最終更新日:2022/10/28
一般社団法人設立の流れを4つのステップで解説!
この記事でわかること
- 一般社団法人設立の方法・流れがわかる
- 一般社団法人設立の法規以外の手続きが理解できる
一般社団法人の設立には、4つの手続きが必要です。
むずかしくない手続きもありますが、中には骨の折れる手続きもあり、作り方を誤ると非営利法人としての資格を喪失する場合もあるなど、作成には注意が必要です。
この記事では、一般社団法人設立の方法と流れについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
一般社団法人設立の流れ
一般社団法人を設立するための流れを紹介します。
具体的には、次の4つのステップを踏む必要があります。
- ①人的要件の確保
- ②定款作成と公証人による認証
- ③登記申請
- ④登録免許税の納付
では、それぞれのステップごとに解説します。
①人的要件の確保
一般社団法人は、2名以上の社員と1名以上の理事(社員との兼任可)を確保しなければいけません。
つまり2名以上を集めて初めて設立が可能です。
ちなみに社員の資格は、個人だけではなく法人にも付与されます。
②定款作成と公証人による認証
定款とは法人が運営にあたって従うべき「憲法」であり、作成したうえで公証人の認証を受けなければなりません。
一般社団法人は運営側(理事会など)と出資者側などさまざまな利害関係者がかかわっており、設立当初からの関係者がずっと固定されているわけでもありません。
財産処分・施設利用・収支管理など何かの原因で関係者間のトラブルが生じた際、よりどころとなるのが定款です。
その際に、定款自体の改ざんの有無や法令への抵触が疑われるようでは定款の存在意義自体が失われます。
そこで公的権限を有する公証人の認証により、定款の信ぴょう性を確保しているのです。
定款には法人の事業の目的・名称・主たる事業の所在地・設立時社員の氏名及び住所・社員の入社退社に関するルール・公告方法・事業年度等を記載します。
理事の業務執行権限・任期、社員総会の決議要件・経費負担ルールなどは定款に記載しないと効力を有しません。
業務執行は理事会に委託することができますが、重要な財産の処分に関しては社員総会の決議を経なければいけません。
なお非営利法人の要件に反する事項を定款に記載した場合には、非営利法人としての資格を喪失します。
③登記申請
定款認証がすんだら、今度は法務局へ設立登記を申請します。
申請に当たっては申請書の他、設立登記事項を記録した電子媒体を提出、設立時社員の決議書・定款・代表理事の互選記録・理事や監事の就任承諾書・理事の印鑑証明書(承諾時)等を添付します。
登記事項を記録した電子媒体とは
一般社団法人の登記事項には、目的・名称・主たる事業所の所在地・理事の氏名・代表理事または理事全員の氏名及び住所・理事会や監事を置く場合はその旨が含まれます。
登記事項はテキストエディタ(Windowsのメモ帳など)で編集し、フロッピーディスクやCD-Rに記録します。
④登録免許税の納付
設立登記申請にあたっては法務局に登録免許税60,000円を納付しなければいけません。
料金は株式会社の150,000円と比べ割安です。
一般社団法人設立の法規以外の手続き
一般社団法人も法人の1類型であり、税務や社会保険に関する届け出も必要です。
税務関係
一般社団法人では、設立法規以外にも、税務関係の手続きも忘れずに行わなければいけません。
具体的には、必要に応じて次のような書類の届け出が必要です。
- 法人設立届出書(一般社団法人を設立したとき)
- 収益事業開始届出書(収益事業を開始する場合)
- 収益事業廃止届出書(収益事業を廃止する場合)
- 収益事業廃止届出書(収益事業を廃止する場合)
- 給与支払い事務所等の開設届出書(従業員の給与支払いを開始するとき)
- 異動届出書(行政庁から公益法人認定法の公益認定を受けたとき/非営利型法人となったとき)
- 青色申告の承認申請書(確定申告を青色申告で行うとき)
なお「非営利型」の一般社団法人に該当する場合には、「法人設立届出書」を税務署に提出する必要はありません。
ただし非営利型の場合であっても、都道府県税事務所と市区町村役場には「法人設立届出書」の提出が必要です。
それぞれの書類の記入方法は、「新たな公益法人関係税制の手引(平成24年9月)」の中に掲載されています。
社会保険関係
法人の場合は、従業員数に関係なく厚生年金保険・健康保険の強制適用事業所に該当します。
具体的には厚生年金及び健康保険の双方に関し、設立に伴い新規適用届を提出します。
従業員に関しては、入社・退社の際に被保険者資格取得・喪失届を提出します。
その他、厚生年金保険料・健康保険料のベースとなる報酬月額の届け出書も必要です。
まとめ
一般社団法人設立の流れを4つのステップで解説しました。
作成方法に誤りがあると非営利法人の資格を喪失する場合もあるので、作成には注意が必要です。
お困りの際は、ぜひ専門家にご相談ください。