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最終更新日:2024/7/31

【高齢者の相続準備】見守りサービスとは?ひとり暮らし・おひとりさまの老後対策

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

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この記事でわかること

  • 見守りサービスの種類
  • 見守りサービスを利用するメリット
  • 見守りサービス以外の相続準備

近年、誰とも同居せず1人で暮らしている「おひとりさま」の高齢者が増えています。
高齢になると、親族やご近所さんなど日常的な人との関わりが減るため、認知症や具合が悪くなったときに気付かれない可能性があります。

このような事態を防ぐのが「見守りサービス」です。
相続準備の目的でも利用でき、おひとりさまの高齢者にはおすすめのサービスです。
この記事では、高齢者向けの見守りサービスについて詳しく解説します。

高齢者向けの見守りサービスとは

見守りサービスとは、親族と離れて暮らす高齢者を見守り、生活をサポートするサービスです。
具体的なサービス内容は事業者によって異なりますが、高齢者の生活上の安全確保や緊急時の対応などを行います。
高齢者向けの見守りサービスには、主に以下の5種類があります。

  • 訪問型見守りサービス
  • カメラ型見守りサービス
  • センサー型見守りサービス
  • オートメール・オート電話型見守りサービス
  • 宅配型見守りサービス

ここからは、それぞれのサービスを詳しく解説します。

訪問型見守りサービス

訪問型見守りサービスとは、専門のスタッフが高齢者の自宅を訪問し、対面で安否確認などを行うサービスです。
具体的には、以下のようなことを行います。

  • 高齢者からの相談を受ける
  • 食事の状況などを聞きとる
  • 訪問した日を記録に残す

また、高齢者と離れて暮らす家族がいる場合は、スタッフが記録を家族に伝え、高齢者の生活や健康状態などを把握することができます。

カメラ型見守りサービス

カメラ型見守りサービスとは、高齢者の自宅にカメラを設置し、主にセキュリティ会社が24時間、365日、高齢者の安否や健康状態を確認するサービスです。

また、見守りがされるだけでなく、高齢者からの緊急のSOSにも対応してもらえます。
その映像は家族も確認でき、リアルタイムな行動だけでなく過去の行動も確認することができます。

センサー型見守りサービス

センサー型見守りサービスとは、高齢者の自宅にセンサーを設置し、そのセンサーの感知によって高齢者の安否を確認するサービスです。

浴室やトイレなど各部屋に設置し、センサーが感知すると家族のスマートフォンやパソコンに通知がいく仕組みです。
また、センサーの電源が入ってるのに長時間感知しない場合は、高齢者が転倒などで動けない状態になっているかもしれないので様子を確認する、といったように、家族が不安を感じた際はすぐに対応することができます。

オートメール・オート電話型見守りサービス

オートメール・オート電話型見守りサービスとは、メールや電話を通じて高齢者の健康状態などを知ることができるサービスです。

毎日決まった時間になると、電話またはメールが高齢者に配信され、安否確認や健康状態の確認が行われ、高齢者はそれに対して返答します。
家族側としては、家族側から都度連絡しなくても、本人から健康状態の返答を得られるメリットがあります。
高齢者の気力や判断能力が衰えてくると返信がなされなくなる傾向があるため、家族が高齢者の認知症や病気に気付きやすくなるというメリットもあります。

宅配型見守りサービス

宅配型見守りサービスとは、配達員が食事を高齢者宅に配達した際に、健康状態や安否を確認するサービスです。
訪問型と似ていますが、食事の提供が付いており、また高齢者の健康に配慮されたメニューから選択できるメリットがあります。
デメリットとしては、「宅配食の味やメニューが気に入らない」として高齢者が拒絶する可能性が低くないことが挙げられます。

高齢者向けの見守りサービスと任意後見契約を併用するメリット

高齢者向け見守りサービスを利用することで、日々の健康状態や安否を確認してもらえ、また緊急には駆けつけてもらえるため、ひとり暮らしの高齢者も、家族も安心できます。

また、見守りサービスと任意後見制度を組み合わせることで、高齢者の認知症に備えられる、任意後見人と早期に信頼関係を構築できるといったメリットがあります。

ここからは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

高齢者の認知症に備えられる

まず1つ目は、高齢者の認知症に備えられることです。
相続準備の1つとして、認知症などで判断能力が衰える前に、本人の意思で後見人を選任する任意後見契約の方法があります。

任意後見は、高齢者の認知症が進み判断能力が低下したときに開始しますが、任意後見契約の効力を発生させるには家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てる必要があります。
しかし、ひとり暮らしの高齢者の場合、判断能力の低下に誰も気づかず、申立ての手続きが出来ないことや、遅れてしまうことがあります。
つまり、せっかく相続準備のために任意後見契約を締結したのに、その準備が意味をなさない可能性があります。

見守りサービスを利用し、日々自分の状態を確認してもらうことで、認知症などの症状に早期に気付き、適切なタイミングで任意後見契約を開始させることができます。

任意後見人と早期に信頼関係を構築できる

2つ目のメリットは、任意後見人と早い段階で信頼関係を構築できる点です。
通常、任意後見契約を締結してから、実際に任意後見が開始するまで後見人と何年も顔を合わせず空白期間ができることがあります。
そうなると、「任意後見人がどのような人なのか」「自分が認知症になったときに代理人としてきちんと対応してくれるのか」と不安に感じることもあるでしょう。

任意後見契約に加えて、任意後見人による見守りサービスを利用することで、任意後見開始前から任意後見人と定期的にコミュニケーションをとることができ、関係を密にしておくことができます。
また、判断能力がしっかりしているうちに、「本当に信頼できる人か」を見極めることもできるでしょう。

見守りサービス以外の高齢者の相続準備・対策

見守りサービス以外にも、高齢者ができる相続準備として、財産管理契約の締結遺言書の作成が挙げられます。

財産管理契約を締結する

1つ目が財産管理契約です。
財産管理契約は、信頼できる人に預金引き出しや預け入れ、家賃や治療費の支払い、買い物など財産に関連することを行ってもらう契約です。

先述したとおり、任意後見契約は効力が発生するまでに空白期間があるのに対して、財産管理契約は契約締結時点から効力が発生するという特徴があります。
任意後見契約と財産管理契約を同時に締結しておくことで、高齢者が認知症になった後も切れ目なく財産管理を任せることができます。

遺言書を作成する

2つ目は、遺言書を作成しておくことです。
ひとり暮らしの高齢者で、親族が1人もいない場合や、特定の人に遺産を渡したいという場合は、遺言書で財産を渡す人や相続分を指定することができます。
遺言書は自分で作成することもできますが、形式上の不備などがあると無効になってしまうリスクがあるため、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

まとめ

高齢者向け見守りサービスを利用することで、自身の健康状態などを第三者に確認してもらうことができ、また緊急時のSOSに気付いてもらいやすくなります
「適切な時期に任意後見契約が開始されるようにしたい」「任意後見人が信頼できる人かを見極めたい」という方は、見守りサービスと任意後見契約を組み合わせて活用することをおすすめします。

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