東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。
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任意売却は、住宅ローンの返済に行き詰まった場合、金融機関の担保に入れていた自宅を競売にかける前に売却する手続きです。
この場合、通常の売却と異なるのは、不動産を売却しても住宅ローンが完済できず、ローンが残ってしまうということです。
そのため、任意売却を行う場合は、必ず金融機関の同意を得てから行うこととされています。
また任意売却は、必ず競売になる前に買い手を見つけて成立させなければなりません。
しかし、必ず売買が成立するわけではないため、任意売却したくてもできないことがあり得ます。
任意売却しようとしても買い手がつかなければ、その後、裁判所での手続きが進められ、競売が行われることとなります。
競売の手続きが正式に開始されれば、その後に任意売却を行うことはできなくなるのです。
そのため、限られた期間内に任意売却を成立させなければなりません。
時間をかけて任意売却を行うことができないため、任意売却しようとする人は、時に難しい判断を迫られます。
競売は買い手がつかない場合、取り消しになります。
基本的に不動産の競売は、期間入札で行われます。
決められた期間内に購入希望者が入札を行う方式です。
ただし期間入札で買い手が決まらない場合は、特別売却となります。
特別売却の期間中に、先着順で買い手を決定する方式です。
不動産の競売では上記2つの段階を、買い手が決まるまで価格を下げながら3回行います。
それでも売却が決まらない場合、競売が取り消され、不動産が手元に戻るというわけです。
任意売却の成功率は、一般的に5〜6割程度と言われています。
任意売却は競売が開始される前に買い手を見つける必要があり、時間的な制約があります。
そのため、必ずしも成功するとは限りません。
また、売主の行動次第で、任意売却が決まりにくくなってしまうことがあります。
ここからは、任意売却で買い手がつかない理由について詳しく説明していくので、任意売却の成功率を上げるための参考にしてください。
任意売却をしようとしても買い手がつかないのには、どのような理由があるのでしょうか。
そこにはさまざまな要因が関係しているため、冷静に現状を分析する必要があるのです。
では、主なものについて詳しく見ていきましょう。
任意売却が成立すると、住宅ローンの返済に行き詰まっている人には大きなメリットがあります。
任意売却の場合、競売で自宅を売却した場合と比較すると、より高い価格で売却することが可能となるからです。
より高い価格で売却することができれば、それだけ債務の返済にあてることができる金額が増えます。
その結果、住宅ローンを返済した後の残債を少なくできるのです。
そのため、少しでも高く売却することを狙って、価格を高めに設定してしまうことがあります。
しかし、当然のことながら買い手は少なくとも市場価格でなければ買おうとはしません。
このように、売り出し価格を高めに設定することで、買い手がなかなか見つからないことがあるのです。
任意売却を行う場合、売却しようとする人は実際に売却する直前までその家に住んでいます。
そのため、自宅を売却するための活動は、自宅に住みながら行うこととなるのです。
一方、物件を購入しようとする人は、購入する物件を見ずに購入することはまずありません。
購入する前には、実際にその物件の中を見学する「内見」を行う必要があります。
しかし、任意売却しようとしているのに、自宅に住んでいることを理由として内見を積極的に行わない人がいます。
内見をまったく行わない場合は、買い手も安心して物件を購入することができないのです。
そのため、なかなか買い手がつかないということがあります。
また、内見を行ってはいるものの、その曜日や時間をきわめて限定的にしている人もいます。
この場合、購入しようとする人が内見を希望しても、そのタイミングが合わないことが多いです。
一度は購入しようとした人も、実際には購入に至りにくくなります。
任意売却を行う際には、基本的に金融機関の同意が必要となります。
任意売却を検討する際、金融機関にはその物件を売却することだけでなく、価格についても同意を得ておかなければなりません。
いくらで売却すれば、残債はいくらになるかがおおよそ決まってくるためです。
しかし、売り出し価格の設定が高い場合などは、徐々にその価格を下げる必要に迫られます。
売却価格を下げる際には、再度金融機関の同意を得る必要がありますが、金融機関との連携がうまくいっていないと問題が生じます。
できるだけ早く金融機関と連絡を取り、売り出し価格を下げなければ、期間内の任意売却は成立しにくいでしょう。
金融機関との関係がうまくいっていなければ、時間切れとなってしまう可能性が高くなるのです。
任意売却を行う際は、不動産会社に依頼しなければ買い手を見つけることは難しいでしょう。
売却活動は不動産会社に依頼するのが普通ですが、この時、どの業者に依頼してもいいというわけではありません。
任意売却を行う際には、購入希望者だけでなく金融機関やその他の債権者、連帯保証人などと連絡を取って進める必要があります。
通常の不動産の売買とはまったく異なるため、経験のない不動産会社には非常にハードルが高い手続きとなるのです。
これまでに取引のある業者や、知り合いの業者に頼めばいいというわけではないため、注意してください。
ここまで、任意売却で買い手がつかない理由を確認しました。
ではこのような理由に該当する場合は、どのような対処をするといいのでしょうか。
売り出し価格が高すぎる場合は、どれだけ時間をかけても任意売却が成立する可能性は低いです。
とはいえ、時間切れとなって競売になるのは避けなければなりません。
そこで、周辺の物件の価格を分析した上で、適正な価格で設定し直す必要があります。
不動産会社に価格の分析を依頼し、売り出し価格の再設定をしましょう。
住んでいる状態の自宅を他人に見せることに、抵抗があるかもしれません。
しかし、ほとんどのケースでは、内見を行わないと購入希望者がいても実際に購入するところまでは至らないのです。
また内見に応じていても、購入希望者のタイミングに合う形でなければ、購入希望者が見たい時間帯の自宅の明るさや音などが分かりません。
疑問や不安を抱えたままでは購入に踏み切るのは、新築物件でも難しいことです。
できるだけ購入希望者の要望に合わせた形で、内見を積極的に行うようにしましょう。
任意売却を行う際には、必ず金融機関の同意が必要です。
しかし、金融機関との連携が取れていないとその価格の変更をするためだけに時間がとられてしまうこともあります。
もし、金融機関との関係に不安がある場合は、こまめに連絡をとって相談するなどの関係修復を図りましょう。
繰り返しとなりますが、金融機関の同意を得なければならない場面は何度もあるため、良好な関係を築いてください。
前述したように、任意売却の手続きは通常の不動産の売買とはまったく異なるものです。
初めて任意売却を行う不動産会社に依頼しても、スムーズな対応を望むのは難しいでしょう。
そのため、任意売却に強い不動産会社に依頼しなければなりません。
これまでお付き合いがあるからということで会社を選ぶのではなく、必ず専門知識と経験のある業者を選定するようにしてください。
任意売却を行う際には、不動産会社選びが重要であることがわかりました。
どのようにして任意売却に強い不動産会社を選ぶのか、その選定方法を確認していきます。
任意売却を行う際には、任意売却の経験が豊富な業者を選ぶのが一番です。
任意売却の経験がある業者に依頼するかどうかで、実際に任意売却が成立する可能性は大きく変わります。
近隣にそのような業者がいない場合には、多少遠方であっても任意売却の経験のある業者を探しましょう。
不動産会社の業務は、売却・購入・賃貸の3つに分けられます。
このうち、任意売却を成立させるために最も大きな影響があるのは「売却」です。
そこで、多くの売却物件を取り扱っており、売却に関する業務が得意な不動産会社を選ぶようにします。
たとえ賃貸の取扱い件数が多くても、任意売却を行う上では特別なメリットはありません。
また、買い取りに力を入れている業者では、限られた時間内に買い手を探し出せるか不安があります。
不動産会社にもそれぞれ得意・不得意がありますから、任意売却を行う際は売却が得意な不動産会社を選ぶことが必要です。
任意売却を行うのは、住宅ローンの返済に行き詰まった物件であり、一軒家やマンションの違いはありますが、いずれも住宅です。
オフィスや土地の売買が得意な業者に依頼しても、任意売却の場合はその強みを活かすことはできません。
自身の売却する物件のタイプや地域にあわせて、一軒家が得意な業者、あるいはマンションが得意な業者を選びましょう。
住宅ローンを滞納している人は、そのままでは自宅を差し押さえられ、競売にかけられることとなります。
しかし、競売で売りに出される際の金額は市場価格より半値程度になることもあり、大変安い価格です。
そのため、売却して得た資金で住宅ローンの返済を行っても、残債が多く残ってしまい、その後に自己破産まで至る場合もあります。
そうならないためにも、任意売却をしてより多くの住宅ローンを返済することが非常に重要なのです。
任意売却を成功させるためには、買い手を探し出すことが一番のポイントとなります。
今回紹介した対処法を参考にして、スムーズな売却を行いましょう。