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法人破産ができないケースとは?破産できない理由についても解説

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

この記事でわかること

  • 法人破産ができないケースについて理解できる
  • 破産できない理由がわかる
  • 破産できない場合の対処法がわかる

法人破産を検討しているが、破産できないケースはあるのか、またそれはどのような場合なのか知りたい、という方もいらっしゃると思います。

この記事では、法人が破産できない2つのパターンを中心に、破産できない理由、破産できない場合の対処法について解説します。

法人破産ができない2つのパターン

法人が破産したくてもできない場合があります。

その主なパターンが、破産原因がない場合と、 破産障害事由がある場合です。

以下で、それぞれについて説明します。

破産原因がない場合

破産法15条では、法人破産の要件(破産原因)を定めています。

それによると、破産原因は、支払不能であるか、債務超過であることとされており、いずれかの状態であると認められないと、破産はできません。

破産障害事由がある場合

また、破産法30条では、破産障害事由を定めており、破産障害事由がある場合は、やはり破産ができないこととされています。

破産障害事由とは、破産の申し立てが不正な目的でなされたときのことです。

さらに、破産手続き以外の手続きが開始されているときも、そちらの手続きが優先するため、破産手続きはできません。

2つのパターン以外の場合

この他にも、破産手続きの申し立てをする人に申立権がない場合や、破産費用を予め支払うことができない場合には、破産手続きができません。

法人が破産するための要件(破産原因)とは

法人が破産するための要件である破産原因には、大きく分けて支払不能と債務超過の2つがあります。

支払不能とは

「支払不能」とは、支払いを停止したときに、支払不能と推定される状態のことです。

支払いを停止するときは、判例によると、支払能力がないこと、弁済期にある債務を返済できないこと、一般的かつ継続的に債務の返済ができないこと、支払停止の状態であることを明示的または黙示的に外部に示すこととされています。

支払能力とは、債務者本人の経済的な力量のことです。

この支払い能力には、財産以外にも信用、労力、技能等も含まれます。

「弁済期にある債務を返済できない」状態には、現在はまだ弁済できているが、将来支払えそうにないという状態は含まれないとされています。

「一般的かつ継続的に返済できない」とは、全体的な弁済ができない状態が継続的に続くことを意味します。

ここには一時的に払えない状態は含まれませんが、一部の債権者には弁済できるが他の債権者には弁済できないという状態は含むことになります。

支払停止の表示には、たとえば、弁護士による債権者への受任通知、2回目の不渡り手形による銀行取引停止処分、閉店などの営業の停止や夜逃げ、などが該当します。

債務超過とは

法人の場合は、債務超過も破産原因となりますが、これは貸借対照表上の債務が資産を超過していれば、債務超過と判断されます。

法人の場合は、実際に支払不能の状態に陥っていなくても、早い段階で破産手続きができるといえます。

これは、株式会社などでは、債権者に対し、資本金の範囲内での有限責任しか負わないため、債権者の保護を図ることを目的としています。

破産原因があっても破産できない場合とは

破産原因があっても破産できない場合として、破産法に定められた破産障害事由に該当する場合と、破産手続き以外の倒産手続きが開始されている場合があります。

以下で、それぞれについて解説していきます。

破産障害事由に該当する場合

破産法に定められた破産障害事由に該当する場合とは、破産の申し立てが不当になされたときです。

破産の申し立てが不当になされたときとは、計画倒産のような債権者を害する目的でなされた破産の申し立てです。

粉飾決算、財産の隠匿、不適正な財産の売却などは破産管財人に厳しくチェックされます。

破産時に不正をすると、破産できないばかりでなく、破産詐欺罪などの犯罪が成立する可能性もあるので注意が必要です。

また、予納金の納付が決められた期限までになかった場合も、破産障害事由に該当し、破産手続きができません。

破産手続き以外の倒産手続きが開始されている場合

また、民事再生や会社更生といった破産以外の倒産手続きが開始されているときも、破産手続きはできません。

民事再生や会社更生は、事業を立て直し、継続させる手続きであり、債権者は破産手続きよりも多額の配当を期待できます。

債権者の保護の観点から、民事再生、会社更生が優先され、破産手続きはできません。

特別清算は事業を継続するわけではありませんが、特別清算がなされる場合も、破産手続きはできないことになります。

申立ての権利者(申立権)とは

自己破産は、申し立ての権利者が申し立てをすることが手続き要件になっています。

申立権のない者が破産の申し立てをすることはできません。

たとえば、会社の経営にまったく携わっていない、代表取締役の妻が破産の申し立てをしようとしても、破産はできません。

債務者である会社自身が破産の申し立てをすることは、当然可能です。

経営者が1人の場合は、その1人の経営者の判断で破産の申し立てをすることになります。

しかし、取締役が複数いる場合は、会社全体として破産申し立てを決断するには、取締役会で承認されなければなりません。

この場合、破産申立書に、破産申し立てを決議した取締役会の議事録を添付する必要があります。

それでは、取締役会で否決されたら自己破産の申し立てができないかというと、そうではなく、破産法は取締役1人でも破産の申立権があることとしています。

これは、「準自己破産」といいます。

ただし、準自己破産を申し立てるには、証拠に基づいて説明し裁判官に破産手続開始原因の存在を疎明することが条件になっています。

また、準自己破産では、破産手続きを行う会社自体の協力が得られずに、取締役個人が破産手続きに必要な書類をすべて準備し、予納金や弁護士費用等も自らが負担する必要が生じてきます。

そのため、取締役に破産の申立権はあるものの、実際に申し立てるハードルは高いといえます。

破産の申立権は、債権者にもあります。

債務者に多額の債権がある債権者が、債務者にこのまま延滞されるより、破産させて配当してもらった方が債権回収の可能性があるなどと判断した場合、債権者破産の申し立てがなされるケースもあります。

債権者側も個別に強制執行を申し立てるより、債権者破産の申し立てをした方が、財産を包括的に押さえることができるというメリットはあるのです。

法人破産ができない場合はどうするべきか

法人破産をしたくてもできない場合として、破産原因要件を満たさない場合、破産障害事由がある場合、について解説しました。

法人破産の破産原因要件は、個人よりは緩やかに設定されています。

しかし、不正な目的があるなど、破産障害事由があれば、破産手続きはできません。

財産の隠匿はもちろん、特定の債権者に優先的に弁済してしまうなども不正行為になる場合があるので注意が必要です。

また、法人破産では債権者申し立てのリスクもあります。

法人破産ができない場合に、無理矢理破産手続きを進めようとしても、法的リスクが大きいといえます。

経営が行き詰まっているなどの事情があれば、早い段階で弁護士に相談し、状況に合った解決策を探るのがよいでしょう。

まとめ

法人が破産できない場合として、破産原因がない場合と、破産障害事由がある場合、それに申立権者が申し立てをしない場合があることがおわかりいただけたでしょうか。

自己破産を検討している場合は、破産できないケースに当てはまることがないように、計画的に破産手続きを進めたいといえます。

また、破産できない場合に当てはまりそうな現状があるならば、経営が苦しいという事情がある早目の段階で、どのように対処すればよいのか、専門家である弁護士に相談すべきといえるでしょう。

破産のお悩みは深刻で不安なものです。
弊社では、相談者様の目線に立って、
丁寧に問題解決に向けた対応をさせていただきます。
楽な気持ちで何でも相談してください。

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