記事の要約
- 固定資産評価証明書に記載されている内容
- 相続手続きで固定資産評価証明書が必要な場面
- 固定資産評価証明書を手に入れる方法
固定資産評価証明書は「不動産の価値(評価額)」を公的に証明する書類で、相続に関連する手続きをする際に必要となることがあります。
本記事では、この固定資産評価証明書の概要を見たうえで、取得する方法をわかりやすくお伝えします。
なお、VSG相続税理士法人では、相続手続きに関する相談に無料でお答えしております。
手続きを進めるうえでご不明なことがございましたら、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
固定資産評価証明書とは?
固定資産評価証明書とは、土地や建物といった「不動産の価値(評価額)」を市区町村が公的に証明する書類のことです。

発行する自治体によって書式は異なりますが、主に下記のような情報が記載されています。
- 所有者
- 所在地
- 面積
- 固定資産税評価額
相続に関連して、固定資産評価証明書が必要になる主な場面は、次の2つの手続きをするときです。
| 手続き | 概要 |
|---|---|
| 相続税の申告 | 相続財産に不動産があるとき、その評価額を証明する公的な書類として必要になる |
| 相続登記(不動産の名義変更) | 手続きの際に法務局に納める、「登録免許税」を計算するために必要となる |
固定資産評価証明書の取得方法
固定資産評価証明書を取得する際の流れは、下記のとおりです。
それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。
ステップ1:取得できる人を確認する

固定資産評価証明書を取得できるのは、次のような方に限られます。
まずは、ご自身が取得できる立場かどうかを確認しましょう。
ステップ2:取得する場所を確認する

固定資産評価証明書は、その不動産が所在する市区町村の役所で取得できます。
基本的には、市区町村役場の「資産税課」や「税務課」で手続きをしますが、東京23区内の不動産の場合は「都税事務所」が窓口になります。
なお、毎年4~6月頃に不動産の所有者へ届く「固定資産税の納税通知書」にも、管轄の役所や担当部署が記載されていますので、それを確認すると確実です。
ステップ3:申請に必要なものを準備する

続いて、固定資産評価証明書の申請に必要なものを準備しましょう。
まず、全員に共通して必要なものは、次のとおりです。
| 必要なもの | 概要 |
|---|---|
| 固定資産評価証明等申請書 | 役所の窓口で手に入るほか、自治体のホームページからダウンロードできることもある |
| 手続きする方の本人確認書類 | 運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど |
| 手数料 | 自治体によってことなるが、1通あたり「200~400円程度」のことが多い |
| 印鑑(認印) | 申請書の記入内容を窓口で訂正する際に、必要なことがある |
また、ご自身の立場に応じて、下記の書類が追加で必要になります。
| 手続きする方 | 追加の必要書類 |
|---|---|
| 相続人 |
・故人の死亡がわかる戸籍謄本(除籍謄本) ・ご自身が相続人であることがわかる戸籍謄本 |
| 受遺者・遺言執行者 | ・遺言書の写し |
| 代理人 | ・委任状(依頼した方の署名・押印があるもの) |
なお、必要書類のうち「固定資産評価証明等申請書」を作成する際には、注意事項があります。
固定資産評価証明等申請書の見本
引用元 東京都主税局Webサイト
この固定資産評価証明等申請書には、「何年度(4/1~3/31)の証明書が必要か」を記入する欄があります。
ここで指定すべき年度は、下記のように「手続きの目的」によって異なるため、間違えないように十分ご注意ください。
| 手続きの目的 | 取得すべき年度 |
|---|---|
| 相続登記 | 登録免許税は、登記を申請する年度の不動産価額を基準に計算するため、「最新年度」の証明書が必要 |
| 相続税の申告 | 相続税は、亡くなった日(相続開始日)時点の財産の価値を基準に計算するため、「亡くなった日の属する年度」の証明書が必要 |
ステップ4:窓口または郵送で申請する

必要なものの準備が整ったら、「役所の窓口」か「郵送」で申請します。
役所の窓口に出向いて申請をすれば、通常はその日のうちに証明書を発行してもらえます。
一方、郵送で申請したい場合には、下記の書類を同封してください。
- 固定資産評価証明等申請書
- 手続きする方の本人確認書類の写し
- 手続きする方ごとに必要な追加書類
- 返信用封筒(必要な分の切手を貼る)
- 郵便定額小為替(手数料に相当する額)
このうち、「郵便定額小為替」については、郵便局やゆうちょ銀行の窓口で購入できます。
自治体によって必要書類や手数料が異なるため、郵送する前に電話で確認するようにしましょう。
その後、郵送してから「1~2週間程度」で、固定資産評価証明書が自宅に届きます。
固定資産評価証明書に関するよくある質問
最後に、固定資産評価証明書に関する、次の質問に答えます。
Q1:固定資産課税明細書との違いは?
「固定資産課税明細書」とは、固定資産税の納税通知書と同時に届く、下記のような書式の書類です。

この固定資産課税明細書には、固定資産評価証明書と同じように、不動産の評価額が記載されています。
ただし、固定資産税がかからない「私道」などは、所有していても載っていないことが少なくありません。
このため、相続関連の手続きをする際には、「固定資産課税明細書」だけでは不十分なことがあります。
手続きに必要な書類については、事前に提出先の窓口や相続の専門家に確認するようにしましょう。
Q2:自分で役所に行けないときは?
ご自身で役所に行くのが難しい場合には、「郵送で申請する」「委任状を書いてご家族に手続きをお願いする」といった方法もあります。
また、相続手続きで固定資産評価証明書が必要なときは、司法書士や税理士などの専門家に、ほかの書類の取得を含めて全般的に任せることも可能です。
Q3:故人名義の不動産がどこにあるか、わからないときは?
亡くなった方が所有していた不動産が、どこにあるのか正確にわからないときには、役所で「名寄帳」を取得しましょう。
名寄帳には、その人が市区町村内に所有している不動産が、一覧でまとまっています。
詳しい取得方法などは、下記の記事をご覧ください。
手続きに不安があれば、気軽に専門家に相談しましょう
この記事では、固定資産評価証明書の概要と取得方法をお伝えしました。
もし、実際に手続きをするうえでご不安な点があれば、私たちのような相続の専門家にお気軽にご相談ください。
当事務所では、初回の相談を無料で承っております。






