東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
銀行で借金をしたら、返済計画に沿ってその借金を返済しなければなりません。
ただ、何らかの事情でその返済に行き詰まってしまうこともあります。
そのような場合には、銀行は借金の取り立てを行うこととなりますが、その取り立てとはどのようなものなのでしょうか。
闇金業者が行う取り立てとの違いにも注目して、取り立ての流れやルールを確認しておきましょう。
Contents
誰から借金をするかによる違いは、想像以上に大きいといえるでしょう。
銀行から借金をするメリットとして、金利が低いこと、そして信頼度が高いことがあげられます。
銀行から借金をする場合、銀行が定める金利によって利息の計算が行われます。
銀行の定める金利は、消費者金融など他の借入先と比べても、かなり低くなっています。
そのため、利息の負担を軽減することができ、借主としてのメリットは大きなものとなります。
また、銀行から借金をしているということは、銀行の審査に通ったという証でもあります。
そのため、銀行から借金をすることは、決して恥ずかしいことではなく、むしろ誇らしいことといえます。
銀行から借金をするデメリットとしてまずあげられるのが、審査が厳しいことです。
銀行の審査に通れば、それは誇らしいことともいうことができますが、なかなか審査に通らない人もいます。
銀行の金利は低く抑えられている一方で、支払い能力に関する審査は厳しくなる傾向にあります。
また、銀行から借金をした場合、即日で入金してもらうことはできません。
あらかじめ借入の実行日をいつにするかを決めたうえで、事前に審査や申込などの手続きを行う必要があります。
銀行から借金をする場合、大きく「目的別ローン」と「フリーローン」の2種類に分けることができます。
何らかの目的のために借金をするのが目的別ローン、一方用途を指定しないのがフリーローンとなります。
目的別ローンは、あらかじめ決められた目的のためにお金を借りることができるものです。
決められた目的以外のためにお金を使うことは、基本的にできません。
特定の用途のための資金を貸し出すかどうか、銀行は判断することとなりますが、一般的にフリーローンと比較すると、金利は低くなります。
一番有名なのは住宅ローンであり、借金の理由が明確であること、担保があることから、特に金利が低くなります。
目的別ローンの例として、以下のようなものがあげられます。
フリーローンは、基本的にどのような用途に使うこともできるローンのことです。
ただし、銀行によってはその用途に一定の制限を設けているケースもあるため、あらかじめ確認しておく必要があります。
フリーローンによる借金をした場合、借入回数は当初の1回のみとされます。
もし追加で資金が必要になった場合には、改めて銀行にフリーローンの申し込みを行い、審査を受けなければなりません。
2回目の借金となれば、返済能力などの内容は1回目とは異なるため、審査に通らないことも起こり得ます。
借金をしたくても、借りる人の年収や職業などの審査を受ける必要があるため、十分な資金を確保できないことがあります。
銀行から借金をする場合は、銀行の審査が大きな障害となり、思っていたほどの金額が借りれないということも起こり得ます。
一方で、総量規制と呼ばれる借入に関する規制があり、この影響を受けるかどうかも、借金しようとする人にとっては大きな関心事となります。
総量規制とは、過度な借り入れから消費者を守るという目的で設けられた、借入できる金額の上限のことです。
年収の3分の1を超える金額を、貸金業者から借り入れすることはできないとされています。
例えば年収450万円の人の場合、貸金業者から借り入れすることができる金額は、総額で150万円となります。
この総量規制の金額は、貸金業者1社あたりの金額ではなく、すべての貸金業者からの借金を合計した金額となります。
総量規制の対象となる貸金業者に、銀行は含まれていません。
そのため、総量規制の上限に達している人であっても、銀行から借金をすることができる可能性があります。
ただし、銀行は総量規制の対象ではないものの、すでにお伝えしたとおり、厳しい審査を行っています。
そのため、総量規制に抵触する人に対して、新たな借金を認める可能性は高くないといえるでしょう。
また、直接的には総量規制の対象にならないとしても、審査の中で総量規制に引っかかる人には融資しないとしている銀行もあります。
銀行から借金をする際には、いくつか必要なものがあります。
まずは、借金の返済をするための返済用口座です。
すでに口座を持っている場合は、その口座の通帳かキャッシュカードを準備しておきます。
次に必要なのが、本人確認書類です。
運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証など、公的な書類を準備しておく必要があります。
個人の収入を証明する書類も必要になります。
源泉徴収票や確定申告書、これらの書類がない場合には所得証明書などを準備しておくようにしましょう。
借金の返済ができなくなった場合、銀行の口座は凍結されることとなります。
口座が凍結されるのは、口座に残っている残高をこれ以上引き出されないようにするためです。
そして、口座の残高と返済されない借金の残高は相殺されます。
借金の返済に使っている口座は、日常的に入出金を行う口座として利用している人が多く、口座が凍結されるとその後の影響は非常に大きくなります。
また、借金が返済できないと借金は強制解約され、その後は保証会社に対する返済、保障会社からの督促に変わります。
この時点で信用情報に登録され、その後の新たな借金やクレジットカードの利用などもできなくなります。
銀行からの借金が返済できない場合は、銀行から取り立てを受けることとなります。
この取り立ては、どのような流れで行われるのでしょうか。
借金の返済は、毎月決められた期日に一定の金額を支払う形式です。
その期日までに返済ができなかった場合、銀行は借金をしている人に連絡をします。
まずは、借り入れをした際に登録した携帯電話や自宅の電話に連絡がきます。
電話の内容は、返済期日が過ぎているのにその返済がないことを伝えるものです。
威圧的で脅迫のような電話ではないため、その点を不安に感じる必要はありません。
電話連絡した段階では、銀行は「単に返済期日を過ぎていることに気付いていない可能性がある」と考えています。
そこで、より確実に返済期日を連絡するために郵便で返済が遅れていることを伝えます。
自宅に届く郵便物の封筒には、借金があることや返済が遅れていることを示すような文言はありません。
そのため、一緒に生活する家族に見られたとしても、不審に思われることはまずないでしょう。
なお、金融機関の中には、取り立ての電話連絡をしないとしている会社もあります。
そのような会社の場合は、いきなり郵便物が自宅に届くこととなります。
電話や郵便物で返済が遅れていることを伝えてからも借金の返済がなければ、返済の意思がないものと判断されます。
すると、銀行から内容証明郵便で督促状が送られてきます。
これまでに滞納している金額を返済しなければ契約が解除され、さらに強制力のある措置がとられることが記載されています。
長期間にわたって滞納している人に対して、銀行が法的措置をとるための第一歩といえます。
督促状に書かれた期日までに返済ができなかった場合、督促状に書かれたとおりに、借金に関する契約が解除されます。
契約が解除されると、残債の全額を一括で返済するように求められます。
それまで毎月一定額を返済すればよかったのは、契約により定められていたからです。
しかし契約が解除されれば、残債をすべて返済しなければならなくなるのです。
残債を一括返済できない場合、民事訴訟が銀行から提訴され、法的な手続きにより債権の回収が行われます。
それでも返済が行われない場合は、強制執行が行われ、保有している預金や財産が差し押さえられる流れです。
また、月々の給料についても、一定の範囲内で差し押さえが行われることとなります。
金融機関は、法律に違反しないように注意しながら営業活動を行っています。
実際に金融機関が借金の取り立てを行う際は、どのようなルールに従って行われているのでしょうか。
金融機関が取り立てを行う際は、相手に恐怖感を与えることのないよう、細心の注意を払って行われます。
取り立てを行う際に、相手を威圧したり脅迫したりすることは許されません。
暴力的な言葉遣いや大声をあげての取り立て、あるいは自宅に大挙して押しかけるような行為を金融機関が行うことはないのです。
仮に相手に恐怖を与えるような取り立てが行われていたとすれば、そのこと自体が明確に法律違反となってしまいます。
金融機関は、借金している人が他の人に借金や滞納をしていることを知られるような行為を行ってはいけません。
たとえば、借金している人の自宅や周辺にビラを貼ったりまいたりすることは認められません。
また、家族などに借金の取り立てをすることも、禁止されています。
金融機関が取り立てを行う場合は、このような行為を行わないようにしています。
基本的に、本人以外の人に連絡をとったり訪ねてきたりすることはありません。
取り立てを行うことができる時間帯は、法律で午前8時から午後9時までと定められています。
この時間以外に取り立てを行うことは、法令に違反してしまうため、金融機関でも行っていません。
また、土日や休日の取り立ては行わないなど、法令には明記されていないルールを定めている場合もあります。
それだけではなく、電話の回数や訪問時の服装などについてのルールを定めている場合もあるのです。
闇金業者は銀行とは違い、法律を守って取り立てを行おうという考えはありません。
そのため、銀行とは異なる様々な手段を使って取り立てを行ってきます。
闇金業者が行う違法な取り立てには、どのようなものがあるのでしょうか。
決められた時間帯以外に取り立てを行うことは、生活の様々な妨げになるため禁止されています。
しかし、闇金業者はそのようなことには関係なく、夜中や明け方にも取り立てを行うことがあります。
借り入れをした本人以外に取り立てをすることは、たとえ夫婦や親子であってもできません。
しかし、闇金業者はそのようなことに関係なく、家族にも取り立てを行う場合があります。
借金をしていることを他の人にわかるようにすることは禁止されており、銀行はそのような取り立ては行いません。
しかし、闇金業者は自宅に貼り紙をしたり、電柱にビラを貼ったりすることがあります。
また、会社に闇金業者名を名乗って電話をかけてくることもあるかもしれません。
闇金業者の中には、他の業者から借金をさせて、そのお金で返済させようとする業者もあります。
このような借金を重ねることは、多重債務の問題にもつながるものであり、禁止されています。
銀行の取り立ては、紳士的で不快な思いをすることもほとんどありません。
しかし、実際に返済するための資金を持っていなければ返済はできないのも事実です。
もし、銀行からの借金を返済できない場合には、どのように対処したらいいのでしょうか。
もし、支払期日になる前に、支払が難しいことがわかっている場合は、事前に銀行に伝えておきましょう。
こうすることで、銀行の取り立てを受けずに済みます。
そもそも、銀行の取り立ては、決まった日に返済されていないことを借金している人に伝えるのが一番の目的です。
また、支払期限が過ぎた後、いつ頃に返済されるのかを確認するためのものでもあります。
しかし、事前に支払いが遅れること、そしていつ頃には支払いができるかを伝えておけば、銀行が取り立てを行う必要はないのです。
いったん債務の返済ができない状態になってしまうと、その後の返済も難しい状態が続くのは想像に難くありません。
そこで、債務整理も視野に入れて、弁護士に相談してみましょう。
すぐに相談できる弁護士がいない場合には、法テラスに行って相談することもできます。
法テラスでは、様々な問題に対応してくれる弁護士を紹介してくれるはずです。
弁護士に相談したら、実際に債務整理を行うかどうかを決断しなければなりません。
弁護士は様々なアドバイスをしてくれますが、最終的に決断するのは自分自身です。
債務整理の方法には、自己破産の他、任意整理や個人再生などがあります。
どの方法を選択するかで、その後の生活再建の流れも大きく変わってくるため、慎重に判断するようにしましょう。
銀行からの借り入れでも、サラ金を利用するのと同じような条件で、比較的簡単に借り入れができる場合があります。
しかし、簡単に借り入れをした場合でも、返済が簡単にはいかないことがあるのです。
もし返済に行き詰った場合は、銀行の取り立てを受けることとなるので、冷静に対処するようにしましょう。
また、どうしても返済が難しい場合は、法的に必要な対処をとることも視野に入れ、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。