東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
様々な理由で、金融機関から借金している人や、カードローンを利用している方は多いでしょう。
また、そのような借金の1つとして、サラ金を利用している方もいるのではないでしょうか。
サラ金を利用すると、その後の取り立てが厳しいため、返済の時には気をつけなければならないと考えているかもしれません。
また、サラ金で借金をすると、そのことが勤務先の会社にバレてしまうのではないかと考えるかもしれません。
はたして、本当にサラ金にはそのようなデメリットがあるのでしょうか。
Contents
借金をする際に混同されやすいのが、サラ金と闇金の違いです。
サラ金は、貸金業法にもとづいて貸金業務を行っています。
貸付時・取り立て時には法令にしたがって、違法行為を行わないように営業しています。
一方、闇金はもともと法律にもとづかないため、貸付や取り立ての際にも、違法行為を行っています。
暴力的な言葉を使って脅しのような取り立てを行うのは、闇金の典型的な取り立ての手段なのです。
サラ金と闇金とでは大きな違いがあるので、誤解しないように注意が必要です。
サラ金から借り入れをして返済が遅れてしまうと、サラ金からの取り立てが発生します。
サラ金は、基本的に借入をした本人の携帯電話か自宅に電話をして取り立てを行います。
また、郵便物を送付する場合も自宅宛に送られるため、会社に郵便物が届くことはありません。
なぜなら貸金業法21条で、正当な理由なく借主の会社に電話・訪問をして取り立てを行うことを禁止しているからです。
サラリーマンの場合、昼間は会社にいる人が多いでしょうが、いきなり会社に連絡してくることはありません。
サラ金が携帯電話や自宅に電話をするのは、借金をしていることをできるだけ他の人に知られないようにする配慮と考えられます。
また、会社ではじっくり話をすることが難しく、仮に電話がつながったとしても中身のある会話にはならないためです。
そのため、携帯電話や自宅の電話に連絡がとれる場合は、まず会社に電話してくることはありません。
ただし、借金した人が夜逃げをしてしまうと、携帯電話にも自宅にも連絡がつかなくなる場合があります。
このような場合、サラ金としては取り立ての手段がなくなってしまうこととなります。
そこで、連絡先の1つである会社に電話をして、取り立てを行うのです。
サラ金で借金をする際には、勤務先の会社名や連絡先などを記載することとされています。
この時、サラ金は申込書に書かれた内容にもとづいて「在籍確認」を行うのが一般的です。
在籍確認が行われる場合、通常はサラ金から会社に電話がかかってきます。
在籍確認とは、文字どおり、借金をしようとする人がその会社に在籍しているかどうかを確認することです。
申込書に書かれた内容が正しいことを確認するために、在籍確認が行われます。
もし、申込書に大企業に在籍していると書かれているのであれば、借金しても返済が滞る心配はないだろうと考えます。
また、仮に返済が滞ったとしても、給料を差し押さえればいいはずだとも考えられます。
そのため、サラ金としてはより多くの金額を借りてもらいたいと考えるのです。
しかし、申込書に書かれた勤務先がまったくの嘘であった場合、その人の返済能力について疑いが生じます。
そこで、実際にその会社に在籍しているかを確認するのが在籍確認なのです。
サラ金が在籍確認を行う際は、勤務先に記入された会社に電話をかけます。
ただし、あくまでその会社に在籍しているかどうかを確認するだけなので、サラ金の会社名を出すことはありません。
個人名で、会社に「○○さんいますか?」などの電話をかけてきます。
会社にいるかどうかを確認すればいいため、本人が電話に出る必要はありません。
また、在籍していることが確認できれば、それ以上電話がかかってくることはないのです。
在籍確認は、電話で行うのが原則となっています。
しかし、サラ金を利用しようとしていることをどうしても知られたくない場合は、電話の他にも確認方法があります。
顔写真がついた顔写真のコピーや、勤務先が発行する在籍証明書で在籍確認を行うことができます。
あるいは、勤務先の会社名が記載された健康保険証のコピーで確認することもあります。
会社に必要以上に電話をしないこと以外にも、サラ金の取り立てにはいくつかの決まりがあります。
ここでは、取り立てを行う際に禁止されている行為についてご紹介します。
サラ金が取り立てをするときに禁止されている行為
サラ金がこれらの禁止行為をすると、貸金業法21条に抵触し、違法となります。
それでは1つずつみていきましょう。
(1)午後9時から午前8時までの時間帯に取り立てを行う
取り立てを行うことができる時間帯は、法令で定められています。
この時間外の夜間や明け方などは、取り立てを行うことはできません。
自宅に訪問することはもちろん、電話やファックスをすることも禁止されています。
(2)借主以外の人に返済を求める
借金の取り立てを行うことができるのは、本人に対してのみです。
仮に他の人が借金の返済を滞納していることを知っていても、その人に取り立てを行うことはできないのです。
(3)借主が借金をしている事実を周囲の人にわかるようにする
たとえば、借主の自宅やその周辺に貼り紙をしたり、ビラをまいたりすることは禁止されています。
(4)退去するように求められているのに退去しない
自宅に訪問して取り立てを行う場合もあります。
しかし、その際に借主から退去するように求められているのに退去しない場合、不退去罪という罪になります。
前述したように、サラ金は法律にのっとって取り立てを行っています。
実際に、どのような方法で取り立てを行っているのかご紹介します。
(1)電話をかける
サラ金から電話がかかってくるというと、脅迫のような取り立てを相続するかもしれません。
しかし、サラ金からの電話は非常に紳士的な場合が多いです。
(2)郵便物が届く
電話に出ないとか、電話では取り立てが進まないといった場合は、自宅に郵便物が送られてきます。
郵便物には、サラ金の名前が記載されていないため、家族などにはどこから届いたのかがわからないようになっています。
(3)内容証明郵便が届く
電話や郵便による督促を無視していると、サラ金から内容証明郵便が届きます。
内容証明郵便では、それまでに滞納している金額が一括して請求されます。
決められた期日までに支払いをしなければ、裁判になることや差し押さえが行われることが記載されています。
(4)債権回収会社に債権が譲渡される
長期間にわたって回収できない債権は、債権回収会社に譲渡されます。
その後は、債権回収会社が取り立てを行うようになります。
債権譲渡について異議を唱えることはできないため、その後も債権の返済をしなければなりません。
(5)会社に電話がかかってきたり自宅に来たりする
携帯電話や自宅の電話で連絡が取れなくなった場合、勤務先に電話がかかってくることがあります。
それでも一向に返済が行われない場合は、自宅に訪ねてくることもあります。
借金の取り立てが厳しくなってくると、会社に借金をしていることや滞納していることがバレることがあります。
このような場合、会社を解雇されるようなことがあるのでしょうか。
結論からいうと、借金をしていることがバレたとしても、会社を解雇される理由にはなりません。
解雇が認められるのは、その解雇がやむを得ない場合、かつ解雇しないようにしたもののそれ以外に方法がない場合です。
借金をしていたからといって解雇せざるを得ないとは言えず、また、解雇しても借金が返済されるわけではありません。
そのため、借金が会社にばれても、解雇されるのではないかと心配する必要はないのです。
ただ、借金の取り立てを避けるために会社を無断欠勤した場合や、会社のお金を使って返済した場合は、解雇の理由となります。
また、借金を整理して生活改善を行うように指導しても改善が見られず、仕事に集中できない場合も、解雇される可能性があります。
借金をしているだけでは解雇されませんが、そのことが原因で会社に不利益を与えている場合は、解雇されることもあるのです。
サラ金で借金をしていても、そのことが会社に知られることはありません。
会社に電話があったとしても名乗るのは個人名なので、サラ金からの電話とはわからないのです。
また、仮にサラ金から借金をしていることがバレたとしても、会社を解雇されることはありません。
ただ、借金は着実に返済することが大切です。
返済に困った場合は、弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。