●相続税申告最新実績件数 23年:2204件 24年:3033件 ●相続ご相談最新件数 25年6月:682件 | 相続に強い税理士・司法書士・行政書士が対応
     相続専門の総合士業グループ VSG相続税理士法人
24年相続税申告実績:3033件|25年6月ご相談件数実績 :682件
メニュー
close
閉じる
youtube
今すぐ無料相談
LINE
mail
tel
お気軽にご相談ください。
0120-220-137 無料相談

最終更新日:2025/7/22

生前贈与を受けた相続人は相続放棄できる?相続税の対象の贈与や注意点を解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

ベンチャーサポート司法書士法人 司法書士 昭和62年生まれ、香川県出身。

相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profiletakana/

この記事でわかること

  • 生前贈与を受けていても相続放棄ができるかどうかの原則
  • 相続放棄をした場合の生前贈与と相続税の関係
  • 相続放棄を検討する際の注意点と、他に負債を避ける方法

「親から生前贈与を受けていたけれど、もし多額の借金が残っていたら、相続放棄ってできるのかな?」

こんな不安を抱えていませんか?生前贈与は相続税対策や、財産を渡したい相手に確実に渡すために有効な手段です。しかし、いざ相続が発生した際に、予期せぬ負債が見つかるケースも少なくありません。

この記事では、生前贈与を受けていた方が相続放棄を検討する際に知っておくべきこと、特に相続税との関係や注意点について、相続の専門家である司法書士が分かりやすく解説します。

生前贈与を受けていても原則、相続放棄はできる

まず結論からお伝えすると、生前贈与を受けていたとしても、原則として相続放棄は可能です。

生前贈与は、被相続人(亡くなった方)が生きている間に、特定の財産を被相続人から受け取る行為です。一方、相続放棄は、相続が開始された後(被相続人の死亡後)に、相続人が相続権を一切放棄する手続きを指します。

被相続人の財産を受け取っていると相続放棄ができないと聞いたことがあるかもしれませんが、それは被相続人の死亡後の話であり、生前贈与とは無関係です。生前贈与を受けていたからといって、相続放棄ができないというわけではありません。

生前贈与を受けていた人が相続放棄する場合の注意点

生前贈与を受けていた方が相続放棄を考える場合、いくつかの重要な注意点があります。これらを知らずに手続きを進めてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれたり、相続放棄が認められなくなったりする可能性もあるので注意しましょう。

被相続人の債権者から詐害行為取消権の訴訟を起こされる可能性がある

被相続人に多額の借金があったにもかかわらず、その借金を返済できるような財産がほとんど残っておらず、その直前に多額の生前贈与が行われていた場合、債権者(お金を貸していた側)から「詐害行為取消(さがいこういとりけし)」の訴訟を起こされる可能性があります。

これは、債務者である被相続人が債務超過の状態であることなどを知りながら、債権者を害する目的で(あるいは害する結果になることを知りながら)行った財産処分(この場合は贈与)を債権者が取り消し、財産を元に戻させる権利です。

通常の生前贈与であれば、このような訴訟を起こされる可能性は低いですが、贈与時にすでに被相続人が多額の債務を抱え返済不能な状況であったなど、詐害行為取消権を行使できる条件が整っている場合、弁護士などの専門家に相談した方がいいでしょう。

相続放棄しても生前贈与財産に相続税がかかる可能性がある

相続放棄をしても、生前贈与された財産に相続税が関わってくる可能性はあります。これは、相続放棄によって「相続人としての立場」は失われるものの、過去に受けた「贈与」そのものの税務上の取り扱いとは直接関係しないためです。

特に、以下の贈与には注意が必要です。

【相続税の対象となる贈与財産】相続時精算課税による贈与

相続時精算課税制度は、特定の条件下で生前贈与を行った場合に、その贈与税を相続発生時に精算する制度です。

この制度を利用して贈与された財産は、相続放棄をしたとしても、相続税の計算対象(精算の対象)となります。これは、相続時精算課税制度自体が、将来の相続税を「前払い」のような形で精算することを前提としているためです。

【相続税の対象となる贈与財産】暦年課税によって相続発生前7年以内の贈与

暦年課税(れきねんかぜい)とは、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が基礎控除額(110万円)を超える場合に贈与税がかかる贈与税の課税方式です。

通常、相続が発生した場合、相続または遺贈で財産を取得した人が、相続開始前7年以内に被相続人から受けた暦年課税の贈与は、相続税の計算対象に加算されます。これは、亡くなった方が生前に相続税対策として駆け込みで贈与することを防ぐためのルールです。

しかし、相続放棄をして相続人ではなくなった場合、この7年以内の贈与が相続税の計算に加算されることはなく、相続税はかかりません。

相続放棄するかどうかの判断は3カ月以内に行う必要がある

相続放棄の手続きには、厳格な期限が設けられています。原則として、自己のために相続があったことを知った時(通常は被相続人の死亡を知った時)から3カ月以内に、家庭裁判所へ申述(申立て)を行う必要があります。この3カ月の期間を「熟慮期間(じゅくりょきかん)」と呼びます。

この期間内に、相続財産(プラスの財産もマイナスの財産も)を調査し、相続放棄をするかどうかの判断を下さなければなりません。もしこの期間を過ぎてしまうと、原則として相続を承認したものとみなされ、後から相続放棄をすることは非常に困難になります。

遺産を処分したり使用すると相続放棄できなくなる

相続が開始された後、被相続人の遺産を自分の意思で「処分」したり「使用」したりすると「単純承認」したとみなされ、相続放棄ができなくなってしまいます。単純承認とは、被相続人の借金も含めて、全ての財産を無条件に相続することを承認することです。

例えば、以下のような行為は単純承認とみなされる可能性があります。

単純承認とみなされる行為

  • 被相続人の預貯金を引き出して、自分のために使ってしまう
  • 被相続人名義の不動産を売却してしまう
  • 被相続人の高価な遺品や形見分けの範囲を超えた財産を、自分のものにしてしまう
  • 被相続人の借金を一部でも返済してしまう

生前贈与で受け取った財産は、被相続人の死後の「遺産」には含まれませんが、相続開始後に遺産に手をつけてしまうと、相続放棄ができなくなるリスクがあるため注意が必要です。

負債を引き継がないために相続放棄以外にできる対策

もし被相続人に借金があることが判明し、その負債を引き継ぎたくないと考えた場合、相続放棄以外にも検討できる対策があります。

被相続人が生前に債務整理をしておく

最も確実なのは、被相続人自身が生きているうちに、借金問題を解決しておくことです。債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生など複数の方法があります。

被相続人が生前に債務整理(任意整理、自己破産、個人再生など)を進めることで、問題が解決されれば、残された家族に負債を引き継がせる心配を大幅に減らすことができます。もし被相続人が生前に借金に苦しんでいるようであれば、債務整理の専門家への相談を勧めることも重要な対策となります。

限定承認を検討する

限定承認とは、相続財産のプラスの範囲内でだけマイナスの財産(負債)を精算し、もしプラスの財産が余ればそれを引き継ぐ、という相続方法です。

「プラスの財産もあるけれど、借金がいくらあるか分からない」「家などの特定の財産は残したいけれど、それ以上の借金を抱えたくない」といった場合に検討される選択肢です。

相続放棄が「一切の相続をしない」のに対し、限定承認は「プラスの範囲内で清算する」という点が異なります。しかし、限定承認は相続人全員が共同で行う必要があり、手続きが複雑で時間や費用がかかるというデメリットもあります。

生前贈与財産や負債の取り扱いに困ったら専門家に相談しよう

生前贈与の有無、相続財産の詳細、負債の状況、そして相続人の関係性など、相続の状況は一つとして同じものはありません。また、相続税や贈与税、相続放棄の手続きには専門的な知識や判断が求められます。

特に、生前贈与を受けている方が相続放棄を検討する場合、「遺産の処分」とみなされる行為の線引きや、税務上の影響など、ご自身だけで正確に判断するのは難しいでしょう。

VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談をワンストップで対応しています。生前贈与の履歴を踏まえた相続税・贈与税のアドバイスはもちろん、相続放棄の手続きサポート、遺言書作成支援まで、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。

「これで本当に大丈夫なのかな?」と少しでも不安を感じたら、まずは私たち専門家にご相談ください。初回のご相談は無料で承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

業界トップクラスの申告実績

VSG相続税理士法人ならではの専門性

日本最大級の実績とノウハウで、あなたにとって
一番有利な
相続アドバイスをいたします。
気軽なご質問だけでも構いません。

全国対応可能!今すぐ無料で相談 0120220137

テーマから記事を探す

業界トップクラス。VSG相続税理士法人ならではの専門性

日本最大級の実績とノウハウで、あなたにとって一番有利な相続アドバイスを致します。気軽なご質問だけでも構いません。
ご自身で調べる前に、無料相談で相続の悩みを解決して下さい。 [親切丁寧な対応をお約束します]

当サイトを監修する専門家

古尾谷 裕昭

税理士:古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士。
昭和50年生まれ、東京都浅草出身。
相続は時間もかかり、精神や力も使います。私たちは、お客様の心理的な負担や体力的な負担を最小にして、少しでも早く落ち着いた日常に戻れるように全力でお手伝いします。
プロフィール

三ツ本 純

税理士:三ツ本 純

VSG相続税理士法人税理士。
昭和56年生まれ、神奈川県出身。
相続税の仕事に携わって13年。相続税が最も安く、かつ、税務署に指摘されない申告が出来るよう、知識と経験を総動員してお手伝いさせていただきます。
プロフィール

税理士・元国税調査官:桑原 弾

VSG相続税理士法人税理士。
昭和55年生まれ、大阪府出身。
大卒後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した税理士としての知識」と「元税務調査官としての経験」を両輪として活かした相続税申告を実践中。
プロフィール

行政書士:本間 剛

VSG行政書士法人 代表行政書士。
昭和55年生まれ、山形県出身。
はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。
プロフィール

司法書士:田中 千尋

VSG司法書士法人 代表司法書士。
昭和62年生まれ、香川県出身。
相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。
プロフィール

弁護士:川﨑 公司

VSG相続税理士法人運営協力/VSG弁護士法人(https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/) 所属弁護士。
新潟県出身。
相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。
プロフィール

税理士:高山 弥生

VSG相続税理士法人 税理士。
相続は、近しい大切な方が亡くなるという大きな喪失感の中、悲しむ間もなく葬儀の手配から公共料金の引き落とし口座の変更といった、いくつもの作業が降りかかってきます。おひとりで悩まず、ぜひ、私たちに話してください。負担を最小限に、いち早く日常の生活に戻れるようサポート致します。
プロフィール