最終更新日:2026/1/29
起業する人が多い会社は?社内ベンチャーや起業について解説します

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること
- 起業家を多く輩出している企業の特徴
- 社内ベンチャー制度とは何か
- 中小企業から独立するケース
会社員として働きながら「将来的に独立・起業したい」と考える人は増えており、実際、起業家を多く輩出している企業もあります。大手企業から起業するケースだけでなく、中小企業から起業するケースもあります。
大手企業のなかには社内ベンチャー制度が充実している会社もあり、働きながら実践的なビジネススキルを身につけられる環境はとても魅力的です。
この記事では、起業する人が多い会社の特徴や社内ベンチャー制度、中小企業から独立するケースなどを専門家の視点から解説します。


目次
起業する人が多い会社は?
起業する人が多い会社には特徴があります。
新しいビジネスモデルを積極的に生み出す企業文化や、社員に自由度の高い働き方を認めていることなどがその例です。
こうした企業では、実践的なビジネスの経験を積みながら独立の準備ができるため、自然と起業志向の人が育ちやすくなります。
起業家を多く輩出している会社
起業家を多く輩出している企業では、社員が起業しやすい社風だったり新しい事業を立ち上げる機会が多かったりします。
以下では、起業家を多く輩出している会社をご紹介します。
リクルート
株式会社リクルートは、多くの起業家を輩出している企業として知られています。リクルート出身者はさまざまな分野で起業しており、その背景には自由度の高い社風があります。
優秀な社員は若いうちからプロジェクトを任されることも多く、経営者の視点を養いやすい環境が整っています。
楽天
通信事業やネットショッピングで知られる楽天グループ株式会社も、多くの起業家を輩出している企業の1つです。
グローバルな視点とデジタル技術の活用を重視する企業文化が、社員の視野を広げ、自らビジネスを生み出す力を育てます。
楽天には多様な事業領域があるため、幅広い分野での経験を積めるのも魅力です。
社員の起業を支援している会社
社員が独立・起業することを前向きに支援している会社も増えています。
こうした企業では、社内での学びをそのまま起業に活かせるしくみが整っているため、実践的な経験を積めるのが特徴です。
株式会社ボーダレス・ジャパン
株式会社ボーダレス・ジャパンには、社会課題の解決を目指す起業を支援する「i-SIP(アイシップ)」というプログラムがあります。
社員が起業しやすい環境が整っていることもあり、実際に多くの社会起業家が同社から巣立っています。
参考:i-SIP U30 Impact Startup Incubation Program
起業家を輩出している会社の特徴
起業家を輩出する会社にはいくつかの共通点があります。
それは「幅広い事業展開」「社内での起業支援」「挑戦を歓迎する社風」などです。これらが組み合わさることで、社員が仕事を単なる作業ではなくビジネスの一環として意識し、自ら起業を志すきっかけにもなります。

幅広い事業を展開している
事業の幅が広い大手企業では、多様な分野に触れて経験を積むことができます。営業、企画、開発など、複数の業務を経験できる環境があるため、独立後に役立ちます。
社内での起業を支援している
社内に起業支援の制度がある企業であれば、社員が実際に事業を立ち上げる際に大きな支えとなります。
特に、社内ベンチャー制度がある会社や新規事業に積極的に取り組んでいる会社では、起業を夢ではなく現実的なものとして意識できます。
中小企業から独立するケースも多い
ここまでに紹介した会社は大手ばかりですが、中小企業から独立して起業するケースもあります。
成功している起業家が必ずしも大企業出身とは限りません。中小企業で経営に近い経験を積み、そのまま独立して成功するというケースも多いのです。
中小企業は、会社の規模が小さい分、経営の現場を間近で見ることができ、独立後に必要なスキルを実践的に学べる環境だといえます。
経営者との距離が近い
中小企業では経営者との距離が近いため、重要な意思決定のプロセスを間近で見ることができます。
トップの考え方や経営判断のスピード感を学ぶことで、自分が経営者になる際のイメージを具体的に描きやすくなります。

銀行からの融資などの場面も見ることができる
中小企業では、資金繰りや融資審査といったリアルな経営の現場に触れる機会も多くなります。これは、大手ではなかなか体験できないことです。
自分が起業する際に必要になるかもしれない資金調達の基礎を学べる環境があるのは、中小企業の大きなメリットです。
人事に関するトラブルを経験できる
起業後は、人事や労務管理の問題に必ず直面します。中小企業では、人事面のリアルな課題に向き合う機会が多く、組織運営の難しさや重要性を早い段階で理解できます。
社内ベンチャーとは?
社内ベンチャーとは、企業の中で新規事業を立ち上げるしくみのことです。
完全に独立した企業を新しく作るのではなく、企業の内部で別組織として事業を展開します。近年ではこの制度を導入する会社が増えており、社員が起業家として活躍するためのステップとして注目されています。
独立した組織形態
社内ベンチャーは、すでに行っている既存の事業とは別の組織として運営されるのが一般的です。独立した予算と人材、指揮系統を持ち、意思決定には社内ベンチャー内に裁量が与えられます。
こうした独立性があることで、既存のビジネススタイルでは難しいスピーディーな事業展開が可能になります。
サポートを受けつつビジネスを展開する
社内ベンチャーの場合、本体企業のリソースを活用できるため、資金調達や人材面でのリスクを抑えながら事業を展開できます。
完全にゼロからの起業ではないため安心感と安定感があり、起業の経験のない人でも挑戦しやすいのが特徴です。
新規ビジネスの1つの形態
新規事業を立ち上げる方法は多岐にわたりますが、社内ベンチャーはその中でも特に注目される形態です。
既存の企業の信用力とノウハウを活かしながら、新しい分野に挑戦できる環境が整っています。
子会社と社内ベンチャーの違い
混同しやすいのが、社内ベンチャーと子会社です。子会社は法的にも独立した会社である一方、社内ベンチャーは母体企業の内部で運営される組織です。
両者は、運営体制や意思決定のしくみが大きく異なります。
意思決定
子会社は法人格が別であるため、独立した経営判断を行います。これに対して、社内ベンチャーは、母体となる企業との連携を前提とした意思決定が行われます。
独立性
子会社は別の法人であり独立しているため、経営に大きな自由度があります。社内ベンチャーは内部組織であるため完全な独立性はなく、そのぶんリスクを抑えた事業運営が可能です。
社内ベンチャーがある会社は?
社内ベンチャー制度を導入している企業は年々増えています。特に大手企業では、既存事業の枠を超えた新規事業の創出を目的として社内ベンチャーが活用されるケースが多く見られます。
リクルート
リクルートは新規事業を生み出す風土が強く、社内ベンチャー制度もあり、実際に多くの起業家を輩出してきました。社員の自由な発想を尊重し、大きな成功につながるケースも少なくありません。
たとえば、ゼクシィやホットペッパーはリクルートの新規事業提案制度「RING」から生まれました。
参考:新規事業支援制度の現場から見えてくる、スタートアップを成功させるためのヒント|株式会社リクルート
サイバーエージェント
サイバーエージェントでは、社員が自らのアイデアを提案し、新規事業として立ち上げる機会が多く設けられています。起業家精神を重視する文化が根付いており、社内から数多くの起業家が誕生しています。
サイバーエージェントは「あした会議」などの取り組みで新規事業創出を継続しており、社内で挑戦機会が生まれやすい企業です。
参考:サイバーエージェントの持続的成長を支える「あした会議」|CyberAgent Way サイバーエージェント公式オウンドメディア
三菱商事
三菱商事は、歴史ある大企業でありながら、社内ベンチャーにも積極的です。社内ベンチャー制度を活用し、新規事業開発に取り組むことで、多様な分野での起業を後押ししています。
社内ベンチャーの成功例といえるものに、Soup Stock Tokyoがあります。
SONY
SONYグループは、技術力とブランド力のある企業で、社内ベンチャーの制度も整っています。社内の研究成果やアイデアを新規事業化するしくみがあり、社員が挑戦しやすい環境です。
「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」という制度があり、社内はもちろん、外部のスタートアップ支援も行っています。
参考:【Sony Acceleration Platform】新規事業の創出と事業開発を支援するプラットフォーム
ちなみに、世界的に有名なPlayStationは、社内の開発プロジェクト(技術開発の流れ)の中から生まれた製品です。
西友
西友の社内新規事業の成功例として、無印良品があげられます。
無印良品は西友のプライベートブランドとして誕生し、のちに良品計画として事業が引き継がれました。企業内の新規事業が発展・分離する例として言及されることがあります。
起業する人が多い業種
起業しやすい業種には共通の特徴があります。個人のスキルやアイデアを活かしやすい分野や社会的な需要の高い分野で起業する人が多いです。
以下に、代表的な業種を紹介します。
飲食業
飲食業は小規模でも始めやすい業種です。一方、設備投資や家賃・人件費など固定費がかかりやすく、立地とコスト管理が重要になります。
開業前に保健所で営業許可・届出の要否を確認し、必要に応じて申請(食品衛生申請等システムでオンライン可)します。多くの自治体では食品衛生責任者の選任が求められ、開業後は原則HACCPに沿った衛生管理が基本です。
メニューや提供形態で要件が変わるため、必要書類や手数料も含め自治体で確認しましょう。
介護
超高齢社会である日本では、介護分野の需要は年々拡大しています。訪問介護やデイサービスなど、小規模事業でも始めやすく、社会的意義の高いビジネスを展開できます。
介護保険の指定サービスとして行う場合、サービス種別ごとに人員・設備・運営基準を満たし、自治体の指定を受けて運営します(詳細は自治体・厚労省資料を参照)。
建設
建設業も独立・起業が多い分野です。現場で経験を積んだ人が独立し、工務店やリフォーム業を立ち上げるケースがよく見られます。
一定規模以上の建設工事を請け負う場合は建設業許可が原則必要です。ただし、国交省が定める「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は不要とされます。
コンサルタント
コンサルティング業は、自らの経験や専門知識を武器に独立できる業種です。企業の課題解決や戦略立案を支援する仕事であり、フリーランスから起業へ発展するケースも多く見られます。
一般的なコンサルティング業に関しては、資格は不要です。
ただし、税務(申告・税務相談等)や法律事務に該当する業務は資格・規制があるため、提供範囲に注意し、必要に応じて税理士・弁護士等の専門家と連携しましょう。
起業する人が多い会社には起業を支援するしくみがある
起業する人が多い会社には、スタートアップ支援をしていたり社内ベンチャー制度があったりという特徴があります。
こうした企業では、社員が事業を立ち上げるためのしくみや資金面でのサポートが整っており、起業の初期段階から実践的な経験を積むことが可能です。
起業を念頭に会社を選ぶ場合は、このような制度がある大企業や、経営者との距離が近い中小企業で経験を積むのが有効な方法です。
また、起業後は前職のブランドや肩書きではなく、自分自身のスキルと行動力で勝負する世界になります。そのため、会社員時代から経営者視点を持って行動し、実務を通じて実力を磨いておくことが重要です。
起業の成功には、整った環境での経験と継続的な努力が欠かせません。スタートアップ支援や社内ベンチャーがある企業は、起業家としての力を磨く絶好の場といえます。


















