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最終更新日:2026/9/30

三親等とは?範囲や相続における意識したいポイントを解説

川﨑 公司 (弁護士)
この記事の執筆者弁護士 川﨑公司

VSG弁護士法人(https://sozoku-lawyer.com/office/)所属弁護士。新潟県出身。

相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/

三親等とは?範囲や相続における意識したいポイントを解説

記事の要約

  • 血族では「曾祖父母」「ひ孫」「叔父・叔母」「甥・姪」が、三親等に該当する。なお、「いとこ」は三親等ではなく四親等にあたる
  • 三親等の親族であっても、自身の相続発生時に必ず相続人になるとは限らない
  • 三親等の血族が相続や遺贈により財産を取得した場合、相続税額は原則として2割加算される。ただし、養子となった甥・姪、代襲相続人となった「ひ孫」は加算の対象外

三親等とは、「自身を基準(0とカウント)として、家系図を3世代辿った位置にある親族」を指します。

血族では「曾祖父母」「ひ孫」「叔父・叔母」「甥・姪」、姻族では配偶者側の同等の関係者などが、三親等にあたります。

相続で注意すべきなのが、「三親等の親族であっても、必ずしも相続人になれるわけではない」という点です。

たとえば、叔父や叔母は親族としては比較的近い存在ですが、法定相続人にはなれません。

「親等の近さ」と「相続権の有無」は混同しがちであるため、別個の規定として理解する必要があります。

この記事では、「三親等の概要」をはじめ、「三親等の血族が相続人となるケース」、「三親等の血族が財産を取得した場合の注意点」等を解説します。

三親等とは?

三親等(さんしんとう)とは、家系図において、自身を基準とした親族間の距離が3世代分離れている親族です。

ポイント

「三等親」と表記されることがありますが、これは誤りであり、正しくは「三親等」と書きます。

「親等」とは、親族関係の遠近を表す単位であり、数字が小さいほど自身に近い親族となります。

たとえば、自身の父母や子のように1世代離れた親族を「一親等」、祖父母や孫のように2世代離れた親族を「二親等」と数えます。

配偶者には「親等」がない

自身の配偶者には親等が存在しません。

配偶者は本人と同列の存在として扱われるため親等で数えず、基準点(0とカウント)として扱います。

三親等に当たるのは誰?

三親等 図

三親等の親族は、自身と血縁関係のある「血族」と、婚姻関係を介して生じる「姻族」の2つに大別されます。

「三親等の血族」は具体的に4つの続柄に限られますが、配偶者側の親族である「三親等の姻族」は見落とされやすいため、双方を正しく把握することが重要です。

三親等の区分

三親等の血族
自身と直接血のつながりがある(または養子縁組による)三親等の親族
三親等の姻族
自身の配偶者の三親等の血族、および自身の三親等の血族の配偶者

三親等の血族

三親等の血族

血族とは、自身と血のつながりがある親族を指します。

ポイント

養子縁組によって法律上の血族関係が発生した人も、血族に含まれます。

血族は、家系図上のつながりによって「直系血族(縦のライン)」と「傍系血族(横のライン)」の2つに分けられます。

直系血族と傍系血族の違い

直系血族
自身の祖先から子孫へと直接つながる「縦」のライン
傍系血族
共通の祖先から分岐して枝分かれした「横」のライン

この三親等の血族に該当するのは、以下の4つの続柄のみです。それぞれ世代の上下(尊属・卑属)とライン(直系・傍系)によって分類されます。

血族の三親等
続柄 分類
曾祖父母 直系尊属
ひ孫 直系卑属
叔父・叔母(伯父・伯母) 傍系尊属
甥・姪 傍系卑属

三親等の姻族

三親等の姻族

姻族とは、婚姻によって生じる親族関係であり、「自身の配偶者の血族」および「自身の血族の配偶者」の2種類が存在します。

姻族の親等を数える際は、配偶者を自身と同列に扱うため、配偶者側の血族は「配偶者からみた親等」をそのまま適用します。

「三親等の姻族」にあたる主な続柄は、以下のとおりです。

三親等の姻族にあたる主な続柄
続柄 姻族の種類 親等計算の考え方
配偶者の曾祖父母 配偶者の血族 配偶者から見て「三親等」の直系尊属
配偶者の叔父・叔母 配偶者の血族 配偶者から見て「三親等」の傍系尊属
配偶者の甥・姪 配偶者の血族 配偶者から見て「三親等」の傍系卑属
叔父・叔母の配偶者 血族の配偶者 自身の三親等の血族(叔父・叔母)の配偶者
甥・姪の配偶者 血族の配偶者 自身の三親等の血族(甥・姪)の配偶者

なお、法律上の姻族は「血族の配偶者」までであり、「自分の子の配偶者の親」は、姻族には含まれません。

民法が定める「親族」の範囲

  1. 六親等内の血族
  2. 配偶者
  3. 三親等内の姻族

三親等と誤解しやすいケース

三親等と誤解しやすいケース

三親等と誤解されがちな続柄の一つが「いとこ」です。

叔父・叔母が三親等である一方、その子「いとこ」は四親等となります。

いとこの親等の辿り方

自身と共通の祖先である「祖父母」まで一度さかのぼり、そこから「横」のライン(傍系)に枝分かれしたうえで、目的のいとこに向けて下りていきます。

自分 → 父母(一親等) → 祖父母(二親等) → 叔父・叔母(三親等) → いとこ(四親等)

このように、家系図の枝を合計4つ辿ることになるため、「四親等」となります。

また、同じく誤解されがちである「兄弟姉妹の配偶者(義理の兄・姉等)」は二親等です。

「兄弟姉妹の配偶者」の親等を数える際は、自身の兄弟姉妹の親等と同列で扱います。

兄弟姉妹の配偶者の親等の辿り方

自身の兄弟姉妹
自分 → 父母(一親等) → 兄弟姉妹(二親等) = 二親等の血族
兄弟姉妹の配偶者
二親等の血族の配偶者 = 二親等の姻族

三親等の血族が相続人になるケースとは?

法定相続人になる親族の範囲

自身が亡くなった場合、三親等の親族であっても、直ちに法定相続人になれるわけではありません。

相続人の範囲は親等の近さではなく、民法が定める相続順位によって決定されるためです。

三親等の「姻族」は自身の法定相続人とならない

「配偶者の叔父・叔母」や「甥・姪の配偶者」などの姻族は、どれほど関係が近くても、自身の法定相続人にはなれません。

まず、法定相続人の基本原則を確認します。

被相続人の配偶者は常に相続人となるほか、配偶者以外の血族については以下の順位に基づき、最上位の順位にある人のみが相続人となります。

法定相続人の範囲と相続順位

  • 配偶者は常に法定相続人となる
  • 第1順位:被相続人の子
  • 第2順位:被相続人の直系尊属(父母や祖父母など)
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹

「三親等の血族」4パターンを上記の相続順位に当てはめると、相続権の有無は以下のように分類されます。

三親等の血族が相続人になるか否かの判定
続柄 相続人になり得るか 条件・発生要件
叔父・叔母 不可 法定相続人のどの順位にも該当しないため
甥・姪 可能 兄弟姉妹(第3順位)が先に死亡・欠格となった場合の代襲相続人として

※代襲は一代限り
ひ孫 可能 子・孫(第1順位)が先に死亡・欠格・廃除となった場合の再代襲相続人として
曾祖父母 可能 第2順位(直系尊属)として、父母・祖父母の全員が先に死亡・放棄等している場合

叔父・叔母は自身の法定相続人とならない

自身の「叔父・叔母」は三親等の血族である一方、民法の定める相続順位のいずれにも該当しないため、自身の法定相続人にはなりません。

たとえば、独身で子のいない被相続人が亡くなり、父母・祖父母もすでに亡くなっているとします。

この場合、遺産を相続するのは第3順位の法定相続人「被相続人の兄弟姉妹(または甥・姪)」であり、叔父や叔母に相続権が回ってくることはありません。

そのため叔父・叔母に財産を遺したい場合は、遺言書の作成など生前の対策が必要です。

甥・姪は「代襲相続」により相続人となる場合がある

甥・姪は、一定の要件を満たす場合に「代襲相続人」として法定相続人となります。

代襲相続とは

本来相続人となるはずだった人(子や兄弟姉妹)が、相続開始よりも前に亡くなっている場合(欠格等で相続権を失っている場合も含む)に、その人の子が代わりに相続人となる制度です。

被相続人に「子(第1順位)」や「直系尊属(第2順位)」がおらず、第3順位である「兄弟姉妹」が相続人となるケースにおいて、その兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、その子である甥・姪が代襲して相続人となります。

兄弟姉妹の代襲相続は「甥・姪」の一代限り

子の代襲相続とは異なり、兄弟姉妹の代襲相続は「甥・姪までの一代限り」です。

そのため、「被相続人の兄弟姉妹」とその子である「甥・姪」の両方が相続開始前に亡くなっていたとしても、甥・姪の子(姪孫)が再代襲して相続人になることはありません。

ひ孫は「再代襲相続」により相続人となる

ひ孫は、第1順位である「子」の系統の「再代襲相続」によって、法定相続人となる場合があります。

前述のとおり、被相続人の子が相続開始前に亡くなっている場合は、孫が代襲相続人となります。

このとき、孫もすでに亡くなっていれば、その子であるひ孫が再代襲して相続人となるのです。

なお、第3順位である兄弟姉妹の代襲相続が「甥・姪までの一代限り」なのに対し、第1順位である直系卑属(子・孫等)の代襲相続には世代の制限が存在しません。

そのため、条件が整っていれば、下の世代がいる限り何代でも相続権が引き継がれていきます。

曾祖父母は先順位の直系尊属が不在の場合に相続人となる

実務上の発生頻度は非常に稀ですが、曾祖父母は第2順位の「直系尊属」として、法定相続人になる場合があります。

直系尊属間では「被相続人から見て親等の近い者が優先される」という原則があるため、常に親等の近い順で相続権が回ってきます。

直系尊属の優先順位

  1. 父母が相続人となる
  2. 父母が亡くなっている(放棄している)等の場合、祖父母が相続人となる
  3. 祖父母も亡くなっている(放棄している)等の場合、はじめて曾祖父母が相続人となる

したがって、被相続人に子や孫などの第1順位の相続人がおらず、かつ父母・祖父母の全員がすでに亡くなっている(放棄している)等の場合に限り、曾祖父母が相続人となります。

三親等の血族が財産を取得した場合は相続税の2割加算に注意する

「三親等の血族」が相続や遺贈によって財産を取得した場合、相続税額は原則として2割加算されます。

2割加算とは

相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の「配偶者」および「一親等の血族(代襲相続人となった直系卑属を含む )」以外である場合、算出された相続税額に2割が加算される仕組みです。

三親等の血族における2割加算判定
続柄 相続・受贈上の立場 2割加算の適用
叔父・叔母 相続権はないため、遺贈等により取得した場合 加算あり
甥・姪 兄弟姉妹の代襲相続人 加算あり
曾祖父母 直系尊属(先順位者不在の場合) 加算あり
ひ孫 子・孫の代襲相続人 加算なし

このうち、被相続人の「叔父・叔母」や「甥・姪」「曾祖父母」が相続(遺贈)により財産を取得したケースでは、以下の理由から2割加算が適用されます。

2割加算が適用される理由

叔父・叔母
遺贈等で財産を取得した際、一親等の血族・配偶者のいずれにも該当しないため
甥・姪
兄弟姉妹の代襲相続人として財産を取得した際、代襲相続人であっても、「一親等の直系卑属」の代襲ではないため
曾祖父母
直系尊属であっても「一親等の血族」ではないため

一方、同じ三親等の血族であっても、被相続人のひ孫が「代襲相続」した場合、2割加算の適用はありません。

子や孫がすでに亡くなっており、ひ孫が「代襲相続人」となる場合であれば、第1順位の相続人の立場を引き継いでいるためです。

ただし、子や孫が健在な状況で遺言等によってひ孫へ直接遺贈する場合、2割加算の対象となります。

甥・姪が被相続人の養子の場合

甥・姪が被相続人と養子縁組を結んでいる場合、一親等の法定血族となります。

したがって、被相続人の財産を取得しても、2割加算の対象とはなりません。

三親等など相続に関する疑問は専門家にご相談を

三親等とは、自身から家系図を3世代辿った位置にある親族を指し、血族では「曾祖父母」「ひ孫」「叔父・叔母」「甥・姪」の4パターンが該当します。

相続において重要なのが、「三親等の親族であっても、必ずしも法定相続人になるとは限らない」という点です。

三親等の血族で相続人になり得るのは、兄弟姉妹の代襲相続人となる「甥・姪」、再代襲相続人となる「ひ孫」、そして先順位者が全員不在の場合の「曽祖父母」に限られます。

また、三親等の血族が財産を取得した際、原則として相続税の2割加算の対象となる一方、第1順位の立場を引き継いで代襲相続した場合の「ひ孫」は対象となりません。

このように三親等の親族がかかわる相続手続きは、専門的な判断を要する場面が存在するため、少しでも不明点がある場合は、相続の専門家へのご相談をおすすめします。

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