東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
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法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。
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会社の解散というのは、営業活動をやめて会社を消滅させることを意味しています。
会社法では、会社解散の理由が定められており、それ以外の理由で会社を解散することはできません。
その多くは、業績の悪化などにより、株主総会の決議によって解散を決めるケースです。
ただ、株主総会の決議で解散を決めただけでは、会社は消滅しません。
解散を決める際に、あわせて清算人を選任し、解散登記と清算人選任登記を行って、清算手続きが始まります。
清算手続きが結了した後に清算結了の登記をして、ようやく会社は消滅することになります。
解散を決めた後に、はじめに行う手続きが解散登記です。
この記事では、解散登記の内容や費用について解説をしていきます。
あわせて、税理士や司法書士に依頼する場合についても、費用相場も含めて説明していきますので参考にしてください。
Contents
解散登記とは、会社が解散することを外部に対して広く公示するために行う手続きのことです。
会社が解散すると、清算を経て消滅することになります。
ですから、外部に対してそのことを示さなければならないのです。
これは債権者をはじめとする外部の関係者に、解散を原因として清算事務が開始することを知らせるためのものといえます。
解散登記は、会社の解散が決まってから2週間以内に法務局で登記申請をしなければなりません。
これは会社法で、会社の登記内容に変更があった場合は2週間以内に登記申請をしなければならないと定められているためです。
2週間を経過した後であっても登記申請を受理してもらうことはできますが、会社の代表者が100万円以下の過料に処せられる可能性がありますので、注意してください。
解散登記にかかる費用として、まず、法務局に納める登録免許税(手数料)があります。
また、解散の登記と同時に清算人選任の登記を行います。
解散の登記に3万円、清算人選任の登記に9,000円、あわせて39,000円がかかります。
それから、解散したことを官報公告するための費用が約3万円となります。
また、解散登記を司法書士などの専門家に依頼する場合は、別途10万円から20万円程度の手数料が必要とされています。
会社を解散することが決まったら、2週間以内に本店所在地を管轄している法務局に、解散の登記と清算人選任の登記を申請しなければなりません。
この費用として、法務局に納める登録免許税が、39,000円かかります。
内訳は、解散の登記が3万円、清算人選任の登記が9,000円となります。
解散の登記申請にかかる費用(登録免許税)は、3万円です。
会社解散の理由については会社法に定められていて、それ以外の理由で会社を解散することはできません。
会社法で定められている理由は、以下の7つです。
理由としてもっとも多いのが、株主総会の決議によるものです。
この場合は、株主総会で会社解散の決議と清算人選任の決議を行います。
通常、清算人選任の登記は、解散登記と同時に行われます。
解散を決めると、会社は清算手続きに移行するため、清算事務を行う「清算人」を選任しなければなりません。
つまり会社が解散した後は、会社を運営する権限がそれまでの取締役から清算人に移るのです。
会社を運営する権限が移行するため、清算人選任の登記が必要となります。
前述したように、会社が解散したときには、官報に掲載する必要があります。
このための費用として、官報公告掲載料が約3万円かかります。
官報は、政府が発行する機関誌で、法律の公布、会社の解散や合併、破産などを一般の人に知らせることを目的として発行されているものです。
会社が解散したときには「解散した事実」と「一定の期間内に債権の申し出をしてほしいこと」及び「清算人」を、官報に掲載する必要があります。
解散登記を専門家に依頼した場合、10万円から20万円の手数料がかかるのが相場とされています。
登記申請に関しては、司法書士に依頼するのが一般的といえるでしょう。
登記申請自体は「株式会社解散及び清算人選任登記申請書」という書類で行うことができます。
これは、法務局のホームページからも入手が可能です。
しかし解散の登記申請には、定款や株主総会議事録などの各種書類を添付する必要があります。
事情によって必要な添付書類が異なる場合もありますから、専門家に依頼すればスムーズに手続きをすすめることが可能になるでしょう。
会社の解散は、解散登記をすれば終了するというものではありません。
その後の清算手続きを経て、清算の結了手続まで行うことによって、ようやく会社が消滅します。
各種機関への届出もしなければなりません。
このような解散の一連の流れにおいて、様々な書類の準備や煩雑な手続きを依頼できる専門家として、司法書士や税理士、弁護士があげられます。
どの専門家に依頼するかは、会社の状況によって変わってきます。
登記の専門家である司法書士に登記申請を依頼するケースは多く見受けられます。
特に会社が休眠状態であるような場合は、できるだけ費用を抑えた上で解散から清算結了までを行うために、登記に関わる部分のみを司法書士に依頼して、各種機関への届出などはご自身で行う方法もあります。
司法書士に依頼する手数料は10万円前後の場合が相場と言われています。
また、税理士や弁護士に依頼した場合も、登記申請については、別途司法書士に依頼することになります。
会社に顧問税理士がいる場合は、顧問税理士に依頼するとよいでしょう。
顧問税理士は会社の状況をよくわかっているので、貸借対照表の作成など、解散の手続に必要な書類を準備してくれます。
解散に関する税務申告もスムーズに行ってもらえるでしょう。
税理士に依頼する場合の手数料は、事業の規模や内容によって異なるため、数十万円になるケースもありえますので、相談時に確認をしておきましょう。
また、登記手続きについては、別途司法書士に依頼する必要が生じます。
会社に多額の債務がある場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
特に債務超過による破産の可能性がある場合には、債権者(金融機関や取引先など)との交渉が必要になりますので、弁護士に依頼して準備をすすめるとよいでしょう。
弁護士への手数料は、破産手続開始申立までかかるとすれば、数十万円になる可能性があります。
相談する場合には、費用についてもよく確認をしておきましょう。
会社を解散することが決まったら、はじめに行うのが解散登記と清算人選任登記です。
しかし、解説してきたように解散登記をしただけで会社が消滅するわけではありません。
清算人による清算手続きを経て、清算が結了し、清算結了の登記をして、ようやく会社が消滅します。
清算手続きには各種機関への届出を含め、煩雑な手続きが含まれています。
そのことを踏まえた上で、会社の状況に応じて専門家に相談や依頼することをおすすめします。
ご自身の会社にとってどんな方法がよいかを選んで相談先や依頼先を決めていきましょう。