最終更新日:2026/9/28
合同会社の定款とは?作り方・ひな形・記載事項をわかりやすく解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
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1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
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- 合同会社は定款の作成は必須だが、公証役場での認証はしなくていい
- 合同会社の定款に記す内容は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類に分類される
- 合同会社の定款を自分で作る際は法務局のひな型を元にしよう
- 合同会社の定款はあとから変更することもできる
合同会社を設立する場合も、株式会社と同じように定款を作成します。
ただし、合同会社では公証人による定款認証を受ける必要はありません。
定款には、会社名や事業目的、本店所在地、社員の氏名・住所、出資額など、会社を運営するうえで基本となるルールを記載します。
一般的なひな形を使って自分で作成することもできますが、社員が2人以上いる場合や、出資割合と利益の分配割合を変えたい場合などは、会社の状況に合わせて内容を検討する必要があります。
この記事では、合同会社の定款に記載する事項や作り方、法務局のひな形の使い方、社員が2人以上いる場合に注意したいポイントなどについてわかりやすく解説します。
合同会社にも定款は必要だが「定款認証」は不要
合同会社を設立するには、社員(出資者や経営者)になる人が定款を作成し、全員が署名または記名押印しなければなりません。
株式会社も同じように定款の作成が必要ですが、それに加えて公証役場にて、作成した定款を「認証」してもらう手続きが必要です。
この認証手続きは、合同会社の場合は不要です。
そのため、合同会社は株式会社と比較して、定款認証にかかる費用や手間を削減できます。
ただし公証人が内容を確認する工程もないため、必要な記載事項が漏れていないか、自社の運営方法に合った内容になっているかを作成者自身で確認することが重要となります。
合同会社の定款に記載する内容・事項

合同会社の定款に記載する事項は、大きく「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けられます。
特に、絶対的記載事項は定款に必ず記載しなければならないため、漏れがないようにしましょう。
必ず記載する6つの「絶対的記載事項」
合同会社の定款には、次の6つを必ず記載しなければいけません。
| 絶対的記載事項の項目 | 内容・記載例 |
|---|---|
| 目的 | Webサイトの企画、制作及び運営など |
| 商号 | 合同会社◯◯ |
| 本店の所在地 | 東京都新宿区など |
| 社員の氏名または名称・住所 | 東京都◯◯区◯◯ 山田◯郎など |
| 社員全体を有限責任社員とする旨 | 当会社の社員の全部を有限責任社員とする |
| 社員の出資の目的・価額または評価の標準 | 金100万円など |
会社法では、合同会社を含む持分会社の定款について、目的、商号、本店所在地、社員の氏名・名称と住所、社員の責任、出資について記載するよう定めています。
合同会社の場合は、社員全員が有限責任社員である旨の記載も必要になります。
こうした必ず定款に記載しなければならない事項のことを「絶対的記載事項」と呼びます。
これらのうち1つでも記載されていない場合、その定款自体が無効なものとなってしまいます。
絶対的記載事項の具体的な書き方については、「法務局のひな形を使った合同会社の定款の書き方」にて後述します。
定めた場合に効力を持つ「相対的記載事項」
相対的記載事項とは、会社法に原則(デフォルトのルール)が定められているが、定款に記載することによって、その原則とは異なる会社独自のルールを設定できる事項です。
合同会社では、次のような相対的記載事項があります。
- 持分を譲渡するときの要件
- 業務を執行する社員(業務執行社員)の指定・選任方法
- 社員が2人以上いる場合の業務の決定方法
- 代表社員の指定・互選
- 会社の存続期間
- 解散する事由
- 相続の際の持分の承継
たとえば、社員が3人いても、実際の経営には2人だけが関わる場合は、その2人を業務執行社員とすることができます。
このように、相対的記載事項を活用すると、社員構成や会社の運営方針に合わせて、合同会社のルールを柔軟に設計できます。
独自のルールとして定める「任意的記載事項」
任意的記載事項とは、法律に違反しない範囲で、会社が必要に応じて定款に記載できる事項です。
定款に定めた場合、会社と社員はこれに拘束されます。
- 事業年度
- 業務執行社員の人数
- 業務執行社員の報酬
- 業務執行社員の任期
- 社員総会の設置

株式会社の株主総会に相当する「社員総会」も、設置が義務付けられているものではありません。
しかし近年は、業務執行社員の報酬を決定する根拠や職務を開始する時期などを明確にするため、こうしたルールを定款に盛り込むケースもあります。
ただし、社員総会にどのような権限を持たせるかによっては、会社法が定める原則的な意思決定方法との関係を確認する必要があります。
絶対的記載事項とは異なり、任意的記載事項を書かなかったからといって定款が無効になるわけではありません。
ただし、あらかじめ会社内のルールとして明確にしておきたい内容については、定款へ記載するか検討するとよいでしょう。
合同会社の定款の作り方
一般的な合同会社では、会社の基本事項を決める→定款を作成する→出資を行う→設立登記を申請するという順番で手続きを進めます。
ここからは、定款を作成する流れを4つのステップで確認していきましょう。
Step1:商号・本店所在地・事業目的などを決める

まずは、定款に記載する会社の基本事項を決めます。
最低限、次の内容を整理しておきましょう。
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 社員になる人
- 各社員の出資額
- 業務執行社員
- 代表社員
- 事業年度
特に社員が2人以上いる場合は、誰が出資し、誰が実際に会社を経営するのかを整理しておきましょう。
社員全員が経営に関わらない場合は、業務執行社員や代表社員を誰にするかも決めておきます。
Step2:ひな形をもとに必要事項を記載する

基本事項が決まったら、定款のひな形をもとに自社の内容へ書き換えていきます。
定款はWordなどの文書作成ソフトを使って作成できます。
まずは商号や目的などの絶対的記載事項を入力し、その後、必要に応じて業務執行社員や代表社員、事業年度などの条項を追加すると整理しやすくなります。
定款のひな形については「法務局のひな形を使った合同会社の定款の書き方」にて後述します。
Step3:紙または電子で定款を作成する

合同会社の定款は、紙だけでなく電子データでも作成できます。
紙の定款の場合、印紙税として4万円のコストがかかります。
一方で電子定款は電子データであり、紙の書類に対して発生する印紙税が発生しません。
そのため、紙定款よりもコストを抑えて作成することができます。
ただし、電子定款を自分で作成する場合には電子署名の付与など、一定の手間がかかります。
電子定款の具体的な作り方については、以下の記事をあわせてご確認ください。
Step4:出資を行い、定款を添付して設立登記を申請する

出資が完了したら、定款などの必要書類を添付して合同会社の設立登記を申請します。
金銭を出資する場合は、設立登記をするまでに出資金の全額を払い込みます。
現物出資の場合は、出資する財産の全部を給付します。
出資が完了したら、合同会社の設立登記を申請します。
合同会社の設立登記の方法については、以下の記事をあわせてご確認ください。
法務局のひな形を使った合同会社の定款の書き方
法務局では、合同会社設立登記申請書の添付書面の記載例の中で、定款の記載例を公開しています。
リンク先の、以下の箇所をご確認ください。

記載例には、商号や目的、本店所在地、社員の氏名・住所・出資額のほか、持分の譲渡、業務執行社員、代表社員、事業年度などの条項が盛り込まれています。
ただし、そのまま使用するのではなく、自社の内容に合わせて書き換える必要があります。
ここでは、法務局の記載例に沿って、それぞれの項目をどのように記載すればよいのかを確認していきましょう。
商号の書き方
商号には、設立する合同会社の会社名を記載します。
法務局の記載例では、次のようになっています。
- 第1条 当会社は、◯◯商店合同会社と称する。
「◯◯商店」の部分を、自分が設立する会社の名称に置き換えて作成しましょう。
また、同じ商号・同じ本店所在地の会社がすでに存在する場合は設立登記ができないため、事前に確認が必要です。
商号の決め方や法的ルールなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。
目的の書き方
目的には、合同会社が行う事業内容を記載します。
- 第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
- 1 ◯◯の製造販売
- 2 ◯◯の売買
- 3 前各号に附帯する一切の事業
ここでの「前各号に附帯する一切の事業」は、前に記載した事業を行ううえで付随して発生する業務まで、事業目的に含めるための条項です。
事業に関連する細かな業務をすべて個別に列挙する必要がなくなるため、一般的には入れておくとよいでしょう。
事業目的の一覧やルールなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。
本店所在地の書き方
本店所在地には、会社の本店を置く場所を記載します。
- 第3条 当会社は、本店を◯県◯市に置く。
定款に記載する本店所在地は「東京都新宿区」のように最小行政区画まででも問題ありません。
ただし、設立登記を申請する際には、「東京都新宿区◯丁目◯番◯号」のように、番地などを含めた具体的な本店所在地を登記する必要があります。
本店所在地の選択肢や書き方などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
社員の氏名・住所・出資額の書き方
合同会社の定款には、社員の氏名または名称・住所と出資について記載します。
- 第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任は次のとおりである。
- 1.金300万円 ◯県◯市◯町◯番◯号 有限責任社員◯◯商事株式会社
- 2.金200万円 ◯県◯市◯町◯番◯号 有限責任社員◯◯◯◯
社員が複数いる場合は、社員ごとに出資額・住所・氏名または名称を記載します。
また、合同会社では社員全員が有限責任社員となるため、その旨も定款に記載する必要があります。
法人が合同会社の社員になる場合は、個人名ではなく法人名と所在地を記載しましょう。
持分の譲渡に関する条項の書き方
法務局の記載例には、持分の譲渡についても条項が設けられています。
- 第6条 社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
- 2 会社法第585条第2項及び第3項は、適用しない。
ここでいう「持分」とは、合同会社の社員として持っている権利や地位のことです。
持分を第三者へ譲渡すると、その第三者が新たに社員となることにつながるため、誰にでも自由に譲渡できるわけではありません。
会社法第585条第1項では、原則として、持分を他人に譲渡するにはほかの社員全員の承諾が必要とされています。
ただし、同条第2項では、会社の業務を執行しない有限責任社員については、業務執行社員全員の承諾があれば持分を譲渡できるという例外が設けられています。
また、第3項では、この持分譲渡に伴う定款変更についても、業務執行社員全員の同意で行えると定められています。
法務局の記載例では、この第2・第3項を「適用しない」とすることで、業務を執行しない社員についても例外を設けず、持分を譲渡するときはほかの社員全員の承諾を必要とするルールに統一しています。
合同会社の持分の詳しい内容や「株式」との違い、実務上の注意点などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
社員が死亡した場合に関する条項の書き方
法務局の記載例では、社員が死亡した場合などの持分承継についても、次の条項を設けています。
- 第7条 社員が死亡し又は合併により消滅した場合には、その相続人その他の一般承継人は、他の社員の承諾を得て、持分を承継して社員となることができる。
合同会社では、定款に別段の定めがなければ、社員が死亡するとその社員は退社扱いとなり、社員としての地位は原則として相続人へ引き継がれません。
特に社員が1人だけの合同会社では、その社員が死亡して社員が1人もいなくなると会社の解散事由に該当してしまい、たとえ相続人が会社を続けたくても、畳まざるを得なくなります。
そこで、定款に持分を相続人などへ承継できる旨を定めておくことで、社員が死亡した後も持分を承継し、会社を引き継ぐことができます。
社員が複数いる場合でも、死亡した社員の持分を払い戻すのか、相続人などに承継させるのかによって、その後の会社運営や財産関係が変わります。
将来の事業承継も考えたうえで、どのような定めにするか検討しておきましょう。

この「裁判所に清算人を選任してもらう」というプロセスは、非常に手間とコストがかかります。
相続承継に関する規定が1行あるだけで、相続人がそのまま社員となって自分自身でスムーズかつ安価に清算手続きを行うことができるため、合同会社の定款作成の際はぜひ確認しておきたいポイントです。
業務執行社員・代表社員の書き方
法務局の記載例では、業務執行社員については以下のように記されています。
- 第8条 社員◯◯◯◯及び◯◯◯◯は,業務執行社員とし,当会社の業務を執行するものとする。
合同会社における「社員」とは、一般的な従業員ではなく、会社に出資して合同会社の構成員となる人や法人を指します。
定款に特別な定めがなければ、原則として社員全員が会社の業務を執行します。
一方、社員の中から実際に会社の経営を担当する人だけを「業務執行社員」として定めることもできます。
たとえば、3人が出資して合同会社を設立するものの、実際の経営は2人だけで行う場合は、その2人を業務執行社員とすることができます。
業務執行社員は原則として会社を代表する権限も持ちます。
業務執行社員が複数いる場合は、それぞれが会社を代表することになりますが、その中から特定の人を「代表社員」として定めることもできます。
代表社員については、以下のように記されています。
- 第9条 代表社員は業務執行社員の互選をもって,これを定める。
代表社員は定款の中で「業務執行社員◯◯◯◯を代表社員とする。」というように指名することもできます。
ただし、このように定款で代表社員を直接指定した場合は、何らかの事情で代表社員を変更しなければならない際に、定款変更が必要になります。
法務局の記載例のように、互選をもって定める形式であれば、定款変更は不要です。
なお、代表社員は登記事項であるため、実際に代表社員を変更した場合は法務局で変更登記を行う必要があります。
代表社員と業務執行社員の違いや役割などについては、それぞれ以下の記事で解説しています。
事業年度などその他の条項の書き方
法務局の定款記載例には、商号や目的などのほかに、公告方法、業務執行社員の報酬、支配人、事業年度、計算書類の承認についても定められています。
これらは、絶対的記載事項のようにすべての合同会社が必ず同じ内容を記載するものではありません。
自社でそのルールが必要か、どのような運用にしたいかを考えて内容を決めましょう。
公告方法
公告とは、会社法上必要になった情報を社外へ公表することです。
法務局の記載例では、以下のように記されています。
- 第4条 当会社の公告は、官報に掲載してする。
合同会社では、定款に公告方法を定めなかった場合も自動的に官報による公告となるため、特に別の方法を希望しないのであれば、法務局の記載例どおり「官報に掲載してする」として問題ありません。
なお、合同会社は株式会社と異なり、決算公告の義務がありません。
ただし資本金額の減少や吸収合併、解散、株式会社と合同会社の組織変更などの際には、合同会社であっても公告を行うことが、法律によって義務づけられています。
合同会社の公告の概要や、具体的な方法と費用については以下の記事で詳しく解説しています。
業務執行社員の報酬
業務執行社員の報酬について、法務局の記載例では以下のように記されています。
- 第10条 業務執行社員の報酬は、社員の過半数の決議をもって定める。
ここでは定款に「月額30万円」のような具体的な報酬額を書いているわけではなく、誰がどのように報酬額を決めるかを定めています。
報酬額そのものを定款に書いてしまうと、金額を変更するたびに定款変更が必要になります。
そのため、通常は法務局の記載例のように決定方法だけを定款に定め、実際の金額は別途決定する形を推奨します。
合同会社の役員報酬額は、税金や社会保険料などにも大きく関わるため、慎重な決定が求められます。
詳しくは以下の記事をご確認ください。
支配人の選任・解任
支配人の選任・解任について、法務局の記載例では以下のように記されています。
- 第11条 当会社の支配人の選任及び解任は、業務執行社員の過半数をもって決定する。
ここでいう「支配人」は、一般的な会社で使われる「部長」「マネージャー」といった役職とは異なります。
会社法上の支配人は、本店や支店で会社に代わって事業に関する幅広い行為を行う権限を持つ者のことを指します。
そのため、設立する会社で支配人を置く予定がなければ、この条項を必ず定款に入れる必要はありません。
小規模な合同会社を設立し、代表社員自身が会社を経営するのであれば、まずは支配人を置かないケースが一般的でしょう。
事業年度
事業年度について、法務局の記載例では以下のように記されています。
- 第12条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
事業年度とは、会社が1年間の売上や利益などを集計し、決算を行うための期間です。
事業年度は起業する時点で自由に決めることができるので、必ずしも3月を決算期とする必要はありません。
決算作業と繁忙期が重ならない月を選ぶ、納税に備えやすい時期を選ぶなど、自社の業務や資金繰りを踏まえて決めるとよいでしょう。
具体的な事業年度の決め方などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
計算書類の承認
法務局の定款記載例では、計算書類について以下のように定められています。
- 第13条 業務執行社員は、各事業年度終了日から3カ月以内に計算書類を作成し、総社員の承認を求めなければならない。
計算書類とは、貸借対照表や損益計算書など、会社の財産や経営状況を示す書類です。
合同会社は各事業年度の計算書類を作成する必要があります。
法務局の記載例では、業務執行社員が計算書類を作成し、総社員の承認を受けるという社内ルールを定めています。
計算書類の承認方法は、必ず定款に定めなければならないわけではありませんが、社員が複数いる場合は、決算内容をどのように確認するかをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
合同会社の定款を変更する方法
合同会社の定款は、会社設立後に事業内容や会社の運営方法が変わった場合でも変更できます。
たとえば、事業目的を追加する場合や商号を変更する場合、社員の加入によって定款の記載内容が変わる場合などには、定款の変更を行います。
合同会社の定款を変更する大まかな流れは、次のとおりです。
合同会社の定款を変更する流れ
- STEP1変更する内容を決める
- STEP2社員の同意を得る
- STEP3変更内容を書面に残す
- STEP4必要な場合は法務局で変更登記を行う
- STEP5変更後の定款や関連書類を保管する
定款を変更する場合は、定款に別の定めがある場合を除き、原則として社員全員の同意が必要です。
変更登記などで社員の同意を証する書面が必要になる場合もあるため、実務上は「総社員の同意書」などを作成し、変更内容と同意の事実を記録しておくとよいでしょう。
定款の変更自体には、原則として費用は発生しません。
ただし、商号や事業目的、本店所在地などの登記事項に変更が生じた場合は、原則として変更が生じた日から2週間以内に法務局で変更登記を行う必要があります。
変更登記を行う際には、登録免許税も発生します。
合同会社の定款変更で必要になる書類や具体的な手順については、以下の記事でより詳しく解説しています。
合同会社の定款についてよくある質問
実際に合同会社の定款を作成するときに迷いやすいポイントを紹介します。
その1:定款の事業目的は将来行う予定の事業まで書いてもよい?
事業目的に記載した内容は、必ず事業として取り組まないといけないというものではありません。
そのため、将来的に行う予定がある事業をあらかじめ目的に入れておくこともできます。
定款に記載する事業目的は、あとから新しく追加することもできますが、その際には定款変更に加えて変更登記も必要になるため、登録免許税が発生します。
余計な出費を避けるためにも、近い将来に始める予定がある事業については、設立時に整理しておくとよいでしょう。
ただし、「将来何をするかわからないから」と関係のない事業を大量に並べると、何を行う会社なのかがあいまいになり、法人口座開設や融資審査に影響を及ぼすケースもあるため注意してください。
また、許認可が必要な事業では、定款の目的に特定の文言が求められる場合もあります。
許認可事業を始める予定がある場合は、会社設立前に要件を確認しておきましょう。
その2:1人で合同会社を設立する場合も代表社員を定款に記載する必要がある?
代表社員は合同会社の定款の絶対的記載事項ではないため、必ず定款に記載しなければならないわけではありません。
合同会社では、定款に別段の定めがなければ社員が会社の業務を執行し、業務執行社員は原則として会社を代表します。
したがって、社員が1人しかいない合同会社で特別な定めを設けなければ、その社員が業務を執行し、会社を代表することになります。
その3:2人以上で合同会社を設立する場合、利益の配分は出資割合と同じにする必要がある?
合同会社では、定款に損益分配割合について特別な定めがなければ、各社員の出資価額に応じて割合が決まります。
たとえばAさんが80万円、Bさんが20万円を出資した場合、定款に別の定めがなければ、損益分配割合も8:2となります。
一方、定款に別の割合を定めることも可能です。
出資はAさん80万円・Bさん20万円でも、Bさんの方が実際の事業運営を多く担う場合、損益分配割合を5:5のように定めることもできます。
利益の分け方は社員同士の利害に直接関わります。
複数人で会社を設立する場合は、「とりあえず出資割合と同じにする」のではなく、各社員の役割や今後の働き方も踏まえて話し合っておきましょう。
その4:合同会社の定款は自分で作成できる?専門家に相談した方がよいケースは?
法務省や法務局では合同会社の設立手続きや必要書類に関する情報を公開しているため、内容を確認しながら自分で定款を作成することも可能です。
しかし、定款は会社を設立するときだけ使う書類ではなく、その後の会社運営の基本ルールとなる書類です。
設立時には問題がないように見えても、社員間で意見が分かれたり、社員が退社したりしたときに、定款の内容が重要になることがあります。
1人で設立し、法務局の記載例どおりのシンプルな運営をするのであれば、自分で定款を作成することもできます。
しかし、社員が2人以上いる、出資割合と損益分配割合を変えたい、特定の社員だけに経営を任せたい、社員が死亡した場合の事業承継まで決めておきたいといったケースでは、司法書士や行政書士といった専門家への相談をおすすめします。
この記事のまとめ:合同会社にも定款は必要なので設立前に準備しよう
合同会社を設立する場合も、会社の基本ルールを定める定款の作成が必要です。ただし、株式会社とは異なり、公証人による定款認証を受ける必要はありません。
社員が1人で、法務局の記載例に沿ったシンプルな会社運営を予定している場合は、ひな形を参考にしながら自分で定款を作成することもできます。
一方、社員が2人以上いる場合や、出資割合と損益分配割合を変えたい場合、特定の社員だけに経営を任せたい場合、社員が死亡した後の持分承継まで決めておきたい場合は、定款の内容がその後の会社運営に大きく影響します。
自社にどのような定款が適しているかわからない場合は、会社設立に詳しい専門家へ相談しながら内容を決めることも検討しましょう。
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