最終更新日:2023/5/8
ソフトウェア開発で起業する時に必要な準備4つ【リスクを減らす方法とは?】
ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori
この記事でわかること
- ソフトウェア開発で起業する際に何を準備すべきかわかる
- ソフトウェア開発で起業するために実際に必要なものがわかる
- ソフトウェア開発で起業する際にリスク軽減のコツがわかる
プログラミングの知識が豊富な人の中には、その知識を活かして、起業しようと考えている方もいるかもしれません。
ただ、プログラミング以外の知識や経験がない人がほとんどでしょうから、何から始めたらいいかわからない人もいるでしょう。
そこで、起業するために準備すべきこと、また起業して開業する際に必要になるものを解説していきます。
また、起業にはリスクがつきものですが、そのリスクを軽減する方法についてもご紹介します。
目次
ソフトウェア開発で起業するときの準備4つ
プログラミングの知識を活かしてソフトウェア開発で起業しようとする場合、どのようなことを準備しておくといいのでしょうか。
ソフトウェア開発という業種特有の準備もあるため、その内容を確認しておき、準備を進めていきましょう。
パソコン
ソフトウェア開発に関するプログラミングを行う上で必要不可欠なのが、パソコンです。
起業にあたって、必ず新しいパソコンを準備しなければならないわけではありません。
ただ、パソコンは一番の商売道具であり、継続して売上を確保するために妥協は許されません。
必要十分なスペックを持つパソコンを最初から購入しておくのが理想です。
ただ、開業資金には制約があるのが普通ですから、高ければそれでいいという選び方は避けなければなりません。
また、これまで使っていたパソコンはサブ機、あるいは予備機としておき、いざという時に使えるようにしておきましょう。
開発用ソフトウェア
ソフトウェアの開発のために、ソフトウェアを準備しておく必要があります。
起業にあたっては、最新で高性能のソフトウェアを準備しておくのが理想です。
ただ、開業資金との兼ね合いもあるため、必ずしも最高の機能を持つソフトウェアを購入できるとは限りません。
そこで、購入したソフトウェアを持て余すことなく、また機能的に不足することのない必要十分なものを準備しましょう。
いつでも仕事を受けられるよう、起業する前から準備しておくようにします。
サーバー
自身でソフトウェアの開発を行い、またその販売も行うのであれば、オンラインショップの運営が必要です。
そのオンラインショップの運営にあたってまず必要になるのが、サーバーです。
膨大なデータを保管し、外部からのアクセスによる注文を処理するには、一定以上のスペックが必要となります。
そこで、レンタルサーバー契約を結び、サーバーを利用できるようにしておきます。
自社のホームページを開設する際にも、この準備が役に立ちます。
早めに備えておきましょう。
インターネット回線契約
自社サイトの運営は、ソフトウェア開発の会社を運営する上で必要になります。
そのサイトを運営するためには、前述したようにインターネット回線の契約が必要不可欠となります。
また、起業段階から様々な手続きを進めるために、インターネットを利用することが大切です。
ここまで述べてきた準備を整えるためにも、早めにインターネットが使える環境を整備しておくのがおすすめです。
ソフトウェア開発での起業に必要なもの
ソフトウェア開発で起業する際には、会社を設立するなど、実際に必要になるものが多くあります。
ここではソフトウェア開発の起業において、実際に必要になるものを確認しておきましょう。
会社の設立
ソフトウェア開発で起業する際に、必ず会社を設立しなければならないわけではありません。
ただ、将来的な事業の拡大や人材の確保を考えると、会社を設立して起業する方が有利になると言えます。
そこで、会社を設立した上で起業することも選択肢に入れておく必要があります。
会社を設立するのであれば、そのために必要になるものがあります。
詳しくみていきましょう。
資本金の払い込みを行うために使う出資者の銀行口座
会社設立時には、必ず資本金が必要ですから、当然その管理のための口座が必要です。
ただ、出資者が何人かいる場合には代表者の銀行口座に資本金を払い込むため、全員が準備する必要はありません。
資本金の準備
資本金の額はいくらでも問題ありませんが、開業資金として必要な金額も含めて、ある程度の資金を準備しておく必要があるでしょう。
会社名が入った法人の実印
会社となると個人の実印などを使うことは好ましくありません。
インターネットで法人の実印を注文することもできますし、印鑑屋で作ることもできます。
会社の設立にあたって必要であり、注文してできるまで時間がかかるため、早めに注文しておきましょう。
なお、会社を設立したら、法務局で設立の手続きを行う必要があります。
また、設立登記が完了したら、税務署や都道府県、市町村に設立届を提出しなければなりません。
これらの手続きは、司法書士や税理士などの専門家に依頼して行うことができます。
自身は事業に集中し、外注できる作業は専門家に任せてしまうことで、スムーズに法人の設立ができます。
法人の預金口座
会社を設立後、その法人の名義で預金口座を作っておくべきです。
法人名義の預金口座は、絶対に必要なものではありません。
法人の代表者の名義となっている口座を使って、法人の資金管理を行うこともできるからです。
しかし、代表者が個人と法人の区分を明確にするため、そして金融機関や取引先から信用を得るために、法人口座を利用すべきでしょう。
また、銀行から借り入れを行うためには、法人名義の預金口座が必要不可欠となります。
そこで、準備に手間と時間はかかりますが、法人名義の預金口座を開設しましょう。
法人の預金口座を開設するには、以下のような書類が必要です。
- 会社の登記事項証明書
- 会社の定款
- 代表者印または法人の銀行印
- 代表者印の印鑑証明書
- 会社の事業の実態を明らかにする資料
金融機関での口座開設は、不正利用を防ぐために年々難しくなっています。
特に法人名義の口座は、ペーパーカンパニーで実態がない会社では口座が作れないなど、確認事項が多くあります。
新しく作られた会社の場合、その運営実態を明らかにすることが難しい場合もあります。
法人としての信用力を高め、できるだけ早く法人名義の預金を作成するようにしましょう。
会社の営業ツール
事業を始める際に重要なことは、その会社や事業の内容をいかに多くの人に知ってもらうことができるかです。
そこで、会社名や事業内容を知ってもらうためのホームページを作成しなければなりません。
また、実際に会った人に渡すための名刺や会社案内などの資料も作成する必要があります。
これらのツールは、将来顧客になる可能性のある人だけでなく、銀行の担当者などにも見てもらうこととなります。
その結果、会社の信用を上げることができ、法人口座を開設したり融資を受けたりすることができるようになることが期待できます。
ソフトウェア開発での起業のリスクを減らすコツ
起業にはリスクがつきものですが、そのリスクを軽減する方法はあります。
ソフトウェア開発で起業する場合、どのような形で起業のリスクを軽減することができるのでしょうか。
起業する動機を整理しておく
誰もが起業するにあたって、何らかのきっかけがあったはずです。
中にはお金儲けをしたい、あるいはこれまで働いていた会社が嫌になったということがきっかけになっているかもしれません。
しかし、このようなきっかけで起業したとしても、他の人に言うことは避けた方がいいでしょう。
たとえば、金融機関で借り入れをしようとする場合に、起業の動機を聞かれることがあります。
この時に、お金儲けがしたかったから、などと言うことは避けるべきです。
そこで起業する際に、どのような動機で起業に至ったのかを整理しておき、説明できるようにしておきましょう。
また、その動機は信用を得られるような内容にすることが重要です。
思い付きで始めたのではなく、本気で起業しようとしていることがわかってもらえるような動機を準備しておきます。
他の会社で経験を積んでおく
早いうちに起業したいからと、一般企業で勤務した経験のない人が起業するケースもあります。
しかし、一般企業での勤務経験がないと、開発に関する業務と会社や従業員の管理に関する業務を並行することが難しくなるでしょう。
そのため、一般企業に勤務し、様々な経験を積んでから起業するのがおすすめです。
他の会社での経験と、それに対する解決策を知ることができれば、起業後に直面する問題にも対処できるはずです。
ソフトウェア開発もサービス業である
ソフトウェア開発を行う人の中には、パソコンなどの画面に向かって黙々と作業することが好きな方もいます。
ただ、ソフトウェア開発で起業する場合は、単にソフトウェア開発だけを行っていればいいわけではありません。
顧客を探してこなければ仕事は入ってきませんし、受注した仕事を確実に納品しなければ次の仕事はもらえません。
そこで大事になるのが、代表者が営業マンとして会社のアピールをすることです。
黙々と作業していればいいというわけではなく、様々な人に会って会社のアピールをしなければなりません。
自身の経験やスキルの高さも重要になりますが、それ以上に人間としての魅力が、会社の業績を左右します。
起業すれば、ただ単に作業者でいることはできず、自社のファンを作る努力が求められます。
販売先を1件でも多く確保しておく
起業と同時に、多くのソフトウェアを一気に販売することはできません。
そのため、日々の営業努力でコツコツを自社のファンを増やしていくことが求められます。
また、起業前の会社で出会った人など、多くの人と人脈を持つ人であれば、それだけ多くの売上を上げられる可能性があります。
起業する前から、色々な人に会って人脈を構築することも、非常に有効なことと言えるでしょう。
まとめ
ソフトウェア開発に関する業務は、これまでもこれからも、ニーズの高い業種と言えます。
ソフトウェア開発業の会社に勤務していた経験を生かして、自身で起業するケースが多いでしょう。
ただし、新しい会社を作っても、その会社には実績がないため、すぐに会社の魅力を分かってもらえるとは限りません。
社長自らが積極的に会社のアピールをしなければなりません。
色々な人に会って、会社の売上につながる可能性を広げることが成功への第一歩となるでしょう。