に偽関節を残すもの
  • 10 一足の足指の全部を失ったもの
第9級
  • 1 両眼の視力が0.6以下になったもの
  • 2 一眼の視力が0.06以下になったもの
  • 3 両眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
  • 4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  • 5 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  • 6 そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの
    • 6の2 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
    • 6の3 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
  • 7 一耳の聴力を全く失ったもの
    • 7の2 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    • 7の3 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  • 8 一手の母指又は母指以外の二の手指を失ったもの
  • 9 一手の母指を含み二の手指又は母指以外の三の手指の用を廃したもの
  • 10 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失ったもの
  • 11 一足の足指の全部の用を廃したもの
    • 11の2 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  • 12 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
  • 1 一眼の視力が0.1以下になつたもの
    • 1の2 正面視で複視を残すもの
  • 2 そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
  • 3 十四歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    • 3の2 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
  • 4 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
  • 5 削除
  • 6 一手の母指又は母指以外の二の手指の用を廃したもの
  • 7 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
  • 8 一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの
  • 9 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  • 10 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
  • 1 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  • 2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  • 3 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
    • 3の2 十歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    • 3の3 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  • 4 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  • 5 せき柱に変形を残すもの
  • 6 一手の示指、中指又は環指を失ったもの
  • 7 削除
  • 8 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
  • 9 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級
  • 1 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  • 2 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  • 3 七歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
  • 4 一耳の耳かくの大部分を欠損したもの
  • 5 鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  • 6 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  • 7 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  • 8 長管骨に変形を残すもの
    • 8の2 一手の小指を失ったもの
  • 9 一手の示指、中指又は環指の用を廃したもの
  • 10 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの
  • 11 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
  • 12 局部にがん固な神経症状を残すもの
  • 13 削除
  • 14 外貌に醜状を残すもの
第13級
  • 1 一眼の視力が0.6以下になつたもの
  • 2 一眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
    • 2の2 正面視以外で複視を残すもの
  • 3 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
    • 3の2 五歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    • 3の3 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
  • 4 一手の小指の用を廃したもの
  • 5 一手の母指の指骨の一部を失ったもの
  • 6 削除
  • 7 削除
  • 8 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
  • 9 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失ったもの
  • 10 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
第14級
  • 1 一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
  • 2 三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
    • 2の2 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  • 3 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  • 4 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  • 5 削除
  • 6 一手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
  • 7 一手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
  • 8 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  • 9 局部に神経症状を残すもの
  • 10 削除

参考:労働者災害補償保険法施行規則|e-Gov法令検索

労災の金額シミュレーション|等級ごとにもらえる金額はいくら?

実際に受け取れる金額は、後遺障害等級だけでなく、事故前の収入や賞与額などによって異なります。

そこで、以下のモデルケースをもとに、後遺障害等級ごとの支給額の目安を見てみましょう。

【モデルケース】

  • 災害の種類:業務災害
  • 年齢:42歳
  • 後遺障害の内容:骨折により関節の可動域制限が残った
  • 年収:500万円(月収30万円×12か月+賞与70万円×2回)
  • 給付基礎日額:10,000円
  • 算定基礎日額:3,800円

※実際の給付額は個別の事情によって異なります。

後遺障害等級14級のケース

労災の後遺障害等級14級に認定された場合、次のような給付を受けられます。

支給項目支給日数・金額
障害補償給付56日分
障害特別支給金8万円
障害特別一時金56日分
障害補償給付:10,000円 × 56日 = 56万円
障害特別一時金:3,800円 × 56日 = 21万2,800円

労災からの支給額合計は、
56万円 + 8万円 + 21万2,800円 = 85万2,800円
となります。

後遺障害等級12級のケース

労災の後遺障害等級12級に認定された場合、次のような給付を受けられます。

支給項目支給日数・金額
障害補償給付156日分
障害特別支給金20万円
障害特別一時金156日分
障害補償給付:10,000円 × 156日 = 156万円
障害特別一時金:3,800円 × 156日 = 59万2,800円

労災からの支給額合計は、
156万円 + 20万円 + 59万2,800円 = 235万2,800円
となります。

後遺障害等級10級のケース

労災の後遺障害等級10級に認定された場合、次のような給付を受けられます。

支給項目支給日数・金額
障害補償給付302日分
障害特別支給金39万円
障害特別一時金302日分
障害補償給付:10,000円 × 302日 = 302万円
障害特別一時金:3,800円 × 302日 = 114万7,600円

労災からの支給額合計は、
302万円 + 39万円 + 114万7,600円 = 455万7,600円
となります。

労災の支払いはいつ?お金を受け取れるタイミングは?

労災の後遺障害給付は、後遺障害等級の認定を受けた後に支給されます。まずは治療を続け、これ以上症状の改善が見込めない「症状固定」と診断された後に、後遺障害等級認定の申請を行う必要があります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 労災事故が発生する
  2. 治療を継続する
  3. 症状固定となる
  4. 後遺障害等級認定を申請する
  5. 労働基準監督署による審査
  6. 後遺障害等級が認定される
  7. 障害(補償)給付などが支給される

後遺障害等級認定の申請から結果が出るまでの期間は事案によって異なりますが、一般的には数カ月程度かかることが多いです。

第1級から第7級に認定された場合は、障害(補償)年金が支給されます。障害(補償)年金は、支給要件に該当した月の翌月分から発生し、毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月に、それぞれ前2カ月分がまとめて支給されます。

一方、第8級から第14級に認定された場合は、障害(補償)一時金としてまとまった金額が一括で支給されます。

労災の認定手続きの流れ・申請方法

労災の後遺障害給付を受けるためには、後遺障害等級認定の申請を行う必要があります。

申請先は、勤務先を管轄する労働基準監督署です。申請の際には、障害(補償)等給付請求書に加えて、医師が作成した障害(補償)等給付請求用診断書などの必要書類を添付して提出します。これらの請求書や診断書の様式は、最寄りの都道府県労働局や労働基準監督署の窓口で受け取れるほか、厚生労働省のホームページからダウンロードすることも可能です。

必要書類がそろったら、労働基準監督署へ提出して申請を行います。事業主を通じて提出することもできますが、労働者本人が直接提出することも可能です。

申請後は、労働基準監督署において、提出された診断書や検査結果などの資料の審査に加えて、労働者本人への面談による症状の確認(面接調査)が行われることがあります。また、必要に応じて追加資料の提出や、主治医への照会が行われる可能性もあります。

参照:労働災害が発生したとき|厚生労働省

労災で適切な後遺障害等級に認定されるために必要なこと

ここでは、適切な後遺障害等級の認定を受けるために押さえておきたいポイントを解説します。

症状固定まで適切な治療を継続する

後遺障害等級の認定を受けるためには、症状固定まで適切な治療を継続することが重要です。

症状固定とは、治療を続けてもこれ以上大きな改善が見込めない状態をいいます。治療期間が極端に短かったり、自己判断で通院を中断したりすると、「症状が軽かったのではないか」と判断されるおそれがあります。

そのため、主治医の指示に従いながら継続的に治療を受けるようにしましょう。

自覚症状を医師へ継続的に伝える

痛みやしびれなどの症状がある場合は、その内容を診察のたびに医師へ伝えることが大切です。

後遺障害等級認定では、カルテや診断書に記載された内容が重要な判断資料となります。実際には症状があっても、医師に伝えていなければ記録が残らず、認定に不利に働く可能性があります。

症状の強さや発生する場面、仕事や日常生活への影響などを具体的に伝えるようにしましょう。

MRI・CT・神経学的検査などの客観的な証拠を残す

後遺障害等級認定では、本人の訴えだけでなく、客観的な医学的所見が重視されます。たとえば、MRIやCTによる画像所見、神経学的検査の結果などは、症状の存在を裏付ける有力な証拠になります。

特に、神経症状やしびれなどの症状は外見から判断しにくいため、できる限り客観的な検査結果を残しておくことが重要です。

障害(補償)等給付請求用診断書を適切に作成してもらう

労災の後遺障害等級認定では、障害(補償)等給付請求用診断書の内容が重要な判断資料となります。

この診断書には、後遺障害の症状や症状固定日、検査結果、可動域制限の程度などが記載されます。労働基準監督署は、こうした記載内容をもとに後遺障害等級を審査するため、記載漏れや不正確な記載があると、本来認定されるべき等級よりも低く評価されるおそれがあります。

診断書が作成されたら内容を確認し、症状や検査結果に漏れがないか、不明な点がないかをチェックしましょう。必要に応じて主治医に相談し、実際の症状が正確に反映された診断書を作成してもらうことが大切です。

日常生活や仕事への支障を具体的に記録する

後遺障害によって生じている支障を記録しておくことも重要です。

たとえば、「長時間座ると痛みが強くなる」「重い荷物を持てない」「パソコン作業を続けるとしびれが出る」など、日常生活や仕事への影響を具体的に記録しておくことで、症状の実態を説明しやすくなります

こうした記録は、労働基準監督署による面接調査や、認定結果に不服がある場合の異議申立てなどでも役立つ可能性があります。

労災の後遺障害等級に認定されなかった場合は補償を受けられない?

後遺障害等級に認定されなかった場合でも、それまでに受給していた療養(補償)等給付や休業(補償)等給付などが否定されるわけではありません。ただし、障害(補償)年金や障害(補償)一時金など、後遺障害を前提とした給付は受けられなくなります。

労働基準監督署の認定結果に納得できない場合には、不服申立てを行うことが可能です。具体的には、都道府県労働局の労災保険審査官に対する「審査請求」や、その結果にも不服がある場合の「再審査請求」といった制度が設けられています。

労災で損をしないためには慰謝料や逸失利益なども請求するのがポイント

会社に安全配慮義務違反があった場合や、第三者による事故が原因で労災が発生した場合には、労災保険とは別に損害賠償請求ができる可能性があります。

主な請求項目は次のとおりです。

項目概要算定方法金額の目安(弁護士基準)
入通院慰謝料入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償入院・通院期間をもとに慰謝料算定表で算定むちうちで3カ月通院した場合:53万円
後遺障害慰謝料後遺障害が残った精神的苦痛に対する補償後遺障害等級ごとの基準額に基づいて算定14級:110万円
12級:290万円
10級:550万円
逸失利益後遺障害による将来の収入減少分の補償基礎収入×労働能力喪失率×ライプニッツ係数年収500万円・12級の場合、1,000万円を超えることもある

もっとも、同じ損害について労災保険と損害賠償の両方から二重に補償を受けることはできません。たとえば、休業損害について労災保険から給付を受けた場合、その部分は損害賠償額から差し引かれるのが原則です。

労災にあったときに弁護士に相談するメリット

後遺障害等級認定の申請や会社・相手方との交渉には専門的な知識が必要となるため、十分な補償を受けられないまま手続きを終えてしまうケースも少なくありません。

そのため、労災事故で後遺障害が残った場合には、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。

適切な後遺障害等級に認定される可能性が高まる

後遺障害等級によって、受け取れる障害(補償)給付の金額は大きく異なります。

弁護士に依頼すれば、必要な検査が行われているか、障害(補償)等給付請求用診断書に不備がないかなどを確認してもらえます。また、認定結果に納得できない場合には、審査請求や再審査請求のサポートを受けることも可能です。

適切な等級認定を受けられるかどうかによって、受給額に大きな差が生じることもあるため、後遺障害認定の段階から弁護士へ相談するメリットは大きいといえます。

慰謝料や逸失利益などの請求で受け取れる金額を増やせる

労災保険からは慰謝料が支給されません。しかし、会社に安全配慮義務違反がある場合や、第三者による事故が原因の場合には、会社や加害者に対して慰謝料や逸失利益などの損害賠償請求ができる可能性があります。

弁護士に依頼することで、請求できる損害項目を漏れなく検討できるほか、適切な金額を算定したうえで交渉や請求を進めてもらえます。その結果、最終的に受け取れる金額が大きく増えるケースも少なくありません。

複雑で手間のかかる手続きを任せられる

労災事故では、後遺障害等級認定の申請だけでなく、資料収集や損害賠償請求、会社との交渉など、さまざまな手続きが必要になります。

また、認定結果に不服がある場合には審査請求や再審査請求を行うこともあり、専門知識が求められる場面も少なくありません。

弁護士に依頼すれば、これらの手続きを一任できるため、治療や仕事への復帰に専念しやすくなります。精神的な負担を軽減できることも、大きなメリットの一つです。

労災事故でも弁護士費用特約を使える場合がある

弁護士費用特約とは、事故の相手方に損害賠償請求を行う際の弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約です。一般的には、法律相談料10万円程度、弁護士費用300万円程度まで補償されるため、自己負担なく弁護士へ依頼できる可能性があります。

労災事故で弁護士費用特約を利用できる代表的なケースとして、通勤中や業務中の交通事故があります。このような事故では、労災保険による補償に加えて、加害者や加害者側の保険会社に対して損害賠償請求を行える場合があり、その際に弁護士費用特約を利用できる可能性があります。

弁護士費用特約は自動車保険に付帯しているケースが多いですが、次のような保険に付いていることもあります。

  • 火災保険
  • 家財保険
  • 傷害保険
  • 個人賠償責任保険

さらに、自分が契約者でなくても、次のような家族の保険の特約を利用できる場合があります。

  • 配偶者
  • 同居の親族
  • 別居している未婚の子

そのため、自分の保険に弁護士費用特約が付いていない場合でも、家族の保険を含めて確認することをおすすめします。

労災で後遺障害等級ごとの金額に関してよくある質問(Q&A)

Q. 労災の後遺障害等級と交通事故の後遺障害等級は同じ?

いいえ、同じではありません。どちらも1級から14級までの等級制度を採用していますが、認定基準や審査方法が異なります。そのため、交通事故(自賠責保険)と労災では異なる等級になることがあります。

Q. 労災の後遺障害給付は会社を辞めても受け取れる?

はい、受け取れます。後遺障害給付を受ける権利は労働者本人にあるため、退職したことを理由に受給できなくなることはありません。退職後に後遺障害等級認定を申請することも可能です。

Q. 労災と障害年金は両方受け取れる?

はい、両方受け取れる場合があります。もっとも、障害(補償)年金と障害年金の両方を受給する場合には、給付の調整が行われることがあります。実際に受け取れる金額はケースによって異なるため、年金事務所や専門家へ確認するとよいでしょう。

Q. パート・アルバイトでも後遺障害給付を受けられる?

はい、受けられます。労災保険は正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの雇用形態を問わず適用されます。そのため、業務中や通勤中の事故によって後遺障害が残った場合には、要件を満たせば後遺障害給付を受けることができます。

Q. 労災の後遺障害給付に税金はかかる?

原則として、労災保険から支給される後遺障害給付には所得税や住民税はかかりません。障害(補償)年金や障害(補償)一時金、障害特別支給金などは非課税とされています。

まとめ 労災で泣き寝入りしないためにも、早めに弁護士に相談を

労災で後遺障害が残った場合に受け取れる金額は、認定された後遺障害等級や事故前の収入によって大きく異なります。

適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、症状固定まで治療を継続し、必要な検査を受けたうえで、診断書などの資料を適切に準備することが重要です。

後遺障害等級の認定結果に納得できない場合や、受け取れる補償額を少しでも増やしたい場合には、労災問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。早めに相談することで、適切な等級認定や損害賠償請求につながる可能性があります。

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