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任意売却とは?競売や通常売却との違いやメリット・デメリット、手続きの流れ

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。
破産をお考えの方にとって、弁護士は、適切な手続きをするための強い味方になります。
特に、周りに相談できず悩まれていたり、負債がかさんでしまいそうで破産を考えていたりする方は、ぜひ検討してみてください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

任意売却とは?競売や通常売却との違いやメリット・デメリット、手続きの流れ

この記事でわかること

  • 任意売却とは
  • 任意売却のメリット・デメリットとは

任意売却とは、抵当権が設定された不動産について、担保権を有する金融機関の同意を得て売却し、その代金を返済に充てる方法をいいます。
裁判所が主導する競売と異なり、市場価格に近い金額での売却が見込め、引渡しの時期や残債務の返済条件についても柔軟な交渉が可能です。
法人が保有する事業用不動産の処分や、経営者個人が保証人となっている自宅の売却では、検討事項が多くあります。
売却の時期や代金の充当方法を誤ると、その後の法人破産や経営者個人の債務整理において選択肢を狭める可能性もあるでしょう。
不動産の処分をご検討の段階で、早期に弁護士へ相談されるのが安全です。
本記事では、任意売却について解説します。

Contents

任意売却とは?競売を回避・取り下げできる?

任意売却とは、住宅ローンの返済に行き詰まった人が自宅を売却して住宅ローンの返済を行う方法です。
金融機関は、住宅ローンなどの返済が滞っても、すぐには全額の返済を求めません。
借り入れをしている人には、分割で返済できる期限の利益があるためです(民法136条[注1])。
しかし、何カ月も返済が進まない場合には、期限の利益が認められなくなり、金融機関からまとめて返済するように求められます。
それでも支払えなければ抵当権に基づく競売にかけられます。(民事執行法180条1号[注2])
期限の利益を失う時期や金融機関との交渉は法的知識を要するため、早期に弁護士へご相談ください。

抵当権とは

抵当権とは、債務の担保として不動産に設定される権利で、返済が滞った場合に債権者が目的物から優先して弁済を受けられます(民法369条[注1])。
抵当権は被担保債権の弁済によって消滅するため、売却代金で債務を完済できない状況では、金融機関の同意なく抹消できません。
任意売却は、売却代金の配分について金融機関と合意し、抵当権を抹消したうえで買主に引き渡す手続きです。
合意の取付けには交渉が必要なため、専門家に相談しましょう。

通常売却との違い

任意売却と通常売却の違いは、金融機関の同意を前提とするかどうかです。
通常売却では、所有者が価格も時期も自由に決められます。
一方、任意売却では売却代金が返済に充てられるため、価格や引渡しの時期、諸費用の配分に至るまで債権者との調整が必要です。
仲介業者を通じて買主を探す点や契約の流れは通常の売買と変わりませんが、債権者の同意が条件であるため、専門的な交渉力が求められます。

競売との違い

任意売却と競売の違い
競売は、所有者の同意なしに、裁判所の手続きとして自宅を売却する制度です。

債権者の申立てによって自宅が差し押さえられ、裁判所の主導で強制的に物件が売却されます。(民事執行法[注2])
何カ月も返済が滞ると、最終的に自宅は競売にかけられます。
任意売却は通常売却より価格が下がる傾向にありますが、これは売主が返済に行き詰っている事情を買主側が把握し、交渉してくるためです。
また、競売までの限られた時間で成約させる必要があるため売却金額は低くなりがちです。

それでも一般市場で売却する分、競売よりは高値が期待できます。

競売の回避には早期の相談が重要なため、法人破産と競売の関係もあわせてご確認ください。

任意売却の成功率

任意売却は、着手すれば必ず成立する手続きではありません。
買い手が見つからなければ成立せず、抵当権を有する金融機関に加え、連帯保証人や共有名義人の同意も必要です。
競売の開札期日までに売却を完了させなければならず、時間的な制約も厳しい手続きです。
実務上は、債権者との交渉や買主探しに時間がかかり、期限に間に合わないケースが一定数あります。
裏を返せば、滞納が始まった早い段階で着手すれば、交渉と売却活動に充てられる期間を確保でき、成立の可能性は高まります。
見通しの判断には専門的な知見を要するため、早期に弁護士へご相談ください。

不動産の任意売却のメリットとは?

任意売却をした場合と競売した場合では、財産を売却するという目的は同じでもその過程や結果には違いがあります。
そこで、任意売却した場合にはどのようなメリットがあるのかを紹介します。
交渉の開始は早いほど有利です。

市場価格の8~9割程度で売却できる

任意売却を行った場合、不動産の売却価格は競売を行った場合に比べると、高い金額での売却が見込めます。
競売により売却すると、どうしてもマイナスのイメージとなるため、周辺の市場価格より安い金額でしか売却できません。
立地や物件の様々な条件にもよりますが、競売により売却すると、市場価格の7割程度の価格になってしまうケースもあります。
一方で、任意売却の場合表向きは、任意売却は普通の売買と同じように手続きが進められるため、買い手からマイナスのイメージを持たれにくいです。
任意売却は、市場価格の8~9割程度で成約するケースが多いとされます。
ただし、法律上の要件ではなく、立地や物件の状態によって価格差は変動します。
個別の見込みは不動産会社や弁護士にご確認ください。

住宅所有者の情報を公開しなくてすむ

通常の不動産売買と同様の手続きで進められるため、任意売却していることやローンの返済に苦しんでいることは周囲に伝わりにくいです。
一方で競売を行うときは、物件の情報は裁判所のホームページから公開されます。
誰でも裁判所のホームページにアクセスできるため、その物件が競売に出ていることが知られてしまいます。
事業用不動産の場合、取引先や従業員に事情が知られるのは避けたいところであり、公開されない点は経営者にとって特に重要なメリットといえます。

引っ越し費用を売却代金から捻出できる場合がある

任意売却を行った場合、売却代金から債権者が取得する分と売主が取得する分を話し合いで決められます。
そのため、任意売却により売却して得た売却代金から、引っ越し費用にあてる金額の受け取りを条件にできます。
諸費用の金額も売却代金から受け取れるようにすれば、売却後の新生活にかかる金銭的な負担を減らせるでしょう。
競売を行ったときは売却代金は原則として債権者への配当に充てられ、引越費用等を確保する交渉の余地はありません。
配分の交渉には金融機関との調整力が必要なため、弁護士が交渉に関与すれば実現しやすくなります。

引き渡しの希望日を柔軟に決めやすい

債権者がさまざまな条件を決める点を除けば、任意売却の手続きは、通常の不動産の売買と基本的には変わりません。
任意売却は債権者が決めた条件を満たせば、好きな時期に売却の手続きを開始し、引き渡しができます。
買主との交渉時は、価格のほか引き渡しの日などもお互いの希望を聞きながら決定します。
法人が事業用不動産を売却する場合、事業の引き継ぎや移転のスケジュールと合わせた調整が可能な点は、大きな利点といえます。
一方で競売は、売主の希望する日に引き渡しはできません。

不動産の任意売却のデメリットとは?

任意売却は利点ばかりではありません。
対応できる不動産会社の少なさや関係者全員の同意、競売までの時間的制約などの注意点があります。
また滞納や代位弁済の時点で信用情報機関に事故情報が登録される点にも留意が必要です。
早期の相談でリスクは軽減できます。

任意売却を担当できる不動産会社は少ない

任意売却に対応できる不動産会社は、決して多くありません。
売主や買主への対応に加え、債権者である金融機関との交渉が必要となり、通常の売買より手間がかかるためです。
債権者が6社、7社に及ぶケースもあり、時間と労力がかかるため、そもそも取り扱いを避ける会社も少なくありません。
会社選びにあたっては、任意売却の実績があるか、金融機関との交渉経験が豊富かを確認してください。
あわせて、弁護士と連携している会社であれば、債務整理全体を見据えた進め方が期待できます。
弁護士に相談すれば、実績のある不動産会社を紹介できる場合もあるため、会社選びの段階からご相談いただくのが確実です。

金融機関の同意が必要になる

任意売却は、抵当権を有する金融機関の同意がなければ成立しません。
加えて、共有名義の不動産であれば他の共有者全員の同意が必要となり、実務上は連帯保証人の了解を求められる場合もあります。
いずれか一者でも応じなければ売却は実現しません。
税金や社会保険料の滞納により不動産が差し押さえられている場合には、差押えを行った行政機関との調整も必要です。
法人が保有する事業用不動産では、複数の金融機関が担保権を設定しているケースや、共有名義となっている事案も珍しくなく、調整はより複雑になります。
同意を得るには、売却によって各当事者の回収額がどう変わるかを客観的な資料で示し、競売より有利である点を具体的に説明する必要があります。
利害の調整には交渉が欠かせないため、弁護士に相談しましょう。

競売までに間に合わない可能性がある

任意売却が成立するまでには時間がかかります。
そもそも買い手を探すのが難しく、購入希望者がいても金額や引き渡し時期などの条件が合わなければ、購入に至らないためです。
任意売却を希望していても成立せず、その間に競売に関する手続きが進められるケースが少なくありません。
ほとんどのケースで、競売の手続きは期限の利益が失われてから3〜6カ月程度で、裁判所による開札の期日を迎えるとされています。
開札期日を過ぎると、申立債権者だけで取下げはできません。
最高価買受申出人等の同意を得られれば取下げは可能ですが、容易ではありません。

タイムリミットを踏まえて、できる限り早い段階で着手しましょう。

任意売却で競売を回避する流れ・必要書類は?

住宅ローンの返済が滞ってしまった場合、すぐに自宅を差し押さえられたり、競売にかけられたりするわけではありません。
しかし、そのまま放置していると担保に入れている不動産を強制的に売却される可能性が出てきます。
競売の手続きを回避するために、任意売却を進める手順を確認しておきましょう。
各段階の判断には専門知識を要するため、早期に弁護士へご相談ください。

(1)裁判所から担保不動産競売開始決定通知書が届く

住宅ローンの支払いを滞納して6カ月ほど経過すると、裁判所から担保不動産競売開始決定通知書が届きます。
およそ3~6カ月程度を目安にして担保に入れていた物件は強制的に売却され、この段階で競売の手続きを取り下げてもらうのは非常に難しいといえるでしょう。
しかし、任意売却が成立すれば競売の回避はまだ可能です。
通知が届く前からの準備が重要です。

(2)任意売却することの同意を得る

不動産業者に依頼して、いくらが妥当な価格なのかを調べておきましょう。
物件購入時の書類や物件の登記識別情報、固定資産評価証明書などを準備しておくと、不動産会社への依頼がスムーズに進みます。
次に事前に金融機関に相談の上、任意売却を行うことに同意を得ておきましょう。
いくらで売却するかについても金融機関の同意を得る必要があるため、不動産会社に依頼した物件の査定結果を記載した書類を提出して話し合います。
査定額の根拠を客観的に示せるかが同意の得やすさを左右するため、弁護士が同席・代理すれば円滑に進みます。

(3)競売のための現況調査や価格決定が行われる

任意売却を行うために準備を行う一方で、競売に向けての準備も着々と進められます。
売却価格を決定するために執行官が自宅を訪れ、現況調査が行われます。
その後、売却基準価額が決定すると、入札期間などが記された期間入札通知書が自宅に届く流れです。
また、裁判所の掲示場や競売物件のサイトに、競売物件の情報が記載されます。
期間入札通知書が届いた時点では、まだ競売の回避は可能です。
ただし、取下げができるのは申立てをした差押債権者であり、債務者本人の判断で取り下げはできません。
買受けの申出があった後は、最高価買受申出人等の同意も必要です(民事執行法76条[注2])。

入札前日までなら間に合うとの見方は、実務上の目安にすぎません。
競売を確実に回避するには、期間入札通知書が届くよりも前、ローンの返済が滞り始めて6カ月ほどの時点で金融機関と交渉を開始しておきましょう。

(4)任意売却の契約と引き渡しを行う

任意売却の契約は、通常の売買契約と違いはありませんが、残債の返済期間や毎月の返済金額といった金融機関との条件を確認してください。
任意売却後も債務の返済は続くため、無理のない金額で支払い続けられるように金融機関と交渉をしてください。
弁護士が交渉すれば、より緩やかな条件を引き出せる場合があります。

競売を回避させるポイントはある?

競売を回避するには、任意売却を期日までに成立させる必要があります。
売出価格の設定、内見への対応、親族による買戻しやリースバックの検討がカギです。
最適な方法は事案ごとに異なるため、弁護士や不動産会社と相談しながら進めてください。

売出価格と市場価格が乖離しないようにする

価格が高すぎる場合には、どれだけ売却活動を行っても、任意売却が成立する可能性は低くなります。
周辺の相場から見ても妥当な価格を設定すれば、購入希望者が現れる可能性は高くなるでしょう。
相場は、不動産会社の査定に加え、国土交通省の不動産情報ライブラリなどで周辺の成約事例を確認すれば把握できます。
任意売却では、残債を少しでも多く回収したい債権者の意向が反映され、相場より高い設定になりやすい点に注意が必要です。
査定額を根拠として示し、不動産会社と弁護士が交渉方針を擦り合わせたうえで価格を決めればスムーズに進みます。

物件の内見をきちんと行う

任意売却を行う際は、物件の引き渡し直前までその場所に住んでいる状態となります。
そのため、内見で購入希望者に中を見てもらう場合には、生活している状態の家に来てもらわなければなりません。
生活しているところを、まったくの他人に見せたくないという気持ちは理解できます。
しかし、実際に中を見なければ購入できないという買い手の気持ちもまた、理解する必要があるでしょう。
清掃や不要品の整理を行い、劣化した箇所も隠さず伝えることが信頼につながります。
事業用不動産の場合は、営業中の店舗や工場への立入りとなるため、従業員への説明とあわせて計画的に日程を組んでください。

親族によって買い戻す

任意売却を成立させるためのポイントは、決められた時間内に買い手を見つけられるかどうかです。
基本的には不動産業者に依頼して第三者の買い手を探してもらっても、すぐに買い手を見つけるのは難しい傾向があります。
そこで、有力な買い手の候補となるのが親族です。
決められた時間内に任意売却を成立させるために、確実に購入できる親族に物件を購入してもらうことも検討してください。
購入した親族と賃貸借契約を結べば、その物件に引き続き住み続けられます。
ただし、親族間の売買では売却価格の妥当性が問われ、相場より低い価格では贈与とみなされる場合があります。
金融機関の同意を得る場面でも重要な点となるため、弁護士や税理士と連携して進めてください。

リースバックを行う

リースバックは、住んでいる自宅を第三者に売却して、その第三者と賃貸借契約を結ぶ取引です。
売却代金をローンの返済に充てたうえで、同じ家に住み続けられます。
ただし完済できなければ残債務の返済は続き、あわせて家賃も支払わなければなりません。

また、リースバックが成立するかどうかは、その物件を投資目的で所有したいという人が現れるかどうかにかかっています。
物件の立地など利便性や将来性など特別な魅力がない限り、買い手は現れにくく、一般的な一戸建て住宅では、任意売却よりハードルが高いと言えます。
VSG弁護士法人でも、法人の滞納から破産に至ったケースで、リースバックを実現した例があります。
代表者が自宅への居住を強く希望されたため、申立て前の段階で方針を明確にし、適正な時価評価のもとでリースバックを行いました。
見極めと投資家との交渉には専門的なノウハウが必要なため、弁護士や不動産会社と連携して進めてください。

不動産の任意売却にかかる費用はいくら?

任意売却にかかる費用は、原則として売却代金から差し引かれます。
そのため、手元から持ち出しで支払う必要は基本的にありません。

費用内容
仲介手数料宅地建物取引業法で上限が定められ、売却価格に応じて算定される
登録免許税抵当権の抹消登記に要する税。不動産1件あたり1,000円
司法書士報酬抹消登記を依頼する場合の費用。実務上の相場による
印紙税売買契約書に貼付。契約金額に応じて定められ、軽減措置の適用がある
譲渡所得税売却益が生じた場合に課税。任意売却では発生しない事案が多い傾向にある

どれをどの範囲まで売却代金から差し引けるかは、債権者との交渉により決まります。
諸費用の見積もりには専門知識が必要ですので、事前に弁護士や不動産会社にご確認ください。

法人保有で任意売却の対象となる不動産とは?

法人の任意売却は、事業用不動産、収益不動産、経営者個人の自宅の3つに大別されます。
種類ごとに進め方も同意を得る相手も異なるため、法人破産に詳しい弁護士へご相談ください。

法人保有の事業用不動産

本社や工場は事業の拠点であるため、売却には事業の停止が必要です。
建物内に残る設備や什器などの動産をどう処分するか、賃借部分があれば原状回復をどこまで行うかを、引渡しの時期から逆算して決めなければなりません。
従業員の解雇についても、解雇予告や未払賃金の処理と並行して進める必要があります。
事業を止める時期と売却の時期がずれれば、無駄な費用が発生し、買主との条件交渉にも影響します。
全体の調整には法人破産手続きを見据えた判断が重要です。

法人保有の収益不動産

法人が第三者に賃貸している不動産は、入居者が居住したまま売却します。
賃貸物件の所有権が移転すると、賃貸人たる地位も買主へ承継されます(民法605条の2[注1])。
敷金の返還債務も買主に引き継がれるため、売却代金から敷金相当額を差し引くなどの精算方法を、あらかじめ取り決めておかなければなりません。
受領済みの礼金については、原則として返還が必要ないものの、契約内容によっては扱いがわかれます。
契約書を精査したうえで進める必要があるため、弁護士のサポートが必要です。

経営者個人の自宅

法人の借入について経営者が個人保証をしている場合、法人の破産に伴い、保証債務の履行として経営者個人の自宅も処分の対象になる可能性があります。
ここで検討したいのが「経営者保証に関するガイドライン」です。
早期に事業の再生や清算に着手した経営者について、保証債務の整理にあたり、華美でない自宅等や一定期間の生計費に相当する額を手元に残せる可能性を認めた準則です。
適用には対象債権者である金融機関との協議が必要です。

法人破産と任意売却を並行して進めるスケジュールは?

事業用不動産の任意売却は、破産や民事再生の申立て準備と並行して進みます。
実務上の流れは次のとおりです。

①弁護士への相談

資産・負債の把握、破産と再生のいずれを選ぶかの検討、不動産の処分方針の決定

②任意売却の着手

担保権者との協議、査定と売出価格の決定、売却活動と買主との交渉

③申立ての準備

予納金の確保、債権者一覧表や疎明資料の作成、従業員への対応

申立てまでに売却が成立しなければ、不動産は破産財団に組み込まれ、選任された破産管財人が改めて換価を進めます。
この場合、買主候補との交渉を一から進め直す可能性もあります。
価格や代金の使途が相当でなければ、売却そのものが否認権行使の対象となり、管財人によって条件を見直される可能性も残ります。
両方の手続きに精通した弁護士が一体で進めるとスムーズです。

法人破産と任意売却は誰に相談する?

法人の不動産処分や経営者個人保証がからむ任意売却は、破産手続全体を見据えた判断が必要です。
中小企業では迅速な意思決定が成否を分け、複数の不動産や金融機関が関わる事案ではより早期の相談が必要です。
法人破産に伴う任意売却や経営者保証の整理については、VSG弁護士法人にまとめてご相談いただけます。

相談先の選び方

相談先を選ぶ際は、任意売却の実務経験に加え、法人破産や民事再生、経営者個人保証の整理まで一貫して対応できるかを確認してください。
不動産会社に単独で依頼した場合、売却は進んでも、申立ての時期や代金の使途などの破産手続との整合までは見通せません。
弁護士と連携した窓口であれば、売却と手続き全体を同じ方針のもとで進められます。
初回相談で見通しと費用を具体的に示してくれるかどうかも判断材料の一つです。

相談するタイミング

任意売却は、着手が早いほど成立の可能性が高まります。
担保不動産競売開始決定通知書が届いてからでは、限られた期間で買主を探し、担保権者との協議も進めなければなりません。
通知が届く前の段階であれば、売却活動に十分な時間を充てられ、価格や引渡し時期の交渉も有利に進みます。
法人破産や経営者個人保証の整理と一体で進める場合はなおさらです。
返済の遅延や資金繰りの悪化を感じた時点で、ご相談をおすすめします。

[注1]民法/e-Gov
民法

[注2]民事執行法/e-Gov
民事執行法

まとめ|任意売却と法人破産は早期の弁護士相談がカギ

任意売却とは、担保権を有する金融機関の同意を得て不動産を売却し、代金を返済に充てる方法です。
裁判所が主導する競売と異なり、市場価格に近い金額での売却が見込め、引渡しの時期や諸費用の配分についても交渉の余地があります。
一方で、関係者全員の同意が必要で、競売の期日までという時間的な制約も伴います。
法人が保有する事業用不動産や収益不動産の処分、経営者個人保証がからむ自宅の売却は、法人破産や民事再生の手続き全体を見据えた判断が必要です。
売却の時期や代金の使途を誤れば、その後の選択肢を狭める可能性にもつながります。
不動産の処分を検討する際は、売却の時期や代金の使途を、破産手続きなどとの関係も踏まえて確認しましょう。

破産のお悩みは深刻で不安なものです。
弊社では、相談者様の目線に立って、
丁寧に問題解決に向けた対応をさせていただきます。
楽な気持ちで何でも相談してください。

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