この記事でわかること
- 寄与分主張整理表とはどのような書類なのか知ることができる
- 寄与分主張整理表の作成方法や記載内容がわかる
- 寄与分を主張する流れの中でいつ寄与分主張整理表を使うかわかる
家庭裁判所で寄与分の調停や審判を行う際には、様々な書類の提出が必要となります。
その書類の中に、「寄与分主張整理表」と呼ばれる書類が含まれます。
寄与分主張整理表とはどのような書類で、どのように作成するものなのでしょうか。
また、寄与分を主張する際、どのタイミングで必要になるのでしょうか。
目次
寄与分主張整理表とは
寄与分主張整理表とは、家庭裁判所で寄与分についての調停を申し立てる際に必要となる書類です。
寄与分を主張する相続人は、遺産分割でその主張が認められないと、家庭裁判所に調停を申し立てることとなります。
家庭裁判所に調停を申し立てる際は、自身の主張をすべて書面にまとめる必要があります。
しかし、寄与分の主張に関する内容は多岐にわたるため、書類が膨大なものとなってしまうことがあります。
また、大量の書類を準備したにもかかわらず、寄与分の主張に必要不可欠な書類が不足していることも考えられます。
そこで、寄与分の主張に必要な項目をまとめて記載できるよう、寄与分主張整理表という書類が用意されています。
寄与分主張整理表の作成方法・書き方
寄与分主張整理表とはどのような書類なのか、そしてそこにはどのような内容を記載するのか、ご紹介していきましょう。
寄与分主張整理表の書式
寄与分主張整理表は、家庭裁判所で寄与分を主張する相続人が、申立ての際に家庭裁判所に提出する書類です。
家庭裁判所により若干の違いはあり得ますが、おおよそ次のような項目を記載する書式となっています。
時期 | 平成28年3月~令和3年4月(5年1か月) |
---|---|
寄与行為の具体的内容 | 仕事を退職した後、被相続人の自宅に同居し、日常生活の面倒全般の面倒をみた |
財産の維持・増加との因果関係 | 介護施設に入居しなかったので、介護にかかる費用の支出が抑えられた |
対価の有無 | 無し |
証拠資料 |
|
それぞれの項目ごとに、寄与分の主張に沿った内容となるよう記載していきます。
実際の記載内容は、寄与の内容や種類によって異なります。
家事に従事した人の記載方法
被相続人が営む事業に従事した相続人が記載する場合です。
この場合、無償あるいはかなり低い金額の給与で事業に従事していたことがポイントとなります。
この点は「対価の有無」の項目に、はっきりと明記する必要があります。
証拠資料としては、被相続人の事業の状況を示す税務申告書や決算書類、会計帳簿などがあります。
また、寄与分を主張する人が給与を受け取っていないことを示す通帳や、確定申告書などもそろえておきましょう。
被相続人を介護した人の記載方法
被相続人の介護を行った相続人は、寄与分を主張することができます。
この場合、被相続人が介護を必要とする状況にあり、自宅で介護を行っていたことが重要です。
また、無償で介護を行っていたこと、生活費も相続人が負担していたことが求められます。
これらの情報を寄与分主張整理表に記載していきましょう。
また、証拠資料として被相続人の状況がわかるもの、実際に行った介護の記録、被相続人の収入状況などを準備しておきます。
寄与分を請求する流れ
寄与分を主張する相続人は、どのような流れで寄与分を主張することとなるのでしょうか。
相続が発生してからの時間の流れを確認しておきましょう。
遺産分割協議
寄与分を主張する相続人は、まず遺産分割協議の場で寄与分の主張をしなければなりません。
遺産分割協議は、相続が発生してからいつまでに成立しなければならないという期限はありません。
そのため、相続が発生してから何年経過していても、遺産分割協議が終わっていなければ寄与分を主張できます。
また、寄与分が発生する原因となった事実がいつ行われたものであってもよいため、古い事実に基づいた主張もできます。
ただ、寄与分の主張をするためには、証拠となる書類を他の相続人に提示しなければなりません。
あまりに古い事実を根拠としても証拠書類を提出できないため、書類を用意できるものだけ整理しておきましょう。
家庭裁判所での調停
遺産分割協議が不調に終わった場合、寄与分を主張する相続人は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
寄与分についての調停を申し立てる時には、多くの書類が必要となりますが、寄与分主張整理表もこの時に準備します。
家庭裁判所に調停を申し立てると、調停委員を介して当事者同士の話し合いが行われます。
ただ、調停委員が寄与分についての決定をするわけではないため、調停が成立しないことも多くあります。
家庭裁判所での審判
調停が成立しないと、引き続き家庭裁判所で審判が行われます。
審判は、裁判官に対して双方が主張を行い、最終的にどちらの主張が妥当かを裁判官が判断するものです。
裁判官の判断は、法的な強制力を持つものであり、双方の当事者はこの判断に従わなければなりません。
まとめ
寄与分を主張する相続人は、自身でその根拠をまとめ、金額を算定しなければなりません。
ただ、寄与分を主張する材料は数多くある一方、必要のないものもあるため、整理して主張する必要があります。
寄与分主張整理表は、寄与分の主張に必要不可欠なポイントを押さえた書類です。
寄与分を主張する際に必要な網羅しているため、この書類を作成することから始めていきましょう。
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