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ビットコインは倒産手続きでどう扱われる?破産・特別清算や取引所倒産のケースを解説

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

ビットコインは倒産手続きでどう扱われる?破産・特別清算や取引所倒産のケースを解説

この記事でわかること

  • ビットコインの法的な扱い
  • 倒産の当事者別に見るビットコインの取り扱い
  • ビットコインの換価と返還のしくみ
  • ビットコインのトラブルを防ぐための対策

ビットコイン(暗号資産)を保有する人や企業にとって、倒産や破産した場合、ビットコインが法的にどのように取り扱われるか気になるでしょう。
ビットコインは法律上、財産として扱われ、破産手続きでは換価対象となります。
この記事では、倒産の当事者(企業・個人・取引所)別に、ビットコインの取り扱いについて解説します。
取引所が倒産した場合の利用者保護に関する「2025年6月改正資金決済法」の最新情報や、個人の自己破産で資産を隠すリスクまで詳しく解説します。

ビットコインは法的に「財産」として扱われる

ビットコイン(暗号資産)は、日本の法律上「財産」として、明確に位置付けられています。
そのため、倒産した場合の破産手続きでは、原則としてすべて換価(売却)の対象となります。
ここでは財産とみなされる法的根拠(資金決済法、破産法、裁判例)を、それぞれの見出しで詳しく解説します。

暗号資産の定義(資金決済法第2条第14項)

資金決済法第2条第14項において、暗号資産は次のように定義されています[注1]。

  • 物品購入等の代価(支払い)として不特定多数に使用できる
  • 不特定多数を相手に売買や交換ができる
  • 電子的に記録、移転ができる
  • 日本円やドルなどの法定通貨ではない

この法律により、暗号資産には財産的価値があると認められている点が重要です。
法定通貨とは区別されますが、暗号資産は単なるデータではなく、法律上保護される財産としての地位を確立しました。
そのため企業や個人が倒産した際には、ビットコインも不動産や預金と同様に、換価や差押えの対象となります。
[注1]資金決済に関する法律/e-Gov
資金決済に関する法律

破産法34条に基づき換価対象となる

破産手続きにおいて、ビットコインが換価される根拠は破産法第34条にあります[注2]。
同条では、「破産手続開始時に破産者が有する一切の財産が破産財団を構成する」と定めており、ビットコインも財産である以上、含まれます。
生活に必要な家財や給与の一部は、破産法により差押禁止財産として手元に残せます。
しかし、ビットコインなどの暗号資産は生活必需品とは認められず、差押禁止財産には該当しません。
そのため倒産(破産)した場合には、原則としてビットコインは換価対象となり、現金化した上で債権者への配当原資に充当されます。
[注2]破産法/e-Gov
破産法

裁判例(Mt.Gox事件)や金融庁指針

ビットコインの法的な性質を確立した重要な事例が、Mt.Gox事件の東京地裁判決(平成27年8月5日)です。

事件名:ビットコイン引渡等請求事件[注3]

裁判所・部:東京地裁
判決日:2015年8月5日
要旨:ビットコインが所有権の対象となるかが争点。
裁判所は、ビットコインが所有権の客体になるために必要な条件を満たしていないと判断した。
補足:裁判所は、所有権に基づく引渡請求は認められないと判断。
ただし、保有するビットコインに対する返還請求権は破産債権として認めた。

この裁判では、ビットコインが単なるデータにとどまらず、法的に保護される財産であると、司法の場で確認されました。
判決では、民法上の所有権こそ否定されたものの、ユーザーが保有するビットコインに対し、返還請求権自体は認められると示されました。
ビットコイン取引所への預け入れは債権であり、破産手続きにおいてユーザーは他の債権者と同様に扱われると判断された重要な判決です。
金融庁の暗号資産交換業者向けの総合的な監督指針等でも、資産としての取り扱いが明確に定められています[注4]。
[注3]裁判所DB未掲載
[注4]金融庁 暗号資産交換業者向けの総合的な監督指針

倒産の当事者別に見るビットコインの取り扱い

倒産と一口に言っても、倒産する当事者が誰かによって、ビットコインの扱いや注意点は大きく異なります。
ここでは3つのケースを解説します。

  1. ①企業が倒産した場合(破産・特別清算):法人の資産としてどう扱われるか
  2. ②個人が破産した場合:個人の財産としてどう扱われるか
  3. ③取引所が破産した場合:預けていた資産は返ってくるのか

①企業が倒産した場合(破産・特別清算)

企業が保有するビットコインは財産であるため、法人の資産(破産財団)とみなされますが、選択する手続きにより扱いは異なります[注2]。
事業を終了させる破産や特別清算など清算型の手続きでは、換価の対象となります。
管財人などがすべて換価(売却)し、債権者への配当や弁済に充当されるため、手元には残りません。
一方で、事業継続を目指す民事再生や会社更生など再建型の手続きの場合は異なります。
ビットコインを売却せず、事業の運転資金として活用できる可能性があります[注5]。
破産しかないと諦める前に、民事再生など再建の選択肢がないか、弁護士への早期相談が重要です。
資金繰りにお困りの方は、VSG弁護士法人へご相談ください。
[注5]民事再生法/e-Gov
民事再生法

②個人が破産した場合

個人の自己破産でも、保有するビットコインは破産財団に含まれ、管財人による換価対象となります。
ビットコインはデジタル資産のため「バレないだろう」と意図的に隠す財産隠しは、非常に大きなリスクです。

まず、破産法第252条に定められる免責不許可事由に該当する可能性があります[注6]。
財産を隠すと、裁判所が「免責(借金の帳消し)」を認めない恐れが極めて高いです。
免責されなければ破産しても債務が残り続けます。

また、破産法第265条による詐欺破産罪に該当する可能性があります[注7]。
悪質な財産隠しは犯罪であり、懲役や罰金の刑事罰の対象となりえます。

少額だから、バレないだろうといった自己判断をせず、必ず弁護士に正直に申告し、法に従って手続きを進めましょう。

③取引所が破産した場合

従来、取引所が倒産した際に、利用者の資産がほとんど返還されないリスクがありました。
取引所が自社の資産と利用者の資産を分ける分別管理を怠っていた場合、取引所が倒産すると利用者の資産も破産財団に含まれるためです。

そこで2025年6月に成立した改正資金決済法において、利用者保護のルールが強化されました[注8]。
改正法では、分別管理の方法が厳格化され、利用者の暗号資産の信託が原則、義務付けられています。
信託された資産は、取引所が倒産しても取引所固有の財産から切り離され、倒産隔離されます。
破産財団に含まれず、利用者への返還が確保されるしくみです。

法改正により安全性は高まりましたが、万全を期すためには信頼できる取引所の選択が重要であると言えます。
[注6]破産法/e-Gov
破産法第252条

[注7]破産法/e-Gov
破産法第265条

[注8]資金決済に関する法律の一部を改正する法律案

ビットコインの換価と返還のしくみ

企業や個人が倒産・破産したときは、ビットコインは換価(売却)され、日本円に変換された上で債権者に配当されます。
一方で取引所が倒産した場合は状況が異なります。
法令通り分別管理されていれば、原則としてビットコインは返還の対象となりますが、管理されていない場合は返還されない可能性があるでしょう。
実際に倒産手続きが始まった場合の具体的な換価(売却)と返還の流れを解説します。

①管財人・清算人が市場価格で売却し日本円化

倒産・破産した場合に誰がどのように換価するのか、具体的な流れを解説します。
企業や個人が破産した場合、手続きの権限は破産管財人に移行します[注9]。
破産管財人の主な役割は、会社の経営者や破産者本人に代わって、保有するビットコイン(秘密鍵)の管理・換価です。
債権者に配当するため、裁判所の許可を得て暗号資産交換所(取引所)を通じて市場価格で換価(売却)し、日本円に換金します。
特別清算の場合は、管財人ではなく清算人が同様の業務を行います。
換価された日本円は不動産や預貯金など他の資産と合算され、債権者への配当の原資とされます。
[注9]破産法/e-Gov
破産法第78条(管財人の権限)

②換価時点は破産手続開始決定日の時価

ビットコインをはじめとする暗号資産は価格変動が激しいため、いつどの時点の価格で評価するかが非常に重要です。
破産法上、資産の評価額は原則として、破産手続開始決定日の時価(市場価格)とされています[注2]。

しかし実際の換価(売却)のタイミングは、破産管財人の裁量に委ねられています。
そうは言っても適当な時期に売却するのではなく、管財人は債権者への配当の最大化を目指し、市場の動向を慎重に分析します。
裁判所の許可を得た上で、相場の急落時などを避け、最も高く売れる最適なタイミングを見計らって換価(売却)します。

③取引所倒産時の返還可否は分別管理の有無で決まる

取引所が倒産した場合、利用者にビットコインが返還されるかは、分別管理が適切に行われていたかどうかにかかっています。

返還される可能性があるのは、信託等を利用し、利用者の資産が取引所固有の資産と明確に分けられて管理されていた場合などです。
利用者は取戻権に基づき、破産手続きとは無関係に資産の返還を請求できます。[注10]

反対に管理がずさんで、利用者と取引所の資産が混在していた場合、返還は難しい可能性が高いです。
資産が分別管理されていなければ、利用者の資産は取引所の破産財団の一部とみなされて換価対象となり、返還は絶望的となる恐れがあります。

そのため2025年6月の改正資金決済法では、利用者の資産に信託を義務付けて分別管理を強化し、資産が返還されないケースを防ぐ目的があります[注8]。
改正により利用者保護が強化されました。

[注10]破産法/e-Gov
破産法第62条(取戻権)

ビットコインのトラブルを防ぐための対策

資産喪失や刑事罰など、ビットコインの倒産に関するトラブルは、事前の対策で回避したり軽減できる可能性があります。
倒産や破産の可能性が出る前に早めに対策をしましょう。

ここでは倒産トラブルを未然に防ぐ具体的な3つの対策(取引所選び、自己管理、早期相談)について、それぞれの見出しで詳しく解説します。

①信頼できる取引所(金融庁登録・分別管理徹底)を利用

取引所倒産に対するリスクの最大の対策は、信頼できる取引所の選択です。
信頼できるかどうかを見極めるために確認する必要のあるポイントは、以下の通りです。

  • 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に登録されている正規の業者である[注11]
  • 利用者の資産をどのように分別管理しているかを約款やWEBサイトで確認
  • 過去に行政処分を受けていないか

金融庁に登録のある正規の業者の利用は大前提です。
資産を分別管理しているかどうかは、約款や公式サイトに掲載されている内容で確認しましょう。
企業の管理体制や健全性を判断するために、行政処分の有無は重要な指標となります。
[注11]金融庁 暗号資産交換業者登録一覧

②秘密鍵・ウォレット情報を安全に保管

取引所倒産のリスクを根本的に回避する方法が、セルフカストディ(自己管理)です。
セルフカストディは、ビットコインを取引所に預けっぱなしにせず、自身でハードウェアウォレットなどに移し、秘密鍵を管理する方法です。

取引所が倒産しても、資産は一切影響を受けない点が最大のメリットと言えます。
一方、秘密鍵やウォレット自体を紛失・盗難・破損した場合、救済措置がないため全財産を失うリスクがあり、すべての責任を自分で負わなければいけません。

外部要因のリスクは排除できますが、自己管理のミスによる喪失のリスクがあります。
リスクをしっかり理解し、取引所への預け入れのバランスが重要です。

③倒産・破産が疑われる場合は早めに弁護士相談を

倒産・破産に関するトラブルは、弁護士への早期相談が最も重要なカギになります。
企業の経営者は、資金繰りが悪化した際に破産(清算)しかないと思い込むケースが少なくありません。
しかし破産以外に民事再生(再建)を選択できる可能性もあるため、手遅れになる前の相談が重要です。
自己破産を検討している個人投資家は、資産隠しに注意が必要です。
ビットコインを隠すと免責不許可事由や詐欺破産罪などの犯罪になります。
必ず正直に弁護士に相談し、法的に解決を図るようにしましょう。
また、個人投資家で取引所が倒産しそう、または倒産しないか不安な場合は、資産の取戻権が行使できる可能性もあります。
法的な状況を確認するためにも、弁護士に早期に相談しましょう。

まとめ

ビットコインは法律上、財産であり、倒産等の破産手続きでは原則として換価対象となります。
企業が倒産した場合は資産として処分されますが、民事再生を選ぶ余地があります。
個人が破産した場合は換価対象であり、隠すと免責不許可や犯罪になるため注意しましょう。

また、取引所倒産時の対策として、2025年6月改正資金決済法により、信託保全など利用者保護が強化されました。
いずれのケースでも、法的トラブルを回避し、損害を軽減するためには、弁護士への早期相談が不可欠です。

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