最終更新日:2019/12/13
自分に合った起業セミナーを選ぶポイントとは?
最近では、働き方が多種多様化し、企業に勤めて働くこと以外でも「自ら起業する」ということを選択肢の1つとして考えている方が増えてきています。
これには理由があり、株式会社などの法人設立の際の出資金や出資者人数条件の緩和、そしてブラック企業の存在などが影響しているといわれており、すでに働いている社会人やこれから就職活動を始める学生などが「企業に勤めるくらいなら自分で会社を作って稼げば良い」と考える風潮が生まれているからです。
しかし、一言で起業といっても、法人設立ならば登記関係の手続きや書類の作成など、行わなければならないことが多いことが現実です。
さらには、自分自身がビジネスモデルを考え、自分がやりたい、そして自分に合った業種は何なのかを考える必要があります。
事業を成功させるには、起業前のこれらの作業が非常に重要になりますが、つい最近まで働いていたサラリーマンの方や、学生がこれらを完全に考えきることは非常に難しいです。
そもそも「起業するにはどのような手続きをすればよいのだろうか」と思っている方も多いと思います。
そんな方々のために、さまざまな団体が全国各地で「起業セミナー」を開催しています。
この起業セミナーを上手に活用すれば、スムーズに起業を進めることができます。
そんな起業セミナーを上手に活用するポイントなどを、今回ご紹介していきたいと思います。
起業セミナーとは
起業セミナーとは、それぞれの専門分野を持つ講師を迎え、これから独立して起業をしようとしている方を対象に、起業前に行う事業計画の立て方や起業時の注意点など、起業に関連するさまざまな情報やノウハウを学ぶセミナーです。
多種多様な団体が開催していますが、自分のこれからのビジョンや目的に合った内容のセミナーを上手に活用すれば、起業、そして事業の成功に大いに役立ちます。
しかし、やみくもにセミナーを受講するだけでは、上手な活用とは言えず、無駄な時間を過ごしただけになってしまい、成功とは逆に自分の人生を大きく狂わせてしまう可能性もあります。
まずは、自分がどのようなセミナーに行くべきなのかをしっかりと考えて、自分に合ったセミナーを探しましょう。
起業セミナーの種類はどのようなものがあるか
企業セミナーには、さまざまな種類があり、それは主催する企業や団体がどのような人たちを対象にしているかなどによって変わります。
自分に合ったセミナーを選ぶうえで重要となるポイントについて、下記の項目を参考にしてください。
主な内容
起業セミナーの内容は多種多様です。
会社を経営するうえでの心構えといった内面的なことをテーマとするものから、実務的な経営に関する知識をテーマとするものなど、さまざまです。
具体的な内容でいえば、起業後の資金調達の方法や、各種手続き、会計処理から税金計算などの税務全般、そして人を雇ううえでの手続きや業務など、より専門的な内容のセミナーも開催されています。
また、こういう時にはこういうことをするなどの実践的な対処方法をメインとするセミナーもあります。
講師
セミナーの質を決めるといっても過言ではないほど重要なのが、講師です。
講師がこれまで経験してきたことが豊富であればあるほど、そのセミナーの質は非常に高くなります。
逆に、何も経験していない講師がいくら説明をしたとしても内容が薄く、一般的なインターネット等で得られる情報しか得ることができません。
経験豊富な講師の方であれば、過去に失敗してきたエピソードなどを踏まえて、さまざまな話をしてくれることが多いので、そのような話こそ、これから起業する自分たちにとって非常に大事なポイントとなります。
講師の方が経験等ではなく、専門知識を持っている場合には、より実務に近いセミナーになっていきます。
具体的な内容としては、金融機関へ融資を受ける際のポイントなどが挙げられます。
業種
自分が起業する業種が決まっているのであれば、その業種に関するセミナーを受講するのが一番です。
業種によって気を付けるべきことなども異なってくると思いますので、自分が起業したい業種のセミナーがないか、一番初めに調べてみると良いかもしれません。
対象
起業を考えている人というのは、学生や若いサラリーマンだけということはなく、シニア層の人たちの中にもいます。
同じ業種でも若年層とシニア層では、起業の仕方にも違いが生じてくるはずです。
また、起業をするうえでは、小さな規模で行う場合や大規模な事業を行う場合など、人それぞれですので、セミナーの対象者が誰になっているかもセミナーを選ぶ重要なポイントです。
参加費
地方自治体などの公共団体が行うセミナーは、基本的には参加費が無料のものが多いです。
反対に、企業や金融機関、企業支援団体などが行うセミナーに関しては、そのセミナーが自社の事業内容になっていることが多く、当然営利目的となっているので、有料のセミナーが多い傾向にあります。
参加費の無料・有料にかかわらず、地方自治体や企業や団体も専門家への依頼をする場合が多いので、一概に有料の方が質の高いセミナーとは言えません。
起業セミナーを開催している企業や団体
起業セミナーは年間を通して、全国各地で開催されていますが、中でも開催が多いのはやはり、関東圏です。
今回は、全国でセミナーを開催している団体を中心にいくつかご紹介いたします。
各都道府県等の支援センター
開催する都道府県や地方自治体によってセミナー内容などは異なりますが、幅広いテーマのセミナーが比較的多いです。
年齢層も学生からシニア層まで、多くの方を対象としたセミナーが開催されています。
各地の商工会議所
商工会自体が、企業や個人事業主向けの共済や創業支援などを取り扱っている団体となりますので、起業に向けたより実務的なセミナーを中心に開催されています。
実際に起業する際にも商工会の創業支援を受けることがありますので、起業セミナーと併せて、創業に向けてどのような制度を活用できるのかなど聞いておくと、後々役に立つことがあります。
各金融機関
地方の金融機関が開催するセミナーは、起業に向けた資金調達の具体的な方法やどのような資金繰りを計画すれば良いかなどの内容が多いです。
金融機関がこのような起業セミナーを開催するメインの目的は、起業後に事業資金を自分たちから借り入れしてもらうためです。
事業をするには資金が必要なので、自己資金がない場合は金融機関からお金を借りるしか方法はありません。
資金調達や資金繰りに興味がある方は、一度参加してみるのも良いかもしれません。
税理士等の仕業
税理士、行政書士、司法書士などの士業が開催するセミナーは、これらの中で一番実務的な要素の濃い内容となる場合が多いです。
どの士業も、起業に関してはプロフェッショナルですので、開業後の税務署、都道府県事務所、市区町村役場などへの届出関係から登記、経理や税務、税制優遇処置など、一般の方では知りえない情報をたくさん持っています。
起業する際に、これらの情報を持っていないと、不要な税金を払うことになったりすることもありえます。
最近では、起業者向けの税制優遇処置や地方自治体の補助金制度などが多く、一部の自治体では補助金バブルと言われるほど複雑になっていることから、より実務を経験している士業のセミナーを受講することは有意義になります。
起業するうえでは、ある程度の実務知識を持っておく必要があるので、一度は参加した方が今後のためにもなるでしょう。
創業手帳
創業手帳はその名前のとおり、創業に関する内容のセミナーを全国各地で頻繁に行っています。
また、それぞれのテーマに合わせて、講師の方や士業などの専門家に依頼し、より質の高い起業セミナーを開催しています。
起業以外にも、事業承継や経営相談などのサービスを展開しており、起業するうえで非常に頼りになる団体と言えます。
「創業手帳」という、起業する方向けのガイドブックも制作しており、税理士をはじめとする専門家や金融機関、官公庁、そして自社の創業コンサルティングをまとめた手帳となっており、起業に欠かすことのできない情報やノウハウを知ることができます。
まとめ
起業セミナーは良いセミナーもあれば、悪いセミナーもあります。
これは、内容の良し悪しというわけではなく、単純に自分の目的に合っているかいないか、ということです。
もちろん、質の悪いセミナーも存在することは確かです。
このような質の悪いセミナーを受講してしまっては何より時間がもったいないですし、有料セミナーなどの場合は、そのお金さえも無駄になってしまいます。
まずは、しっかりと自分のやりたいことを考え、自分が今何をやるべきか、何が必要なのかをはっきりとさせたうえで最適なセミナーを選んでいきましょう。