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最終更新日:2025/12/18

残高証明書とは?取得する方法と相続手続きに必要な理由を解説

古尾谷 裕昭
この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

VSG相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、立川、千葉、埼玉、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡などの全国の主要都市24拠点にオフィス展開し、年間3,000件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】

記事の要約

  • 残高証明書は、金融機関の口座にどれほどの預貯金・株式が入っているのかを証明してくれる書類
  • 相続手続きでは、主に「遺産分割協議」や「相続税申告」をする際に必要となる
  • 取得するには、金融機関に「発行依頼書」と「戸籍謄本などの添付書類」を提出する

「相続手続きに残高証明書が必要らしいけれど、どんな書類なの?」「どうやって取得すればいいの?」

「残高証明書」は、金融機関の口座にどれほどの預貯金や株式が入っているのかを公的に証明してくれる書類です。

相続の場面では、被相続人が亡くなった時点での口座の残高を確認できることから、遺産分割協議や相続税申告の際に必要となります。

この記事では、残高証明書の概要を確認したうえで、取得の流れをわかりやすくお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続手続きをスムーズに進めるためのお手伝いをしておりますので、当事務所のサービスにご興味のある方は、下記からお気軽にご連絡ください。

分からない・急いでいる方はお気軽にお電話ください!相続の専門家による無料相談相続の専門家による無料相談

▼「残高証明書」については、下記の動画でも解説しています

関連動画

残高証明書とは?

この記事の流れ1

残高証明書は、銀行や証券会社などの金融機関が、「特定の時点」における口座の残高がいくらであったかを公的に証明してくれる書類です。

相続の場面では、「被相続人が亡くなった時点」での口座の状況を把握するために取得します。

相続手続きで必要となるのは、主に銀行が発行する「預貯金の残高証明書」と、証券会社が発行する「有価証券の残高証明書」の2種類です。

預貯金の残高証明書のイメージ

有価証券の残高証明書のイメージ

「通帳」ではなく「残高証明書」が必要な理由

ここまでお読みいただいて、「銀行口座の残高なら、通帳を見ればわかるのでは?」と思われたかもしれません。

たしかに、通帳でも残高を確認できます。しかし、相続手続きにおいては、通帳だけでは「相続開始日」時点の「正確な」残高を証明するには不十分だと考えられます。

たとえば、次のようなケースでは、「通帳に記載された最終残高」と「亡くなった日時点での実際の残高」が一致しません。

ケース

  • 故人が最後に記帳した後、亡くなるまでの間にATMで現金を引き出していた
  • 亡くなった当日に年金の振り込みがあったが、まだ通帳には記帳されていなかった

また、残高証明書の発行と併せて、「名寄せ」という手続きをすることで、同じ金融機関に持っていた別の口座が見つかることもあります。

名寄せとは?

その金融機関のすべての支店に「特定の名義人(相続の場面では故人)」の口座がないか、調査してもらう手続きのこと。

残高証明書の発行を依頼する際に、同時に手続きできるのが一般的。

以上のことから、相続手続きを進めるうえでは、通帳だけではなく「残高証明書」の提出も求められます。

残高証明書を取得するための流れ

この記事の流れ2

ここからは、残高証明書を取得する流れを、次の6ステップでお伝えします。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

ステップ1:請求できる人を確認する

ステップ1

まずは、「金融機関で残高証明書を請求できる人」を確認しましょう。

残高証明書は、法定相続人が「1人」で発行の手続きができて、ほかの相続人からの同意書などは不要です。

また、相続人以外にも、下記の人が残高証明書を請求できます。

請求できる人

もし「家事や仕事が忙しくて、手続きをする暇がない」という場合には、税理士や司法書士に依頼し、代理で取得してもらうのも一手です。

ステップ2:手続きによる口座凍結に備える

ステップ2

残高証明書の発行手続きをするなかで、金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結されます

口座が凍結した場合、下記のサービスが停止します。

ストップするサービス

  • ATMや窓口での預金の引き出し
  • 口座への入金
  • クレジットカード代金などの自動引き落とし

このため、必要に応じて「葬儀費用」などを事前に引き出しておくことをおすすめします。

なお、口座が凍結した後でも「仮払い制度」を活用すれば、一定額までの預金なら引き出しが可能です。

口座凍結や仮払い制度については、下記の記事で詳しくお伝えしているので、併せてご覧ください。

ステップ3:必要な書類等を準備する

ステップ3

続いて、残高証明書の発行手続きに必要なものを準備します。

実際に手続きをする際は、金融機関によって求められるものが微妙に異なるため、電話で問い合わせるのが確実です。

また、金融機関によっては「手続きに関するWebページ」を用意しているので、Googleなどで「〇〇銀行 相続」と検索してみてください。

参考まで、手続きをする際によく求められるのは、次のようなものです。

必要なもの 概要
被相続人の死亡を確認できる書類 戸籍謄本除籍謄本)など
請求者が相続人だと確認できる書類 ■ 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や、請求者自身の現在の戸籍謄本など
■ 「法定相続情報一覧図の写し」で代えられることも多い
請求者の本人確認書類 ■ 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど
請求者の実印・印鑑証明書 印鑑証明書は「発行後3カ月以内」など有効期限の指定があることも多い

故人の通帳やキャッシュカードが見つからなくても、上記のものがあれば手続きができることが多いので、ご安心ください。

ステップ4:発行依頼書を作成する

ステップ4

必要書類が揃ったら、金融機関が指定する「残高証明書の発行依頼書」を作成します。

発行依頼書の見本

残高証明・既経過利息証明依頼書の見本

引用元 残高証明・既経過利息証明依頼書|みずほ銀行

依頼書の様式は、下記のいずれかの方法で手に入ります。

入手方法

  • 窓口でもらう
  • 郵送してもらう
  • ホームページからダウンロードする

実際に記入する際のポイントは、「証明日(基準日)」を「被相続人が亡くなった日」にすることです。

相続手続きでは、「相続開始の時点」でどれほどの財産を持っていたのかを把握しなければなりません。

このため、残高証明書の基準日を「被相続人の死亡日( = 相続開始日)」以外にしてしまうと、取り直しになるのでご注意ください。

ステップ5:ほかに請求すべき書類を確認する

ステップ5

相続手続きを進めるうえでは、金融機関から「残高証明書」のほかに、「経過利息計算書※1」や「取引明細書(入出金明細)」も必要になることがあります。

書類 概要
経過利息計算書 ■ 故人が亡くなった日までに発生していたが、まだ支払われていなかった利息を確認できる書類
故人が持っていた口座が「定期預金」だった場合は、必ず相続手続きで必要となる
取引明細書 ■ その口座における、過去の入出金を確認できる書類
通帳が見つからなかった場合、過去5年分程度を請求しておくとよい

ご自身が置かれている状況に合わせて、これらの書類の発行も依頼しましょう。

なお、故人の口座が「普通預金」だった場合、実務上は「経過利息計算書」を取得しないケースがほとんどです。

これは相続税申告の際、普通預金で利息が少額のときは「預入残高」をそのまま評価額とする扱いが認められているからです。

財産評価基本通達

203 預貯金の価額は、課税時期における預入高と同時期現在において解約するとした場合に既経過利子の額として支払を受けることができる金額(以下203≪預貯金の評価≫において「既経過利子の額」という。)から当該金額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額を控除した金額との合計額によって評価する。
 ただし、定期預金、定期郵便貯金及び定額郵便貯金以外の預貯金については、課税時期現在の既経過利子の額が少額なものに限り、同時期現在の預入高によって評価する

引用元 国税庁Webサイト

※1
金融機関によっては「経過利息計算書」など、名称が異なる場合がある

ステップ6:金融機関で手続きする

ステップ6

すべての準備が整ったら、金融機関で残高証明書の発行手続きをします。

窓口へ出向いて手続きをする場合には、事前に連絡を入れてから訪ねると、スムーズに案内してもらえます。また、多くの金融機関では「郵送での依頼」も可能です。

なお、発行手数料は1通あたり「数百円〜1,000円」程度が相場で、証明書が手元に届くまでには「1~2週間ほど」かかるのが一般的です。

発行の手続きは意外と大変!

ここで紹介した残高証明書の発行手続きは、故人が口座を持っていた銀行のそれぞれで行わなければなりません。

そのため、口座の数が多いほど、手続きが大変になります。

さらに、「ゆうちょ銀行」の口座を持っていた場合、「相続確認表」という独自の書類の作成・提出も必要となり、より時間と手間がかかる点には注意が必要です。

以上のことから、私たちとしては「元気なうちに使っていない口座は解約し、数を減らしておく」ことをおすすめしています。

残高証明書に関するよくある質問

この記事の流れ3

最後に、残高証明書に関する、次の質問にお答えします。

Q1:残高証明書は、いつごろ取ればいい?

残高証明書は、なるべく早く取得することをおすすめします。

これは、もし故人に借金などが多くて「相続放棄」をする場合、その期限が「相続開始を知った日から3カ月以内」と決められているからです。

正確な残高がわからないと、「財産を引き継ぐべきか、放棄すべきか」の判断が遅れてしまいます。

また、その後の遺産分割協議相続税の申告を余裕を持って進めるためにも、早期の着手がカギとなります。

Q2:相続税の申告をしない場合も、取ったほうがいい?

相続税申告が不要な場合でも、残高証明書を取得することをおすすめします

これは、遺産分割協議をする際、銀行が発行した正式な証明書があることで、ほかの相続人から「財産隠し」を疑われるリスクを減らせるからです。

Q3:残高が少ない口座の分も必要?

相続税の申告が必要な場合は、残高が少ないものも含めて、すべての口座の残高証明書を取得するのがおすすめです

そうして取得した残高証明書を申告書に添付することで、「すべての財産を漏れなく確認した」という証拠になります。

一方、相続税申告をしない場合、残高が少ないことが明確なのであれば、残高証明書の必要性は薄いです。

ただし、相続人同士の仲が悪く、遺産分割協議で揉めそうなケースでは、通帳とともに「口座にほとんどお金が入っていない」ことを証明する書類として、発行しておくのも一手です。

相続手続きに不安があるなら専門家に相談しましょう

本記事では、残高証明書の概要と取得方法をお伝えしました。

「意外と手続きが大変そうだな……」と感じたかもしれませんが、残高証明書の取得は、あくまで相続手続きの「入り口」に過ぎません。

この後には「遺産分割協議」や「相続税の申告」など、まだまだ長い道のりが待っています。

もし、ご自身だけで手続きを進めることに不安があるのなら、相続の専門家を頼ってみてはいかがでしょうか。

当事務所でも、相続手続きのサポートをしております。初回の相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

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