この記事でわかること
- 遺贈は相続人以外への財産の移転手段であること
- 包括遺贈は受遺者への財産全体または一部の移転であること
- 特定遺贈は特定の物や金銭を指定した財産の移転であること
- 遺贈に伴う税務上の手続きやリスク
この記事では、遺贈の基本的なポイントから、注意すべきリスクや対策まで詳しく解説します。
遺贈とは
遺贈とは、遺言により自らの財産を特定の人に譲渡することです。遺贈する相手(受遺者)は相続人以外でも構いません。
遺贈者は、遺言書を作成して、遺産の一部または全部を特定の人に譲渡する意思表示をします。
遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があります。これらは、受贈者に財産を一定の割合で渡すか、具体的な財産を指定して渡すかで異なります。
包括遺贈
包括遺贈とは、相続財産の全部または一定の割合を受遺者に取得させることです。
包括受遺者は、相続開始と同時に、相続人や他の包括受遺者と遺産を共有することになります。
取得できる財産の割合のみ遺言で決まっている状況のため、具体的に何を取得するのかは遺産分割協議で話し合います。
特定遺贈
特定遺贈とは、特定の財産を特定の人に譲り渡すことです。
包括遺贈とは異なり、特定の財産を移転することができるため、相続人の間で誰が何をもらうか話し合う必要がありません。
相続人同士の紛争を避けることができるのが、特定遺贈のメリットの1つです。
遺贈による相続税の手続き
遺贈を受けると、相続税が発生することがあります。
遺贈があった場合の税務申告の流れ
遺贈を受けた場合、相続税の申告が必要です。申告期限は、遺贈があったことを知った日の翌日から10カ月です。
遺贈に伴う税金の計算方法
相続税を計算するには、すべての相続財産を正確に評価し、遺産総額を確定する必要があります。
受遺者は、取得した財産の額に応じた税金を負担しますが、基礎控除額以下の財産であれば相続税はかかりません。
基礎控除額は「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」です。
相続税にはさまざまな規定や特例があり、それらを適用することで税負担を軽減させることができます。
ただし、適用条件や計算方法は複雑なため、不安があれば税理士などの専門家に相談しましょう。
法定相続人以外へ遺贈があった場合の注意点
法定相続人以外への遺贈の場合、受遺者と法定相続人の間の権利関係や相続税の計算に関して注意が必要です。
以下では、これら2つの注意点やリスクへの対策について解説します。
法定相続人の権利
一定の法定相続人には「遺留分」が認められています。
遺留分とは、遺言によっても奪うことができない、最低限度の遺産の取り分のことです。
たとえば、法定相続人が配偶者のみの場合、配偶者の遺留分は、相続財産の2分の1です。
なお、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求を行うことができます。
法定相続人以外への遺贈額が大きく、遺留分を侵害するような遺言内容になっている場合、相続人とトラブルになる可能性があります。
遺贈による税負担の増加
法定相続人以外への遺贈の場合、受遺者が負担する相続税は2割加算になります。
また、不動産の遺贈を受けると登記が必要になるため、登録免許税もかかります。
法定相続人の登録免許税の税率は0.4%ですが、法定相続人以外の受遺者の税率は2%です。
遺贈によって税負担が増す可能性があるため注意しましょう。
遺贈に伴うリスクとその対策
法定相続人との権利問題や税負担の増加など、相続人以外への遺贈にはさまざまなリスクが存在します。
包括遺贈を行う場合には、誰がどの財産をもらうのか話し合う必要があり、遺産分割協議がまとまらず調停や審判に発展するリスクもあるでしょう。
特定遺贈で不動産をもらった場合には、不動産取得税や登録免許税を納めなければなりません。
遺贈者がこれらのリスクを最小限に抑えるには、以下の対策が有効です。
- 明確な遺言書の作成
- 遺贈の意向や内容を明確に記載することで、後の紛争を防ぐことができます。
- 相続税を専門とする税理士への相談
- 遺贈に伴う税金の額を把握し、事前に受遺者や相続人に伝えておくことで心の準備をしてもらえます。
- 法定相続人とのコミュニケーション
- 遺贈の意向を法定相続人に伝え、その理解を得ることで、後のトラブルを防ぐことができます。
遺贈に関する悩み事は税理士に相談しよう
遺贈は、遺産を相続人ではない人へも財産を移転させることができます。
遺贈を検討する際は、財産を取得する人とコミュニケーションをとることはもちろん、適切な遺言書の作成や相続税の申告を行うために専門家に相談することも大切です。
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