最終更新日:2024/3/18
フランチャイズで起業を考える前に!確認すべきメリットとデメリット
フランチャイズでの起業には、通常の起業の場合とは違うメリットがあります。
フランチャイズをうまく活用することで、初心者でも順調な経営を見込めるかもしれません。
しかし、フランチャイズ独自のデメリットもあります。
デメリットを把握しないまま起業してしまうと、大きな損益がでるおそれもあります。
フランチャイズで起業を考える前に確認すべきメリットとデメリットをご紹介します。
フランチャイズとは
フランチャイズとは、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ本部とフランチャイズ契約を結んでノウハウや商品の提供を受け、本部は加盟店からその対価(ロイヤルティー)を受け取るというものです。
フランチャイズ加盟店は個人経営でも会社法人でもよいですが、あくまでも独立したお店です。
フランチャイズ本部の社員でも支店でもありません。
フランチャイズを利用している企業
フランチャイズはアメリカ生まれの経営形態で、ケンタッキー・フライド・チキンが世界初といわれています。
日本ではダスキンや不二家が1960年代採用し始め、今では多くのコンビニエンスストアがフランチャイズ経営を行っています。
最近はやりのワークマンもフランチャイズです。
フランチャイズは直営店とどう違う?
直営店とは、本部が直接雇用した従業員が店長や店員として働いている店舗のことをいいます。
本部社員が店の雇用や経営を直接行い、店の収益もそのまま本部の収益となります。
フランチャイズは独立した店舗ですから、直営店と違って本部と店舗従業員との間に雇用関係はありません。
フランチャイズ契約でつながっているだけであり、給与支払いや業務命令などの支配従事関係は生じません。
フランチャイズのメリット
フランチャイズで起業すれば、以下のようなメリットを得ることができます。
すでに確立されたノウハウを利用できる
フランチャイズ本部は、すでに経営のノウハウを確立しています。
どうすれば売れるのか、どんな商品が売れるのかなど、経営をしていく上でノウハウはとても重要です。
初心者であっても、ノウハウさえあれば安定した経営が見込めます。
フランチャイズ加盟店になれば、本部が長年かけて積み上げてきたノウハウを利用することができます。
新しい業種に参入する場合など、未経験者や初心者には大きなメリットです。
過去の失敗ノウハウによって、失敗のリスクも下がります。
商品開発・PRの手間がかからない
起業するうえで「どんな商品・サービスを販売するのか?」は重要なポイントになります。
いくら資金があったり人脈や経験があったりしても、販売する商品や提供するサービスの質が低ければ、それだけで起業が失敗するかもしれません。
反対にいい商品・サービスが開発できれば、時間はかかるかもしれませんが、確実に売上を伸ばせる可能性が高いです。
フランチャイズを利用すれば、商品開発に無駄な労力をかけることなく、すでに売れている商品をいきなり取り扱うことができます。
またブランドとして浸透している商品も多く、わざわざPRの手間も必要ありません。
自分でゼロから商品開発したり、PRをしてブランド認知度をあげたりしなくても、すぐにビジネスをスタートできます。
「これまで起業の経験がない」とか「失敗のリスクを避けたい」という人は、フランチャイズがおすすめでしょう。
本部の仕入れルートを利用できる
小売業や飲食店の場合、仕入れルートの構築は経営を左右するほど重要です。
安くてよいものを仕入れることができるルートがあれば、より多くの利益が見込めます。
しかし、個人でゼロから仕入れルートを構築するのは大変です。
人脈や目利きなどが必要で、特に初心者には困難といわれています。
フランチャイズ加盟店になれば、本部がすでに持っている仕入れルートを利用することができます。
品質と価格が安定している仕入れルートを最初から利用できるため、安定した供給と低原価が見込めます。
本部が仕入れを担当し、それを加盟店に分配する方式をとっている場合もあります。
本部が大量に仕入れるため原価が下がり、より多くの利益を得ることができます。
本部のブランド力を利用できる
安定した経営には、知名度が欠かせません。
消費者が「あれが欲しい」「これが食べたい」となったときにすぐに頭に浮かぶ存在になるためには、チラシを配るなど地道な知名度アップ活動が必要です。
フランチャイズ加盟店になれば、本部のブランド力を利用できるため、起業当初から高い知名度を得ることができます。
未経験でも起業しやすい
フランチャイズは、すでに確立された商品・販売マニュアルがあります。
自分からゼロで商品を開発したり、販売手順などを実践で学ばなくも大丈夫です。
「未経験の業種に挑戦したい」とか「起業経験ないけどチャレンジしたい」という人にとっては、フランチャイズがいいでしょう。
さらにフランチャイズなら、本部が実施している業務研修・サポートなどを受けられます。
未経験の状態から起業するとしても、事前に業務研修を受けておけば、ある程度知識・経験を積んだ状態で起業ができます。
また分からないことがあれば、本部に確認もできるため、いざというときも安心です。
自己資金が少なくても起業できる
フランチャイズは、自己資金が少ない人でも始められます。
選ぶビジネスによって必要な資金は異なりますが、安いものだと10~50万円程度でスタートできます。
自宅で開業できるもの・そもそも事務所が必要ないビジネスを選べば、初期投資もかなり抑えられるでしょう。
また選ぶビジネスによっては、フランチャイズの本部側が初期費用の一部を援助してくれるケースもあります。
「起業=お金が必要なもの」というイメージがあるかもしれませんが、フランチャイズ起業であれば自己資金が少なくても起業ができます。
フランチャイズのデメリット
フランチャイズには以下のようなデメリットもあります。
ロイヤルティーを支払わなくてはならない
フランチャイズ加盟店は、本部にロイヤルティーを支払わなくてはいけません。
ロイヤルティーはノウハウや仕入れルートの提供など、多岐にわたる経営サポートの対価として求められるものです。
ロイヤルティーの金額の決め方はフランチャイズ本部によってさまざまです。
- ・粗利分配方式
粗利益の何%かをロイヤルティーとして支払う方式。
コンビニエンスストアでよくみられる。 - ・売上歩合方式
売上の何%かをロイヤルティーとして支払う方式。
ほかにも月額固定方式やロイヤルティーフリーなど、フランチャイズ本部ごとに定められています。
フランチャイズ契約を結ぶ前に、しっかりと確認しましょう。
本部のマニュアルを守らなくてはならない
フランチャイズ本部と加盟店との間に支配従事関係はありませんが、実際には、加盟店は本部の業務指導や業務マニュアルに従わなくてはいけません。
扱う商品や販売促進キャンペーンなど、多くのことが本部からの指示で決まります。
やりたいお店のイメージが強い人には、フランチャイズは不向きかもしれません。
契約終了後の同業種経営禁止
フランチャイズ契約では、契約終了後に同業での開業を禁止している場合が多いです。
これはフランチャイズ本部のノウハウの流出を防ぐためのものですが、将来自分だけのお店を持ちたいと思っている人には注意が必要です。
本部やほかの加盟店の影響をうける
本部やほかの加盟店でなにか不都合があった場合、まったく無関係であっても、その影響を受けてしまいます。
たとえばほかの加盟店で撮られた不適切な動画がSNSで拡散した事例では、すべての加盟店で売上げの減少やクレームなどの悪影響が報告されています。
また、万が一本部が倒産したり不正が発覚したりした場合には、加盟店もかなり苦しい状況に追い込まれます。
フランチャイズ起業では契約書を入念にチェックしよう
フランチャイズでは、細かな契約が結ばれます。
上記でも紹介したように、フランチャイズの契約を終わらせたあとに、同業種のビジネスはできません。
例えばコンビニのフランチャイズをやっていた人は、契約が終わったあとに、自分でコンビニ経営をできないケースもあります。
その他にも契約内容によって細かい縛りがあるため、必ず契約書は入念にチェックしてください。
一度契約を結んでしまうと、あとから撤回するのが難しいため、急いで契約しないようにしてください。
まとめ
フランチャイズにはメリットもデメリットもあります。
フランチャイズで起業を考える前に、ご紹介したメリットとデメリットをよく検討してください。
なにより、フランチャイズ契約の内容をよく読むことが大切です。
特にロイヤルティーの項目には注意すべきです。
わからないところは本部に質問し、場合によっては弁護士に相談するなどしてすべてに納得してから契約するようにしましょう。
本部の説明が不誠実だったりした場合は、一度白紙に戻して再検討する勇気も大切です。