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医療費は自己破産の対象!破産手続きの費用や医療ローンの審査を解説

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

この記事でわかること

  • 医療費の支払いが難しい場合に自己破産できるか
  • 医療費の未払いを免除できないケースとは
  • 自己破産後に医療サービスを受けられるか
  • 自己破産にかかる費用

急な病気や事故によって高額な医療費を請求されてしまい、支払いが困難な状況に陥っている方は少なくありません。
しかし、自己破産によって医療費が免責されるのか、自己破産後に医療サービスを受けられるのか心配される方も多いでしょう。

この記事では、医療費未払いと自己破産の関係、自己破産後の医療への影響、自己破産をする前に検討したい公的支援などについて解説します。

医療費の支払いが難しい場合は自己破産できる

医療費の負担が重く、支払いが難しい場合には自己破産が可能です。
自己破産によって、未払い医療費を含む多くの債務が帳消しになる可能性があります。

自己破産とは、支払いきれない借金を抱えた債務者が裁判所に申立てを行い、借金の免除(=免責)を認めてもらう手続きです。
債務者は一定以上の価値をもつ保有財産を没収される代わりに、借金の支払いから解放されます。

通常、医療費は自己破産の対象となる債務に含まれます。
メディカルローン(医療ローン)や入院費も同様です。
ただし、医療保険などから入院給付金を受け取っている場合、没収される可能性があるため注意しましょう。

自己破産が認められる3つの要件

自己破産が認められるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

要件①支払不能に陥っていること

自己破産をするには、債務者が「支払不能」の状態にある必要があります。
支払不能とは、抱えている借金が収入や資産を超えており、今後も返済の見込みが立たない状況を指します。

債務者が支払不能に陥っているかどうかは、借金や収入、資産などから総合的に判断します。
毎月の返済額が収入より多くても、十分な資産を持っている場合には支払不能ではありません。
急な出費などで一時的に支払いが難しくても、その状態が続かない限りは支払不能とはみなされない恐れがあります。

要件②免責対象の債権を含んでいること

自己破産は債務を免責してもらう手続きですが、一部免責されない債務(非免責債権)があります。
非免責債権には税金や養育費などが含まれます。

債務者が抱えている債務の中に、免責対象となる債務が含まれていない場合、自己破産をしても支払いは免除されません。
したがって、自己破産をするには非免責債権以外の債務を負っている必要があります。

要件③免責不許可事由に当てはまらないこと

自己破産による免責を受けるには、破産法上の「免責不許可事由」に該当していないことが要件となります。
免責不許可事由とは、裁判所が自己破産を認めないと判断できる事由を指します。

たとえば、ギャンブルや浪費が原因での借金、財産の隠匿、虚偽の申告などが挙げられます。
こうした事由がある場合、原則として自己破産は認められません。
ただし、例外的に裁判所の裁量で免責が許可される場合もあるため、弁護士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。

医療費が免責対象になる理由

前述したように、自己破産では税金や養育費などの非免責債権は免責されません。
医療費は非免責債権に該当しないため、自己破産の対象となります。
医療ローンはローンの一種であるため、住宅ローンや自動車ローンなどの一般的なローンと同様に免責対象です。

したがって、医療費や医療ローンの未払い分があったとしても、自己破産によって支払いが免除されます。
急な事故や病気により仕事を失い、医療費が払えなくなった方でも、自己破産による問題解決が期待できます。

自己破産で未払いの医療費を免除できないケース

自己破産では、未払いの医療費を免除できるのが原則です。
ただし、例外的に未払い分を免除できないケースが存在します。

保証人がついているケース

入院医療を受ける場合など、多額の医療費が見込まれる際には(連帯)保証人を求められるケースがあります。
保証人は入院患者が入院費を支払えないときに、代わりに支払ってもらうための制度です。

自己破産手続きによる免責は、債務者自身の債務にのみ有効です。
したがって、保証人の支払い義務は免責されず、未払い医療費の支払いを請求されてしまいます

保証人がついているにも関わらず、安易に自己破産をしてしまうと、後からトラブルになるリスクがあります。
他の債務整理を検討するか、弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

美容整形など浪費に当てはまるケース

病気や怪我などを治療するための医療費は、生活に不可欠だといえます。
しかし、医療費の中でも、美容整形や歯列矯正などの美容に関わる医療費は「浪費」とみなされる可能性があります

自己破産において、浪費は免責不許可事由の一つです。
収入の範囲を超えて過度な美容医療を行っている場合、免責不許可になる恐れがあるため注意が必要です。

支払えないと知りながら高額な治療を受けたケース

医療費の支払いができないと認識しながら高額な治療を受けたケースでは、医療費が免責されない可能性があります。
「自己破産をすれば免除されるから」と、支払えない医療サービスを受けるのは無銭飲食と同じです。

こうした行為は、免責不許可事由に該当する恐れがあります。
場合によっては詐欺罪として刑事責任を問われる可能性もあるため、特に注意が必要です。

過去7年以内に免責を受けているケース

過去7年以内に自己破産による免責を受けたことがある場合、再度の免責は認められません
この制限は、債務者が何度も自己破産を繰り返すことを防ぐ目的で設けられています。

たとえ医療費以外の理由だったとしても、過去に自己破産をした場合には注意が必要です。
なお、この場合も裁判所による裁量免責が認められる余地があります。

自己破産しても医療サービスを受けられる

医療費が原因で自己破産をしたとしても、その後医療サービスを受ける権利はあります。
医療を受ける権利は誰もが持っており、自己破産をしたからといって、その権利は奪えません。

医師は医療費の不払いを理由として診療を拒めない

「医療サービスを受けられなくなると困るから」と自己破産を諦める必要はありません。
医療費を支払っていない場合や自己破産をした場合でも、怪我や病気の治療はできます

そもそも医師には「応召義務」があり、正当な理由なく患者からの診療の求めは拒めないとされています。
医師は医療費の不払いを理由として、直ちに診療を拒否できません

自己破産後に医療サービスを受ける際の注意点

自己破産後であっても、基本的には医療サービスを受けられます。
ただし、医療ローンについては注意が必要です。
医療ローンは一般的なローンと同様の扱いとなるため、自己破産後の医療サービスにも影響が出る可能性があります。

医療ローンだけを支払い続けられない

自己破産手続きを行う際、医療ローンの支払いもやめなければなりません
自己破産では、すべての債権者を平等に扱うため、一部の債権者のみに偏った支払いはできません。
医療サービスを受けたいからといって、医療ローンだけを支払い続けると、自己破産そのものが失敗する可能性があるでしょう。

免責された医療ローンの医療サービスは受けられない可能性もある

自己破産により医療ローンの免責を受けた場合には、その医療ローンを利用した医療サービスを受けられなくなる恐れがあります。

ローン会社と契約を結んでいた場合、すでに病院には支払いが行われているため、医療サービスを継続できる可能性が高いでしょう。
一方、病院そのものと分割払い契約を結んでいると、自由診療の医療サービスは停止される可能性が高まります。

自己破産後、一定期間は医療ローンが組めなくなる

自己破産した事実は一定期間、信用情報機関に登録されます。
いわゆる「ブラックリスト」入りの状態となります。

ローン会社は新規ローンを組む際、信用情報機関を照会するため、事故情報が削除されるまでは医療ローンを組みづらくなります
事故情報は通常、5〜7年間残ります。

自己破産後は医療ローンだけでなく、クレジットカードの作成も難しいため、支払いは現金で行わなければなりません。

医療費に関する公的支援

医療費の負担が重い場合、国や地方自治体、健康保険が提供する公的支援制度を利用できる場合があります。
制度ごとに利用要件があるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、1カ月間に窓口で支払う医療費が上限額を超えた場合に、超過分を払い戻す制度です。
自己負担上限額は年齢や収入に応じて定められています。

なお、払い戻しの対象となる医療費は、保険適用となる診療や入院費などに限られ、自由診療は含まれません。

高額医療費貸付制度

高額医療費貸付制度とは、高額療養費制度による払い戻しを受けるまでの間、一時的に医療費を貸し付けてもらう制度です。

高額療養費の払い戻しには約3カ月かかるため、その間の負担を軽減する目的で作られました。
支給見込額の8割相当を無利子で借りられます。

限度額適用認定

限度額適用認定とは、医療費の自己負担額が高額になると見込まれる場合に、上限額を超えた支払いをしなくてよいとする制度です。

高額療養費制度では、限度額を超えても一度は窓口支払いが必要ですが、限度額適用認定を受ければ上限額超過分を支払う必要はありません。
利用時には、窓口で限度額適用認定証の提示(ただし、70歳以上75歳未満で非課税世帯ではない方は高齢受給者証、75歳以上で非課税世帯でない方は後期高齢者医療被保険者証の提示で良い)の提示を求められます。

傷病手当金

傷病手当金とは、怪我や病気で働けなくなった場合に、給与の一部を補償する制度です。
会社員や公務員が対象で、健康保険への加入が前提です。

支給金額は平均月額報酬の3分の2で、通算1年6カ月まで支給されます。
収入の減少を補いながら治療に専念できるため、積極的な利用を検討しましょう。

なお、傷病手当金は業務外の怪我や病気に適用され、業務内については労災保険の対象となります。

自己破産にかかる費用


自己破産は借金をゼロにする制度ですが、手続き自体にも費用がかかる点には注意が必要です。
全体の費用は同時廃止事件と管財事件のどちらに振り分けられるかによって大きく異なります。

  • 同時廃止事件・・・破産者に財産がなく、破産管財人(※)を選定せずに破産手続きを終了する事件。
  • 管財事件・・・破産管財人を選定して破産手続きを行う事件。

※破産管財人とは、裁判所によって破産者の財産の管理や処分を任された者を指します。

破産管財人の費用が必要なくなる分、同時廃止事件の方が費用は少なくなる傾向があります。
自己破産にかかる費用は、裁判所に支払う費用と弁護士費用の2つに大別されます。

裁判所に支払う費用

自己破産を申し立てる際には、裁判所規定の手続き費用を支払う必要があります。
手続き費用は、予納金・申込手数料・予納郵券の3種類です。

裁判所手続き費用の種類費用相場
予納金同時廃止事件約1〜3万円
管財事件約20〜30万円
申込手数料約2万円
予納郵券約5,000円

弁護士費用

自己破産手続きには専門的な知識を要するため、弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士費用の相場は30万〜80万円ですが、事務所によって大きく変動します。

初回相談を無料で受け付けているところもあるため、まずは相談してみることをおすすめします。
相談時には費用の見積もりを出してもらい、納得のいく条件で契約するようにしましょう。

まとめ

医療費の支払いが困難な方にとって、自己破産は支払いを免除できる最終手段だといえます。
ただし、保証人がいる場合や浪費とみなされる場合など、免責されない医療費もあるため、注意が必要です。

自己破産を検討する前に、公的支援制度を利用できないか確認することも重要です。
必要に応じて弁護士などの専門家に相談し、最適な解決策のアドバイスをもらうようにしましょう。

破産のお悩みは深刻で不安なものです。
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