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最終更新日:2025/4/30

所得税を安くする方法【サラリーマン編】今日からできる節税対策8選

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

サラリーマンの多くは勤務先で年末調整を受けており、自分で税金を計算する機会はほとんどないかもしれません。

確かに年末調整によって所得税の過不足が調整され、過払い分が還付される仕組みになっています。
しかし、実は確定申告を活用することで、さらに所得税を安くできる可能性があることをご存じでしょうか。

たとえば、医療費控除やふるさと納税、iDeCoの活用など、会社員でも実行できる節税対策は意外と多く存在します。
将来の資産形成を意識しながら、今すぐ取り組める節税法を知ることは、賢いお金の守り方にもつながります。

この記事では、サラリーマンが実践できる所得税を安くする方法と節税対策を8つ厳選して紹介します。
ムダな税金を抑えて、手取り収入を最大化するためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

iDeCoを始めて老後の備えをしながら節税しよう

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のことです。

働きながらご自身で老後の資金を準備しておく制度であり、厚生年金や国民年金などの公的年金だけでは不足する老後の生活資金を補うために利用されています。

働いている間は掛金を拠出し、その掛金を預金として預けておくか投資信託の購入などで運用するかを選択します。

2017年1月から制度の見直しにより、原則として20歳から60歳までの人であればどなたでも加できるようになりました。

そのため、テレビや新聞、雑誌、インターネットサイトなどで取りあげられることが増え、その知名度があがっています。

しかし、まだiDeCoのことをよく知らない方も多いと思いますので、改めてその魅力を解説します。

iDeCoには、税制上3つのメリットがあります。

時間の流れに沿って、「所得控除」「運用益の非課税」「受取時の控除」についてそれぞれ見ていきましょう。

所得控除

iDeCoに加入すると、年ごとあるいは月ごとに掛金を拠出することとなります。

その掛金は、全額が小規模企業共済等掛金として所得控除の対象になります。

生命保険料控除とは違い所得控除の額に上限はないため、税額を軽減する効果はとても大きなものになります。

例えば、iDeCoの掛金を年間で24万円拠出した場合の所得控除は年間24万円になります。

これに対して、個人年金保険に加入し年間24万円の保険料を負担した場合の所得控除は年間4万円にすぎません。

同じ負担をしていても所得控除の金額には大きな違いがあり、所得税と住民税を合わせると税額の違いは年間数万円、人によっては10万円前後の差になるケースもあります。

この差はiDeCoの掛金を拠出する60歳まで毎年生じるため、トータルでは100万円以上の違いとなることも考えられるのです。

また、老後資金のために預金を振り分けたり、ご自身で投資信託を購入したりしているだけの人は、そもそも所得控除を受けていません。

これまでの運用方法を見直してiDeCoを利用するだけで税額を軽減することができるのです。

投資信託などを購入しても安定した運用益を獲得するのが難しい状況にある中、所得控除を受ければ、毎年確実に利益を獲得できるのです。

運用益の非課税

通常、株式投資を行って売却益を得たり配当を受けたりすると、その利益の額に対して所得税や住民税が課されます。

住民税と住民税を合わせた税率は約20%であり、その負担は決して小さなものではありません。

iDeCoを利用して定期預金に預けたり、投資信託などを購入したりしても、その運用益が発生しますが、この運用益については課税対象にならないと定められています。

税金が発生しないメリットも大きいのですが、獲得した利益から税金が引かれないため再投資に回すことのできる金額が増え、さらに次の利益を生み出してくれる再投資の効果も大きくなると期待できます。

受取時の控除

iDeCoの掛金拠出は60歳までであり、60歳を過ぎると拠出して運用したお金を受け取ることとなります。

受取方法は大きく分けて2つの方法があり、一時金として全額を一度に受け取る方法と、年金として何年かに分けて受け取る方法から選択することができます。

いずれの方法を選択しても、受取時には課税対象となるのですが、できるだけ税金が発生しないような税制上の取り扱いがされます。

一時金を選択した場合

一時金を選択した場合、受け取った金額は退職金と同じ退職所得として取り扱われます。

退職所得については、受け取った金額のすべてが課税対象になるのではなく、退職所得控除額を計算し、控除後の金額に対して税額計算を行います。

iDeCoの退職所得控除額は加入年数に応じて計算することとされています。

退職所得控除額の額

加入年数(A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A
(80万円に満たない場合は80万円)
20年超 800万円+70万円×(A-20年)

例えば加入年数が20年の場合は800万円が控除されます。

一時金として受け取った金額の全額が控除されて、税金が発生しないケースも少なくありません。

年金を選択した場合

年金として受け取った場合、公的年金等控除額が適用されます。

公的年金等控除額

収入金額(A) 控除額
65歳未満 130万円未満 70万円
130万円以上410万円未満 A×25%+375,000円
410万円以上770万円未満 A×15%+785,000円
770万円以上 A×5%+1,555,000円
65歳以上 330万円未満 120万円
330万円以上410万円未満 A×25%+375,000円
410万円以上770万円未満 A×15%+785,000円
770万円以上 A×5%+1,555,000円

iDeCoの受取金額から、公的年金等控除額を控除した後の金額が課税対象となります。

受取金額によっては、課税対象となる金額が発生しない場合もあります。

iDeCoを始めると、税金面での大きなメリットを受けることができます。

また、所得控除を受けるために確定申告をする必要はなく、年末調整ですべてを処理できるのも大きな魅力です。

老後の生活資金に対する不安を少しでも減らし、かつ税金の負担も減らすことができるiDeCoをまだ始めていない人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

まだまだお得なふるさと納税を利用しよう

ふるさと納税の制度は2008年に創設されました。

現在住んでいる自治体に本来納めるはずの住民税を、現在住んでいる自治体以外に寄附することで、寄附先の地域創生に参画することができる制度として始まっています。

当初は寄附を受けた自治体からの返礼品はなく、生まれ育った町やお世話になった地域への、純粋な寄附という位置づけでした。

しかし、その後寄附を受けた自治体からの返礼品がクローズアップされ、返礼品による自治体間の競争も生まれるような状況になりました。

当初は、ふるさと納税を行った人は確定申告をしなければ適正な処理がされなかったため、特に確定申告の必要ないサラリーマンには不人気でした。

しかし2015年4月から、あらかじめ申請を行い、1年間にふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内であれば確定申告が不要になるワンストップ特例制度が始まり、要件を満たせば確定申告の必要はなくなりました。

これに伴い、サラリーマンの方にも広く利用されています。

ふるさと納税の最大のメリットは、ワンストップ特例制度を利用するか確定申告を適正に行えば、2,000円の自己負担だけで多くの返礼品を手に入れることができる点です。

うまく利用すれば、2,000円の負担だけで全国各地のお米やお肉、海産物などをもらうことができます。

この点が、ふるさと納税が節税になるといわれる理由でもあります。

気を付けなければならないのは、自己負担2,000円で済む寄附金額は、その人の所得によって異なる点です。

たとえ同じ年収の人でも家族構成によって上限額は変わりますし、住宅ローン控除を受けている場合にも注意が必要です。

また、自己負担が2,000円となる上限額の計算式は複雑なため、いくらまで寄附できるのかが分かりにくいのも注意点です。

上限額の計算式は、「(住民税の所得割額×20%)÷(90%-所得税率×1.021)+2,000円」で計算できます。

しかし、住民税の所得割額は簡単に計算できるものではないため、この計算式で上限額を求めるのは現実的ではありません。

サラリーマンの方には、上限額の目安となる金額の一覧を参考にしていただくのがいいかと思います。

寄附金上限額目安一覧表

独身 共働き夫婦
給与収入 子供なしまたは中学生以下の子供のみ 高校生の子供1人 大学生と高校生の子供2人
300万円 31,000円 31,000円 23,000円 10,000円
400万円 46,000円 46,000円 38,000円 25,000円
500万円 67,000円 67,000円 59,000円 42,000円
600万円 84,000円 84,000円 76,000円 65,000円
700万円 118,000円 118,000円 108,000円 83,000円
800万円 148,000円 148,000円 131,000円 118,000円
900万円 164,000円 164,000円 154,000円 141,000円
1,000万円 188,000円 188,000円 179,000円 166,000円
1,500万円 394,000円 394,000円 382,000円 366,000円

専業主婦(主夫)のいる夫婦
給与収入 子供なしまたは中学生以下の子供のみ 高校生の子供1人 大学生と高校生の子供2人
300万円 23,000円 15,000円 4,000円
400万円 38,000円 30,000円 17,000円
500万円 59,000円 46,000円 33,000円
600万円 76,000円 68,000円 53,000円
700万円 108,000円 86,000円 75,000円
800万円 131,000円 122,000円 109,000円
900万円 154,000円 145,000円 132,000円
1,000万円 179,000円 170,000円 157,000円
1,500万円 382,000円 371,000円 355,000円

この表にある金額はあくまで目安であるため、実際にはこの上限額より少なめに寄附することが損をしないための秘訣です。

もし上限額を超えて寄附してしまうと、自己負担が2,000円に収まらなくなってしまい、お金を払って返礼品を購入したのと変わらなくなってしまうため気を付けましょう。

なお、2019年6月から、ふるさと納税の制度が一部見直されます。

これまでは返礼品として自治体から送られるものについて、地元の特産品に限らず、商品券や換金性の高い電化製品なども特に規制されていませんでした。

また、寄附した金額に対して非常に高価な返礼品が送られるケースもありました。

このような状態を是正し、返礼品は地元の特産品とすること、そして返礼品の金額は寄附額の30%以内に抑えることとされました。

そして、この基準を満たさない自治体については、ふるさと納税の制度から除外し、寄附をしても税金計算上考慮されないこととされます。

ただし、このような規制がされても、ふるさと納税を行えば自己負担2,000円で全国の特産品が手に入ることには変わりありません。

今後はふるさと納税の対象となる自治体の情報に気を付けながら、ふるさと納税を利用する必要がありそうです。

サラリーマンでも確定申告すれば医療費控除を受けられる

医療費控除は、1年間に支払った病院での治療費や調剤薬局での薬代などの医療費が一定の金額を超えた場合に、確定申告をすることで所得控除を受けて税金が軽減される制度です。

医療費控除の適用を受けるための医療費に含まれるものには、病院での治療費や調剤薬局での薬代のほか、ドラッグストアなどで購入した市販薬の代金、病院へ通う際の交通費、介護保険制度を利用している人が介護施設や居宅サービスを利用した際に支払った費用などが認められます。

また、歯の矯正やインプラントを行った場合には、美容目的で行ったものでなければ医療費として認められます。

レーシック手術の費用も含まれます。

また、入院した場合などは、多額の医療費がかかる一方で保険会社から保険金が給付される場合があります。

この場合は、入院費用から保険金としてもらった金額を引いた残りの金額が医療費控除の対象金額となります。

一方、健康診断や人間ドックの費用、予防接種の費用、病院に通う際のガソリン代や駐車場代は認められません。

一般的にはコンタクトレンズ代やサプリメントの購入費用も認められません。

ただし、健康診断や人間ドックで何らかの異常が見つかり、そのまま治療に入った場合には、健康診断や人間ドックの費用も医療費控除の対象となるため、その状況を把握できるようにしておきましょう。

支払った医療費の額が1年間合計で10万円を超えれば医療費控除の適用を受けることができます。

医療費の額を集計する際は、生計を同じくする家族の分も含めることができるので、忘れないようにしましょう。

また、医療費の額が10万円を超えなくても、総所得金額が200万円未満の場合には総所得金額×5%を超えれば適用できます。

サラリーマンで給与収入が310万円の場合、総所得金額が199万円となるため、年収310万円以下の人は医療費の額が10万円を超えなくても医療費控除の適用があるかもしれないと覚えておいてください。

また、平成29年分の確定申告から医療費控除の特例制度として、セルフメディケーション税制が始まっています。

セルフメディケーション税制とは、スイッチOTC医薬品と呼ばれる医薬品を1年間で12,000円を超えて購入した場合に、その超えた金額について所得控除を受けられる制度です。

医療費控除より適用のためのハードルが低く、医療費控除が適用できない場合にも適用できる可能性があります。

なお、スイッチOTC医薬品とは、従来医師の処方箋が必要だった医療用医薬品から、ドラッグストアなどでも購入できるように転用されたものです。

セルフメディケーション税制の適用であると分かるように、共通識別マークがパッケージに印刷されています。

また、レシートにも対象商品とその金額が分かるようにマークが印字されます。

セルフメディケーション税制を適用するためには、普段から健康診断や予防接種などを受けて自ら健康のための取り組みを行っている必要があります。

サラリーマンの場合、会社で健康診断や人間ドックを受けているはずであり、そういった取り組みでも要件を満たすため、セルフメディケーション税制を適用するために特別な取り組みをする必要はありません。

医療費控除、セルフメディケーション税制のいずれを適用する場合にも、確定申告が必要です。

確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付したうえで、医療費の領収書を5年間保管しておかなければなりません。

また、医療費控除とセルフメディケーション税制を同時に受けることはできません。

医療費控除の上限は200万円(支出額210万円)であるのに対し、セルフメディケーション税制の上限は88,000円であるため、どちらも適用できるのであれば医療費控除の方が有利になります。

適用のための要件については、前もって確認しておきましょう。

サラリーマンでも必要経費が認められる特定支出控除とは

特定支出控除とは、サラリーマンでも必要経費に相当する支出を所得金額から控除して、節税できる制度です。

通常、サラリーマンは給料を勤務先から受け取っており、必要経費は認められないと考えるのですが、経費とすることが認められる支出の範囲や金額の条件を満たせば控除が認められます。

まず、特定支出控除の対象となる支出については以下のように定められています。

業務に関する図書の購入費用

職務に関連する本、雑誌、新聞などの購入費用です。

業務に関する衣類の購入費用

制服や事務服、作業着などを購入した際の費用です。

また、スーツを着用する人はスーツも特定支出に該当します。

アパレル関係の会社や店舗に勤めている人が、仕事中に自社ブラントの服を着用するために購入する場合でも、特定支出に含まれます。

業務に関する交際費

取引先や仕入先などと会食やゴルフをする場合に支払う接待費や御中元、御歳暮などの支払いも特定支出に含まれます。

多くの場合は会社の経費となりますが、どうしても自腹を切らなければならないような場合に該当します。

単身赴任者の帰宅にかかる費用

単身赴任している人が、家族の住む家に帰る際の帰宅費用は、特定支出に該当します。

こちらも、多くの会社では帰宅費用として規定回数の交通費が支給されるため、その額を上回る場合にのみ適用されます。

研修費用

業務上必要な技術や知識を得るために研修に参加した場合の費用は、特定支出に該当します。

会社が負担するケースも多いため、ご自身で負担している場合は少ないかもしれません。

資格取得のための費用

業務に必要な資格を取得するために支払った費用も、特定支出に含まれます。

この場合の資格には、自動車免許、簿記検定、英語検定、弁護士・医師・公認会計士などがあります。

通勤費用

通勤に使う交通機関の料金をご自身で支払っていたり、会社から支給された通勤費を超えて交通機関の費用を支払っていたりする場合には、特定支出にすることができます。

通常は会社から通勤費が支給されるため、ご自身で負担した金額のみが対象となります。

パート、アルバイトや派遣社員などで通勤費の支給がない場合、遠方からの通勤で会社から支給される通勤費を超える交通費を支払っている場合に限られます。

引っ越し費用

転勤の際に引っ越し費用をご自身で負担した場合には、特定支出に該当します。

ただ、多くの場合は会社が引っ越し費用を支給するため、ご自身で負担する場合は少ないでしょう。

1年間に支払った特定支出に該当する支出の額を集計し、その合計額が給与所得控除の額の1/2を上回る場合に特定支出控除が適用できます。

給与所得控除の額

給与収入の額 給与所得控除額
65万円未満 65万円
65万円以上180万円以下 収入金額×40%
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1,000 万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超1,500万円以下 収入金額×5%+170万円
1,500万円超 245万円

例えば、年収500万円のサラリーマンの場合、給与所得控除額は500万円×20%+54万円=154万円となるため、特定支出の額が154万円×1/2=77万円を超えれば、その超えた部分の金額が特定支出控除額となります。

例えば特定支出の額が100万円あったとすると、100万円-77万円=23万円が特定支出控除の額となるのです。

特定支出控除の適用を受けるためには、確定申告をしなければなりません。

確定申告書には特定支出の領収書を添付する必要があるほか、勤務先から業務上直接必要なものであるとする証明書をもらわなければなりません。

会社に証明書をもらうのは抵抗があると感じる人もいるかもしれませんが、税額が少なくなるのであればわずかな手間を惜しむことなく申告すべきでしょう。

特定支出の範囲については、それほど難しくはないのですが、会社が負担した金額まで含めないように気をつけましょう。

生命保険料控除や地震保険料控除を見直してみよう

多くの方が生命保険に加入して保険料を支払っていると思います。

この保険料が所得控除の対象になることは、サラリーマンの方も年末調整でよくご存知のことと思いますが、改めて保険料控除のしくみを確認しておきましょう。

生命保険料控除

1年間に支払った生命保険料の額に応じて、一定の額が所得から控除されます。

生命保険料控除にはその保険の種類によって3種類に分類されています。

一般生命保険料控除

人の生死に関わる保険である生命保険や養老保険のほか学資保険などが該当します。

また、変額個人年金保険や「(ハ)個人年金保険料控除」に該当しない個人年金保険も含まれます。

介護医療保険料控除

通院・入院した場合の医療費の支払いに対して保険金が支払われる医療保険、がん保険、介護保険などが該当します。

2012年1月以降に契約したものに限られます。

個人年金保険料控除

年金を受け取ることのできる保険です。

ただし要件があり、保険料の支払期間が10年以上あること、年金の受け取りが60歳以降に10年以上の定期または終身であることを満たさなければなりません。

なお、年金の受け取りにかかる保険であっても、要件をみたさないものは「(イ)一般生命保険料控除」となります。

分類ごとに1年間の保険料を集計したら、以下の計算式にあてはめて控除額を計算します。

年間の払込保険料 控除額
20,000円以下 払込保険料の全額
20,000円超40,000円以下 払込保険料×1/ 2+10,000円
40,000円超80,000円以下 払込保険料×1/4+20,000円
80,000円超 40,000円

それぞれの控除額の上限は4万円であるため、生命保険料控除全体では12万円まで控除できます。

なお、2011年12月以前に契約した生命保険契約については、一般生命保険料控除と個人年金生命保険料控除の2つに分類されています。

それぞれの控除額は最大で、払込保険料10万円超の場合5万円となっており、合計で10万円まで控除できます。

生命保険契約が古いままの人は、保険契約の見直しを行うと保険料の節約になるばかりでなく税金が安くなる可能性もあるので、一度見直してみる価値はありそうです。

地震保険料控除

地震保険料として支払った金額を所得から控除する制度です。

地震保険料控除として控除できる金額には上限があります。

支払保険料 控除額
50,000円以下 支払保険料に同じ
50,000円超 50,000円

地震保険料控除は、一戸建てやマンションなどの持ち家を保有している人だけに発生するものではありません。

賃貸住宅やアパートに住んでいる場合にも、賃貸契約の際に火災保険に加入し、地震保険料に相当する金額を支払っている場合が多いのです。

もし年末調整の際に地震保険料控除の申告をしていない場合には、保険会社から証明書が送られてきていないか確認するようにしましょう。

住宅ローン控除を利用して大幅に税額を減らしましょう

住宅ローン控除の存在は多くの方がご存知だと思います。

マイホームを手に入れる際に多くの方が利用する住宅ローンで税額が軽減される制度です。

サラリーマンの場合、住宅ローン控除を適用するためには、住宅ローンを組んだ年の所得について確定申告を行い、翌年以降は年末調整だけで税額計算をすることができます。

住宅ローン控除の適用を受けるためにはいくつかの要件があります。

  • ① マイホームを取得した日から6か月以内に居住すること
  • ②適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • ③取得した住宅の床面積が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上の部分が居住用であること
  • ④住宅ローンの返済期間が10年以上あること
  • ⑤中古住宅を取得した場合には、建築年数が20年以内であること(マンションのような耐火建築物の場合には25年以内)または一定の耐震基準を満たすこと

通常、マイホームを購入する際に難しい要件ではありません。

ただし、中古住宅を購入してリノベーションをようと考えている場合には、築年数や耐震基準について事前に確認しておく必要があります。

この先住宅ローン控除の適用を受ける場合の期間及び控除率、限度額は次のようになります。

一般住宅ローン控除

居住開始年 控除期間(最長) 控除率 限度額
2014年1月1日~2021年12月31日
(消費税率8%の場合)
10年 0.01 400,000円
2019年10月1日~2020年12月31日 13年 1%、11~13年目は建物価格の2%分を上限 400,000円(1~10年目)

認定住宅ローン控除

居住開始年 控除期間(最長) 控除率 限度額
2014年1月1日~2021年12月31日
(消費税率8%の場合)
10年 0.01 500,000円
2019年10月1日~2020年12月31日 13年 1%、11~13年目は建物価格の2%分を上限 500,000円(1~10年目)

2019年10月1日以降に消費税率が10%に引き上げられる予定となっていますが、8%で取得した人に比べて不利にならないよう、住宅ローン控除の適用期間が延長され、アップした消費税率2%分に相当する金額を11年目から13年目の住宅ローン控除で減税する仕組みになっています。

駆け込みで消費税率8%の間に購入しなくても、長い目で見れば損をしないような仕組みになっているのです。

同居していなくても親や祖父母を扶養に入れることができる

一般的に、扶養控除の対象となる家族は同居している子供や親が対象になると思われると思います。

しかし、実は扶養控除の対象になる人は同居している必要はないのです。

もっともイメージしやすいのは、大学生になって下宿を始めた子供だと思います。

子供の生活費や家賃を仕送りしている場合には、その親は子供を扶養していることになります。

この場合、同居していなくても子供は扶養家族に含まれます。

同様に、親や祖父母に対して仕送りをしたり生活費の面倒をみたりしている人であれば、同居していなくてもその親や祖父母を扶養家族に含めることができます。

また、ご自身の親だけでなく配偶者の親や祖父母であっても扶養家族になります。

気を付けなければならないのは、仕送りをしていると分かるようにしておく必要があることです。

例えば、直接会って現金を渡した場合には、本当にお金を渡したのかどうかが分かりません。

そのため、面倒でも銀行振込にして通帳にそのお金を渡した日付と金額が分かるようにしておく必要があります。

またお金を渡していても、もらった人がそのお金を生活費以外の目的に使っている場合は扶養していることにはなりません。

例えば、もらったお金で株式投資を行ったり、海外旅行に出かけたりした場合には、扶養家族に含めることはできないと考えられるため注意しましょう。

扶養家族に含めることができる場合には、年末調整の際に提出する扶養控除等申告書に、扶養家族の名前や住所など必要項目を記載して提出してください。

また、年の途中から扶養家族に含めたい場合には、その時に会社に申し出ることで以後の源泉所得税の計算が変わり、源泉徴収される税額が少なくなるため、給与計算の担当者に確認してみましょう。

株式取引で損をした場合には確定申告しよう

サラリーマンの方にも株式投資を行っている方は多いと思います。

株式投資なので、利益が出るときもあれば損をすることもあります。

しかし、大多数の方は証券会社で取引口座を作る際に、「特定口座・源泉徴収あり」にしているため確定申告は必要ないと思っているのではないかと思います。

1年間の株式売却益に対して所得税と住民税を合わせて約20%の税率で税額が発生しますが、「特定口座・源泉徴収あり」の口座で取引をしていれば、1年間の売却益の計算から税金の納付まで証券会社で行われるため確定申告の必要はありません。

しかし、確定申告の必要がないのと確定申告をした方が得になる場合とは違います。

「特定口座・源泉徴収あり」で株式投資を行っている人でも、以下のような場合には確定申告を行って損をしないようにしましょう。

① 複数の証券会社に特定口座を開設し取引している場合

複数の証券会社に特定口座を開設し、株式取引を行っている人もいると思います。

特定口座ごとに年間の株式売却損益を計算し、税額の算定も行っているのですが、証券会社を超えて損益を計算するわけではありません。

そのため、複数の証券会社に特定口座を保有している場合には注意が必要です。

例えばA証券会社の特定口座で100万円の利益が発生し、B証券会社の特定口座で200万円の損失が発生している場合、次のような状態になっています。

証券会社 損益 源泉徴収税額
A証券会社 100万円 20万円
B証券会社 △200万円 0円
合計 △100万円 20万円

この場合、2つの証券会社の年間取引を合計すると年間の損益は100万円の損失となっています。

しかし、確定申告をせずにそのままにしていると、2社の損益を通算することはできず、A証券会社で源泉徴収された20万円を払ったままとなってしまいます。

そこで、確定申告をして2社の損益を通算すると、この年に株式の売買で発生した損益は100万円の損失となるため、A社で源泉徴収されていた20万円が還付されるのです。

複数の特定口座で株式投資を行っている場合、株式の売買で発生した譲渡損がある場合には確定申告をしないと思わぬ損をすることとなってしまいます。

② 譲渡損が発生した場合

株式投資で売却した際に損失が発生した場合には、①のように複数の特定口座がある場合だけでなく、1つの特定口座しかない場合でも確定申告をすべきです。

それは、確定申告を行えば発生した譲渡損を翌年以降3年間に発生する利益の額と相殺することができるからです。

例えば株式取引で次のような損益が発生したとします。

年度 損益 源泉徴収税額
2019年 △200万円 0円
2020年 100万円 20万円
2021年 △50万円 0万円
2022年 150万円 30万円
合計 0円 50万円

このようなケースで、年度ごとに確定申告を行わなかったとした場合、4年間合計で50万円の税金を納めることとなってしまいます。

これに対して、2019年に発生した損失を確定申告して翌年以降に繰り越したうえで、2020年に発生した100万円の利益についても確定申告した場合、2019年から繰り越された損失と2020年に発生した利益を相殺することができます。

そのうえで、差額の損失100万円についてはさらに翌年以降に繰り越すことができるのです。

その後、2021年に発生した50万円の損失について確定申告を行えば、この50万円についても翌年以降3年間繰り越すことができます。

そして、2022年に発生した150万円の利益を、2019年から繰り越されてきた100万円の損失及び2021年から繰り越されてきた50万円の損失と相殺して、利益が発生しなかったものとできます。

毎年確定申告を行うと、損益の計算と還付税額は次のようになります。

年度 損益 相殺後の利益 繰越損失 還付税額
2019年 △200万円 △200万円
2020年 100万円 0円 △100万円 20万円
2021年 △50万円 △150万円
2022年 150万円 0円 0円 30万円
合計 0円 0円 50万円

結果的に、この期間内に発生した株式の譲渡損益は0円となり、特定口座内で源泉徴収されていた税額は全額が還付されます。

株式売却益が発生していない場合でも、配当金などの利益と相殺可能です。

譲渡損が発生した場合には、必ず確定申告を行い、翌年以降に発生する税額の還付を受けるようにしましょう。

まとめ

サラリーマンは、節税とは無縁だと考えている方が多いと思います。

しかし、サラリーマンも様々な方法で節税を行い、あるいは払い過ぎとなっている税金を還付してもらうことができるのです。

医療費控除や住宅ローン控除など、多くの方がすでに実践しているものもありますが、特定支出控除やセルフメディケーション税制などあまりなじみのない制度でも、適用できれば節税効果の高いものや適用を受けやすいものがあります。

また、確定申告をすることもなく、扶養家族を見直すだけで税金が安くなるケースもあります。

知っているか知らずに過ごしているかの違いだけで、大幅な税額の違いが生じるのです。

ただし、税金を下げるために余分に生命保険に加入したり、お金に余裕がないのにiDeCoを始めたりするのは、かえってお金を無駄にしてしまう結果となります。

理想は何も余分な支出をすることなくできる節税ですが、現実的には将来に備えてあるいは必要不可欠な支出をするうえでの節税です。

余計な支出を増やして節税することのないよう、冷静に考えることも必要です。

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