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最終更新日:2026/9/18

本籍地がわからないときの調べ方!故人はスマホではなく住民票の除票で確認

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

VSG行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilehonma/

記事の要約

  • 亡くなった方の本籍地は、本籍地の記載がある住民票の除票を取得すれば確認できる
  • 自身の本籍地ならマイナポータルなどを使ってスマートフォンから調べられるが、故人のマイナンバーカードは死亡により失効するため、同じ方法は使えない
  • 本籍地がわかったら、広域交付制度を使って戸籍をまとめて取得できる

相続の手続きでは、故人の「本籍地の情報」が必要な場面が多くあります。

本籍地自体は、住民票の除票やマイナポータル、運転免許証などを用いて確認できます。

ただし、「自分の本籍地を調べる方法」と、「亡くなった方の本籍地を調べる方法」は大きく異なります

自分の分であればスマートフォンなどで手軽に確認する方法もありますが、亡くなった方の本籍地は原則として役所で書類を取得して調べます。

また、預貯金口座の解約不動産の名義変更(相続登記)など、多くの相続手続きにおいては、「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本類」が必要です。

戸籍謄本類を取り寄せるためには「本籍地の情報」が必要であるため、本籍地がわからないままだと、相続手続き全体が滞ってしまいます

この記事では、相続手続きで必要な「亡くなった方の本籍地の調べ方」を中心に、ご自身の本籍地の調べ方までをお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けておりますので、相続でご不安なことがございましたら、お気軽にご連絡ください。

目次

本籍地とは?住所や戸籍との違いは何か

本籍地とは、戸籍が保管されている場所のことです。

まずは、「本籍地」と「住所」「戸籍」の違いを整理しましょう。

本籍地は「戸籍が保管されている場所」のこと

戸籍とは、生まれてから亡くなるまでの身分関係(親族関係)を記録した公的な書類です。

この戸籍が管理・保管されている市区町村の場所を「本籍地」と呼びます

本籍地は、日本国内で地番が存在する場所であれば、原則として自由に定めることができます。

皇居や富士山など、自分が居住したことにない土地であっても、本籍地に指定することが可能です。

住所との違い:住んでいる場所とは必ずしも一致しない

「住所」は、今、生活の拠点としている場所(生活の本拠)です。
引っ越しをして転居届を出せば、住所は変わります。

一方、「本籍地」は住所を変更しただけでは自動的には変わりません

ただし、婚姻・離婚・分籍・転籍などの戸籍の届出によって変わることがあります。

住所と本籍地はまったく別の情報ですので、「長年暮らしている自宅の住所が本籍地だと思っていたが、実際には遠く離れた別の地域だった」ということも珍しくありません。

「本籍」と「本籍地」はどう違う?

戸籍の申請書などでは、戸籍上の所在地を「本籍」と表記します。

一方、「本籍地」は一般に本籍が置かれている場所を指す言葉として使われます。

ただし、日常的にはほぼ同じ意味で使われることが多いため、この記事でも統一して「本籍地」として解説します。

なお、実際に戸籍を請求する際は、番地までの正確な記載が求められます。

市区町村名だけでは請求を受け付けられない場合がありますので、調べるときは番地まで確認しておきましょう。

戸籍の「筆頭者」は誰のこと?

戸籍の筆頭者とは、その戸籍の最初に記載されている方のことです。

たとえば、結婚したときに夫の姓を選択した場合は夫が、妻の姓を選択した場合は妻が筆頭者になります。

役所の窓口で戸籍を請求する際は、「本籍地」と「筆頭者の氏名」の2つを伝えます

筆頭者が亡くなったあとも、その戸籍の筆頭者は変わりません

本籍地を調べるときには、筆頭者が誰なのかもあわせて確認しておくとその後の手続きがスムーズです。

亡くなった方の本籍地を調べる方法

亡くなった方の本籍地を調べる方法は、以下のとおりです。

亡くなった方の本籍地を調べる方法

(1)本籍地が記載された「住民票の除票の写し」を取得する

もっとも確実な方法が、亡くなった方の「住民票の除票の写し」を取得することです

住民票の除票とは、死亡や転出によって住民基本台帳から除かれた住民票のことです。

除票には本籍地の欄が設けられています。

住民票の除票の写しの取得方法

請求先
亡くなった方が最後に住民登録をしていた市区町村役場
必要なもの
請求者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)、相続関係を証明できる書類や、除票を必要とする理由を確認できる書類(請求者の戸籍謄本など)
手数料
1通あたり300円~400円程度、自治体により異なる
注意点
請求の際は「本籍地・筆頭者の記載あり」にチェックを入れる(自治体によって請求書の様式が異なる)

亡くなった方の除票は、親族であれば無条件に取得できるわけではありません。
請求目的や提出先などの記載を求められる場合があります。

また、住民票の除票は、特に申出がない場合、プライバシー保護の観点から本籍地の記載が省略されて発行されることが一般的です

請求用紙の「本籍地の記載」のチェック欄に必ず印を入れ、窓口でも「本籍地が記載されたものを希望します」とお伝えください

住民票(写し)等の請求書(一部抜粋)

住民票(写し)等の請求書

引用元 東京都北区

住民票の除票の写しはすぐ取得できるとは限らない

住民票の除票の写しを取得できるようになるまでには、死亡届の提出から数日~1週間程度かかることがあります。

特に、亡くなった方の住所地とは別の市区町村へ死亡届を提出した場合は、住所地の自治体へ通知が届くまでさらに時間がかかることがあります。

また、死亡届には亡くなった方の本籍を記入する欄があります。

本籍がわからない場合は死亡届を提出する役所の窓口に相談できますが、自治体の運用によっては、その場ですぐ本籍を確認できるとは限りません。

死亡届の提出後、相続手続きで正確な本籍が必要な場合は、本籍・筆頭者が記載された住民票の除票の写しを取得すると確認できます

死亡届を葬儀会社が提出する場合は、本籍がわからないことをあらかじめ担当者に伝えておくとよいでしょう。

(2)「戸籍の附票」を取得する

戸籍の附票とは、「その戸籍に在籍している間の住所の履歴」が記録された書類です。

戸籍原本とあわせて、本籍地の市区町村で管理されています。

戸籍の附票には本籍や筆頭者も記載されるため、本籍を調べる手がかりになります。

ただし、原則として請求先は「その戸籍の本籍地を管轄する市区町村」です。

そのため、本籍地がまったくわからない状態から調べる方法としては利用しにくく、まずは本籍が記載された住民票の除票を取得する方法が現実的です

一方、過去に住んでいた住所を確認したい場合などには、戸籍の附票が役立ちます

なお、亡くなった方が過去にどこを本籍としていたのかという「転籍の履歴」を確認したい場合は、戸籍の附票ではなく、戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本に記載された「従前本籍」などを順に確認していきます。

(3)自身の戸籍情報から確認する

亡くなった方と自分が同じ戸籍に入っていた場合は、自分自身の本籍地を調べることで、亡くなった方の本籍地も特定できます。

たとえば未婚の子どもであれば、親と同じ戸籍に入っていることが一般的です。

この場合は、子のマイナンバーカードやマイナポータルから、親の本籍地も自ずと把握できます

一方、結婚などにより子どもが新しい戸籍を編製している場合は、親の戸籍からはすでに除籍されているため、この方法は使えません

また、マイナポータルの戸籍関係情報でわかる情報は自治体コード(市区町村単位)にとどまるケースがあり、番地まで正確に把握するためには、やはり本籍地記載の住民票の取得が必要になります。

(4)親族に確認する・故人の書類を確認する

親族への確認や、自宅に残された各種書類の確認も有力な手がかりになります。

亡くなった方の兄弟や、年配の親族であれば、故人の本籍地を知っている可能性があります。
生まれ育った実家の住所地を、そのまま本籍地にしているケースも少なくありません。

また、遺品や書類の中に、本籍地が記載されていないか確認する方法もあります。

本籍地が記載されている可能性のある書類

  • 過去に取得した戸籍謄本や除籍謄本
  • 本籍地の記載がある住民票の写し
  • パスポート発給申請時の書類控え
  • 平成19年(2007年)以前に交付された古い運転免許証(本籍欄が券面に印字されている)
  • 年金や保険の受給、契約書類の控え

ただし、これらはあくまで過去の記録です。

その後に転籍している可能性も考慮し、最終的には住民票の除票で確認することをおすすめします。

住民票の除票が取得できないときの対処法

住民票の除票には法令上の保存期間が定められています。

かつて、住民票の除票の保存期間は5年間でしたが、令和元年6月20日の住民基本台帳法の改正により150年間に延長されました。

しかし、改正前にすでに保存期間が過ぎていたもの(おおむね平成26年6月19日以前に死亡・除票化されたもの) については、自治体の判断によりすでに廃棄されているケースがあります。

相続発生から長期間が経過しており住民票の除票の写しが取得できない場合は、以下の方法を検討します。

  • 「改製原附票」などの古い書類が残っていないか、窓口で確認する
  • 住所地・本籍地の双方の窓口に相談し、複数の記録を照合のうえ遡れる限度を確認する
  • 書類を交付できないことを証明する「廃棄証明書」の交付を受け、その後の相続手続きで利用する

故人のマイナンバーカードや運転免許証で本籍地を確認するのは難しい

「手元にある故人のマイナンバーカードや運転免許証から、本籍地を確認できるのではないか」と思われるかもしれませんが、以下の理由から現実的ではありません。

マイナンバーカードは、死亡届が受理されて住民票が消除されると、カードの効力および電子証明書が自動的に失効します。

そのため、遺族が亡くなった方のマイナポータルにログインすることはできません

また、運転免許証のICチップには本籍が記録されていますが、読み取りには本人が設定した暗証番号が必要です。

暗証番号がわからない場合に遺族が照会することもできないため、故人の本籍地を調べる方法としては適していません。

なお、2025年3月24日からは、マイナンバーカードのICチップに運転免許情報を記録する「マイナ免許証」の運用が始まっています。

マイナ免許証も、券面に免許情報や本籍が表示されるわけではありません。

本人であれば、マイナ免許証とマイナポータルを連携することで本籍を含む免許情報を確認できますが、故人の場合は電子証明書が失効しているため、この方法も利用できません。

そのため、亡くなった方の本籍地を確実に確認したい場合は、カード類ではなく、本籍・筆頭者が記載された住民票の除票の写しを取得する方法が基本です。

「広域交付制度」で戸籍をまとめて取得できる

故人の本籍地がわかったら、戸籍謄本類の収集に進みます。

2024年(令和6年)3月1日よりスタートした「戸籍の広域交付制度」により、相続時の戸籍集めは格段に効率化されました。

戸籍の広域交付制度とは?

戸籍の広域交付制度とは、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍謄本などを取得できる制度です

従来、戸籍謄本類は、本籍地がある市区町村の窓口(または郵送)でしか取得できませんでした。

故人が転籍を繰り返していた場合、複数の自治体窓口に個別に請求しなければならず、大変な手間がかかっていました。

広域交付制度の導入により、「最寄りの市区町村役場の窓口」からでも、全国各地の本籍地の戸籍謄本・除籍謄本を一括して請求・取得することが可能になりました。

注意:広域交付は「本籍地を調べるための制度」ではない

戸籍の広域交付制度は、本籍地がわからない状態で利用することはできません

請求の際には、あらかじめ本籍地を番地まで正確に記入する必要があるためです。

自治体によっては、請求者自身の本籍地や筆頭者の記入を求められることもあります。

また、個人情報保護の観点から、役所の窓口や電話で「本籍地や筆頭者を教えてほしい」と問い合わせても、職員がその場で回答することは原則として認められていません。

したがって「まず住民票の除票等で本籍地と筆頭者を正確に特定し、その情報をもとに広域交付で戸籍を請求する」という段階を踏む必要があります。

広域交付を利用できる人・できない人

広域交付を利用して請求できるのは、自身と、配偶者、直系尊属、直系卑属の戸籍に限られます。

広域交付制度で請求できる範囲

  • 本人
  • 配偶者
  • 直系尊属(父母、祖父母など)
  • 直系卑属(子、孫など)
広域交付制度で請求できない範囲

  • 兄弟姉妹
  • おじ、おば
  • 甥、姪
  • 代理人(委任状による請求)、専門家による職務上請求

亡くなった人から見て「自分が直系卑属・直系尊属」または「配偶者」であれば広域交付を利用できます。

一方、兄弟姉妹の相続などの場合は制度利用の対象外であり、従来どおり本籍地の役所へ請求する必要があります。

なお、広域交付制度を利用する際は、請求者本人が窓口へ出向く必要があります。
郵送やオンラインでの請求はできません

広域交付制度で取得できない書類もある

広域交付の対象になるのは、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本です

以下の書類は広域交付に対応していないため、必要に応じて本籍地の役所へ直接請求します。

  • 戸籍抄本(一部事項証明書)
  • 戸籍の附票(住所履歴の証明書。相続登記などで必要な場合がある)
  • 身分証明書
  • コンピュータ化されていない古い戸籍、除籍

【参考】自身の本籍地の調べ方

自分自身の本籍地を調べたい場合は、亡くなった方の場合と異なり、スマートフォンなどを活用して確認する方法もあります。

故人と自分の本籍地の調べ方の違い

(1)本籍地記載の住民票を取得する

自身が住んでいる市区町村窓口で、本籍地が記載された住民票の写しを請求します。

窓口での申請時に「本籍地・筆頭者を記載する」旨を選択してください。

(2)コンビニ交付サービスを利用する

マイナンバーカードと利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)があれば、全国の提携コンビニエンスストア等のマルチコピー機から住民票を取得できます(住所地の自治体が住民票のコンビニ交付に対応している場合に限る)。

役所の開庁時間外(夜間や休日)でも利用可能です。

画面上の選択肢で必ず「本籍地・筆頭者の記載あり」をご指定ください。

(3)マイナポータルから確認する

マイナンバーカードを持っている場合、政府のオンライン窓口「マイナポータル」から自身の戸籍関係情報を閲覧できます。

マイナポータルで本籍地を確認する手順

  1. マイナポータルにログインする
  2. メニューから「その他のわたしの情報」を選択する
  3. 「戸籍関係情報」を照会する
  4. 表示された在籍本籍コードを、総務省の都道府県コード及び市区町村コードと照らし合わせる

ただし、表示される情報は主に管轄の市区町村コードであり、番地まで正確に出力されない仕様の場合があります。

公的書類への正確な番地記載が求められる場合は、住民票等の取得による確認が確実です。

マイナポータルは、あくまで大まかな場所を知るための方法とお考えください。

(4)運転免許証を専用アプリで読み取る

運転免許証に内蔵されているICチップを、スマートフォンのICカード読み取りアプリで読み取ることにより、暗証番号を入力して本籍地を表示させることができます。

免許更新時に設定した「暗証番号1」「暗証番号2」(それぞれ数字4桁)のうち、本籍地の表示には暗証番号2が必要です。

3回連続で誤入力するとICチップにロックがかかりますのでご注意ください。

(5)警察署や運転免許センターの端末で確認する

暗証番号を失念された場合やスマートフォンの操作が困難な場合は、警察署や運転免許試験場・免許更新センター内に設置されている「ICカード確認端末」で確認できます。

端末の案内や窓口での本人確認を経て、安全に本籍地情報を照会することが可能です。

(6)家族に聞く・保管書類を確認する

未婚の方であれば、両親と同じ戸籍に入っているため、両親の本籍地が自身の本籍地となります。

また、過去に取得したパスポートの申請控えや戸籍謄本が手元にあれば、そちらから確認することも可能です。

本籍地を調べるときによくある疑問

まとめ:相続手続きでは、早い段階で本籍地を調べておくことが大切

今回は、本籍地の調べ方についてお伝えしました。

まとめ

  • 亡くなった方の本籍地は、本籍地の記載がある住民票の除票を取得すれば確認できる
  • 自身の本籍地ならマイナポータルなどを使ってスマートフォンから調べられるが、故人のマイナンバーカードは死亡により失効するため、同じ方法は使えない
  • 本籍地がわかったら、広域交付制度を使って戸籍をまとめて取得できる

普段の生活で本籍地を意識する機会は少ないものの、相続手続きにおいては土台となる大切な情報です。

しかし、戸籍の収集や改製原戸籍などの古い戸籍謄本の読み解き、転籍履歴の追跡には専門的な知識を要することも多く、ご遺族にとって大きな負担となるケースも見受けられます。

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