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最終更新日:2025/6/27

役員報酬の税金シミュレーション!【基礎控除改正2025年版】

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

役員報酬の税金シミュレーション!【基礎控除改正2025年版】

この記事でわかること

  • 役員報酬の金額別の手取り額
  • 会役員報酬別の会社の法人税負担
  • 会社と個人の合計手残り額が最も最適になる設定

役員報酬は単なる「給料」ではありません。役員報酬の決定は、会社(法人)の税金と社長(個人)の税金・社会保険料、双方に大きな影響を与える経営上の最重要ポイントです。

「手元にいくら残るのか?」「会社全体の資金は?」「税金と社会保険料の負担を最小限にするには?」といった疑問をお持ちの経営者の方も多いのではないでしょうか。

役員報酬の決定は、法人税、所得税・住民税、さらに社会保険料の総額で大きく変動するため、そのバランスを考慮して最適化することが非常に重要です。

この記事では、2025年の基礎控除改正を反映させた最新のシミュレーションに基づき「いくら税金を払い、いくら手元に残るのか」を解説します。

社長個人にかかる税金シミュレーション

まずは、役員報酬の金額が社長個人の手取りにどう影響するかを見ていきましょう。このシミュレーションは、2025年から改訂された基礎控除を反映させた最新版です。

2025年版 基礎控除額の解説

所得税の計算において、多くの納税者が適用を受けられる「基礎控除」の金額が2025年に改訂されました。役員報酬(給与所得)の金額によって控除額が変わるため、ご自身の年収帯に応じた控除額を確認しておきましょう。

年収 基礎控除額
(2025年・2026年)
基礎控除額
(2027年~)
200万円未満 95万円 95万円
200万円~475万円未満 88万円 58万円
475万円~665万円未満 68万円
665万円以上~850万円未満 63万円
850万円以上~2,595万円未満 58万円
2,595万円以上~2,645万円未満 48万円 48万円
2,645万円以上~2,695万円未満 32万円 32万円
2,695万円以上 0円 0円

こちらの基礎控除を適用して、以下で役員報酬をシミュレーションしていきます。

年収からみた役員報酬手取りのシミュレーション

下記をシミュレーション前提条件とします。

  • ・資本金1億円以下の中小企業
  • ・利益は2,000万円
  • ・東京都在住
  • ・40歳未満の単身者(扶養家族なし)

わかりやすくするために、最低限の控除額で試算した金額は下記となります。

役員報酬
(額面)
所得税・住民税 社会保険料 個人の手取り
(年額)
個人の手取り
(月額)
300万円 約18万円 約43万円 約248万円 約20.6万円
400万円 約28万円 約57万円 約322万円 約26.8万円
500万円 約42万円 約72万円 約394万円 約32.8万円
600万円 約58万円 約86万円 約464万円 約38.6万円
700万円 約78万円 約100万円 約530万円 約44.1万円
800万円 約105万円 約115万円 約589万円 約49万円
900万円 約135万円 約129万円 約644万円 約53.6万円
1,000万円 約165万円 約143万円 約699万円 約58.2万円

このシミュレーションから、年収600万円~700万円あたりが、個人の税負担率と手取りの金額のバランスが一番良いと考えられます。
個人事業主からの法人成りをお考えの方、またはすでに明確な事業計画と堅実な利益見込みをお持ちの方にとって、この年収帯は特に推奨されます。

手取り額から逆算する役員報酬シミュレーション

「毎月〇万円の手取りが欲しい」という具体的な目標がある場合、そこから逆算して役員報酬の額面を決定することも可能です。

役員報酬
(月額手取り)
所得税・住民税 社会保険料 役員報酬
(月額額面)
30万円 約1.8万円 約5.5万円 約38.3万円
40万円 約3.1万円 約7.3万円 約51.3万円
50万円 約4.8万円 約9.2万円 約64.8万円
60万円 約6.6万円 約11.1万円 約78.3万円
70万円 約8.5万円 約13.1万円 約91.9万円
80万円 約10.4万円 約15.0万円 約105.7万円
90万円 約12.4万円 約17.0万円 約119.6万円
100万円 約14.4万円 約19.0万円 約133.7万円
110万円 約16.5万円 約21.1万円 約147.8万円
120万円 約18.7万円 約23.2万円 約162.2万円
130万円 約20.9万円 約25.3万円 約176.7万円
140万円 約23.2万円 約27.4万円 約191.3万円
150万円 約25.5万円 約29.6万円 約206.2万円

役員報酬を検討する際、最も現実的で確実な方法の一つが、月々の生活費を基準にすることです。まずは、ご自身の生活に必要不可欠な費用(家賃、食費、光熱費、通信費、交通費など)を洗い出し、役員報酬として最低限必要な金額を確認しましょう。

最低限必要な金額を明確にすることで、無理のない範囲で会社経営と個人の生活のバランスを取ることができ、より持続可能な報酬設定へと繋がります。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
【重要】役員報酬は原則、期中変更不可
役員報酬は、原則として事業年度を通じて毎月同額で支給されます。また、一度決定した金額は事業年度中は変更できません(事業年度開始3カ月以内であれば1度のみ変更可能)。安易な変更は損金算入ができなくなる可能性があるため、慎重な検討が必要です。

会社側にかかる税金負担シミュレーション

次に、会社側の税金の負担額を見ていきましょう。

役員報酬別に見た会社に残るお金のシミュレーション

役員報酬は、会社にとっては「損金(経費)」となるため、役員報酬を増やすと会社の課税所得が減り、法人税等の負担が軽くなります。しかし、そのぶん個人の税金・社会保険料は増えるため、全体のバランスが重要です。

下記のシミュレーションは、役員報酬300万、会社の利益が2000万円残っている場合を基準として役員報酬を上げていった場合のシミュレーションです。

役員報酬
(額面年額)
法人税等 社会保険料
(法人負担)
会社に残るお金
300万円 約347万円 約43万円 約1,310万円
400万円 約323万円 約57万円 約1,220万円
500万円 約299万円 約71万円 約1,130万円
600万円 約275万円 約86万円 約1,039万円
700万円 約251万円 約100万円 約949万円
800万円 約227万円 約114万円 約859万円
900万円 約203万円 約129万円 約768万円
1,000万円 約179万円 約143万円 約678万円

会社と個人の合計手残り額シミュレーション

社長個人の手取り額と、会社に残るお金(税金・社会保険料控除後)を合算し、会社全体として手元に残る金額を計算しました。

こちらも、役員報酬300万、会社の利益が2000万円残っている場合を基準として役員報酬を上げていった場合のシミュレーションとなります。

役員報酬
(額面年額)
個人の手取り
(年額)
会社に残るお金
(年額)
合計手残り額
(年額)
300万円 約248万円 約1,310万円 約1,558万円
400万円 約322万円 約1,220万円 約1,542万円
500万円 約394万円 約1,130万円 約1,524万円
600万円 約464万円 約1,039万円 約1,503万円
700万円 約530万円 約949万円 約1,479万円
800万円 約589万円 約859万円 約1,448万円
900万円 約644万円 約768万円 約1,412万円
1,000万円 約699万円 約678万円 約1,377万円

今回のシミュレーションパターンでは、年収300万円の場合で、個人の手取りと会社に残るお金の合計が多くなることがわかります。つまり「とにかく会社に現金を残したい」という場合はこのパターンが有効です。

税負担率の点から考えると、年収600万円前後が最も効率的となります。理由は、基礎控除が68万円が適用される最後の水準であること、会社に残るお金が1,039万円と比較的高い水準を維持しているからです。

また、年収800万円も検討の価値があります。法人税率15%の恩恵を最大限活用でき、会社に残るお金も829万円と少なくありません。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
【重要】「最適な役員報酬」は状況によって異なる
「最適な役員報酬」は、会社の利益状況、社長個人の生活費、将来的な事業計画、役員退職金の考慮、個人の所得控除の有無など、さまざまな要素によって変動します。上記のシミュレーションはあくまで一例としてご参考にしてください。

配偶者を役員に加えた世帯年収分散シミュレーション

世帯年収を分散させることは、所得税の累進課税を緩和し、社会保険料の負担を最適化する上で非常に有効な税金対策になります。

下記をシミュレーションの前提条件とします。

  • ・家族構成:社長、配偶者、小学生の子1人
  • ・資本金1億円以下の中小企業
  • ・利益は2,000万円
  • ・東京都在住
  • ・社長、配偶者ともに40歳未満
  • ・最低限の控除額で試算(基礎控除、社会保険料控除のみ)
  • ・世帯合計年収1,200万円とする
社長の役員報酬(年額) 配偶者の役員報酬(年額) 世帯合計手取り(年額) 会社に残るお金 世帯手取りと会社に残るお金の合計
1,200万円 0円 約836万円 約678万円 約1,514万円
1,100万円 100万円 約857万円 約674万円 約1,531万円
1,000万円 200万円 約873万円 約665万円 約1,538万円
900万円 300万円 約892万円 約656万円 約1,548万円
800万円 400万円 約911万円 約648万円 約1,559万円
700万円 500万円 約924万円 約634万円 約1,558万円
600万円 600万円 約928万円 約649万円 約1,577万円

役員報酬を分散することで、各個人の所得税率が低く抑えられ、世帯全体の手取り額が増加することになります。今回のシミュレーションでは社長の役員報酬600万円、配偶者600万円のときが世帯合計手取りが一番多くなります。

また、会社に残るお金も考慮した場合も、社長の役員報酬600万円、配偶者600万円のパターンが一番お金を残せる結果となりました。

配偶者に役員報酬を支払う場合は、業務の実態があるかどうか税務署が厳しく確認します。名義だけの役員報酬は否認される可能性があるためご注意ください。

役員報酬以外で検討できる控除の例

これまで、最低限の控除で計算してきましたが、他にも追加で控除できるものがあれば、個人の税負担を軽減できます。当てはまるものがある場合は活用していきましょう。

追加で検討できる控除

  • 配偶者控除・配偶者特別控除:最大38万円
  • 生命保険料控除:最大12万円
  • 地震保険料控除:最大5万円
  • 医療費控除:医療費が10万円を超えた場合
  • ふるさと納税:寄附金控除として活用

これらの控除を適用することで、個人の税負担が軽減され、結果的に手取り額が増える可能性があります。

まとめ:最適な役員報酬は税金や社会保険料とのバランスを考えて設定しよう

役員報酬を決定するときは、ご自身の家庭や会社の経営状況などを考慮して決める必要があります。

「会社に最大限お金を残したい」「個人の手取りを増やしたい」「税負担を一番抑えたものにしたい」など、何を優先するかによって最適な金額は異なります。必ずしも「一番お得なパターン」がご自身にとってのベストとは限らないため、何を大事にしたいかを明確にして決定しましょう。

今回の役員報酬シミュレーションを参考に、ご自身の会社の状況、税金や社会保険料とのバランスを十分に考えて設定してみてください。

もし最適な役員報酬のパターンがわからない場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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