東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
借金に困っていると「何とか返済苦を解決したい」と思うのではないでしょうか。
借金で苦しい状況を解決する方法が、債務整理という方法です。
債務整理をするためには、一定の費用が必要になります。
どのくらいの費用がかかり、費用を払えないときの対処法などはあるのでしょうか。
この記事では、債務整理を弁護士に依頼するときの費用相場や、弁護士費用を払えないときの対処法などを解説します。
あわせて弁護士に債務整理を依頼するときの注意点なども解説します。
Contents
債務整理には4つの種類があります。
この4つのうち、過払い金の請求は貸金業者に払い過ぎたお金を返してもらう手続きです。
借金の返済で困っているときに使われる主な債務整理は、「任意整理」「個人再生」「自己破産」になります。
弁護士に債務整理のどの手続きを依頼するかによって、弁護士費用が変わってきます。
借金苦の解決策として使われる債務整理の3つの種類と、それぞれの弁護士費用相場について見ていきましょう。
任意整理とは、交渉により借金や金利の減額をおこなう方法のことです。
任意整理では、裁判所は使いません。
弁護士などが交渉により、減額や無理のない返済金額を交渉する方法です。
交渉により、任意で借金の返済条件や減額などをしてもらうことから任意整理と呼ばれます。
任意整理を弁護士に依頼した場合の費用は、1社あたり3~5万円+減額報酬(10~20%)が相場です。
任意整理では、弁護士が会社1社ずつ交渉して借金を整理するため、借入先の会社数によって弁護士費用の相場が変わってくるのが特徴と言えます。
なお、任意整理を司法書士に依頼した場合は債務整理の費用相場が変わってくるため、注意してください。
司法書士に依頼した場合の費用相場については、後の見出しで解説します。
個人再生は、裁判所を使った借金の減額手続きです。
裁判所に現在の借金苦を申し出て、裁判所の手続きのもとで減額した借金を3~5年ほどで返済する債務整理の方法です。
借金をどのくらい減額してもらえるかは、借金額や裁判所の判断などによって異なります。
借金額が5,000万円以下の場合は、最大で10分の1まで減額される可能性があります。
ただし、住宅ローンなど一部の借金については対象外になりますので注意してください。
個人再生を弁護士に依頼した場合は、50万円ほどが弁護士費用の相場になります。
ただし、弁護士費用や個人再生のケースによっても費用相場が変わってきます。
個人再生を依頼する前に、弁護士に費用相場について確認しておくと安心です。
自己破産は、裁判所に申し立てて借金を免責してもらう手続きです。
個人再生などは借金を払えることを前提に減額などをおこない、少しずつ返済を続けます。
対して自己破産は返済する財産がなく、返済自体を続けることが難しい場合に使われます。
財産がなくて返済が難しいからこそ、裁判所の手続きで借金そのものを免責してもらうのです。
自己破産では、住宅や車といった価値のある財産は基本的に手放さなければいけません。
しかし、すべての財産を取られるわけではなく、生活を建て直せるように一定の財産は残してもらえます。
自己破産を弁護士に依頼した場合の費用相場は、30万円以上です。
ただし、個人再生と同じく自己破産の費用も弁護士事務所によって違いがあります。
ケースによっても変わってくるため、債務整理の中でも自己破産を使う場合は、弁護士から見積もりを出してもらうと安心です。
そうすることで、より弁護士費用相場をつかみやすくなるでしょう。
債務整理のうち、任意整理については司法書士に依頼するケースもあります。
弁護士に依頼せず、司法書士に依頼したケースの費用相場はどうなっているのでしょうか。
司法書士に任意整理を依頼した場合の費用相場は、1社あたり2,000円ほどです。
弁護士報酬と比較すると、費用負担が軽くなっています。
費用面だけ見ると、司法書士の方が安価で使いやすいと思うかもしれません。
ですが、司法書士に債務整理を依頼するときには注意が必要です。
司法書士は、事務所によって債務整理を受けていないケースもあります。
また、登記を中心に依頼を受けている司法書士の場合は、任意整理の交渉に慣れていないケースもあるのです。
任意整理で借金の減額や返済について依頼者の有利に話をまとめるためには、実務経験や交渉慣れが必要になります。
交渉に慣れていないと金融機関などの債権者と交渉決裂し、債務整理が功を奏しない可能性もあるのです。
任意整理をはじめとした債務整理の専門家は、弁護士です。
任意整理を成功させるためにも、債務整理の実績豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。
債務整理を弁護士に依頼すると、報酬がかかってマイナスになるのではないかと不安を覚える人もいます。
借金で困っている人なら、なおさら費用がかさむことが不安でしょう。
しかし、費用が不安な人こそ弁護士に依頼すべきです。
弁護士の場合は、費用面においても借金で困っている人への配慮があるのです。
費用面を中心に、弁護士に債務整理を依頼すべき理由を説明します。
債務整理を依頼すると、それだけで高額な弁護士費用が発生すると勘違いしている人がいます。
実は、債務整理の弁護士報酬は基本的に「成功報酬」なのです。
成功報酬とは、債務整理による減額などが成功してはじめて発生する報酬のことです。
債務整理による減額成功などに応じて弁護士の報酬が発生するため、かなり少額の借金でもなければ、減った借金より、弁護士報酬が大きくなることはほぼありません。
弁護士も依頼者が借金で困っていることを理解していますから、依頼を受ける時点で費用倒れなどのリスクがあれば、基本的にしっかりと説明してもらえます。
債務整理をするからには、手続きや交渉を成功させて借金苦からの解放や現状の打破を願うのではないでしょうか。
借金で辛い現状を変えたいと思うなら、債務整理のプロである弁護士に依頼すべきです。
たとえば、債務整理は自分でおこなうことも不可能ではありません。
しかし、債務整理のうち、任意整理では金融機関などの債権者に減額などの交渉をおこなわなければいけないのです。
個人再生や自己破産は、法的な知識や裁判所での実務経験がないと難しい手続きです。
債務者が自分で任意整理の交渉をおこなって失敗することは、珍しくありません。
法律の専門家ではない、そのうえ債務者である本人が「減額して欲しい」と申し入れてきても、債権者が応じるでしょうか。
場合によっては債権者と揉めてしまい、借金返済に加えて債権者とのトラブルも抱えることになってしまいます。
個人再生や自己破産も手続きで手間取ってしまい、借金で苦しい状況が継続する結果になるケースもあるのです。
手続き自体を失敗する可能性もあります。
交渉や手続きに失敗すると、債務整理のために自分で負担した交通費などの費用が、結局無駄になるのです。
弁護士という債務整理の専門家に依頼すれば、手続きを失敗して費用を無駄に負担するリスクがありません。
費用負担をおさえたいなら、最初から弁護士に依頼すべきです。
債務整理で発生する費用をどうしても用意できないときは、どうすればいいのでしょうか。
その場合、債務整理はできないのでしょうか。
債務整理の費用を用意できないからといって、債務整理が不可能というわけではありません。
費用で困ったときに使える4つの対処法があります。
司法書士の場合は、債務整理の費用負担も弁護士より軽く設定されています。
どうしても弁護士への依頼が難しい場合は、司法書士に債務整理を依頼することも方法のひとつです。
ただし、すでにお話したように、司法書士によっては債務整理の案件を受けていないケースがあります。
さらに、司法書士は債権者1人(1社)140万円以上の借金がある場合は依頼できないというルールもあるのです。
債務整理の依頼を受けている司法書士に依頼して費用負担を軽くしようと思っても、140万円ルールによって受けてもらえない可能性もあります。
法テラスとは、法的な支援をおこなう機関のことです。
法テラスを利用することにより弁護士に債務整理の無料相談ができる他、債務整理の費用負担をおさえられる可能性があります。
債務整理の費用を用意できないときは、法テラスに相談して使える制度や援助があるか確認することをおすすめします。
弁護士事務所の中には、分割払いに対応している事務所もあります。
弁護士事務所側も、債務整理をする人の苦境や費用を用意することが難しいという事情もよく理解しているのです。
債務整理の費用を分割払いできる弁護士事務所に依頼すれば、一括で払う金銭的な余裕がなくても分割払いを使って債務整理できます。
弁護士などから債権者に「債務整理をしています」と通知してもらう方法です。
つまり、任意整理の手続きをするため、債務の支払いが遅れるという事情について弁護士から債権者に話してもらい、しばらく返済をストップするのです。
弁護士によって債務整理に入ったため、債務の支払いが遅れる旨を通知してもらえば、その間の借金返済分を弁護士費用にすることも可能になるかもしれません。
たとえば毎月12万円の借金返済があったとします。
弁護士の通知により借金の返済をストップできれば、月あたり12万円までは準備できる計算になるはずです。
このように、返済がストップしている間に返済分で債務整理の費用を用意するという方法があります。
弁護士に債務整理を依頼するときは、よりスムーズに借金問題を解決するためにも注意したいポイントが3つあります。
債務整理の相談をするときは、債務の資料があった方がスムーズです。
借り入れ先や残債、契約書など、債務の契約や現在の返済状況などがわかる資料があれば、相談時に準備しておくといいでしょう。
債務整理に慣れた弁護士でも、債務の状況がわからなければ整理はできません。
また、債務整理の費用について尋ねられても、債権者数や残債などがわからなければ答えることが難しくなります。
有効なアドバイスなどを求めても、資料がなければ弁護士も答えようがないのです。
弁護士に相談する際は、可能な限り有意義な債務整理の相談にするためにも、債務に関する資料を準備しておくことが注意点となります。
仮に資料を準備できない場合は、どのような情報が必要なのか弁護士に確認してまとめておくといいでしょう。
債務整理を進めるときは、債務について必要な情報はしっかりと弁護士に伝えることが注意点になります。
たとえば、借金問題を恥ずかしいと思い、弁護士に控えめな情報を伝えてしまったとします。
債権額を過少に伝えた他、債権者数についても少なく弁護士に伝えたのです。
結果、交渉が必要な債権者が増え、交渉自体も難航してしまいうことになります。
最初に聞いた弁護士費用にも、ズレが生じてしまうという結果です。
弁護士は、依頼人が伝えた情報や渡した資料をもとに債務整理を進めます。
情報の伝え忘れや誤った情報があると、債務整理がスムーズに進みません。
最悪のケースでは、借金問題が思うように解決しない可能性すらあるのです。
弁護士との信頼関係にも亀裂が生じてしまいます。
債務整理に必要な情報は、正確に弁護士へと伝えてください。
借金についても見栄などをはらず、正確に伝えることが重要です。
わからない情報や把握していない情報がある場合は、弁護士にその旨を伝えるようにしてください。
弁護士も人間です。
依頼人との相性があります。
弁護士費用の安さは依頼人にとって確かに魅力かもしれませんが、債務整理の弁護士費用だけで弁護士を選んでしまうと後悔しかねません。
たとえば弁護士費用を比較して、最も安い弁護士を選んだとします。
弁護士に債務関係の資料を渡しても「受け取った」という連絡はありませでした。
債務整理を依頼して長い期間音沙汰なしでした。
不安になって弁護士に連絡しても、他案件に対応中ということで、なかなかコンタクトが取れません。
依頼人の中には、こまめに連絡が欲しいタイプの人や、弁護士の方で進めてもらい事態が動いたときに連絡して欲しい人など、さまざまなタイプがいます。
このようなケースでは、依頼人のタイプと弁護士の進め方の相性が悪かったとも考えられるのではないでしょうか。
このように、債務整理を担当する弁護士と依頼人の相性があります。
債務整理の弁護士費用の安さだけで弁護士を選ばず、相性や信頼できるかどうかについてもチェックしたうえで弁護士を選ぶことが重要です。
債務整理により借金問題を解決したいと思っていても、費用で二の足を踏んでしまうケースがあります。
債務整理の費用の準備が難しい場合などは対処法もあるのです。
弁護士への相談の中で費用についてアドバイスを受けることも可能になっています。
債務整理の費用が心配で、相談に二の足を踏んでいる間も借金返済の苦労は続きます。
解決に向けて踏み出すことで、状況が変わるかもしれません。
債務整理で迷っているときは、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょう。