東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
生活費が足りなくなったり、急にお金が必要になったりして、いわゆる「サラ金」を利用したことがある方もいるでしょう。
サラ金というと、非常に悪質な金融業者をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、ほとんどのサラ金は法律に従って営業しており、違法な行為を行っているケースは少ないといえるでしょう。
ここでは、サラ金がどのように借金の取り立てを行うのか、そしてどのようなルールがあるのかをご紹介します。
また、法律にもとづかない闇金との違いについても解説していきます。
Contents
サラ金で借金をした場合、決められた期日にその借金を返済していくことが大切です。
しかし、様々な事情で借金を返済できないことは、誰にも起こりえます。
そこで、返済が滞った場合に、サラ金がどのように借金の取り立てを行うのか、その流れを確認していきましょう。
借金返済が予定より1日遅れただけでも、サラ金の会社から電話がかかってくる場合があります。
ただし、会社によっては2~3日経過した後に連絡がある場合もあります。
この電話は、借金の返済予定日が過ぎてしまったことを伝えるだけのものです。
というのも、サラ金としては、この段階では返済できなかったのか、あるいは単に忘れていただけなのかの判断はできないのです。
非常に温和な話し方で、返済のための引き落としができなかったため、返済を行うように促す内容となります。
早急に返済するように伝える内容ですが、激しく取り立てをするというものではありません。
電話をしても支払いがない場合は、滞納していることを記した書面が自宅に届きます。
もっとも、届いた郵便物を見ただけでは、それがサラ金から届いたこともわからないようにされています。
そのため、一緒に住む家族などにもサラ金の借金を滞納していることは気付かれないことが多いでしょう。
この書面には、これまでに返済しなければならない金額と、振込口座が書かれているはずです。
また、指定された期日までに返済することを求める内容も書かれています。
それでも返済が行われない場合には、何度も書面が送られてくることとなります。
最初は単に支払案内のような内容の書面ですが、次第に変化していきます。
最終的には内容証明郵便として郵送され、法的手続きに入ることが記載されたものとなります。
債権者としては、様々な方法で債務者に連絡を取り、何とか大ごとになる前に返済をしてもらいたいと考えます。
そこで、返済が行われない際には勤務先に電話がかかってくることとなります。
この電話はあくまでも、債務者に返済を促すためのものであり、激しい取り立てというわけではありません。
電話してくる人はサラ金の会社の名前は出さず、個人名で電話をかけてくるため、職場の他に人には気付かれないでしょう。
ただ、仕事上の電話ではないことはわかるため、電話を受けた側は周囲にバレるのではないかと、ドキドキすることとなるかもしれません。
それもまた、返済をしてもらうための債権者のねらいであるともいえるのです。
返済を行わない債務者に対しては、サラ金の会社から取り立ての人が自宅に来ることもあります。
ただ、大手の会社はこのような回収方法を行っていないため、中小のサラ金に限られます。
また、自宅に取り立てがくるとはいっても、強制的に財産を持っていくようなことはできません。
あくまでも債務者が自発的に支払いを行うのを待つために自宅に来るのであり、乱暴な手段に出ることはまずありません。
サラ金の会社は、一定期間を超えて回収ができない債権がある場合、その債権を債権回収業者に譲渡してしまいます。
これ以後は、債権回収会社から返済の請求を受けることとなり、以前のサラ金との直接の取引は終了することとなります。
しかし債権回収会社からは、サラ金と同じように支払いの請求を受けることとなります。
なお、債権者が変わったからといって、その返済を拒否することはできません。
債権を別の会社に譲渡したことは、サラ金の会社から書面で通知されてくるため、事前に確認しておきましょう。
いかなる手段を講じても、借金の返済が行われない場合は、強制執行により債務者の財産を差し押さえることとなります。
契約の段階で強制執行が可能となっている場合には、一気に差押えの手続きが始まり、財産が使えなくなります。
また、段階的に差押えを行う必要がある場合も、まずは仮差押えが行われ、やはり財産の利用が停止されます。
差押えが行われる場合、現金や銀行口座が差押えられる他、給料が差し押さえられることもあります。
給料については、全額が差し押さえられるわけではなく、最大で4分の1と決まっています。
ただし、給料が差し押さえられることとなれば、勤務先にも借金があることがバレてしまうので注意が必要です。
サラ金というと、中には悪質な取り立てを想像する方もいるかもしれません。
しかし、実際は厳格なルールにのっとって取り立てが行われています。
実際に、どのようなルールがあるのか、確認しておきましょう。
サラ金業者は、借入を行った本人以外の人から借金の返済を求めることはできません。
たとえ夫婦であっても、親子であっても、本人以外から返済を求めることは認められないのです。
取り立てというと、ドラマや映画の暴力的なシーンを思い浮かべる方もいるでしょう。
しかし、実際には暴力をともなう取り立ては認められません。
また、脅迫と思われるような言動も違法な取り立てとなります。
あまり知られていませんが、取り立てをすることができる時間帯が法律により決められています。
取り立てができる時間は、午前8時から午後9時までとされているため、これ以外の早朝や夜中の取り立ては違法となるのです。
勤務先に電話することは行われていますが、取り立てのために勤務先に訪問することはできません。
勤務先を訪問することで、その業務を妨げることとなり、悪質な場合は犯罪行為とされることとなります。
自分の会社の借入金を返済するために、他のサラ金を紹介して利用させることはできません。
このような行為は、多重債務を生み出す原因となるため、厳格に禁じられているのです。
サラ金とは異なり、闇金業者は違法な貸付を行い、違法な取り立てを行っています。
特に以下のような取り立ては、闇金業者による特徴的な取り立ての方法といえます。
暴力的な取り立ては、厳しく禁止されています。
もちろん、犯罪にあたるような行為により取り立てを行うことは認められていません。
身体的な危害を加えるだけでなく、脅迫や恐喝を伴う行為も闇金業者による取り立ての特徴の1つです。
取り立てを行うことができる時間は、午前8時から午後9時までとされていることはすでに説明しました。
しかし、闇金業者はそのような時間に関係なく取り立てをしてきます。
突然夜中に電話をしてきたり、明け方に自宅に押し掛けたりすることもあるのです。
債務者からの回収が順調にできない場合、借金があることを周囲の人に知られるような行為を行うのも闇金業者の特徴です。
債務者の自宅周辺に借金をしていることを書いた張り紙をしたり、立て看板を設置したりすることがあります。
また、自宅や勤務先に大勢の人が大挙して押し寄せるなど、迷惑行為を引き起こすこともあるのです。
闇金業者とは異なり、サラ金の取り立ては法律にのっとって行われるのが普通です。
違法なことはされないからといってサラ金の取り立てを放置してはいけません。
もし、サラ金の取り立てを放置するとどのようなことが起こるのでしょうか。
サラ金からの請求を返済できない状態が数か月続いてしまうと、一括して返済するように請求されます。
通常は、毎月一定の金額を返済していれば、残りの金額をまとめて返済するように求められることはありません。
しかし、長い間返済が行われなかった場合は、一括返済を求められることとなります。
債権者としては、本来の時期に返済されていればその資金を使って新たな利益を得ることができたはずです。
しかし、返済されるべき時に返済されなかったため、多くの逸失利益が生じていることとなります。
その分、債権者は返済されていない金額を返済するように求める権利があるのです。
サラ金の返済を滞納すると、その情報は信用情報(いわゆるブラックリスト)に記録されます。
信用情報は、金融機関やカード会社が、融資やクレジットカードの契約の際に利用するものです。
また、信用情報に傷がついたことで、クレジットカードを利用することができなくなることもあります。
このように、サラ金を期日どおりに返済しなかったために、その後の生活に影響が出る可能性があるのです。
サラ金からの請求を無視してはいけない、あるいは取り立てを放置してはいけないことはおわかりいただけたでしょう。
ただ、実際にお金がなければ返済できないのも事実です。
そのような場合には、どのような対処法があるのでしょうか。
サラ金の会社は、できるだけ期日通りに返済してもらいたいと考えています。
しかし、どうしても返済が難しければ、多少その期日を伸ばすことも不可能ではありません。
結果的に、債務が全く返済されないよりは、少しずつでも返済してもらう方がサラ金の会社にとっても得になるためです。
いつまでにいくら返済ができるのか、今後どのような返済方法を考えているのかを伝えて交渉するようにしましょう。
借金を完済できる見込みがない場合は、早めに債務整理を行うことも選択肢となります。
債務整理を行うことで、その後の返済が楽になったり、債務の返済を免除されたりすることとなるのです。
しかし、債務整理を行うことで、その後の日常生活には大きな支障が出ることも事実です。
デメリットも理解した上で、債務整理を行う必要があるといえます。
サラ金を利用する理由は、人それぞれです。
ただ、利用した以上はその借金は返済しなければなりません。
サラ金の取り立ては厳しいと思っているかもしれませんが、その取り立てを放置することは許されません。
どうしても返済が難しい場合は、何か別の方法がないか考えて、場合によっては弁護士など専門家の力を借りながら必要な対処を行うようにしましょう。