最終更新日:2024/2/20
法人設立届出書とは?書き方・提出先もわかりやすく解説
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
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YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
この記事でわかること
- 法人設立届出書とはどのような書類なのかを知ることができる
- 法人設立届出書を作成したらどこに提出するかがわかる
- 法人設立届出書の記載方法について知ることができる
会社を設立したら、まずは法務局で設立登記を行う必要があります。
その次にすべきこととして、法人設立届出書の提出があげられます。
法人設立届出書はどのような書類で、どこに提出するのでしょうか。
また、法人設立届出書はどのように記載するのか、解説していきます。
目次
法人設立届出書とは
法人設立届出書とは、税務署に対して法人を設立したことを知らせる書類です。
対象となる法人には、株式会社の他に合同会社や一般社団法人、医療法人など、様々な形態の法人が含まれます。
税務署に対して法人設立届出書を提出するのは、税務署内で法人の存在を認識してシステムに登録をするためです。
毎年決算を迎えた法人は、法人税申告書を税務署に提出し、法人税を納付します。
また、消費税の納税義務がある法人は、消費税申告書を提出し、消費税を納付します。
これらの申告は基本的に、法人が自主的に行うべきものとされています。
法人税や消費税の申告を行う際に必要な申告書や納付書と言った書類は、法人設立届出書を出すことで、税務署から郵送されてきます。
また近年は、金融機関で法人名義の通帳を作成する場合に、税務署の受領印がある法人設立届が必要になるケースがあります。
必ず提出をするようにしましょう。
法人設立届出書の提出先
法人設立届出書の提出先は、その法人の本店所在地を管轄する税務署となります。
どの税務署が管轄になるのかは、国税庁のホームページで確認することができます。
法人設立届出書の提出期限は、法人設立の日から2ヶ月以内とされています。
法人設立の日とは法務局で設立登記を行った日とされた日のことです。
ただ、この期限を過ぎてしまった場合でも罰則規定はありません。
もし後から気づいた場合も、焦らずにできるだけ早く法人設立届出書を提出するようにしましょう。
なお、法人設立届出書に似た書式は、都道府県や市町村にも準備されています。
それぞれのホームページから書式を入手し、都道府県や市町村にも法人を設立したことを届け出ましょう。
法人設立届出書を提出する際は、同じものを2部作成し、窓口又は郵送で提出します。
すると、1部は税務署に提出する分、もう1部は受領印を押してもらった上で法人の控となります。
郵送でも提出する場合には、切手と宛名を記載した返信用封筒を同封して、法人控の書類を受け取りましょう。
【記入例あり】法人設立届出書の書き方
ここでは、法人設立届出書の記載方法を解説していきます。
法人設立届出書の画像を見ながら、記載方法や注意点をご紹介します。
法人設立届出書
国税庁で定める法人設立届出書の書式は、以下のようになっています。
(引用元:国税庁)
①年月日
税務署に法人設立届出書を提出する日付を記載します。
②税務署名
会社の本店所在地を管轄する税務署名を記載します。
管轄する税務署は、国税庁のホームページから確認することができます。
③本店所在地
会社の本店所在地と電話番号を記載します。
本店所在地は、法務局での登記の内容と相違ないように記載する必要があります。
④納税地
ほとんどの会社は、③に記載した本店所在地と同じとなります。
⑤法人名
会社の正式な名称を記載します。
(株)などの略称を記載しないように注意しましょう。
⑥法人番号
国税庁により定められた13桁の番号を記載します。
法人番号は国税庁から交付され、会社に通知されるので、その番号を記載します。
また、法人番号公表サイトで法人名などを入力すれば、法人番号を調べることができます。
⑦代表者氏名
会社の代表者の氏名を記載します。
⑧代表者住所
代表者の住所を記載します。
株式会社の場合、代表者の住所は登記簿謄本に記載されているので、その登録内容のとおりに記載します。
⑨設立年月日
会社の登記簿謄本に記載されている、会社の設立日を記載します。
⑩事業年度
会社の登記簿謄本に記載されている、会社の事業年度を記載します。
⑪資本金又は出資金の額
会社設立時の資本金又は出資金の額は、会社の登記簿謄本に記載されています。
登記簿謄本の内容を確認して記載しましょう。
⑫消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日
設立時の資本金額が1,000万円以上の会社が、消費税の新設法人となります。
資本金の額が1,000万円以上に該当する会社は、⑨の設立年月日と同じ日を記載します。
⑬事業の目的(定款等に記載しているもの)
事業の目的とは、会社が営む事業の種類のことです。
定款には会社が営む事業の種類が、事業の目的として記載されています。
定款に記載されている事業の目的のうち、主なものを記載します。
⑭事業の目的(現に営んでいるまたは営む予定のもの)
今後営む予定の事業については、定款に記載されているものと、そうでないものが考えられます。
定款にすべて記載されているのであれば、「同上」とだけ記載しておきましょう。
⑮支店・出張所・工場等
本店以外の会社の事業所について、その名称と所在地を記載します。
何もなければ、空欄となります。
⑯設立の形態
会社をどのような形で設立したのか、その内容を記載します。
なお、新設法人の場合は「5.その他」を選択した上、新規開業などと記載します。
⑰設立の形態が2~4である場合の適格区分
新規開業や法人成りした会社の場合は、空欄となります。
⑱事業開始(見込み)年月日
会社を設立したものの、事業が稼働していない場合には、その事業を開始する日を記載します。
⑲「給与支払事務所の開設届出書」提出の有無
会社が人件費を支払う場合、会社は源泉所得税を納付しなければなりません。
課税漏れが起きないよう、人件費を支払う会社は税務署に対して、給与支払事務所の開設届出書を提出しなければなりません。
⑳関与税理士
法人設立届出書を作成する際に、関与税理士がいる場合に、その税理士の氏名や事務所名、所在地を記載します。
㉑添付書類
法人設立届出書を提出する際に、届出書と一緒に提出する書類の名称を記載します。
㉒税理士署名
法人設立届出書を税理士が作成した場合に、税理士が署名することとなります。
まとめ
会社を設立したら、真っ先に法務局で登記を行わなければなりません。
登記を終えたら、事業を開始するための準備を行うとともに、法人設立届出書を提出する準備をします。
そして、登記簿謄本が完成したら、その内容を確認しながら法人設立届出書を作成し、税務署に提出しましょう。
初めて聞く言葉も多いでしょうが、難しい内容ではないので、法人設立届出書を自分で作成してみましょう。