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最終更新日:2025/6/18

倒産防止共済の節税効果3つ!節税金額や加入方法、注意点も紹介

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

この記事でわかること

  • 倒産防止共済とはどのような制度かそのルールや要件などがわかる
  • 倒産防止共済が持つ節税効果について知ることができる
  • 倒産防止共済の加入手続きの流れや注意点を知ることができる

経営者が加入できる倒産防止共済という制度について、ご存知でしょうか。

中小企業や個人事業主の経営安定や、連鎖倒産の防止を目的としたセーフティネットとして利用されています。

また、倒産防止共済に加入し掛金を支払うことで節税ができるため、節税目的で利用されることもあります。

倒産防止共済とはどのような制度なのか、どのように節税ができるのか、解説します。

倒産防止共済とは

倒産防止共済とは、経営セーフティ共済と呼ばれることもある、経営者のための制度です。

制度の目的は、加入している事業者が資金繰りで経営危機にならないようにすることです。

そのため、一定の要件を満たした場合には、かなり有利な条件でお金を借りることができます。

では、倒産防止共済とはどのような制度なのか、その詳細を確認しておきましょう。

加入できる事業者

倒産防止共済に加入できるのは、1年以上事業を継続している法人または個人事業主です。

ただ、中小事業者を対象とした制度となっており、大規模な事業者は加入できません。

業種ごとに定められた資本金額または従業員数のいずれかが基準以下でなければ、加入できないこととされています。

掛金の金額

倒産防止共済の掛金は、毎月27日に支払うこととされています。

掛金の額は毎月5,000円~20万円まで、5,000円単位で自由に設定することができます。

また、掛金の総額は最大800万円までとされており、800万円を超えると支払いは自動的に停止します。

掛金の変更や掛止め

毎月の掛金の額は、1ヶ月単位で変更することができます

資金繰りが苦しい月だけ最低の掛金である5,000円とし、翌月から元の金額に戻すこともできます。

掛金を変更する場合は、その月の5日までに掛金月額変更申込書を提出しなければなりません。

この期限を過ぎてしまうと、掛金の変更は翌月分からとなるため、注意しましょう。

掛金を減額する時には、経営の著しい悪化や急な支出といった条件が設けられています。

ただ、実際にそのような状況にあるか審査が行われるわけではなく、実際は自由に変更することができます。

5,000円の掛金の支払いも難しくなった場合は、掛金の支払いを中止する掛止めという状態にすることができます。

また、掛金の総額が掛金月額の40倍に達している場合、掛止めを行うことができます。

掛止めを行うと、支払いができる状態になるまで待ってもらうことができます。

借り入れできる条件

倒産防止共済の加入者は、一定の要件を満たすと、資金の借り入れができます。

借り入れできるのは、①取引先が倒産した場合、②急に資金が必要になった場合のいずれかです。

それぞれの場合について、詳しく見ていきましょう。

①取引先が倒産した場合

取引先が倒産した場合、無担保、保証人なしで借り入れを受けることができます。

借入の上限は、倒産による被害額と掛金の総額の10倍のいずれか少ない方の金額となります。

倒産とは、法的整理を行った場合や私的整理に入った場合、手形取引所の取引停止処分を受けた場合などが該当します。

夜逃げをして行方不明になった場合は、倒産には該当しないことに注意しましょう。

②急に資金が必要になった場合

自社の都合で急に資金が必要になった場合も、一時貸付金として無担保、保証人なしで借り入れを受けることができます。

借入の上限は、掛金を納付した月数によりその計算が異なりますが、解約手当金の最大95%となります。

ただ、納付月数が12ヶ月ヶ月に満たない場合は、一時貸付金を利用することはできません。

解約手当金

倒産防止共済の加入者は、自己都合による解約であっても、解約時に解約手当金を受け取ることができます

解約手当金は、これまでに納めた掛金の総額から計算されます。

計算方法は解約した理由により異なるため、あらかじめ確認が必要です。

解約理由については、以下の3つが設定されています。

  • 任意解約:契約者が自己都合で解約した場合
  • みなし解約:法人の解散、個人事業主の死亡などにより解約とみなされる場合
  • 機構解約:掛金の滞納や不正行為による貸し付けなどの理由で、機構が解約する場合
掛金納付月数 任意解約 みなし解約 機構解約
12~23ヶ月 80% 85% 75%
24~29ヶ月 85% 90% 80%
30~35ヶ月 90% 95% 85%
36~39ヶ月 95% 100% 90%
40ヶ月以上 100% 100% 95%

なお、納付月数が12ヶ月に満たない場合は、解約の理由にかかわらず解約手当金を受けることはできません。

倒産防止共済の節税効果3つ

節税のために、倒産防止共済に加入することもできます。

具体的にどのような方法で節税できるのか、解説します。

掛金納付による節税

倒産防止共済に加入して掛金を支払うと、その掛金は損金あるいは必要経費になります

掛金の上限は月額20万円、1年では240万円となり、税負担を軽減することができます。

解約手当金と役員退職金など高額な支出の相殺による節税

解約手当金を受け取ると、その額は法人・個人ともに課税対象となります。

そのため、掛金を支払うことで節税できても、解約手当金によって税負担が増えることがあります。

ただ、解約手当金を受け取る時に、役員退職金など別の損金が発生すれば、収入と支出が相殺され、結果的に課税対象となる額を減らすことができます

一括払いによる節税

通常、倒産防止共済の掛金は毎月支払いを行いますが、1年分の掛金を前払いする前納という制度があります。

大きな所得が発生し、税額が大きくなることが予測される場合、1年分の掛金を前納することで、節税することができます

倒産防止共済を使った節税シミュレーション

倒産防止共済に加入した場合、どの程度の節税ができるのか、その具体例をご紹介します。

ここでは、以下のような法人が倒産防止共済に加入していない場合と、加入した場合とで比較していきます。

  • 毎年1,000万円の所得金額が発生する
  • 倒産防止共済に加入し、年間200万円の掛金を総額で上限に達するまで支払う
  • 年間800万円までの所得については実効税率23.1%、年間800万円超の所得については実効税率33.5%とする

倒産防止共済に加入していない場合

倒産防止共済に加入していない場合は、毎年1,000万円の所得金額に対して、法人税の計算を行います。

課税所得金額 法人税額
1年目 1,000万円 251.8万円
2年目 1,000万円 251.8万円
3年目 1,000万円 251.8万円
4年目 1,000万円 251.8万円
合計 1,007.2万円

この場合、4年間の合計で1,000万円を超える法人税等の負担が生じることとなります。

倒産防止共済に加入した場合

倒産防止共済に加入し掛金を支払うと、掛金は損金として所得金額から控除されます。

そのため、法人税等の金額は以下のようになります。

課税所得金額 法人税額
1年目 800万円 184.8万円
2年目 800万円 184.8万円
3年目 800万円 184.8万円
4年目 800万円 184.8万円
合計 739.2万円

倒産防止共済に加入すると、4年間の合計で約740万円の法人税等を負担することとなります。

倒産防止共済に加入していない場合と比較すると、約270万円の節税となります。

このケースでは、トータルで800万円の掛金を支払う必要があります。

ただ、将来的にその大部分または全額を返還してもらうことができます。

倒産防止共済の加入方法

倒産防止共済に加入する場合、どのような流れで手続きを進めていけばいいのでしょうか。

加入手続きを始める前に、まずは加入資格について確認しておきましょう。

前述したように、継続して1年以上事業を行っている中小企業者に加入資格があり、中小企業者に該当するかどうかの判定は業種により異なります。

自社が該当するかどうかは、倒産防止共済のホームページで確認できます。

資格があると確認できたら、金融機関や委託団体の窓口で申込用紙を入手し、必要事項を記載していきます

また、申込にあたって必要になる書類の準備も進めていきます。

法人であれば、登記簿謄本や法人税申告書、納税証明書が必要です。

また、個人事業主であれば、確定申告書や納税証明書が必要になります。

納税証明書は税務署で入手する必要があるので、先に取得しておきましょう。

書類をすべてそろえたら、金融機関や委託団体の窓口にそれらの書類を提出します。

問題がなければ、2ヶ月ほどで共済契約締結証書と呼ばれる書類が送付され、加入手続きは終了します。

倒産防止共済の注意点

倒産防止共済は、中小企業の経営上の不安を解消する制度として、また節税ができる制度として利用されています。

加入することのメリットは多くありますが、注意すべきポイントもあります。

どのような点に注意が必要なのでしょうか。

掛金には総額の上限がある

倒産防止共済には、月額の掛金についての上限の他、掛金総額についての上限があります

そのため、節税目的で利用しても、その効果は限定的です。

多額の税負担に悩んでいる事業者は、あくまで節税対策の1つとして利用するようにしましょう。

解約すると解約手当金に課税される

倒産防止共済は、いずれどこかのタイミングで解約する必要があります。

この時、解約手当金として受け取る金額は、法人や個人の課税所得に合算されます。

何も考えずに解約してしまうと、それまでの節税効果がすべてなくなってしまうこととなります。

解約手当金を受け取っても、全額が課税されないようなタイミングを見計らって解約するようにしましょう。

個人の不動産所得では節税効果がない

個人の方が倒産防止共済に加入する場合、掛金は事業所得の必要経費となります。

そのため、不動産所得でしか所得が発生していない個人の場合、倒産防止共済に加入しても節税効果はありません

加入資格の他、加入した場合に節税になるかどうかも事前に確認しておくようにしましょう。

まとめ

倒産防止共済は、中小企業や個人事業主に節税対策の手段の1つとして広く利用されています。

ただ、本来の目的である取引先の倒産や自社の資金調達の手段としても、非常に有効なものとなります。

倒産防止共済に加入すれば、その効果は非常に大きなものとなりますが、すべての加入者に節税効果があるわけではありません

また、解約時の課税をできるだけ抑える方法も考えて、加入するようにしましょう。

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