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法テラスでできる民事法律扶助について知りたい

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

この記事でわかること

  • 法テラス、民事法律扶助とは何かがわかる
  • 民事法律扶助を利用するための条件がわかる
  • 民事法律扶助の報酬等の立替基準がわかる
  • 民事報酬扶助を利用したときに支払う報酬について知ることができる

調停や裁判などの手続きの代理を、弁護士や司法書士といった法律の専門家に依頼したいと考えても、費用が高いために、依頼を諦める方もいるのではないでしょうか。

そんな経済的な理由によって弁護士等への依頼ができない方を対象に、法テラスでは弁護士等の費用の立て替えを行っています。

この費用の立て替え制度は、民事法律扶助の業務のひとつです。

この記事では、法テラスの行う民事法律扶助に関して、その利用条件、報酬等の立替基準について解説していきます。

法テラスとは

法テラスとは、総合法律支援法に基づいて平成18年4月に設立された法務省所轄の独立行政法人の枠組みに従った法人です。

正式名称は「日本司法支援センター」といいます。

法テラスは、「借金」「離婚」「自己破産」などの法的トラブルを抱えてしまったとき、問題解決するための道案内の役割を果たしています。

例えば、法的なトラブルを解決するための情報が探し出せない、経済的な理由で弁護士、司法書士といった法律の専門家に依頼することができない、近くの専門家がわからないといった様々な問題に対して、情報提供、無料相談、弁護士等の費用の立替えなどを行っています。

法テラスが行っている業務として、有名なのは「無料法律相談」等の民事法律扶助と呼ばれるものですが、その他にも多岐に渡って支援業務を行っています。

(1) 民事法律扶助業務
法的トラブルにあったときに、経済的に余裕のない方を対象に、無料での法律相談、必要に応じて弁護士・司法書士の費用などを立て替える業務です。
この民事法律扶助業務については、後程詳しく解説します。

(2) 情報提供業務
法制度に関する情報、相談機関や弁護士会等の団体に関する情報を無料で提供する業務です。

(3) 犯罪被害者支援業務
犯罪被害にあった方や家族が必要な支援が受けられるように、刑事手続きへの関与、被害の回復を図るために利用できる法制度に関する情報提供を行う業務です。

(4) 国選弁護等関連業務
国選弁護人となる弁護士との契約、国選弁護人候補の指名及び通知、国選弁護人に対する費用等の支払いなどを行う業務です。

(5) 司法過疎対策業務
近くに弁護士、司法書士といった法律の専門家がいない場合に、法テラス「地域事務所」の設置などを行う業務です。

民事法律扶助とは

民事法律扶助については、法テラスが行っている業務・サービスのひとつとして説明しましたが、ここでは、さらに詳しく、その内容について説明していきましょう。

法テラスで行っている民事法律扶助業務には、「法律相談援助」「代理援助」「書類作成援助」の3つがあります。

(1) 法律相談援助
弁護士・司法書士による無料の法律相談業務。

(2) 代理援助
民事、家事、行政事件に関する手続き、またはそれに先立って行う示談交渉等の弁護士・司法書士費用等(実費、着手金、報酬金等)の立替え業務。

(3) 書類作成援助
裁判所へ提出する書類の作成等についての弁護士・司法書士費用等(実費、報酬金等)の立替え業務。

一般的には、(1)の業務を「無料法律相談」、(2)(3)の業務をまとめて「立替援助」と呼んだりします。

この民事法律扶助業務の対象者は、日本国民と日本に適法に在留する外国人となります。

個人が対象で、法人・組合等の団体は含まれませんので、ご注意ください。

ここで、「立替援助」について、少し補足しておきましょう。

一般的に、弁護士・司法書士へ法的なトラブルを抱え相談した場合、1時間いくらといった相談料が必要な上、実際に仕事を依頼した場合、着手金、実費、案件によっては報酬金を支払わなければなりません。

弁護士等の費用(着手金、実費、報酬金)は、依頼する案件によって異なりますが、数十万円単位となりますので、ある程度まとまったお金を用意しないと依頼することができません。

しかし、法テラスの民事法律扶助を利用した場合、「立替援助」によって費用を立替え払いしてくれます。

法テラスの立替えは、着手金だけではありません。

手続き等に必要な実費や事件終了時の報酬金も立替えてもらえますから、手元にまとまったお金がなくても法律的な援助を受けることが可能です。

弁護士等の費用は、あくまでも立替えてもらっただけで、分割払いで法テラスへ償還していく必要がありますが、相手方から支払金があった場合は、その中から法テラスへ償還します。

民事法律扶助を利用する条件

法テラスの民事法律扶助は、経済的に余裕のない方を対象に、無料での法律相談、必要に応じて弁護士・司法書士の費用などを立替える業務です。

ですから、民事法律扶助を利用するためには、経済的に余裕がないことが条件のひとつとなります。

ここでは、民事法律扶助の「無料法律相談」「立替援助」を利用するための条件について解説していきます。

特に、経済的に余裕がないことを証明する「資力要件」については、基準金額を表にまとめていますので、ご確認ください。

民事法律扶助の利用条件

民事法律扶助の「無料法律相談」を利用するためには、下記条件の(1)の一部と(3)の2つを満たす必要があります。

一方、「立替援助」を利用するためには(1)から(3)のすべての要件を満たさなければなりません。

(1) 資力要件
収入、資産が基準となる金額以下であること。
基準となる額は、法テラスが定める収入基準産基準の金額です。

(2) 勝訴の見込みがないとは言えないこと
裁判ではない場合は、以下のような見込みがあることが条件となります。
和解、調停、示談等の場合は、解決の見込み。
自己破産の場合は、免責見込み。

(3) 民事法律扶助の趣旨に適すること
報復感情を満たすためだけ、または宣伝のために行う場合、または権利濫用的な訴訟の場合などは援助を受けることはできません。

資力要件

上記、利用条件の(1)資力要件として、「収入基準」、「資産基準」以下の金額である必要があります。

利用するためには、この基準の両方をクリアしなければなりません。

収入基準について

申込者等(申込者及び配偶者)の手取り月収額(賞与も含みます)が、下記の表の基準以下でなければなりません。

なお、この手取り月収額には申込者等と同居している家族がいて、その家族にも収入がある場合、家計への貢献範囲を限度として申込者等の月収額に加算します。

離婚事件等で、配偶者が相手方となる場合、手取り月収額は申込者のみの金額で構いません。

同居家族手取り月収額(賞与含む)家賃・ローン負担時の加算額
1人182,000円以下
(200,200円以下)
41,000円以下
(53,000円以下)
2人251,000円以下
(276,100円以下)
53,000円以下
(68,000円以下)
3人272,000円以下
(299,200円以下)
66,000円以下
(85,000円以下)
4人299,000円以下
(328,900円以下)
71,000円以下
(92,000円以下)

注1:( )内の金額は、東京、大阪など大都市(生活保護一級地)に住んでいる場合の基準額です。
注2:単身世帯の場合、同居家族は1人となります。
注3:同居家族の人数を4人まで表示していますが、5人以降は同居家族が1名増えるごとに月収額の基準に30,000円(33,000円)を加算できます。
注4:家賃・ローン負担時の加算額とは、申込者等が家賃または住宅ローンを負担している場合、手取り月収額の基準額に記載された金額を加算することができるというものです。

例として、配偶者と2人家族で、大阪在住、住宅ローンを支払っている方の場合で計算してみましょう。

手取り月収額の基準が大都市で276,100円以下、ローン負担時の加算額が大都市で68,000円以下となりますので、合算して344,100円以下という金額が収入基準となりますので、これを下回らなければ利用することはできません。

資産基準について

申込者等(申込者及び配偶者)が、不動産、有価証券等の資産を所有している場合、その時価と現金・預貯金との合計額が、法テラスの定める資産基準以下でなければなりません。

なお、不動産は、現在住んでいる自宅の場合は、資産金額に含まれません

この資産合計額には離婚事件等で配偶者が相手方となる場合、配偶者の資産を合算する必要はありません。

同居家族資産合計額
1人180万円以下
2人250万円以下
3人270万円以下
4人300万円以下

注1:将来的に負担する必要がある医療費や教育費については、相当となる金額が控除されます。

この資産基準は、民事法律扶助の「立替援助」を利用する際に適用される基準です。

「無料法律相談」のみを利用する場合は、申込者等の現金・預貯金の合計額のみで、不動産や有価証券などの資産は合計に含まずに計算します。

民事法律扶助の報酬の立替基準は決まっている

法テラスで、民事法律扶助(立替援助)を利用した場合、どんな費用を立て替えてくれるのでしょうか。

一般的には、弁護士や司法書士への「報酬」とまとめて言うこともありますが、下記のように着手金、実費、報酬金に分かれています。

(1) 着手金
弁護士や司法書士に依頼する場合に、事件処理のために必要な費用です。
その名の通り、依頼して仕事に着手する前に必要となります。

(2) 実費
裁判所に納付する印紙代、鑑定費用、記録コピー料、通訳費用、弁護士等が遠方へ出張する必要がある場合の旅費交通費など。

(3) 報酬金
事件の結果に応じて、弁護士や司法書士に支払う成功報酬的な費用です。
この報酬金は、着手金と違って、事件終了後に支払う費用となります。

法テラスでは、これらの費用を立替える上で、報酬基準表を規定しています。

法テラスの報酬基準表

法テラスでは、報酬規程に従い、民事法律扶助(弁護士・司法書士費用等の立替援助)に関する着手金・実費・報酬金の基準金額を報酬基準表として公表しています。

一般の弁護士や司法書士は、事務所ごとに報酬額を自由に設定していますから、依頼する事務所によって金額は異なりますが、法テラスの報酬額は自由に設定されるものではありません。

ですから、法テラスを通して依頼を受けた弁護者・司法書士の着手金、実費、報酬金はすべて報酬基準表に定められた金額となります

基本的に通常の事案であれば、この報酬基準表に記載の着手金、実費、報酬金をすべて法テラスが立替えてくれるのですが、一部立替えしてくれない費用もありますので、ご注意ください。

立替えしてくれない費用とは

鑑定料などの実費については、報酬基準表に規定されている範囲内で立替えしてくれますが、規定範囲を超える場合は、原則として自分で負担しなければなりません。

また、自己破産の裁判所へ支払う予納金は、立て替えの対象となりません

ただし、生活保護を受給している方は、立替え対象となることがありますので、確認してください。

民事再生の予納金については、生活保護を受給していても立て替えの対象とはなりません。

民事法律扶助を利用したときに支払う報酬例

実際に法テラスの民事法律扶助を利用して、法テラス(受任弁護士)へ事件を依頼した場合に支払う報酬例をご紹介しましょう。

支払う報酬は、基本的に実費と着手金ですが、結果によって報酬金がかかることもあります。

また、事件に応じた報酬例とともに、訴訟費用の立て替えから、立替金の返済(償還)の流れについても説明していきます。

事件に応じた報酬例

依頼する事件に応じて、実費と着手金の金額が設定されていますので、事件ごとに紹介していきます。

なお、この金額は事件の内容によって変わることがありますので、ご注意ください。

また、ここでは法テラス埼玉の標準的な決定金額をもとに説明します。

参考:弁護士費用・司法書士費用の目安(法テラス埼玉)

任意整理事件

任意整理を依頼する場合、実費と着手金は債権者の数によって異なります。

債権者の数実費着手金
1社の場合10,000円33,000円
2社の場合15,000円49,500円
3社の場合20,000円66,000円
4社の場合20,000円88,000円
5社の場合25,000円110,000円
6~10社の場合25,000円154,000円
11~20社の場合30,000円176,000円
21社以上の場合35,000円198,000円

任意整理手続きを進める中で過払金が判明した場合、別途上記の金額に加え報酬金がかかります。

民事再生事件

民事再生手続きを依頼する場合、実費は変わりませんが、債権者の数によって着手金は変わります。

債権者の数実費着手金
1~10社の場合一律35,000円165,000円
11~20社の場合187,000円
21社以上の場合220,000円

民事再生事件においても、過払金が判明した場合は別途報酬金が発生します。

自己破産事件

個人の自己破産事件も、民事再生事件と同様に実費は変わりませんが、債権者の数によって着手金は変わります。

債権者の数実費着手金
1~10社の場合一律23,000円132,000円
11~20社の場合154,000円
21社以上の場合187,000円

自己破産のケースも過払金がある場合は、別途報酬金がかかります。

立替から返済の流れ

依頼する弁護士(受任者)が決定すると、利用者(自分)、受任者、法テラスで契約を締結します。

契約締結後、受任者が必要とする実費及び着手金等は、法テラスから受任者へ直接立替払いされます。

契約書に別途負担する費用の記載などがなければ、利用者が受任者へ直接費用を支払う必要はありません

立替金は、法テラスの援助開始決定後、法テラスに対して分割返済していくことになります。

返済する月額は、5,000~10,000円程度となりますが、事件終了後原則3年以内に完済しなければなりません。

ただし事情によっては、返済額を減額してもらえることもあります。

また、生活保護を受けている方等は、申請により返済の猶予を受けられる場合もありますので、法テラスへ確認しましょう。

返済方法は、立替金の金額や分割返済の期間によって異なる場合がありますが、金融機関からの自動引き落としとなります。

原則として、給与や年金等が振り込まれる金融機関の口座からの自動引き落としを依頼されます。

法テラスから金融機関口座からの引き落としを依頼されても、自動引き落とし手続きを行わない場合は、援助を打ち切られることもありますので、ご注意ください。

基本的に、法テラスの民事法律扶助の事業資金は、利用者の返済金(償還金)によって成り立っています。

何らかの事情で返済が難しくなってしまった場合は、必ず法テラスの地方事務所に申し出るようにしましょう。

まとめ

法テラスとは、正式名称「日本司法支援センター」という国が設立した機関です。

法テラスの業務のひとつである民事法律扶助を利用するためには、収入や資産が一定の金額以下である等のいくつかの要件を満たす必要があります。

しかし利用条件をクリアすれば、報酬基準は一般の弁護士等へ依頼するよりも低く設定されており、それ以上の請求を受けることもありませんので、安心して依頼することができます。

また、その費用も法テラスが立替えてくれますから、まとまったお金が手元にない場合でも依頼することができます。

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