相続の相談は、誰にすればよいのでしょうか?
相続は、一生のうちに何度も経験するものではないため、どこで誰に相談すればよいかわからないとお悩みの方は多いでしょう。
この記事では、相続に関する疑問やお悩みの内容ごとに、弁護士や税理士などの最適な相談先を解説します。相続の無料相談や相続手続きを専門家に依頼する場合の費用についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 相続の相談をどこで誰にすればよいか
- 税理士に相続税の相談をするメリット・デメリット
- 弁護士・司法書士・行政書士に相談するメリット・デメリット
- 市区町村役場・税務署・銀行・信託銀行・法テラスに相談するメリット・デメリット
目次
相続はどこに相談する?弁護士、税理士、司法書士、行政書士の違い
動画の要約相続が発生した際、税金や不動産の問題、財産の分け方について適切な専門家に相談することが重要です。弁護士、税理士、司法書士、行政書士の役割を理解し、問題ごとに相談先を選ぶことが推奨されます。
相続の相談先一覧
相続については、疑問やお悩みの内容に応じて、以下のような相談先に相談できます。
相談先 | 相談できること |
---|---|
弁護士 | 相続トラブルや相続全般に関すること |
税理士 | 相続税申告など税金に関すること |
司法書士 | 相続登記や民事信託など |
行政書士 | 戸籍等の収集や書類作成など |
市区町村役場 | 相続に関する基本的なこと |
税務署 | 相続税に関する基本的なこと |
銀行・信託銀行 | 金融資産の運用など |
法テラス | 経済的な余裕がないときに |
相続トラブルや相続全般の問題は「弁護士」へ
弁護士には、相続トラブルや相続全般に関することを相談できます。
- 相続人間の紛争解決
- 遺産分割協議書の作成
- 遺言書検認の申立て
- 相続放棄の申立て
- 法定相続人の調査(戸籍謄本等の収集)
- 相続財産の調査(残高証明書等の収集)
裁判所の令和5年司法統計によると、家庭裁判所で遺産分割が争われた件数は13,872件で、うち遺産の総額が5,000万円以下の割合は77.6%、ごく一般的な家庭で相続争いが発生しています。
弁護士に相談するメリット・デメリット
弁護士に相談すると、「遺産分割協議がまとまらず揉めている」「遺留分侵害額請求をしたい」など、さまざまな相続トラブルの解決に向けてサポートしてくれます。また、相続トラブルの解決だけでなく、遺言書の作成や遺言執行、相続トラブルを未然に防ぐための最善策の提案など、相続全般について幅広い業務に対応しています。
遺産分割をめぐって相続人同士でトラブルになった場合など、相続人同士での揉めごとに対応できるのは弁護士のみです。裁判などで依頼者の代理人になれるのは弁護士のみで、相手方と遺産分割交渉が必要な場合も弁護士しか代理人にはなれません。
弁護士であれば、相続に関する法的な手続き全般に対応できるため、相続人の代理人として相続争いの解決に向けて依頼することも可能です。遺産分割の交渉が行き詰まっているなど、相続トラブルが起こりそうな場合も、弁護士への相談がおすすめです。
ただし、弁護士は他の専門家と比較して、一般的に報酬が高額なため、弁護士への依頼を検討する場合は、費用面も含めてしっかりと確認しましょう。
弁護士へ依頼する場合の費用について、下記の弁護士法人ベンチャーサポート法人事務所のWebサイトで詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
参考: サービス一覧・料金表(弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所)
相続税や申告に関することは「税理士」へ
税理士には、相続税申告など税金に関することを相談できます。
- 相続税申告
- 税務調査への対応
- 生前対策、節税対策
- 法定相続人の調査(戸籍謄本等の収集)
- 相続財産の調査(残高証明書等の収集)
税理士に相談するメリット・デメリット
税理士に相談すると、「相続税がかかるかどうかわかはない」「相続税申告に不安がある」など、相続税に関するさまざまな疑問やお悩みに関して、専門的なアドバイスを受けられます。
相続税に関する業務は、税理士の専門分野であるため、相続税申告をはじめ、税務調査への対応、節税対策なども相談することができます。
相続税には、節税に繋がる特例や税額控除があるため、税理士のアドバイスをもとに活用すれば、節税効果が期待できます。相続税に関する疑問が生じたときは税理士に相談しましょう。
なお、税理士にはそれぞれ専門分野があり、法人税や所得税、相続税などすべての税目に精通しているわけではありません。相続税に関する相談は、相続税を専門とする税理士かどうかを確認の上、相談するようにしましょう。
税理士へ相続税申告を依頼する場合、税理士報酬の相場は遺産総額の0.5~1%となっています。税理士へ依頼する場合にかかる費用については、下記の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
相続登記や民事信託などは「司法書士」へ
司法書士には、相続登記や民事信託などについて相談できます。
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 民事信託や成年後見制度の手続き
- 預貯金の解約払い戻し
- 有価証券の名義変更
- 法定相続人の調査(戸籍謄本等の収集)
- 相続財産の調査(残高証明書等の収集)
司法書士に相談するメリット・デメリット
司法書士に相談すると、相続登記のような複雑な手続きをサポートしてもらえます。
相続登記の申請手続きは、必要書類が多く、手続きも複雑ですが、司法書士に依頼することでスムーズに登記手続きを進めることができます。なお、不動産の名義変更は弁護士も対応できますが、司法書士に任せるケースが一般的です。
司法書士には、相続登記だけでなく、家族信託などの民事信託や成年後見制度の手続きなども依頼することができます。ただし、相続税に関するアドバイスや相続トラブルへの介入などは、司法書士は対応できないため、税理士や弁護士に相談しましょう。
司法書士へ依頼する場合の費用は、依頼内容や依頼の状況に応じて異なります。詳しくは、下記の関連記事で解説していますので、ぜひご参照ください。
戸籍謄本等の収集や書類作成は「行政書士」へ
行政書士には、戸籍謄本等の収集や書類作成などについて相談できます。
- 自動車の名義変更
- 遺言書の作成支援
- 預貯金の解約払い戻し
- 有価証券の名義変更
- 法定相続人の調査(戸籍謄本等の収集)
- 相続財産の調査(残高証明書等の収集)
行政書士に相談するメリット・デメリット
行政書士に相談すると、相続における必要書類の作成や収集をサポートしてもらえます。
相続手続きは、戸籍謄本など必要書類が多く、それぞれの書類を取得するのにも手間がかかります。行政書士に依頼することで、書類の収集の手間などを省けるうえ、依頼費用も他の専門家と比べて安い傾向にあるため、依頼内容によっては費用を安く抑えられます。
なお、行政書士は、不動産の相続登記や相続税に関する相談、裁判所への提出書類の作成などはできません。これらは、依頼内容に応じて税理士などの他の専門家に依頼する必要があります。
行政書士へ依頼する場合の費用は、下記の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
相続の基本的な相談は「市区町村役場」でも可能
市区町村役場の窓口では、相続に関する基本的なことを相談できます。
弁護士や税理士、司法書士、行政書士などの専門家の協力のもと、無料で相談できる場を設けている場合があります。市区町村役場の無料相談は、一般的に事前予約制で、相談時間は30分程度に制限されています。
市区町村役場の無料相談は、無料で気軽に利用できることがメリットですが、相続に関する具体的なアドバイスは基本的に受けられません。一般的な相続手続きの流れや必要書類など、相続に関する基礎的なアドバイスに留まります。
あくまでも相続の基本的な知識を得るための機会とするのがよいでしょう。
相続税の基本的な相談は「税務署」でも可能
税務署では、相続税に関する基本的なことを相談できます。
相続税の申告書の提出先は、被相続人の住所地を所轄する税務署であるため、基本的には提出先の税務署に相談します。なお、被相続人の住所地が遠方のときは、一般的な質問内容であれば相談者の最寄りの税務署に相談することもできます。
税務署の窓口での相談は、相続税の申告方法や必要書類など、相続税に関する基本的な内容に限られます。具体的に相続税を計算して申告書を作成したり、相続人にとって有利な節税方法などのアドバイスをもらったりすることはできません。
なお、具体的に書類を確認する必要がある場合など、電話での相談が困難な相談内容の場合、あらかじめ電話で相談日時を予約することで、面接で相談することができます。
なお、税務署に相談すると相談履歴が残るため、たとえば、のちに提出した相続税申告書と相談内容が相違すると、税務調査につながる可能性もあるので留意しておきましょう。
参考: 税についての相談窓口|国税庁
金融資産の運用などは「銀行・信託銀行」へ
銀行・信託銀行では、金融資産の運用などについて相談できます。
銀行や信託銀行などの金融機関の多くも、相続に関する相談を受け付けています。被相続人名義の預貯金口座がある場合など、預貯金に関する疑問があるときには相談窓口の選択肢の一つとなります。
金融機関には、ファイナンシャルプランナーなどの資格を有する人もいます。こうした銀行などでは、預貯金だけでなく、相続に関する基本的なことも相談できる場合があります。
また、相続手続き専門のフリーダイヤルを設けているところもあり、相続が発生したときにスムーズに相談できることも魅力となっています。
遺産整理業務などを依頼できる金融機関もありますが、実際の業務は金融機関と提携している専門家が行うため、専門家に直接依頼する場合よりも費用は高額になる傾向があります。
経済的に余裕がない場合は「法テラス」の活用も
法テラスは、国が運営する法的トラブルを解決するための情報やサービスの提供を行う総合案内所です。
トラブルの内容に応じて、法制度や相談窓口を案内してくれます。また、経済的に余裕のない人には、無料の法律相談、弁護士や司法書士費用の立て替えも行っているため、安心して相談できます。
よくある質問|相続の相談について
ここでは、相続の相談について、よくある質問を解説します。
相続はまずどこへ相談すればよいですか?
相続の相談先には、弁護士、税理士、司法書士、行政書士、市区町村役場などがあります。
相続トラブルが発生しているときは弁護士へ、相続税申告が必要なときは税理士へ相談するとよいでしょう。相続税専門の税理士であれば、必要に応じて司法書士や行政書士なども紹介してくれます。
市区町村役場などは一般的な相談内容に限られるため、個別の具体的な相談をしたい場合は、専門家に直接相談しましょう。
相続の相談は無料でできますか?
税理士、司法書士などの専門家は、相続についての初回相談を無料としている事務所も多くあります。なお、弁護士は初回相談でも有料のところが多いため、利用するときは事前に確認しましょう。
無料相談の場合も、相続に関する専門家であれば、個別の具体的な相談に親身にのってくれます。実際に専門家に手続きを依頼する際の参考にもなるため、まずは無料相談を活用するとよいでしょう。
相続に関する疑問やお悩みは、弁護士・税理士・司法書士・行政書士が在籍するベンチャーサポートグループへ
相続税申告など税金に関することは税理士、相続登記や有価証券の名義変更などは司法書士、相続トラブルなどは弁護士、戸籍謄本の収集や自動車の名義変更などは行政書士など、専門家に相談できる内容はそれぞれ異なるため、相談内容によっては複数の専門家に相談する必要があります。
ベンチャーサポートグループであれば、弁護士・税理士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士が在籍しているため、相続に関するあらゆる疑問やお悩みについて、ワンストップでご相談いただけます。
相続専門税理士の無料相談をご利用ください
ご家族の相続は突然起こり、何から手をつけていいか分からない方がほとんどです。相続税についてはとくに複雑で、どう進めればいいのか? 税務署に目をつけられてしまうのか? 疑問や不安が山ほど出てくると思います。
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