最終更新日:2019/12/27
磨けばマネジメント能力に差がつく4つのポイントと部下からの厚い信頼を得る人の特徴
事業を円滑に進めるためにはマネジメント能力が重要になってきますが、マネジメント能力を向上させるためには4つの能力を意識することが大切です。
また、部下から信頼を得ることはマネージャーだけでなく全ての上司にとって重要な課題といえます。
そこで今回は、マネジメント能力に差がつく4つのポイントと、部下から信頼を得るための要素についてご紹介します。
マネジメント能力が重要な理由
マネジメント能力と一口にいっても様々な側面があり、大別すると対象を評価する能力、対象を管理する能力、対象が向かうべき指針を定める能力、などがマネジメント能力の内容といえます。
上記のうち、マネジメントの中心なってくるのは対象を管理する能力です。
特に企業などの集団においてマネージャーの立場にある人物にとっては、プロジェクトなどのスケジュールをこなしながら人材を育成することになるため、管理する能力は非常に重要になってきます。
スケジュールをこなしつつ人材を管理するためには、チームが置かれている現状を正確に把握する、部下などの人材に適切な助言を行う、人材が向かうべき方向に行動してもらう、などが重要です。
それらを十分に達成するためのスキルがマネジメント能力であり、これを4つの観点から分類し把握することがマネジメント能力を高める近道になります。
以下、部下との関係におけるマネジメント能力に関する4つのポイントを見ていきます。
部下の話を傾聴する
傾聴とは、相手の話に耳を傾けて注意深く聞くことです。
傾聴は主にカウンセリングに関連する分野において重要な技法の1つですが、マネジメントについても応用すべき有効なスキルといえます。
部下などの人材と十分なコミュニケーションを図るためには、部下を取り巻く現状について上司が十分に把握していることが重要なスタートになります。
この点、部下の現状をきちんと把握するために重要になってくるのが、部下が上司に対して現在起こっていることを率直に話してくれることです。
これを達成するために身につけるべきスキルが、相手の話を傾聴するという能力です。
傾聴は単に相手の話を聞けばよいというものではなく、相手が話したいこと、伝えたいことを真摯な態度で聞くのがポイントになります。
真摯な態度というと少し難しそうですが、相手の話に共感する、相手を受け入れる、という姿勢が大切です。
真摯な態度で傾聴することで相手への理解を深めることにつながります。
また、傾聴することは相手から見ると自分の話に興味を持ってくれている、重要なことだと思ってくれている、と感じてもらえます。
それによって、相手にとっても話を聞く側の理解を深める効果もあります。
注意点として、傾聴はあくまで相手の立場を尊重して話を聞くことが大切です。
自分がアドバイスをしよう、解決のための意見を提示しよう、として口を挟む姿勢では逆効果になりがちですので、注意しましょう。
部下に適切な質問をする
傾聴によって部下が自分の意見、考え、気持ちを述べることができたら、次は部下の話を傾聴した自分がその話をきちんと理解できたかどうか、いわゆるすり合わせのプロセスが重要になってきます。
そのために役立つのが適切な質問をするという能力です。
相手の話に対して正しく質問をすることができれば、相手の話をより正確に、より深く理解することができます。
また、相手の話を聞くことで明らかになってきた現状に対して、部下はどう思っているか、何らかの考えやアイデアを持っているか、などを尋ねることも可能なります。
マネジメント能力という観点からは、部下が主体的に考て行動し、成長できるような質問の仕方が重要になります。
そのためには、「なぜ(wky)」ではなく「何を(what)」や「どのように(how)」を質問に組み込むのがコツです。
なぜを質問に組み込むと、どうしても相手の考えや行動を責めるような印象が強くなりがちです。
例えば、そのようなことを「なぜ」してしまったのか、というようにです。
なぜを考えることは原因や理由を分析するためには役立ちますが、相手のモチベーションや能力を引き出すためには別な質問の仕方があります。
そのために役立つのが、「何を」や「どのように」です。
「何が」そういった状況を引き起こしたのか、同じような状況に遭遇したら「どのように」対処すればよいのだろうか、などの形式で質問をすることで、相手の気持ちに負担をかけることなく適切な問いをしやすくなります。
部下にフィードバックを行う
傾聴と質問によって部下の現状の確認が終わったら、次に重要なマネジメント能力は部下の現状に対して率直なフィードバックを行うことです。
この段階でのポイントは率直であることです。
部下が傷つくのではないか、反感を買ってしまうのではないか、という心配もあるかもしれませんが、これまでの傾聴と質問が適切であればあるほど、率直なフィードバックが効果的になります。
適切な傾聴と質問は部下との関係性を強化してくれます。
そこにフィードバックが加わることで、部下が傷つくことなく新たな発見を得ることにつながります。
もう1つのポイントは、自分がフィードバックした後に部下がそれに対して意見を言うことに寛容であることです。
仮に部下が言ったことが気に食わなかったとしても、そこで感情的になってしまってはこれまでの努力が大きく損なわれてしまいます。
部下を信頼する
マネジメント能力に重要な最後のポイントは、部下を信頼することです。
部下の現状を把握する、適切な質問で掘り下げる、フィードバックで指針を定める、という一連のプロセスを経た後は、部下自身を信頼して任せるという段階が大切になります。
これまでのプロセスはマネジメントをする側が何らかのアクションを起こすことがメインでしたが、この段階では部下自身のアクションを信頼することがポイントになります。
任せるということは簡単なようで難しく、特に重要な事柄であればあるほど難易度は高くなります。
一方で、自分が信頼されていると感じられるかどうかは人のモチベーションに大きな影響を与えるため、任せるというプロセス自体に慣れることが重要です。
部下から信頼を得るための要素
これまでご紹介してきたマネジメント能力は、それを実行するだけでも効果的ですが、部下からの信頼が強いほどより一層効果的になります。
そこで、部下から信頼を得るために重要な要素を見ていきます。
まずは、自分自身の仕事だけでなく、部下の仕事内容にも精通していることです。
自分自身の仕事ができなければ信頼を失う原因になります。
自分の仕事に加えて、部下の仕事にも精通していれば、部下は自分を気にかけてくれていると感じることができます。
次に、部下と一緒に決定したことに責任を持つことです。
一緒に決めたことを都合によって勝手に変更してしまっては、それまでの信頼は台無しになってしまいます。
逆に、何らかの不都合が生じた場合にも決定に責任を持って行動することができれば、部下の信頼はより強固なものになっていきます。
おわりに
マネジメント能力を高めるためには4つのポイントを抑えて行動することが重要です。
部下の話を傾聴する、適切な質問をする、率直なフィードバックをする、部下を信頼する、の4つです。
上記の4つのポイントに加えて、より部下の信頼を高めるためには、部下の仕事内容に精通する、一緒に決めたことに責任を持つ、という要素も大切です。