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最終更新日:2026/1/22

合同会社の役員報酬はどう決める?相場・期限・0円の可否と議事録の書き方を徹底解説

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

合同会社の役員報酬はどう決める?相場・期限・0円の可否と議事録の書き方を徹底解説

合同会社を設立した社長で「自分の給料(役員報酬)はいくらにしよう?」と悩んでいる方が多いと思います。

結論から伝えると、合同会社の役員報酬は「事業年度開始から3カ月以内」に決める必要があります。もしこの期限を過ぎたり、期中に適当な金額へ変更したりすると、支払った報酬が税務上の「損金(経費)」として認められなくなります。

例えば、利益が出たからといって期中に役員報酬を月額20万円から50万円に増やした場合、差額の30万円分には法人税(実効税率約30%と仮定)がかかり、年間で約108万円もの余計な税負担が生じる計算になります。

「そもそも自分一人だけの会社で役員報酬を0円にしてもいい?」「銀行融資を受けるならいくらが妥当?」といった、ネットで調べてもなかなか答えが出ないリアルな疑問について解説していきます。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

1分でわかる!合同会社の役員報酬の基本

合同会社を運営する上でまず理解すべき点は、経営者が受け取るお金の性質です。

株式会社とは異なり、合同会社には法律上の「取締役」という役職は存在しませんが、出資を行い実務を執行する「業務執行社員」や、会社を代表する「代表社員」に支払う対価は、税務上すべて役員報酬として扱われます。一般従業員の給与とは異なり、利益が出た月だけ自由に金額を増減させることは認められません。

役員報酬を会社の経費(損金)として計上し、法人税を適正に抑えるためには、以下の表に示す「3つの厳格なルール」を遵守する必要があります。

具体的な内容 遵守しなかった場合のリスク
定期同額給与 1事業年度の間、毎月同じ金額を支給する。例えば月額30万円と決定した場合、12か月間1円の変動も認められない 期中に増額した際の「増額分」、あるいは不適切な減額をした際の「当初との差額」が損金不算入(経費にならない)となる
事前確定届出給与 役員への賞与(ボーナス)が該当する。支払う時期と金額をあらかじめ税務署へ届け出る必要がある 届出を提出していない場合や、届け出た支給日・支給額が実際と違った場合、全額が経費として認められない
3カ月以内の決定 会社設立日、または新しい事業年度が開始してから3カ月以内に報酬額を確定させなければならない 期限を過ぎてから決定した報酬や、遡って設定した報酬は、税務上の経費として一切処理できなくなる

なぜこれほど厳しい制約があるのかという理由は、役員報酬を自由に操作できると、利益が出そうな時にだけ報酬を増やして意図的に法人利益を圧縮する「利益操作」が容易になってしまうからです。

特に注意が必要なのは設立1期目における「3カ月ルール」の起算日です。例えば、10月10日に会社を設立した場合、3カ月後の12月末までに報酬額を決定し、書面に残す必要があります。

この期限を徒過して決定した場合、例えば月額40万円の報酬を支払っていても、年間の支給総額480万円に対する法人税(実効税率約30%と仮定)約144万円が、経費として認められないことによって追加の納税負担となるリスクが生じます。

また、合同会社は所有と経営が一致しているケースが多いですが、報酬決定のプロセスを明確にするため、必ず「総社員の同意」を得た証拠として、同意書や議事録を作成し保存してください。これは、将来的に日本政策金融公庫等から融資を受ける際、会社のガバナンスが適正に機能しているかを証明する重要な書類となります。

参考:役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)|国税庁

役員報酬はいくらにすべき?失敗しないための「3パターン比較」

役員報酬の金額設定は、会社の財務状態を左右する最も重要な意思決定の一つです。一度決定すると原則として1年間変更できないため、「所得税・住民税」「社会保険料」「法人税」の3つの指標を総合的にシミュレーションする必要があります。

会社の状況に合わせて、代表的な「3つの設計パターン」をまとめました。

ここでは、年間利益(役員報酬控除前)が1,000万円のモデルケースを想定して解説します。

3つの設計パターン

  1. 節税・所得分散型:節税を優先する場合の考え方
  2. 会社資金温存型:融資や事業拡大を優先する場合の考え方
  3. マイクロ法人型(副業等):社会保険料の「壁」を意識した設定

1.節税・所得分散型:節税を優先する場合の考え方

概要と金額の目安 役員報酬を月額約70万円(年収840万円)に設定
メリット 給与所得控除(年収840万円なら194万円)を最大限活用し、法人利益を圧縮して法人税を最小化できる
デメリット 個人の所得税・住民税に加え、社会保険料の負担が大きくなる

個人の所得税・住民税よりも法人税率の方が高い場合、役員報酬を増やして法人の利益を削る方が、グループ全体の納税額は少なくなります。

例えば、法人利益を0円に近づけるよう報酬を設定した場合、法人税の最低負担分である均等割の年間7万円のみに納税額を抑えることが可能です。

ただし、役員報酬が年収800万円を超えてくると、個人の所得税率が段階的に上がるため、「法人税 vs 所得税」の逆転現象が起きないよう、税理士等の専門家による精緻な計算が不可欠となります。

2.会社資金温存型:融資や事業拡大を優先する場合の考え方

概要と金額の目安 役員報酬を月額20万円(年収240万円)程度に抑える
メリット 会社に現預金が残るため、日本政策金融公庫などの金融機関から「自己資金が厚い」と評価され、融資審査で有利に働く
デメリット 法人利益が約760万円残るため、法人税等(実効税率約23〜34%)の負担が重くなる

近い将来、設備投資や運転資金として融資を受ける予定があるなら、あえて役員報酬を低く設定し、「経常利益」をしっかりと確保すべきです。銀行などの金融機関は、損益計算書上の利益を重視します。

役員報酬を高く設定しすぎて会社が赤字の状態では、「債務超過」と判断され、希望額の融資を受けられないリスクが生じます。目安として、「役員報酬を支払った後でも、年間利益の10%以上が手元に残る」設定にすることで、健全な経営状態を対外的に証明できます。

3.マイクロ法人型(副業等):社会保険料の「壁」を意識した設定

概要と金額の目安 役員報酬を月額6万3千円未満(年収75万6千円未満)に設定する
メリット 社会保険料を最低ランクに抑えることが可能。所得税もかからない
デメリット 個人の生活費を別途確保する必要があり、会社としての信用力(売上規模)は低く見られがち

会社には、原則として社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務が生じます。東京都の例では、役員報酬が月額10万円の場合、会社と個人の合計負担額は月額約2.8万円(年間約34万円)となります。

この負担を考慮した上で、それでも役員報酬を支払うことによる節税メリット(経費化)が上回るかどうかを判断基準にしてください。

もし過去の事業で赤字があり「繰越欠損金」を保有している場合は、あえて報酬を低くして法人の利益と相殺させる方が、キャッシュフローが改善するケースもあります。

【独自】役員報酬「0円」はアリ?ナシ?の最終判断

合同会社の設立直後や、会社員として働きながら「マイクロ法人」を運営する場合、役員報酬を0円(無報酬)に設定して良いかという相談を多くいただきます。結論から言うと、法務・税務上の手続きを正しく行えば、役員報酬を0円に設定すること自体に制限はありません。

ただし、0円に設定することで得られる利益と、将来的に被るリスクを以下の比較表で正確に把握しておく必要があります。

役員報酬「0円」の場合 役員報酬「月額6万3千円未満」の場合
社会保険(健康保険・厚生年金保険) 加入義務が発生しない
個人の負担を増やさず、法人の現預金を温存できる
加入義務が生じる
東京都の場合、個人・会社合計で月額約1.4万円(年間約17万円)の負担となる
税務上のメリット なし
給与所得控除(最低55万円)を利用できず、法人側に利益が残りやすくなう
あり
年収約100万円くらいまでは所得税・住民税が課されず、法人税のみを効率的に圧縮できる

0円にするメリット

役員報酬を0円にする最大のメリットは、会社負担分の社会保険料を完全にカットできる点です。

例えば、無理をして役員報酬を月額20万円に設定した場合、会社負担分の社会保険料は年間で約36万円に達します。

売上が不安定な創業1年目において、この金額を固定費として支払わずに済むのは、キャッシュフローを維持する上で極めて強力な手段となります。

0円のデメリットとリスク

役員報酬を0円に設定した際、最も注意すべきなのは「個人の生活費」の扱いです。役員報酬が0円であるにもかかわらず、個人の生活費が不足し、会社の預金口座から「仮払金」として出金してしまうケースが後を絶ちません。

これが決算書に「役員貸付金」として残ると、税務署からは「実質的な役員賞与ではないか」と疑われ、最悪の場合は損金不算入として追徴課税の対象となります。

さらに銀行からは「公私混同が激しい会社」と判断され、今後の融資が一切受けられなくなるリスクを孕んでいます。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
本業の会社に副業を知られたくない場合、役員報酬を0円に設定すれば、住民税の金額に変動が生じないため、勤務先へ副業が判明するリスクを物理的に排除できます。
もし会社から報酬を受け取る場合は、確定申告時に住民税を「普通徴収(自分で納付)」に変更する手続きが必要ですが、自治体によっては役員報酬に対して特別徴収(給与天引き)を強制するケースもあります。
確実に秘匿したいのであれば、「利益が出るまで1期目は0円」という選択は非常に合理的な防衛策です。

参考:適用事業所と被保険者|日本年金機構

期中変更はできる?「どうしても変えたい」時のレスキューガイド

事業を運営していると、予想以上に利益が出たため役員報酬を増やしたくなったり、逆に資金繰りが苦しくなり報酬を減らしたくなったりする場面があります。

しかし、税務上の大原則として、役員報酬の変更は「事業年度開始から3カ月以内」の年1回に限られており、期中の恣意的な変更は厳しく制限されています。

まずは、どのような場合に変更が認められ、どのような場合に認められないのかを以下の比較で整理します。

原則不可のケース

  • 利益が予想より出たため節税したい、または資金に余裕ができたといった「利益調整」目的の変更。増額した分の差額が損金不算入となり、法人税が課税されます。
例外的に可のケース

  • 職制上の地位の変更(平の業務執行社員から代表社員に就任した等)。変更後の全額が損金(経費)として認められます。
  • 経営の著しい悪化(主要取引先の倒産や大規模な不祥事等)により、第三者である債権者との関係で減額せざるを得ない場合。減額後も損金として認められますが、一時的な資金繰り悪化では認められません。

期中増額による「損金不算入」の具体的な損失額

例えば、当初月額20万円と設定していた役員報酬を、利益が出たために期中の7か月から月額50万円に増額した場合を想定します。

この増額分である30万円×残り6か月=180万円は、会社の会計上は費用となりますが、税務上は損金として認められません。 実効税率を30%と仮定すると、経費で落としていれば支払わずに済んだはずの54万円(180万円×30%)が、追加の法人税として徴収されることになります。

つまり、個人の手取りを増やすために会社からお金を出したにもかかわらず、会社側でも多額の税金を二重に負担する結果となります。

減額が必要になった場合の「臨時改定事由」

一方で、どうしても報酬を減らさなければ倒産のリスクがある場合、「経営進展事由」や「臨時改定事由」として認められる可能性があります。

ただし、単に「目標売上に届かなかった」程度の理由では認められません。 具体的には、銀行との間で返済猶予(リスケジュール)の合意がなされた際や、売上が前年比で50%以上減少し、役員報酬を維持すると従業員の給与支払いに支障をきたす場合など、客観的な証拠が必要です。

この判断を誤ると、減額する前の高い報酬額に基づいた過大な法人税が算出されるリスクがあるため、慎重な判断が求められます。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
もし、決めた報酬を支払う現金が手元にない場合は、金額を変更するのではなく、一旦支給をしたのち、すぐに法人に役員からの借入金としてお金を戻すことで定期同額給与として認められます。
後日、会社のキャッシュフローが改善した際に役員借入金の返済としてまとめて支払えば、税務上の損金性を損なうことなく、当座の資金繰りをしのぐことができます。
ただし、源泉所得税の納付期限(原則として翌月10日)は、実際に支払っていなくても発生する点に注意が必要です。

参考:役員給与に関するQ&A(改訂版)|国税庁

【コピペOK】合同会社の役員報酬決定「必要書類」と記載例

合同会社の役員報酬を決定した際、その事実を証明するための書類作成は、税務調査対策において最も重要な工程です。

役員報酬の金額を決定した後は、必ず「その金額が会社の正当な手続きを経て決定されたこと」を証明する書面を作成しなければなりません。

合同会社には株式会社のような「株主総会」の概念がありませんが、会社法第348条などの規定に基づき、定款に別段の定めがない限り、業務執行社員の過半数の一致、あるいは総社員の同意が必要となります。

参考:会社法第348条 | e-Gov 法令検索
参考:会社法第590条 | e-Gov 法令検索

まずは、作成すべき書類は下記となります。

書類 場合 概要
総社員の同意書 全ての社員(出資者)が業務執行権を持つ場合 最も確実なエビデンス。全社員の署名・捺印により、報酬額の合意を証明する
業務執行社員の決定書 一部の社員のみが業務執行権を持つ場合 実務を担う社員たちの決定事項として残す。1人代表の場合も、決定の事実を記録する
役員報酬に関する議事録 社員が複数名おり、会議体で決定した場合 決定に至るプロセス(議論の記録)を明確にし、税務調査時の説明能力を高める

【コピペ用】総社員同意書の記載例

以下の形式をコピーして、ご自身の会社の情報に書き換えて使用してください。特に「第〇期」や「支給開始月」の数値に誤りがないよう注意してください。

総社員同意書

  • 第[〇]期における役員報酬の額 業務執行社員 [氏名] に対する報酬額を、月額 [300,000] 円と決定した。
  • 支給時期 毎月 [25] 日に支給するものとする。
  • 改定の効力発生日 本決定による報酬額は、令和 [〇] 年 [〇] 月分([〇] 月支給分)より適用する。
  • 上記の事項について、社員全員の同意を得たことを証するため、本同意書を作成し、各社員が記名押印する。
  • 令和 [〇] 年 [〇] 月 [〇] 日 [会社名] [社員A 氏名]  印 [社員B 氏名]  印
税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
「自分1人だけの会社なのだから、同意書は不要ではないか」という疑問を持たれる方が非常に多いですが、1人社長であっても作成は必須です。
税務調査官は、会社のお金と個人の財布が明確に区別されているかを厳しくチェックします。 例えば、月額50万円の報酬を支払っている場合、その根拠となる決定書が存在しないと、極端なケースでは「社長が勝手に会社のお金を持ち出した(役員貸付金)」と判断されるリスクがあります。
作成日は必ず「期首から3カ月以内」の日付とし、法人の実印(代表者印)を押印して大切に保管してください。

提出は不要だが「保存」が義務

総社員の同意書などの書類は、税務署や法務局へ提出する義務はありません。しかし、法人税法上、帳簿書類の一部として「10年間(税務上は7年間)」の保存義務があります。

もし、保存を怠っている期間に税務調査が入った場合、定期同額給与であることを書面で立証できず、年間支給額360万円(月額30万円の場合)に対する法人税約108万円(実効税率30%)が経費として認められず、即座に追徴課税の対象となる恐れがあります。

まとめ|後悔しない役員報酬の決め方

合同会社の役員報酬は、一度金額を確定させると1年間は変更が許されない、いわば「会社の運命を決める数字」です。

この重要な意思決定において最も優先すべきなのは、事業年度開始から3カ月以内に金額を確定させ、その根拠となる「総社員の同意書」を遅滞なく作成することです。

たとえ代表社員があなた一人の会社であっても、書面によるエビデンスがなければ、税務調査の際に年間数百万円規模の報酬が経費(損金)として否認され、多額の追徴課税を招くリスクが生じます。

金額の決定にあたっては、目先の節税だけでなく、中長期的な資金繰りを見据える必要があります。

例えば、将来的に日本政策金融公庫から1,000万円規模の融資を受ける計画があるなら、役員報酬をあえて低く抑え、決算書上でしっかりとした利益(自己資本)を積み上げておくべきです。

逆に、個人の手取りを最大化したいのであれば、給与所得控除などの税制メリットを計算に入れつつ、社会保険料の負担増を上回る節税効果が得られるポイントで報酬額を設定してください。

最後に、役員報酬の運用で最も避けるべきなのは、ルールの形骸化です。「定期同額給与」の原則を守り、毎月決まった日に同額を支給し続けるという基本を徹底してください。もし売上が急増して利益が大幅に残ったとしても、期中に報酬を増額して利益調整を行うことは、税務当局から「不当な利益操作」とみなされる原因となります。

この記事で提示した判断基準と実務手順を遵守し、会社の財務基盤をより強固なものにしていきましょう。

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